2022年11月28日

過ぎとるでぇ

ついつい、気になっちゃうことがある。



気になったら、事情が許せば、撮る。



記念に? いや、参考がてら。
もっと言うなら、ネタとして。

いやいや、研究のため(!?)。



まあともかく、
気になったから、撮った。


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昨日今日の話じゃないにしても、
今年のことである。



「おお、立派なガードが取り付けてあるねぇ」



近寄ったのは、そんな興味から。だったんだけど。



よく見ると、蝶ネジがついていて
警報機の取替がし易いようになっているじゃぁないか。


なかなか優秀だね、キミ!


なんて偉そうな態度が出せるのは、
妄想の中だけの話。


設計にせよ監理にせよ、
下請け孫請け曾孫請け玄孫請けの身分では
なぁんにも言えませんよ。



ま、それはともかくとして、
でも施設の管理者がいたとしたら
一応業界の者としては言っておく責務は
あるんじゃないかな、と思わなくもない。



だって、期限、切れてるよね?


安全に関わることだからさ。

もちろん、強くは言えないよ?
そんな権限なんて、どこにも無いからさ。


チョー弱小、卑賤な身分ではあるけれど、
いちおう技術者を名乗ってる立場ではあるからさ

「そういえば、期限切れてますよね。
 交換しておかなきゃならない時期ですよね」

軽〜く、触れておくのは良いよね。
っていうか、せめてそのくらいは、言っとかなきゃね。


聞いた人が受け取ってくれるかどうかは
別だけどさ。


たいてい、受け取ってくれるような事は
無いんだけどさ。



「何を言うか」

よりも

「誰が言うか」

が大切なんだと、誰かが言ってたような気がする。
やっぱり、ワタクシが言ったんじゃね、
受け取り難いかもね。



やっぱり、それなりの権威・能力・信用のある方を通して
お伝えしなくちゃね。


(消防にチクる、という意味ではありません。
 誤解なきよう)
(「過ぎとるでぇ」おわり)
posted by けろ at 18:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 防災 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年09月05日

建具のような

赤いランプと赤い押し釦と赤い文字。


「消火栓」であることが、とてもよくわかりつつ。


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それでいて、周囲の内装仕上げも意識した塗装が施されていて。



こういうの、好きだなぁ。



封緘のテープも赤くって、素晴らしい。



こういう消火栓が増えると楽しいのに。


でも確実にコストが増えるよね。
だから、あんまり好まれないのかな。
(「建具のような」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 防災 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年07月24日

せんだい3.11メモリアル交流館

仙台市営地下鉄 東西線の東側の終着駅は
荒井駅である。


地下鉄の駅なのだが、
「駅ビル」的な、地上部の大きな駅舎が建っている。


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鉄路自体は地下であるから「地下鉄と称しつつ地上を走る鉄道」ではない。



南側は車寄せもあって駅前っぽいが、
北側は裏口にあたるのだろうか。あんまり建物がない。

が、カラフルな外装になっている。


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荒井駅は仙台東部道路の仙台東ICにほど近く、
震災後新しく整備された地区に建っている。


だから、既存の街並みを考慮する必要は無かったものと思われる。


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この中に、「せんだい3.11メモリアル交流館」という施設が入っている。


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壁一面に、ここから海岸までの絵地図と
付箋によるコメントとが貼られていたりする。



「メモリアル」というくらいなので、
震災の記憶に関する展示がある。


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昨日までクドいくらいに紹介した荒浜小学校に関する記事もある。


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せんだいメディアテークでは、地震動による被害が大きかった。


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内装全滅状態だ。

耐震性能の向上により、構造材の被害は少なかったそうだけれども
設備機器を含む非構造材の被害は多かったという。



3月11日の地震で、3月29日にほぼ復旧した上水道。


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全国から応援が派遣されたとはいえ、
この規模の都市でこの短期間で復旧させたのは
ものすごいことであると思う。



この建物の屋上には
多くの設備機器があって
見どころは多い。


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誰も見ないけれども、ワタクシは、見る。



将来機器設置用の、予備の基礎がすごくたくさん。


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いちばん向こうは、予備のハト小屋だよね!?


何か計画があるんだろうね。


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一般の施設も、このくらい用意しておけば
将来的にフレキシビリティが高いんだけれど。


なかなか、ね。費用もかかるし、ね。



散水栓箱が、カワイイ。


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ここは縦じゃなくて横につけるべきなんじゃないかとか
人によって議論(ただの好み)はあるかもしれない。


鍵は、出っぱらないほうが良いようには思うけど。
(「せんだい3.11メモリアル交流館」おわり)
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2022年07月23日

嘗て此処は住宅地であった

荒浜小学校から、さらに東。

海岸よりの場所は、ほとんどが空き地である。


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道路が整備され、下水道も通っているようだが
他はわからない。


災害危険区域に指定されているから、
住宅は建てることができない。


事業所関係も、敢えてここに建てる事情があるところは
それほど多くあるまい。


それゆえか、「公共利用ゾーン」として整備されている途中であった。


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嘗ての住宅地は、
瓦礫が片付けられ、整地され、
今は広い広い空地となっている。


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震災遺構仙台市立荒浜小学校から
東に向かって歩いて行く。


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嘗ての街並みを紹介する石碑が設けられていた。


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津波に耐えた橋桁を渡って、更に海側へ。

すると、住宅跡が震災遺構として保存されている場所に行き着く。


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津波のエネルギーによって、
上屋はすべて流され破壊されてしまったが
基礎は結構残されていた。


瓦礫撤去と整地に伴い、基礎類も除去されていったが
一部このように遺されているのだ。


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荒浜地区の街並みの、ほんのごく一部であるが
このように保存されている。


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ここに住んでおられた方は
無事に避難されたのであろうか。


そうであったとしても、
そうでなかったとしても、
該当者には辛い場所であることだろう。


しかし、遺すことを選択していただいた。


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尊いことであると思う。


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関係者であれば、
布基礎の形状からかつての間取りをありありと思い起こし
平穏無事であった頃の記憶が去来することであろう。


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向こうに見える4階建てが、
荒浜小学校である。
決して、それほど遠くない。

が、途中に視界を遮る建物が無い分、
余計に近く見える。



小学校脇にあるバス停は終点で
折り返し荒井駅行きのバスとして出発時間まで待機しているのであるが
既に停まっているのが見える。


うかうかしていると、乗り遅れてしまう。
となると、更に1時間、ここに滞在しなくてはならない。

が、それは困る。次の予定は、あるのだ。



近そうに見えて、意外と距離のある道のりを
息を切らせて戻ることになった。


バスの時刻は、ちゃんと確認していた。


ただ、意外と距離があった。

自分の体力の無さについて認識不足だった。


それだけなのだけれど、
なんとか間に合った。

結構ギリギリ。
(「嘗て此処は住宅地であった」おわり)
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2022年07月22日

屋上から見た荒浜地区

荒浜小学校では、もともと屋上に出られるように
フェンスが巡らされていたようだ。


震災遺構として整備後も、
屋上に出ることができる。



元々は高置水槽室か何かであった、塔屋から
屋上に出る。


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震災後に設けられたと思われる、各種設備が付加されている。


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引込開閉器盤が、ここにあった。

消火栓のテスト弁はもう使われていないはずだ。



津波情報伝達システムは
震災後のものであろう。


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太平洋を、臨む。


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松が数本残っているが
海岸までにあった殆どのものが失われたために
ずいぶん海が近く感じられる。



山側(西側)を臨む。


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説明パネルが何枚か設けられている。



フェンスは、元々からあったはずだが
多少は手直ししているだろうか。


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小さいハト小屋と、電線管。


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浸水はしていないけれど、錆びている。

海風は、じゅうぶんにやってくるから。

ファンでも置いてあったであろうか。


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フェンス基礎の水抜き穴。


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たくさん、たくさんある。



フェンスがところどころ切ってあるのは
撮影用だろうか。


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たしかに、カメラを構えるには便利であった。



津波襲来時に、仙台東部道路の土盛が大きな現在機能を果たしたことから
かさ上げ道路の重要性が再認識されている。


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ワタクシも震災約半年後に現地を訪れた際に、
道路の東西で被災状況が大きく異なるのを目の当たりにした。



現在は、農業ビニルハウスや事業所の建物が建てられていたりするが
住宅は無い。


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かつては、この方向にも多くの住宅が立ち並んでいたのであるが
現在はその面影はない。


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繰り返すが、ここは住宅地だったのだ。

すべて、すべて流されてしまった跡なのだ。


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校舎の南側。

荒浜地区の街が、完全に消失しているのだ。

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長い時間を掛けて、津波による瓦礫を少しずつ除去し、
道路を再整備し、
インフラを再興し、
現在は公園造成中ということである。


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仙台市が指定する災害危険区域 の、

第5号区域:津波による危険の特に著しい区域で市長が指定するもの

に該当するということなのであろうか。

区域図 には詳細の住所が書かれていないけれども
荒浜地区は丸々該当しそうだ。


第5区域では「住居の用に供する建築物を建築してはならない」となっている。


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校舎西側のかさ上げ道路より西の部分は
上記第5区域からはずれ、住宅も建築可能のようだ。


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土地代は安くなったのかもしれないが、
敢えてここに住宅を建てるのは
勇気があるのか、無謀なのか、先祖代々の土地から離れがたいのか、
それぞれ個別の事情があることだろう。



東北各地には、かつての大津波到達地点を鑑み

「此処より下に家を建てるな」という石碑 が建てられたりしていたという。



現代は条例なども「石碑」の役割を果たすのであろう。

そして、各地の 伝承施設



喉元すぎれば……


そういうことにならぬようでありたい。
(「屋上から見た荒浜地区」おわり)
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2022年07月21日

津波の記憶と伝承

荒浜続きで申し訳ないけれど
せっかくなのでもう少しご紹介する。

心に響く事が多かったものだから。

そういう事って、あるでしょ?


津波の浸入を受けなかった3階と4階では、
避難スペースとして、児童・職員・地域住民が過ごした。

一度屋上に避難して、どうやら3階以上なら大丈夫だという目算がついたから。


3月である。屋上で過ごすのは、寒くてかなり厳しかったことであろう。



現在は、3階は保存スペースということで見学に供されていない。
4階は、交流活動室として一般市民に貸し出されている部分と
伝承のための展示室になっている部分とがあった。


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『津波しぶき』も無く、普通に利用できる空間となっている。


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3階は階段室部分で仕切られて、
説明板が貼ってあるのみであった。


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津波1週間後の手記が、当時の情景を語る。



4階教室の黒板には、多くの寄せ書きがある。

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色あせた写真も多数貼ってあって、
持ち主・関係者は持っていってください。そう書いてあった。



当時の在校生、卒業生のメッセージ、
連絡事項、その他が残っている。


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震災前の空撮写真には、
多くの住宅が並ぶ荒浜地区が写っている。


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黄色の文字下が、住宅地の端に建てられた荒浜小学校である。

校舎以外のすべてが喪われたが
かつての街並みを模型で復元しようというプロジェクトが
2014年に実施されたという。


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神戸大学の協力という。


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いま、校舎の周囲には何もない。


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1棟の住宅も残されていない。



避難時の状況も、展示されている。


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現在の利用に適うように
エアコンが増設されていた。


ま、夏は暑いわけだし、冬も寒いのだから当然だろう。

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元々の灯油ストーブ用の設備は
すべてダメになってしまったのだから。


地震発生からの様子が、時系列に沿って説明されている。


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当時の映像を収集整理し、
学校関係者や町内会の人たちのヒアリングをまとめ、
画像と文章とドキュメンタリー映像で
今に伝えている。


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高さ関係は、このようであったという。


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校舎がもっと海岸に近かったなら、
4階床でも浸水していたかもしれない。


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「また来る」


そう。今までも何度も何度も何度も
巨大津波は襲来しているのである。

だから、また必ず、来る。



だから、記録し、記憶し、伝承する。


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当時の校長の、町内会役員の証言を含めた短編映像は
必見であると思う。


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もちろん、遺構として整備するにあたり新設した設備である。


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大きな災害が起こるたびに
オペレーションは改善されていく。


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「避難勧告」という名称が曖昧だったから
「お勧め」じゃなくて「指示」だということを
明確にしたということだ。



こういう震災遺構は
東北地方各所に設けられている。


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1ヶ所や2ヶ所ではない。
東北地方全域にわたって、
数多く設けられている。


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東北地整で 震災伝承施設MAP を公開しているから
可能な限り訪れてみてはいかがであろうか。


「東北」とひとくくりにはできない、
その土地ごとの伝承があるはずである。



東日本大震災に限らない。

自然災害の多い日本では、
各地で 地震、台風、水害、噴火、その他
後世に伝承するための措置 が設けられている。



先人に学び、将来に活かす。

それによって、文字通り「生きる」ことが出来るはずだ。
「生きる」ことが突然断ち切られた、多くの方々の犠牲を教訓に学んでこそ
伝承施設の価値が確立するのである。
(「津波の記憶と伝承」おわり)
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2022年07月20日

荒浜小学校内部

荒浜小学校の内部も見学できる。


完全に水没した部屋は、この通りである。


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それでも、流し台など原型を保っているのは
ある意味すごいのかもしれない。



天井ボードも剥がれてきている。


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これらも、年月の経過とともに劣化がより進んでいくのであろう。



廊下部分は、いろいろとモノが落ちてこないようにか
鋼製枠と金網とで天井を形成してあった。

火報の感知器なども改めて設けたに違いない。
不特定多数の見学者が訪れる施設であるから。


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天井ボードを留めている釘がことごとく錆びている。


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この状態が、この先どのくらい保たれているものかどうか。


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海水に浸かった電気系統は
もちろん全滅であろう。


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流し台は、残った。

鏡は、何かがぶつかって割れたのかどうか。


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トイレには入れないよう施錠されていた。

機能を失ったトイレを使われたら困るからね。


でも、設備屋としては、見てみたかった。ちょっと残念。



ちょいと、下も見てみる。


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ま、錆びてるね。


被災後の写真を大きくプリントしたものが
各所に掛けられていた。



火災の危険性もあるから除去されてしまっているが
流されてきて教室内に押し込められた自動車が
何台もあったという。


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天井の吊り物も、この通り。


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とにかく、天井の上まで
完全に水没したのだ。


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2階へ上がる階段も
片付け前は瓦礫で埋まっていたという。


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海側のコンクリート腰壁が
倒されていた。


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エネルギーの大きさを視認できる。



海岸線までは、少し距離があるのだが
多くあった建物は皆、失われた。



ビニルハウスとか事業所とか、
若干の建物が再建されていた。

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が、住宅は皆無だ。



2階も床上まで浸水したが
水没したわけではないために
1階ほどの被害は無い。


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全くないわけではないが。


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元々設置されていた屋内消火栓設備は
ポンプごとダメになったのであるから
現在はパッケージ形消火設備が据えられている。



「津波しぶき跡」なのだそうだ。


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2階の職員室も、床上まで浸水している。

壁面やFF暖房機表面に
薄っすらと水位が残されているのがわかるだろうか。


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掃除用流しは、割れてしまったんだろうなぁ。


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跡だけ残されている。



なにせ、1時間に1本だけのバスである。
その時間をにらみながらの見学であるから
気の赴くまま、じっくりと見尽くすことはできなかった。

ので、結構見逃しもあるのだが
まあ、仕方あるまい。


たいてい、そんなものだ。
(「荒浜小学校内部」おわり)
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2022年07月19日

荒浜小学校つづき

引き続き、荒浜小学校 をご紹介する。



外周金属部は、海水に洗われたこともあって錆びている。


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そもそもが海に近い地区であって
塩害はそれなりにあったことであろうが
直接海水がつけば、より進行しやすかったであろう。


こういう部分は、経年によってますます劣化し
徐々に津波被害なのか経年劣化なのか見分けがつかなくなっていくかもしれない。



校舎裏手に、エレベーターが設置されている。


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震災前からあったものか、遺構として整備するにあたり新設したものか、
パッと見は、わからなかった。
今思えば、銘板とかいろいろ確認すれば良かったのであるが。



外壁に並んでいたはずのフード付ベントキャップも
脱落しているものが多かった。


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躯体のEXPJ部分のカバーも取れていた。



避難バルコニー的なものがついていたであろう壁面も
今はこの通りである。


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裏手(北側)には、比較的設備系が多く設置されていたため
その被災の様子もまた、よく残されている。


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耐えた、ガスメーター。


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もちろん、現在は供給されていない。

鋼製建具よりは、剛性が強かったようだ。



ステンレス換気フードは
ひしゃげつつも残っていた。


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ガス給湯機用の排気トップだろうか。

瓦礫がぶつかれば、耐えられまい。


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鋼製枠と網は後付けだ。



給食室の中を、網越しに見ることができる。


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外壁沿いの鋼管は、支持材も含めて健在であった。


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中には立ち入れないので、写真が掲出してあった。


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外壁には、
被災したもの、
遺構として整備する際に新設したもの、
いろいろ混在している。


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大きな開口部は、
建具がまるまる失われていた。


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海と反対側の西面は
比較的損傷が少なく見える。


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もちろん、他の面と同様に
2階床上までは浸水しているのである。



校舎西側には、体育館が残されていたが
既に撤去されていた。


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大震災の前年、チリ地震津波の経験をもとに
体育館ではなく屋上に避難するように
オペレーションを変更していた。


避難所の体育館ごと津波に流された地もあった中で
この変更によって助かった児童・地域住民は多い。


もしも何らの変更なく
従来どおり「避難所は体育館」としていたままであったら
数百人の生命がどうなっていたか。



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写真には写っていないが、
校舎脇にプレハブが建てられていて
管理事務所的な役割を果たしていた。
(そこに、トイレもある)



児童昇降口廻り。


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柵はもちろん、遺構整備にあたって新設されたものだ。



軒天の照明器具も、錆び錆びだ。


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まあ、津波以前から錆びていたとしても
おかしくはない立地ではあるが。



FFの給排気トップと保護カバーは
健在だったのか、後日補修されたのか。


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あまりにキレイなので、少々不思議に思った。



「この高さまで津波が来た」と

看板が掲げられている。


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家も車も木の葉のように流される津波に抗って
鉄筋コンクリート造の耐震改修済みの校舎が
いかに強力であったかを再認識できたりもする。


地域の「津波避難ビル」としての役割を
立派に果たした。


この地域で失われた命も少なくないが、
助かった命もまた、相当数にのぼるのである。
(「荒浜小学校つづき」おわり)
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2022年07月18日

震災遺構仙台市立荒浜小学校

仙台市郊外に、震災遺構が見学出来るよう整備されている。

かつての 市立荒浜小学校校舎 である。


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東日本大震災により生じた津波により東北沿岸で多大な被害が生じた。
その中にあって、児童や周辺住民が避難し、屋上からヘリで救助されて助かった場所である。


地震津波報道で盛んに報じられていたこともあって
見覚えのある方も多いかもしれない。



この震災遺構については、『設備と管理2022年5月号』で記事にさせていただいた。
特に設備系の内容については、バックナンバーをご参照いただきたい。



仙台市の太平洋岸にほど近い荒浜地区。

かつては、この小学校がある通り、宅地が広がっていて多くの住民がいた地区である。
津波によって完全に洗われてしまい、かつての面影を残すのはこの校舎くらいである。



仙台市地下鉄東西線の荒井駅からバスが出ていて
車でなくても行きやすくなっている。


1時間に1本のバスが走っている。

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開館日、開館時間については、事前に確認されたほうが良いだろう。


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車で行くにしても、周囲にはあまり大きな建物がなく、
そして浜に向かう県道沿いに目立つ看板が立てられているから
比較的わかりやすいことであろう。


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駐車スペースも十分にある。


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大型バスも何台も停められるので
震災の記憶を伝承するための学習の場としても活用されるようだ。


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街そのものが喪失したため、
学校も震災を契機に閉校となった。


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人口減による統合や閉校ではない。
地区に多大な犠牲者を出した大災害の記憶を伴う閉校だ。
関係の方々にとっては、悲痛な記憶でしかないことと思う。


しかし、この大災害を後世に伝承し、また必ず来る津波に際して
犠牲となる方が少しでも減ずるようにと
遺構として保存することを決断された。



遺構内外に、被災当時の写真とともに説明書きが設けられている。


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現在はきれいに片付けられているが、
数次の津波襲来に伴って流されてきた瓦礫類によって埋め尽くされた教室が
そのすさまじさを物語る。



遠隔地から、また海外からの見学者も想定して
震災の概要から英語表記とともに説明されている。


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報道を通じて目にされた方も多いであろう
ヘリからの光景もある。


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完全に水没した1階、
床上まで浸水した2階、
避難場所であった3・4階と屋上。

3階以外の部分が見学できる。



外周を巡る。


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窓ガラスは割れて喪失下部分もあるが
残っている部分もある。


耐震改修工事は行われた後であったから
地震動による構造被害は無かったようだ。



津波によって流されてきた諸々によって
手すりなどの損傷は大きい。


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屋外露出の設備関係は
ことごとくやられている。


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2階床上まで浸水した。

損傷の有無で、それを推し量ることができる。


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ところどころに設置されているパネルで
被災前後の様子を比較することができる。


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当然、被災直後と現在とも様子は異なる。



耐えたもの、耐え得なかったもの、
そのまま、ありのまま保存されている。


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損傷し開口となった部分は
防犯上の意味も含めて格子で閉塞されている。


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換気扇のフードは、流された。


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屋外照明も、流された。


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二宮金次郎も、流された。


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台座ごと持っていかれたが、
どこか遠くまで行ったわけではなかったようだ。


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もう、震災から11年以上過ぎてしまったが
実際に被災した方々にとっては何年過ぎようが
忘れ得ない苦痛であったに違いない。


家族友人知人の多くを亡くし
自らも辛酸を舐めた期間が相当にあったはずである。


他の被災地でもあったように、
その存在が余りに辛く、
被災の面影があるものはすべて除去してしまいたい、
そういう願いを持つ方もおられたであろう。


しかし、だからこそ、
被災しなかった人々に対してその記憶を伝え、
遠からぬ将来必ず再びやってくる津波に対して
警鐘を鳴らすために
悲痛な記憶を呼び起こすとも敢えて遺す。


そういう決断をした人々もまた、多くおられたのである。



機会があれば、

いや、機会を無理に作り出してでも
一度は訪れてみたら良い施設であると
思うのであった。


建築、設備、インフラ、地域、防災、避難、
いろんな側面で、考えさせられること、感じられることが
多くあるはずである。
(「震災遺構仙台市立荒浜小学校」おわり)
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2022年05月21日

内装に溶け込んでいる?

屋内消火栓は、消火設備だ。


非常時に操作されるべく、
赤で塗られたりランプが光っていたりして
結構目立つ作りになっている。


はずだ。


そう思っていたのだけれども。



ものごと、例外というものはあるわけで。


22052101.JPG


一応、判別はできる、よね?


ボタンとランプは赤いし。

右のランプは消灯しているけれど、
ボタン周囲が点灯する新しいものに取り替えられている。



でも、目立たないなぁ。


内装に溶け込んでいるなぁ。



「これで良いなら、よし、早速採用しよう!」



そう簡単に真に受けないで欲しい。


この類は、所轄消防署の判断が最重要だ。

「あそこで大丈夫だったんなら、ココでも良いよね?」

が通用しないのだ。



事前に確実に根回しもとい相談をしておかないと
完成検査で指摘された後では手遅れだ。



ただ「こういう事例を見掛けた」という事実を示しているに過ぎないので
悪しからず。
(「内装に溶け込んでいる?」おわり)
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2022年04月25日

壁のないところの消火栓

壁面が全部ガラスになっていると
消火栓箱を取り付けるべき壁が無い。


そんなとき、どうする?



22042501.JPG


たとえば、こんなところ。



鉄骨トラスで渡した、渡り廊下的な部分。
側面は全部ガラス面になっていて、
屋内消火栓箱の置き場が悩ましいような。



お、あった。


22042502.JPG


鉄骨に乗っけて、露出で置いてあった。



外は、寒そう。

だからなんだろう。乾式の屋内消火栓設備となっているようだ。



普段は管内の水を抜いておいて、
いざという時に消火栓ポンプが起動して
ゴボゴボと水が運ばれてくるという造り。



抜いた水を、ポリタンクで受けているなんて。

せっかく消火栓箱を鉄骨と同じ色に塗ってあるのに
この緑のポリタンクときたら……。



隣に人参のシールが貼ってあるのは、更に謎。



普段は消火配管の内部が空っぽだから
放水できるようになるまでに、少々時間を要する。


「管内が凍ってしまっていて水が出ない」

のは困るので、まあ、次善の策というやつだ。



しっかしこの渡り廊下、
いかにも寒そうである。

負荷の塊である。



夏は夏で、温室のようになるんだろうなぁ。
(「壁のないところの消火栓」おわり)
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2022年03月24日

消火栓用の量水器用の蓋

歩道に時々見かける、
地下式消火栓。


地域の火災における消火活動用に
欠かせない設備である。



たいてい、水道本管に直結されていて
何せ一大事だから、
使用料金なんて気にせず、
使えるだけ使う、
そういうものなんだと思っていた。



思っていたし、実際にそうだ。


水道の管路網図を見ても
消火栓の手前に弁はあるけれど
メーターがついているのなんて
見たことは無かった。



見たことは無かったけど、
だからといってそれは存在しないことの証明には
ならないということがわかった。


22032401.JPG


消火栓だと思って、見たんだけれども
下の方に「区画量水器」って書いてあるんだもん。


へぇ〜、そうなんだぁ〜。



「今年度、予算厳しいから、
 放水は程々に、ね」


そんな指令が、消防隊に向けられているのかどうか。



いやたぶん、量を把握するためのものであって
これで金銭を徴収しようなんて言うものじゃ
ないんだと思いたい。



普段、建築物しか、せいぜい敷地内の外構しか
関わることがないから、
公共の水道設備のような土木工事の分野のことは
ほとんど知らない。


世の中、知らないことがたくさんある。



だから、面白いんだけど。



中には、「知らなかったほうが良かった」なんてことも
あるんだろうな。
(「消火栓用の量水器用の蓋」おわり)
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2022年03月17日

使えるようにしておく

「連結送水管」の送水口は、
その気になって探せば、
結構目立つところにたくさん並んでいるのを
見ることができる。


たいてい、使うことはない。

試験をするだけでその一生を終えるのが
ほとんどであろう。


けれども、イザというときにはしっかり役立たなければならない。



イザという時に限らず、いつ何時でも使えるような状態を
維持し続けなければならない。


そうでないと、せっかくの設備が役立たずになってしまう。



雪が積もって、
埋まってしまっている、なんてことのないように!


22031701.JPG


ここまでは、ギリ大丈夫だ。


これ以上埋まったら、
すぐに掘り出そう。



地域の道路にある消火栓も、
維持管理は消防署の仕事、と思っている方も多いだろうけれど
雪に埋まったものを掘り出しておくのは
その地域でも積極的にやっておくべきものではないだろうか。



ワタクシは、玄関先だけじゃなくて
道路の向こうの消火栓も掘り出すんだけど、
そこに雪が無くなると「良い捨て場所が出来た!」と捉える人がいるのは
なんでだろう。
(「使えるようにしておく」おわり)
posted by けろ at 20:00| Comment(0) | 防災 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年03月15日

ちょっとホラーな危険物?

オイルタンクなど、
危険物を貯蔵する場所には
看板で周知することになっている。

火気厳禁を警告し、
貯蔵所であることを示し、
その内容、容量、責任者などを明示するものである。


鉄板製、アルミ製、樹脂製などがあるようだけれど、
鉄板のものは、年数の経過につれて
錆びてくることが多い気がする。



いわゆる「赤サビ」なのだけれど、
錆び垂れの様子や色合いによっては
少々事件っぽい感じになってしまうこともある。



22031501.JPG



まあ、それほどでもないんだけどぉ。



赤地に白の「火気厳禁」の看板を見て、

「おお、こりゃ注意せにゃあかんわ」

そんな気になった経験のある方は
いったいどのくらいおられようか?


ちらっと視界に入っても、
すぐにその存在を忘れるのではなかろうか。



ナントカ禁止 とか ナントカ厳禁

なんていう注意喚起は、イマドキは喚起効果が無いのかも、
なんて思ったりする。



むしろ、思いっきりホラーな見た目にしておいたら

「何だ、あれ?」と気になってもらえるのかも。



そういう意図でもって錆び垂れを残してある、
そんなわけは、ないのである。
(「ちょっとホラーな危険物?」おわり)
posted by けろ at 16:00| Comment(0) | 防災 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年03月14日

いい感じに色づいて

ビルの壁面に、
こっそりとついているやつ。


最初はぴっかぴかなんだけれど、
年数が経つにつれて、
表面が酸化して、色づいてくる。


22031401.JPG



連結送水管の壁埋込送水口。



プレート自体はステンレスだから
錆はしないけれども表面が汚れてきている。


砲金製の送水口本体は
だいぶ色づいてきているなぁ。



イザという時に使用できないほどの状態でさえなければ
こういうやつも味わい深くて
いいんじゃないかな。



広場に立つ昔のブロンズ像のような感じで。
(「いい感じに色づいて」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | 防災 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年02月24日

長いよね?

時々、こんな看板を見かけるのでは。


22022401.JPG


いざ街中で火事があったときに、
ポンプ車で水を汲み上げて消火活動をするために
常時水を貯めておく「防火水槽」だ。


FIRE CISTERN とも書いてあるけれど、
消防士がわかっていれば良い話で
なぜ英語表記が必要なのかはよくわからない。



地中に埋めてある水槽から水を取り出すための
「採水口」が2本、立てられている。


22022402.JPG


結構な長さがあるよね?

きっと、冬になると雪が深くなるから
その対策として長くしてあるんだろう。



細い管は、通気管のようだ。

普通は、地下オイルタンク近くの外壁沿いに
高さ4mくらいのところに設けられているタイプのもの。


あとは、オイルサービスタンクの通気口として
機械室外壁にちょこんとついているくらいの。



こういうところについているのは
気づいたことがなかったから
ちょっと新鮮だった。


じつはあちこちに付いてるんだろうか。


「油通気口」というイメージしか無かったんだけど。



逆火防止金物付きのこの通気口、
裏に「KOHGIKEN」と書いてある。


22022403.JPG


工技研究所」の製品である。



鋼管 + 防虫網 じゃ、ダメなんだろうか。
ダメってことは、ないよね。

金額がそんなに違わないから、なのかなぁ。
(「長いよね?」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | 防災 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年02月22日

垂れ壁、かな

ちょっとしたスペースに、椅子がいくつも置いてあった。


そのスペースに何本か立つ柱を見るともなしに見る。



柱の2面からそれぞれ伸びる枠。


22022201.JPG


防火シャッター、じゃないよね。
幅が狭いしね。

それに、下に椅子が置いてあるから
もし防火用だったらアウトだしね。



排煙用の垂れ壁、かな?


柱についているやつを押すと、
下がってくるやつ。


パタンと開くやつじゃなくって。



このタイプだと、
天井懐が結構必要だけど、
何となくこの建物なら
かなりありそう。



たぶん定期的に作動試験をしているのだろうけれど
「いざ」という時に、動かしてくれる人が居るのかどうか。
(「垂れ壁、かな」おわり)
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2022年02月16日

使う機会は無いほうが良いけれど

建物には、いろんな防災設備が設けられている。

万が一、イザという時のための、さまざまな設備だ。



自走式の立体駐車場の階段を降りていたら
壁面に粉末消火設備地図式操作盤が据えてあった。


22021601.JPG


確かに、走路や車室には、
粉末消火設備の放出ヘッドが並び、
配管が縦横に伸びていた。


それを、ここで操作できるようだ。



その脇には、ご丁寧に操作方法を説明したパネルも
貼り付けてあった。


22021602.JPG


なるほど、これを見れば一目瞭然。


いざという際にも、的確に操作できる……かな?



「え? これって、勝手に操作していいの?」


「建物管理者がやるんじゃない?」


「消防署からやってきた消防士が使うんじゃないのかな」


「で? でもそんな悠長なこと言ってる場合?」



たいていの防災設備は、誰かが操作しないと作動しない。



火災報知設備のように、感知したら鳴動して知らせるものはある。

が、「報知」はするんだが、火災そのものは「放置」だ。
何の手当もしない。



スプリンクラのように、自動で放水されるものもあるけれど、
消火器、消火栓、粉末などの特殊消火設備、排煙などなど
誰かが操作しなければ何の役にも立たない設備も多い。


ちゃんと操作されてこそ消火能力を発揮するのだけれども
操作されない限りは、ただの置物である。
高いカネをかけて設置されていても、
操作されない限りは無意味だ。



だから、本来は国民全員がそれぞれの操作方法を熟知していて
いざという時には的確に操作できたほうが良いに決まっている。

が、残念ながらそんな状況にはなっていない。


そもそも存在すら知られていない。



よしんば知っていたとして、
本当に操作する勇気があるかどうか。



たとえば上の粉末消火設備を作動させてしまうと、
その区画は粉まみれになるのだ。

どこかから賠償請求されたりしたら困る……。

自分がやらなくたって……。


たぶん、躊躇する。



だから、本気で火災から防護したくば、
自動作動する設備のほうが良いだろう。


法的には屋内消火栓を設ければ良い建物であっても
スプリンクラがあれば誰かの操作に期待しなくても初期消火が始められる。



しかしながら、誤作動という事態もあり得る。
火災をいち早く消し止める能力があるけれども
誤作動したら火事でもないのにあたり一面水浸しになる。



何ごとにも、メリットとデメリットがあるのだ。



状況に応じて、それらを理解した上で
取捨選択するしかない。



世の中、そんなに都合よく「いいとこ取り」はできないものなのだ。



時として「設けないほうが良かった」という事態もあるかもしれないのだ。

でも「設けておいて良かった」となる可能性だってあるのだ。

それは、なってみないとわからなかったりする。
そして、なるかならないかは、誰にもわからないのだ。
だから、どこかでエイヤッと決めるしかないのだ。



そう。たいていの事柄は
メリットとデメリットとの狭間をたゆたっているのである。



コロナ(に限らず)ワクチンだって、いろんな薬だって
自動車や飛行機だって、
使った場合、使わなかった場合のメリット、デメリットとが存在する。


そういうものなのだから、仕方がないのだ。



デメリットを重視して拒絶するもよし、
メリットを重視して受け入れるもよし。



ただね、「公共の福祉」ってものも
ある程度は考慮しなきゃならんのだと、
ワタクシは思うんだけどね。


ワクチンやらマスクやら、
そういうのが顕在化するご時世になったものだと
痛感するこの頃。
(「使う機会は無いほうが良いけれど」おわり)
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2022年01月05日

防油堤は貯雪庫じゃない

年末年始、全国的に荒れ気味の天候になる日が多い。

冬らしくてイイのか、勘弁してくれなのか、
その土地土地の状況にもよるだろう。



次々に低気圧がやってきて、
そのたびに大陸からの寒気団が南下してくると
たいていの日本海側では雪になるものだ。


低気圧の進行方向次第で、
ほんのちょっと風向きが変わるかどうかで
雪の積もり方は場所によって大きく変わってきて
ある時はこの地がドカ雪に、
またある時はこの地では晴れているのに隣町でドカ雪に、
そんな局地的な違いが出てくるものだ。



「○○地方は〜〜〜」なんて気象情報で語っていても
その〇〇地方の中でもずいぶんと状況は異なる。


「おお、京都もずいぶん積もったねぇ」


ニュース映像に「京都府」とテロップがついているから
よく見たら「舞鶴」だと。

ま、舞鶴なら、さもありなん。
京都市内とは、そもそも違う地なのだ。



さて、とある雪の日。



ロードヒーティング用の熱源機に燃料を供給すべく
大きな灯油タンクが据えてある場所があった。



灯油の指定数量未満の 950L タンクなのだろう。
防油堤とともに、ちょっとしたスペースに置かれている。

防油堤は、更に半分の 490L タンクなら無くても済むが
ある程度の灯油使用量があるならば
給油頻度を考慮すると大きくしたかったのであろう。



この防油堤、万が一タンクや接続配管から灯油が漏れた場合に
それを捕集して周囲に流れ広がらないようにするためのものである。

そうなのだが、液体を受ける構造になっている以上、
漏洩灯油以外のものも必然的に貯めてしまう。



雨が降れば、天水桶と化す。

なみなみと水を湛えてしまっていると、
いざ油が漏れた際には油のほうが軽いから
油が溢れていってしまう。

そうならないように、雨の度毎に水抜きが必要だ。



雪が降ると……。貯雪庫と化す。


22010501.JPG


降り始め、積もり始めの雪は
水ほど密ではないからして
防油堤としての機能はある程度残されよう。


しかしこのまま放置しておけば、
融解・凍結を繰り返して
いつしかアイスブロックが出来上がっている、
なんていう事態にもなろう。



タンクの脚なんかもあるから、
あんまりガチガチに固まってしまってからだと
そう簡単に除去できなくなってくる。

だから、早めに取り除かなくてはならない。



ならないけれど……。


それには人手が必要で、
それを誰がやるかとなると、普段のルーチンではないからして
なかなかに難しい面があったりする。


かくして、そのまま貯雪庫や製氷皿として
機能してしまう防油堤は、決して少なくないはずなのである。



これを防ごうと思えば、
屋根でも掛けるしかなくなるのであるが
建築面積に算入されてしまうし、そもそもカネがかかるし
屋外タンクにした意味が薄れてくるし。


この計画でも、建築確認申請は問題なく通る。


だから、そのままになる。


ま、ケンチクにはそういう事が多々あるから
そのうちの一事象でしかないのだ。



氷の塊で埋まった防油堤から灯油が大量に漏れ出して
周囲で著しい火災が生じて甚大な被害を齎すようなことがあると
消防法や関連法規や条例や所轄消防の指導が変わってきて

「防油堤には水や雪などが貯留しない構造にすること」なんて
規定が増えるのかもしれない。


ハード(施設)で備えるのか、
ソフト(メンテ)で備えるのか。


その違いなんだけど。



ま、極力リスクは減らせたほうが望ましには違いない。

できる限りは除排雪に努めるほうが良かろうて。
(「防油堤は貯雪庫じゃない」おわり)
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2021年12月21日

放置されているかのような

店舗の屋上駐車場なんかに、よく置かれているヤツ。

あれだ。あの、赤いボディのヤツだ。


21122101.JPG



たまに車にぶつかられて破損していたり、
あちこちが錆びていたり、
「すごく邪魔な位置にある」と邪険にされる、アレだ。



「移動式」と書いてあるけれども
移動できないように固定してある、アレだ。
法律的な名称だから、多少変に思ってもそう名乗るしかない。



赤く塗られているのだけれど
年月とともに色褪せていって
そのうち錆色と区別がつかなくなる、アイツだ。



誰も、何も気にしない、
もう何十年も、誰も触りもしていないかのように思えるかもしれない。


ただの放置プレイでウン十年を
過ごしてきているように思えるかもしれない。



でもね、そんなネグレクトでもないんだ。


まがりなりにも、消防設備なのだ。
だから、ちゃんと定期的に点検されて、
報告されて、構われているんだ。



それなのに、錆を取るわけでも、塗り直すわけでも、
凹みを(機能上支障がなければ)直されるわけでもなく
生温い目? 冷たい目? を、たまに一瞥もらうだけの
存在になっている。



「法的にオマエが必要なんだから、存在を許してるんだよ」

「ホントは邪魔で邪魔で仕方ないんだけどな」

「オマエが居なくなると、オレや上司が怒られんだよ。消防から」

「キレイでいたいなんて、ゼイタク言うんじゃねぇよ。
 そんなカネあったら、他で使うよ」


そんな声が、どこかから聞こえてこないだろうか!?



足回りが、赭褐色の度合いを増してきている。


21122102.JPG


誰か、錆落としをしてくれる者は居ないか?


耐熱強化ガラスの素敵な靴でも
誂えてくれる奇特な方はおられぬか?



居るわきゃないんだわな。
(「放置されているかのような」おわり)
posted by けろ at 15:00| Comment(0) | 防災 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする