2020年03月01日

天カセロスナイの中身

全熱交換ユニット

……国土交通省による一般名詞では、そう呼ばれる。


けれども、ちょっと古い人にはたいていこう呼ばれる。

『ロスナイ』



三菱電機による全熱交換ユニットは商品名を『ロスナイ』という。



熱交換することによって、エネルギーの『ロス』が『無い』から
『ロスナイ』なのである。

(全然『無い』わけじゃなくて、『減らせる』だけなのだが)



他、いろいろなメーカーで、
『ロスノン』とか『ロスフリー』とか
いろんな商品名を作り出したが、
先行メーカーの商品名が一般名詞化するという
通常の現象が起きたまででのことだ。



そして、商品名を一般名詞として使えない役所が
新たな一般名詞を創造したという、やはり通常の現象により
公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編) には
『全熱交換ユニット』として記載されるようになっている。



壁掛形、床置形、天吊形、天埋形など
いろんな形式が存在する。



とある現場についていたのは、
天井カセット形。


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の、天井パネルを取り付ける前の状態。



今どきは、樹脂部材が多くなって
金属部分がかなり少ない。


だから、かなり軽い。



まあ、天井吊りになっているモノは
軽いに越したことはない。



パネルがついちゃうと、
こんな中身は見えなくなる。



普段見えないけれど、
こっそりとはたらく。


それが、「せつび」なのだ。



そういうのを設計する人がいて、
そういうのを施工する人がいて、
そうやって、建物が機能しているのである。
(「天カセロスナイの中身」おわり)
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2020年02月29日

KVKのシャワー水栓

TOTO とか LIXIL (昔のINAX)とか
衛生器具や水栓のメーカーとして聞いたことのある人は
多かろう。


でも、水栓メーカーは他にもあるのだ。



とある、シャワールーム。


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何の気なしに使っていると気づかないかもしれないけれど
よおく見ると、TOTOでもLIXILでもない。


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シャワー金具本体に、「KVK」って刻印されているのが
見えるだろうか?



使用方法の説明シールでは
もっとハッキリ読み取れる。


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株式会社KVK というメーカーの製品だ。



大手(TOTOなど)よりも、価格設定を少し安くしていたり
大手では出さない変わり種を出していたりして、
決して「安かろう・悪かろう」というものではない。



他にも、 ミヤコ株式会社 とか
株式会社カクダイ とか、
結構個性的な製品を出しているように見える。

ホームセンターの水回りコーナーなどを覗くと、
これらの製品が扱われているはずだ。



カクダイは、裏情報カタログ とか、
いろんな情報を動画で説明した 六文芝居 とか、
ショートコント集 とか、
売れたら生産中止する おもしろ水栓 とか、
大阪本社の企業らしさ満点である。


大手では出せない「味わい」があって
これはこれで、ええんちゃう?
(「KVKのシャワー水栓」おわり)
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2020年02月28日

配線札がなくっちゃ

電線やケーブルって、
ごちゃごちゃたくさんあるように見える。


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どのケーブルが、どこに電力や信号を送っているのか……?


見ただけでわかるもんじゃない。



だから、それをちゃんと表示しておくのだ。


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配線札に、用途とか系統とか書いておけば
後から誰が見てもわかるってもんだ。


くれぐれも、ウソを書かないで下さいなっと。


謎解きごっこになっちゃいますから!
(「配線札がなくっちゃ」おわり)
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2020年02月27日

旧三菱鉱業寮

昨日ご紹介した旧永山武四郎邸とつながって、
『旧三菱鉱業寮』がある。


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保存復元工事を経て、
たいそう綺麗になっている。


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旧永山武四郎邸との接続部分付近。


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かつて、煙突を通していた孔が見える。



玄関。


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いきなり、バリアフリーではない。

時代的に、そんな発想は無かった。



文化庁登録の、有形文化財である。


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耐震補強を兼ねて、保存修理工事が行われて
現在のようにきれいになったという。


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内部の暖房は、
FF式温風暖房機で行われている。


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給排気トップは、高く高くカーテンボックスの上まで
立ち上げられている。



天井に設けられていた換気口は、
塞がれていた。


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そりゃ、寒いに決まってるから。



母子像。


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この外壁に、昔は煙突が貫通していたのであろう。



「電話室」というスペースが、
残されている。


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もう、時代劇の世界だな。



2階への階段は、狭くて急だ。


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それが当たり前の時代だ。

流石に、手すりが取り付けられていた。



2階。


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天井裏に上がるための梯子と、天井点検口。

火災報知器や非常照明は、現代法規の要請による。



使われなくなったスイッチボックスは
プレートで塞がれている。



こちらのトイレは、来館者が使えるように
新しくされている。


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洗浄便座付である。



電気ヒーターも取り付けられている。


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200Vコンセントも、そのための電源ケーブルもメタルモールも
後付だ。当たり前のことながら。



換気扇。


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どうせなら、コンセントは左に付けたら良かったんじゃないだろうか。



室内の照明器具も、
現代のもの。


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2階のFFストーブの給排気トップも
立ち上げてあった。


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灯油配管は、床ころがしだ。



このオイルサーバーで、地上の灯油タンクから
揚油する。


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揚油管と、送油管。

タブレット盗難防止用のケーブルを巻きつけるには
たいへん心許ない、細くて弱い配管なのであるが。

所轄消防によっては、返油管を付けるように
指導されることもある。



照明器具や火災報知器や誘導灯は、現代のものだ。


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昔の雰囲気を損なわないように
それでいて現代の利用に耐えるように
さまざまな苦労があったのであろう。


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この時は寄らなかったが、
1階には オシャレなカフェ もある。



こういった形で文化財の中で楽しめるのは
良いことであると思う。


記念物として単に鑑賞するのも良いけれど、
せっかくの建物なんだから、「使ってナンボ」であるとも
言えるんじゃなかろうか。


旭山動物園 よろしく
「動態展示」ってやつだ。


古〜い設備の、動態展示も
やってみたらおもしろいんじゃないかな。


効率が悪くて、排ガスが濃くて、材料劣化が早くて、
難しいのかな。
(「旧三菱鉱業寮」おわり)
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2020年02月26日

旧永山武四郎邸

札幌市の中心部から少し東の方に
『永山記念公園』というところがあって。


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この『永山』は『永山武四郎』のことであって、
鹿児島出身ながら、第2代の北海道庁長官ともなった人物である。

この公園の一角に、旧永山武四郎邸と、旧三菱鉱業寮とが遺されている。


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左側、グリーンの外装なのが、旧三菱鉱業寮。
右側の茶色いのが、旧永山武四郎邸である。



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オシャレなロゴが、作られている。


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武四郎邸は、北海道指定有形文化財
寮のほうは国登録有形文化財である。


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昔の木造家屋。

さぞ、寒かったに違いない。


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屋根からの落雪で窓が割れるので、
冬期には雪囲いが施されている。


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内部は、和風の造り。


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見学できるほか、
申し込めば撮影会なども開催できるという。



本州仕様の縁側。

流石に吹きさらしということはないが、
これはどう見ても寒そうだ。


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現代の要請に耐えるべく、
暖房機が取り付けられている。



室内の暖房も、
これだ。


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灯油コックボックスが見えるから、
灯油ストーブを置いていた時期もあったのだろう。



台所の流し。


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水道管を通していた孔を塞いだような跡が見られる。




そして、便所。


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今では、トイレは「水回り」の一つであるが、
昔はただの「排泄場」でしかなかったのだ。



小便器も、ね。


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掃除も大変だっただろう。



こうやって、少し昔の建物を見ると、
現代社会の有り難さを痛感するのである。


そして、それに大いに貢献しているのが
「せつび」なのである。


もちろん、断熱材とか建具とか建築の要素も
すっごく発達しているのだから
「せつび」だけじゃないんだけれど。
(「旧永山武四郎邸」おわり)
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2020年02月25日

せつびに積もる雪を眺めて

雪が積もった日、
屋外にある「せつび」を眺めると
いつもと違った顔が見られるはずだ。


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普段は、ペロッと外壁から生えている換気フードが
白い帽子を被っているのが見られるようになる。

何日かすると、これらは滑り落ちてしまうのだけれど。



夏も冬もはたらくエアコンの室外機にも
しっかりと雪が乗っかるのだ。


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エアコン室外機用の「防雪フード」が威力を発揮しているのがわかるし、
架台に乗っけて地盤面より少し浮かして置かなければならない理由も
見えてこようというものだ。



意匠屋さんの目で見たら、
雪が積もった際にどのように見えるか、
どの部分から落雪して被害が生じる恐れがあるのか
そういう面が気になるのかもしれない。



雪国に行ったら、
「積もる雪」という視点でも
建物を見てみたい。


それでわかることも、たくさんあるはずだ。



雨の激しい地域

風の強い地域

雷の多い地域

酷暑の地

極寒の地

多湿の地



……それぞれに、それぞれの必要性があって
建物の造作があって、設備がある。


グローバルの時代にあっても、
やっぱり建物はその地に固有なものであり、
独特な事情を抱えているものなのである。
(「せつびに積もる雪を眺めて」おわり)
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2020年02月24日

裏洞爺の冬景色

洞爺湖温泉街の対岸、
洞爺湖の北岸地区を「裏洞爺」と呼ぶことがあるようだ。


かつて、日本海側のことを「裏日本」という言い方があって、

裏とは何だ、裏とは。何でも東海道基準で考えるな。失礼だ。

そんな意見があったか無かったか、最近はそういう呼称は耳にしない。



けれど、洞爺湖の場合にはあんまり否定的な意見は聞かない。

むしろ「実は知る人ぞ知る穴場」的な、魅惑的な響きを持たせた「裏」呼称であるようだ。



とうや水の駅 のほか、
湖岸に沿って公園が整備されている。
彫刻群も、配置されている。



曙公園から、洞爺湖を見る。


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中央に、中島。

その奥には、有珠山が見える。

有珠山が噴火する時には、
この山体に限らず、周辺一帯、てきとうに噴火口を新設する。


2000年春に噴火した際には、
国道230号線一帯に突如噴火口群が出現した。


道路や建物は火口に飲み込まれ、
マグマの圧による土地の隆起と降灰によって
地形が一変してしまった。

現在は、ジオパーク として保存されている。



このあたりは、
北海道でも比較的暖かな場所であり
しかも、車で1時間圏内にスキー場がいくつもあって
冬にも楽しめるのである。


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洞爺湖温泉や有珠山、昭和新山といった「表洞爺」だけではなくて
せっかくなら裏洞爺にも寄ってみていただきたいものだ。

事情がゆるすなら、
洞爺湖をぐるっと回ってみるのも良いだろう。

40km弱、
1時間以内で一周することができる。
(「裏洞爺の冬景色」おわり)
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2020年02月23日

排気ダクトの出口

厨房のあるような店舗には
どこかしらに排気ダクトがあって、
それがどのように排出されているのか
建物周囲をぐるりと見渡すとわかったりする。



とある店舗の裏側。


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排気ダクトとおぼしき、2本の角ダクトが
下まで立ち下げられて設けられていた。



ダクトをそのまま開口しておくと
水滴や油分が地面に垂れるからなのだろうか、
「受け皿」が取り付けられていた。


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このあたりの設え(しつらえ)は、
店舗ごとに結構異なっているものだ。


チェーン店だと、過去の出店店舗でのトラブル事例を参考に
ちょっとした工夫が施されていることもあろう。



「せつび」には、いろんなノウハウが詰まっているのだけれど
なかなかそれらが共有・一般化されていかない面もある。



「秘伝のせつび」を、わざわざライバルに教えたりは
しないのかもしれない。



この業界のスタンダードとも言える 「茶本」 や 「学会便覧」 には載っていないさまざまな要素が、実際の使用にあたっては肝要だったりもする。



「秘伝のタレ」を受け継ぐ鰻店に通って、
自分の舌でその感覚を確かめるように


ワールドカップのスーパープレー映像を繰り返し見て、
戦術や体の使い方を確認するように


タイトル戦の棋譜を繰り返し並べて、
玉形の妙を体得するように


そんな感じで、いろんな建物についている設備をいろいろと眺めて

「なぁるほど、こうしてるのか」

とか、

「えっ……? コレって、アリ?」

とか、

いろんなことを勝手気ままに思い巡らすのが
仕事の肥やしにもなるし、
単純に楽しい事だったりするのだ。



さて、上の画像から、
どんなことがわかるだろうか。

どんな工夫を(言葉は悪いが)盗み取ることができるだろうか。

どんな「うっかり」があるだろうか。


とっても広くて、そっても深い。

そんな「せつび」が、ますます楽しくなるのだ。
(「排気ダクトの出口」おわり)
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2020年02月22日

車の抜け殻

まとまった積雪のあった朝には、
車の抜け殻を見つけることができる。



一般家庭や社用車であれば、
周囲をちゃんと除雪してから車を出したりするのだけれど。



「カーシェア」だと、そもそも除雪スコップが無かったりするし。
(車の中には積んであるんだけどね)



結果、こうなる。


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一晩で、こんだけ積もったんだね。


車の輪郭に沿って盛り上がっているところを見ると、
屋根やボンネット上の雪は
ある程度落としてから発進したようだ。
(「車の抜け殻」おわり)
posted by けろ at 10:00| Comment(0) | 交通 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年02月21日

受水槽の水が無くならないように

最近、受水槽に取り付けられるようになっているもの。


緊急遮断弁」 である。



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受水槽から給水管を取り出す部分に、
この弁を設置しておく。



ある程度の揺れを感知すると、
この弁が自動的に閉まる。


もしも大地震で水槽に接続している配管が破断してしまうと
そこから水が流出してしまって、水槽内が空っぽになってしまう。

緊急時・災害時に水の確保は重要なのだから、
この弁が閉まることで、水が守られるのだ。



地震感知器、弁操作回路、弁操作電源用の蓄電池などは
この制御盤に納められている。


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給水管に接続されている加圧給水ポンプの停止信号や
弁動作信号を外部に出すことができる。



さて。



メインの給水管は、この遮断弁で閉じることができるのだが。


受水槽には、別系統取り出しなど、
細い配管も何本か接続されているのだが。


そっちのほうは、大丈夫なんじゃろか?


細い配管だろうが何だろうが、
どこかに孔があけば、水は漏れ出てしまうのであるが。



いろんな防災用の設備があるけれど
どのくらい効果的なのか、実際の役に立つのか、
いろんなところで検証実験をしてるんだろうな。



E-ディフェンス なんかで実験して、動画を公開してくれないかな。
(「受水槽の水が無くならないように」おわり)
posted by けろ at 11:00| Comment(0) | 衛生設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする