2023年03月02日

環状列石とはいったい

ニセコアンヌプリを望む畑地の一角に、
それは在った。


そこに至るまでに
案内看板のようなものはない。



道路から少し入ったところに
低いブロック塀で囲まれたところ。



それが、曽我北栄環状列石 なのであった。


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もちろん、降雪期前に撮ったものである。
冬期は雪に覆われ、
コロナ対策が緩和されてきた現在、
国内外の多くのスキー客などで賑わっているという。



この環状列石、
その目的が何なのか、確たるものは無いようではある。


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人骨が出ていることから、
墳墓とも祭祀場とも言われるようである。



向きを変えると、
羊蹄山(蝦夷富士)も見える。

が、たいてい山頂には雲がかかっている気がする。


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結構な、絶景の地なのである。



周囲は、牧草地だろうか。
特に何があるわけでもなく。


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小さめの列石が、4組残されている。


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「史跡」の碑が、なんか墓石っぽいんだけど。


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傾いてるし。



現地に上の看板がある他には
あんまりわかりやすい案内は無い。


ニセコ駅の脇に掲げられている観光地図に
小さく「ストーンサークル」と書いてある程度である。


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(該当部分を赤枠で囲ってみた……が小さくて見えないだろう)



いわゆる観光地観光地した場所も
決して嫌いではないのであるが、
いやむしろ、もちろん、喜んで行くのであるが、

こんな感じのマイナーっぽい、
人があんまり押し寄せそうにないところっていうのも
味があってイイもんじゃないだろうか。

こんな看板でも見かけたら、
ちょっと寄ってみたくなるのである。
(駅員さんに、行き方も訊いてみた)



「あんたが変人なだけやろ?」



ま、それは否定できないな。
(「環状列石とはいったい」おわり)
posted by けろ at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年03月01日

廃墟、ではない。

ちょいと、行く機会があったのだが。


本当に、この道であってるんだよね?


じつはもう何十年も前に閉館しちゃってる
なんてことは、ないんだよね?



看板の矢印やナビに従って入った駐車場っぽいところに
車1台停まっていないし
人っ子一人見当たらないんだけど。


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誰がどう見たって、
廃墟感たっぷりのところ。



だから、撮り忘れたんだけど

「廃墟っぽいけど、違うよ!
 やってるんだから、もっと奥に進んでね」

的な看板がところどころにあったよ。



昔は、ワクワク感あふれるテーマパークだったんだろう。

たぶん。



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すんごく昭和な香りの
タイムトンネルっぽい通路!



脇でポーズを取っている、

「ゆうちゃん」



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酷く朽ちていないところを見ると
それなりにメンテされてるんだろう。



一大テーマパークだったはずのこの場所には
今はこれだけが存在している。


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かつて炭鉱で栄えて
閉山とともに衰退していって、
バブルではっちゃけて
財政再建団体 に堕ちてしまった。



その後、さまざまな支援を経て、現在がんばっている
夕張市 である。


あらゆる行政サービスをカットしまくらざるを得ず
それでもまだ巨額の 負債 を抱える。



東京都から夕張市へ行政支援で派遣された若手職員が
やがて市長となり、現在は北海道知事にまでなっているという
そんなストーリーがあったりもする。



福岡県赤池町も同じく財政再建団体となっていたし、
かつての産炭地はどこでも厳しい状況ではある。

人口が急増し、そして急減し
少子高齢化の最先端をゆき、
行政のサイズダウン、コンパクト化を余儀なくされている地が
多くある。



それでも、
諦めずにさまざまな知恵と力を結集して
何とかしようとしている、
そんな人たちが居る。



かつての栄華の「遺産」「記録」であって
決して「廃墟」ではない。

いまだ、人の営みが続いていて
活力が継続している。


そんな地を巡ってみるのも、
いいのではなかろうか。


地理と、歴史と、社会と、
また地質や産業や社会福祉。


いろんな知の宝庫でも、あるのだから。
(「廃墟、ではない。」おわり)
posted by けろ at 23:55| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年02月16日

雪によるコントラスト

雪の降る時期、
北の大地はモノクロに染まる。



そうではない地方でも
緑が減り、茶褐色が増えて
季節感をそれなりに感じさせるものではあるのだけれど
雪国のそれは、格段である。



白と、黒。



ハッキリとした対比が
明らかになるのである。



上空から眺めると、
更に明瞭になる。



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眼下に、新千歳空港。


真っ白な平地と、露出した誘導路・滑走路。



周辺の土地にあっては
樹木のあるところと無いところとの差も大きい。

市街地と、原生林と。

人の営みが可視化されている。



太陽光発電施設も、目立つ。


あまり雪が深くないところでないと
埋まってしまい、役に立たないだろう。



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街、空港、道路、河川、森。



このコントラストが、好きだ。



空港からすぐに、太平洋に出る。
その直前、苫小牧の街が視界に入る。


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人工的に掘削された苫小牧港の大きさが目立つ。


海と山とに挟まれた
細長い市街地が延びる、苫小牧市。

上が西方向である。



山裾には、ゴルフ場が多数存在する。


冬期はこのとおりプレー不可であるが
夏になれば、時間とカネのある御仁であれば
酷暑の首都圏から航空便で足を伸ばして
冷涼な中で楽しむのも良かろう。


(逆に、冬期は千葉方面に足を伸ばす
 ゴルフ好き道民もいるという)



上空にいると、
日本地図がそのまま在る。


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十和田湖の立体地図のような、実物。



「鳥瞰図」というものもあるが、
さすがにこの高度を飛ぶヤツは、
多くはあるまい。



日本列島は四季折々の変遷が豊かで
季節ごとに良さがあるのだけれど
積雪期におけるコントラストの美しさといったら
絶品なのではあるまいか。



もっとも、雪国の冬期においては
厚い雪雲に覆われて
地上が見えないことも少なくないからして
その時の運にもよるのであるが。



いや、もちろん、
南西諸島のエメラルド色の海や島々も
とても美しいんだけれども。

あれはあれで、良いんだけれども。



ま、食べ物と一緒で、
その土地土地の良い景色があるのである。
(「雪によるコントラスト」おわり)
posted by けろ at 15:00| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年02月04日

冬の小樽運河

冬は、雪。


雪のある景色は、いいものだ。



どっかりと雪が降った翌日は
上を向くあらゆる面が白色で覆われ、
太陽光を浴びて輝く。



雪の無い季節とは全く異なった表情を
見せてくれるものなのである。



小樽の、運河。


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北海道の観光ガイドには
必ず載っている、小樽運河である。



北の玄関口として栄えた時代から
徐々に行政・経済・人口の中心地が札幌へと移り
寂れていく一方であった小樽市。


水運もそれほど重要ではなくなり、
運河とそれに沿った倉庫群も
もはや役に立たない過去の遺物と捉えられて
埋め立ててしまえ、壊してしまえ、
そんな圧力が高まる一方であった由。


けれども、市民運動をきっかけに
保存(半分だけ)される ことになり、
今や小樽を、いや、北海道を象徴する景観となった
ということなのである。



運河沿いの石造りの倉庫群も
飲食店などとして利用され、
街中にある明治・大正時代に建てられた建造物は
さまざまな用途にリノベーションされて
今なおその姿を残している。


新築される建物も周囲の景観を意識したデザインのものが多く
街全体として調和の取れた(もちろん例外はある)ものとなっているのだ。



倉庫の看板は残されているが、
中身は店舗などになっている。


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けれども、店舗の看板を大々的に出すことはせず
(裏側の正面にはもちろん設置されているが)
運河側の雰囲気を守っている。


屋根に載る雪が、まぶしい。



今のような冷暖房換気電気設備の無かった時代には
結構厳しい冬だったことだろう。

けれど、現代の技術によって整えられた空間は、
現代人の利用に問題ないようになっている。


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外観こそ当時の面影を保っているものの
はっきり言って別モノなのである。

が、それはそれ、これはこれ。

外観こそ、都市景観の上で重要な要素なのだから。



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運河の半分は埋め立てられて、太い道路になった。
もう半分はきれいに整備されて
世界中からの観光客を惹きつけている。


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コロナ禍でゼロになっていた外国人観光客も
激減していた国内客も
かなり戻りつつあるようだ。

コロナ前にはまだまだ及ぶべくもないけれど。


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夜中に、早朝に、
観光客の動線となる歩道がちゃんと通れるように、
運河沿いのデザイン欄干が美しく見えるように、
黙々と除雪している人たちの姿があった。


観光協会関係者か、商店街関係者か、
それともボランティアか。


素敵な環境の維持管理は
そうした陰の働きによって成り立っているのだと
改めて実感したのである。


行政におんぶに抱っこでは
たいていのことはうまくいかない。

バブル期の三セクもそうだし、
ふるさと創生資金の活用(という名目の散財)、
なんとかセンターの建設、
夢物語的な企業誘致計画、
うまく行っていない例は枚挙に暇がない。


行政主体ではなく、
民間(市民や多数の企業)主体で
行政は、行政にしか出来ない面でのサポートに徹する。


言うのは簡単で、
やるのが難しいんだけれども
そんな「地域活性化」の一面があらわれた
小樽運河なんだと思うんだ。


とうぜん、良いことばっかりじゃない。
いろんな面があるのは、仕方がない。

そうでありつつも、もがきつつも、
ありたい姿を思い描いて進む人たちって
スゴイよね。
(「冬の小樽運河」おわり)
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2022年11月01日

番線が変わってる

ひさびさの、JR札幌駅。


話には聞いていたのだが。



1番線が、無くなっていた。


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いや、有るには有るのだが、バリケードで塞がれていた。


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この部分は、新幹線の通過線になるのだという。
2030年開業予定の、まだまだ先のことであるが
工事は着々と進行中だということだ。



それに伴い、従来からの各方面の路線が
捌ききれなくなるというので、
北側にホームを増やしたのだそうだ。


従来10番線までしかなかった駅に、
11番線が増設されたのだ。



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とにかく機能を果たすよう造りましたという
そんな状態である。


エスカレーターもエレベーターも階段も要るし
表示やら何やら、もちろん線路も分岐して敷くし
結構費用がかかったことだろう。


そもそも、高架駅にホームを増やすのだから
基礎工事を含めてそれなりに大掛かりである。


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新しいホームは、まるで仮囲いの中にあるよう。



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でも既存ホームの薄ら汚れた角鋼管柱と比べると
新しさが眩しかったりする。


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ある程度の規模の駅は
いつでも工事中であるような気がする。


東京駅、名古屋駅なんかも
ずいぶん、かなり長い期間、
工事中が続いた。


名古屋は、やっと一段落ついたかと思いきや
またぞろリニア関係で大工事と相成った。


山手線沿いの大きな駅も
たいていいつでもどこかしらで工事中だ。



札幌駅も、駅周辺のビル建替ラッシュが数年前から継続中で
駅内通路の閉鎖、駅ビル店舗の営業終了、
トンネル掘削に伴う市道の通行止めや廃止、
これから建設する新幹線駅舎と周辺整備、
その他もろもろで、
今後も10年くらいは大工事が続くであろう。



そうやって、時代が進んでいくのだ。



それもこれも、平和であってこそなのだ。

はてさて、今後の世界情勢や、如何に?
(「番線が変わってる」おわり)
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2022年10月28日

お宮の松

海岸に立つ艶姿。


そんな松が、熱海にある。


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「お宮の松」として、観光地の一角に整備されている。


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お宮と言えば、これだ。


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今の世であれば、いや数十年前であっても、
各方面から非難轟々になりそうな構図の像ではあるが
まあ時代が時代なのだ。
現代の価値観で云々しても仕方あるまい。


尤も現代であれば、男女の立ち位置は逆かもしれないし、
そもそも「男女」などという区別をすること自体に
ケシカランとクレームが入りかねない気もする。

ま、そう言われつつも、
ファッション誌やらドラマやらその他あらゆる作品群は
やはり男女の物語を綴るものが多いのであって
そりゃ生物学的に男女の違いがあり、
実際のその組によるしか子孫を残す手段が無いのであるから
区別はせざるを得まい。
差別は根絶するにしても。


ま、そのお宮なのである。



この松の由来については、
詳細に記されている。


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この類のモノは、
たいていライトアップされるものと
相場が決まっている。


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生物である植物にとっては
本来暗くあるべき時刻に明るく照らされるのは
甚だ健康に悪いのではないかと危惧するところでもあるが。



上の由来にもある通り、
現存するのは二代目であって、
初代は既に世を去っている。



輪切りとなった亡骸が
身を晒している。


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そうか、尾崎紅葉って、35歳で亡くなっているのか。


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日本人の寿命は、現代に至り相当に伸びたものではあるが
伸びた分だけ人間としてより高みに達しているかというと
さて、どうなのだろう。


維新期の混乱時代、
30に満たずに一生を終えた数々の若者たちが
新しい国を造っていったことを思うと
現代と相当に異なる時代、価値観、勢いであったものと思われる。



とにかくも、風光明媚な熱海なのであった。
(「お宮の松」おわり)
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2022年10月01日

秋のニセコ

秋、である。



台風やら秋雨やら残暑やら、いろいろあるものの
収穫の秋であり、馬肥ゆる秋であり、
秋晴れの下で清々しい空気に触れられる季節でもある。



ニセコ町を、通った。



町内を縦貫する函館本線は、
現在建設中の北海道新幹線開通時には並行在来線として廃止されるようだ。

なので、このような姿を見られるのも、あと数年である。


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ニセコ駅も、廃線に伴いその役割を終える。


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しかし、まだ現在は運行しており、
駅前は秋真っ盛りの様相となっている。


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食用ではない大型のカボチャが
これでもかと並べられ、積まれている。



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わざわざ、こうやって並べるために作っているのか、
一般の作物のついでに作ったものが持ち寄られているのか。


費用をかけてというよりも、
ボランティが的な活動なのかもしれない。



冬期は隣町の倶知安と並んで
国内屈指のリゾート地として多くの客を呼び込む地であるが
他の季節でも、なかなかどうして素敵な場所である。


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コロナが落ち着いてきたこともあろう、
国内各地からの観光客もそこそこ来ているようである。


格好の撮影スポットとして、
重宝されているようだ。



ただ、どこにでもいろんな人が居るようで、
このカボチャを地面に叩きつけて割って騒ぐ輩も
出てきていたようだ。

孫の目の前でふざけてって、年甲斐もなく……。


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カラーの牛が、ちょっと異質!?



駅前には駐車場や温浴施設が設けられている。


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よく見えないけれど、奥の方にある建物が、それだ。



この牛は、季節にかかわらずここにあるのだろうか。
それとも、カボチャと一緒でこの時期だけ?


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田舎の駅前によくある、周辺のパノラマ地図。


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左上が積丹半島、右が羊蹄山なのであるが
これをパッと見て北海道のどの辺だかわかるようなら
結構な北海道通かもしれない。



駅舎は、レトロな感じの造りである。


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上のガラスの文字は、内部から読むことを想定されている。


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WELCOME ではなくて、ENJOY なのだ。


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無人駅ではないが、
運行列車の本数は少ない。



ホームにも、カボチャが並べられている。


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じつは、近隣の道路脇にも並んでいる。
いったい、何個のカボチャがあることやら。



この看板も、あと数年で役割を終える。


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鉄道が廃止になる際、その最終日には多くのファンが訪れる。

その日付の切符も良いとは思うのだけれど、
ほんとの「ファン」なら、普段から乗ればいいのに、とも思う。


利用者が少ないから、
採算が全然取れないから、
廃止されるのだ。


事業者側(あるいは自治体)の工夫次第で
何とかなる場合もあるだろう。

ローカル線の中には、いろんな努力で維持に努めているところも
確かにある。



けれど、ボランティアではないのだから
「採算」というのは絶対的に重要な要件なのだ。



これだけ車社会が進展してしまうと、
「鉄道」というインフラは経済的には厳しいのであろう。


貨物とか、国の根幹インフラとして位置づけるとか、
採算を度外視して維持するか、廃止するか、
どちらかしかないのであろう。



「地域の足」としては、既に役割を終えている。
撮り忘れたが、ダイヤを見れば一目瞭然だ。
この本数では、不便で仕方がない。



「地域の足」は、自動運転車に期待するしかないのかもしれない。



でもまだ、今なら鉄道で行ける。

駅で自転車をレンタルして、秋の北海道を堪能できる。
(「秋のニセコ」おわり)
posted by けろ at 18:00| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年08月29日

無毛じゃなくて毛無

余市郡赤井川村から、小樽市朝里へ抜ける国道393号線が
日本海に向けて下っていく手前に、「毛無峠」が存在する。

「けなしとうげ」である。無毛じゃなくて毛無。



同名の峠が長野県と群馬県との県境にもあって
辺りに木々が少なく地面がむき出しである様子から
そう呼ばれているようであるが、

赤井川村の峠はアイヌ語の「kenas(山林)」の音から取られていると
Wikipediaには書かれている。



この峠から日本海に向かって、急勾配のヘアピンカーブが続くのであるが
その直前にある毛無山からは、小樽市内を展望することができる。


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標高470mの展望所があって、
車を何台も駐められるスペースも設けられている。


「毛無」の名とは裏腹に、草木が茂り、
「はげ山」感は全くない。



眼下に、小樽港が広がる。


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奥の手宮地区から手前の小樽築港地区まで伸びる防波堤の内側は
漁船やクルーズ船や大型フェリーなどが行き交う
多くの埠頭を有する港となっている。



フェリーターミナル、ガントリークレーン、貨物用の倉庫、ホテルなどが立ち並ぶ。


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江戸末期から明治にかけて、ニシン漁で賑わい、
明治初期には、内陸の幌内炭鉱から石炭を積み出す港として栄え、
大正時代には北海道の物流の玄関口として
「北のウォール街」と称されるほどに栄えた小樽も
現代ではかなり様相を異にしている。


旧運河周りを美しく整備した頃から、
観光都市として国内外からの訪問客を集めるところとなった。


コロナ禍により観光客が激減し、
経営難に陥った数々の飲食店、商店、宿泊施設など。



過去最大の、世界最多の感染拡大を示す第7波の最中にあって、
それでも緊急事態宣言などの制限措置が発令されていないゆえか
冷涼な気候を求めてやってくる多くの国内客で
賑わいをある程度取り戻しつつあるこの頃。



感染拡大防止対策やらマスクやらワクチンやらに関する
専門家、政治家、芸能人、ど素人の
さまざまな言説がてんこ盛りの中にあって、
それでも人々は生活し、活動し、生きているのである。

そんな逞しさを感じつつ。



コロナ談義も、
結構「不毛」なものが多いよなと思いつつ。


「毛無」山展望台にて思い巡らすのであった。
(「無毛じゃなくて毛無」おわり)
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2022年08月12日

未来への誘い

駅にある、ステンドグラス。


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何に見えるであろうか?



東北の深閑とした森の中、木々のこずえの向こうに登る太陽 なのだそうだ。


佐藤忠良(ちゅうりょう)氏が、原画を提供した作品である。



美術系にはとんと疎いワタクシではあるが、
東北の玄関口に掲げられたこの作品は、印象に残る。



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「さそい」と読むか、「いざない」と読むか。
漢字表記しかないから、わからない。

制作した法人のページ によれば、「さそい」が正解のようだ。



こういうパブリックアートを探訪している方々もいらっしゃるようである。

なかなか、面白いかも。



「建築設備」と一緒で、
その気になって関心を持って街中を見渡せば、
たくさん存在しているのかもしれない。



何も意識することなく整えられた室内環境を享受しながら
それを提供する「建築設備」に目が向いていない一般の方々のように、

ワタクシ自身、何も意識せずして、
これらのアート作品が醸し出す、あるいは織りなす、社会環境を享受しつつ
その根源たる作品群に目が留まっていなかった。



そんなことに、ちょっとだけ、気づけたのかもしれない。
(「未来への誘い」おわり)
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2022年07月27日

並べてみないとわからない

JR新千歳空港駅の改札を出たところに
地図が貼ってある。


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北海道地図に、
薄っすらと本州の地図を重ねてあるものだ。



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「北海道と本州の大きさを比較」

そう書いてある。



北海道で旅程を考える際には、
こういうのを参考にするとよいであろう。



「新千歳空港からぁ、
 函館に言ってぇ、夜景を見てぇ、
 大沼公園のステキなホテルに泊まってぇ、
 洞爺湖の観光船に乗ってぇ、
 積丹半島の神威岬で写真を撮ってぇ、
 小樽運河とか見てぇ、
 札幌時計台に寄ってからぁ、
 旭山動物園に行ってぇ、
 北海道最北端の宗谷岬を巡ってからぁ、
 知床(事故があったけど安全対策強化したから大丈夫よね?)を見てぇ、
 納沙布岬灯台を見てぇ、
 霧の無い摩周湖を見てから
 帯広の豚丼を食べてぇ、
 襟裳岬にも足を伸ばしてからぁ、
 十勝空港から帰京するのっ!」


海鮮丼全部のせみたいなスケジュールをこなそうと思うと
相当な日数を要することが
地図の比較によって理解できるはずなのだ。



翻訳すると、こうなるかな。


「県営名古屋空港を起点に
 琵琶湖をぐるっと回ってから奈良の吉野に行って
 名張あたりに泊まってから
 彦根城に寄って
 越前海岸で若狭湾を背景に写真を撮って
 福井の街を見て
 郡上おどりも見てから
 魚津の水族館に行って
 佐渡から大和堆あたりまで行って釣りをしてから
 猪苗代湖(遊覧船、湖だから大丈夫だよね?)を見て、
 水戸の偕楽園に寄って
 宇都宮餃子を食べてから
 甲府の信玄餅も食べに寄って
 西伊豆から駿河湾を眺めてから
 富士山近くのヘリポートから帰京する」


全部レンタカーで巡るとなると
一体何kmの道程になるのか!?


「北海道」という括りにしないで
地域を絞る必要性が理解できるであろうか。



2018年、北海道胆振東部地震で震度7を観測した際に
知床観光も訪問者が減って打撃を受けたという。
同じ「北海道」だから。


岐阜で局地的に起こった大地震により、
猪苗代湖観光の訪問者が減った!?
同じ「本州島」だから!?



距離感が無いと、そういう現象が生じるのである。
(「並べてみないとわからない」おわり)
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2022年07月25日

行けそうで行けてなかった

当ブログでもたびたび触れているとおり、
ワタクシは博物館の類が好みである。


一般的なものももちろんだが、
少々マニアックなものがあれば、
なおよろしい。



ただ、そうそう頻繁に行けるかというと
そういうわけにもいかない。

情報収集だけは、それなりに続けているのだけれど。



そんな中、存在は知っていたけれどなかなか行けていなかった所に
ようやく訪れることができた。



目黒駅から少々あるいた場所に、それは在る。


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寄生虫を扱うところなのである。


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このビルの1階と2階が展示スペースになっていて
一般の見学者を入場無料で受け入れている。


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公益社団法人に認定されている。

「広く寄生虫学の発展に寄与することを目的とした」
公益に適うところであると認定されているのだ。



決して広々としたスペースではないのだが
ワタクシとしては見ごたえがあった。


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1階の展示スペースは
このくらいのサイズ感である。


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たくさんの寄生虫の標本が
ホルマリン漬けになっている。


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中央の標本(表・裏)と、
壁面に並ぶ標本や説明パネル。



決して面白おかしいものでもないし、
費用をふんだんに投じてなんとか工藝社とかに委託したような
洒落た展示というわけではないだろう。

でもやっぱり「実物展示」は魅力的である。



じっくり見ていると、どんどん人がはけていく。
だから、こうして撮るタイミングも到来する。



2階に上がる。

山口左仲展示、寄生虫学の歴史、の小部屋。


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昔々、顕微鏡とスケッチで進めた研究成果が
地味に並べられている。

地味だが、たいへん貴重に思える。

分電盤やライティングレールやエアコンよりは
人々に気づいて見てもらっていると思う。



人獣共通寄生虫という括りがあって、
ヒトや動物の体内で繁殖・成長する生活サイクルが
説明されていた。


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こういうことがわかってきたのは
長い人類の歴史上においては
ほんの最近のことである。


昔は、「原因不明の病」ばっかりだったに違いない。



実際に人体から回収された、日本海裂頭条虫(サナダムシ)。


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この長さを、よくぞキレイに回収できたものだ。

体感8.8mの真田紐は、
コロナ下ゆえ展示中止となっていた。


触るものは、基本的にダメなのね。

ま、仕方ないね。



実物標本は小さいので
大きくした模型も展示されている。


22072510.JPG


蠟などでこういうものを作り上げる人たちが
いるのである。

すごいね!



人体寄生虫にもいろいろあって。


22072511.JPG


ぎょう虫検査ってやつがあるけれど
「かつては80%以上の子どもに感染がみられた」
なんて書いてある。


日本の衛生環境の改善のほどがわかろうというものだ。



この建物の設備はと言うと。


22072512.JPG


そんなに特別なものは無い。


展示物を照らすために
ライティングレールが設けられているくらいで
あとはフツーの照明、火報、ITV、放送、非常照明、
そしてエアコンだ。



公開されていない研究スペースなどには
ちょっと特殊なものがあるのかもしれない。



ミュージアムショップのコーナーもあって
寄生虫プリントTシャツとか、写真集とか
各種グッズが置かれていた。


このテの博物館も好きだが、
寄生虫Tシャツを着て街を歩く度胸はない。


行くのが好きなのであって
積極的にアピールするようなタチではないのだ。

ま、人それぞれということで。



この目黒寄生虫館、入場は無料だ。

ただ、任意の寄付金は募集していて
募金箱が置いてある。


維持管理にも、研究事業にも、費用はかかるであろう。
ささやかながら箱に入れさせていただいた。



老舗の店舗やローカル鉄道線もそうだが、
閉店・廃止が決まってからそれを惜しむのは身勝手というものだ。

行く、買う、乗る。

自らが出来る限りの応援をして、支えるべきなんじゃないかと思うのだ。


ただ、応援者が不足して、あるいは運営費が嵩んで
維持が難しくなってしまったとしたら
廃業もやむを得ないことなのだ。
ボランティアではないのだから。


この寄生虫館には、頑張ってもらいたいなぁ。

機会を持てる方は、ぜひ訪れていただきたいものである。
(「行けそうで行けてなかった」おわり)
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2022年07月14日

ホントにやる気なの?

イモムシのようなトンネルを通り、
上がっていく。


22071401.JPG


この中には、昇り降りのエスカレーターと階段とが設けられている。
結構落差(段数)があるから、みんなエスカレーターに乗ると思いきや、
結構階段をフーフー言いながら上がっている人がいる。

何か、人を惹きつけるものがあるのだろう。
長い階段には。



登った先には、不沈空母? 的な建物が建っている。


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大洪水が来ても、ここに居れば大丈夫!?



と言っても、浮かぶことはあるまい。

そもそも、ここまで水が来るようであれば
日本沈没レベルじゃないか。



ここは、山なのだ。


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結構な高さのジャンプ台が控えている。

先ほどの不沈空母は、このための施設である。



22071404.JPG


しっかし、この高さを、ものすごい勢いで
むき身のまま(いくらジャンプスーツを着ているとは言え)
飛んでしまうのだ。


恐っそろしい事である。



そういう「天性」ってなものが
あるんだろうな。



表彰台。


22071405.JPG


というか、記念撮影台だね。



手前には、オリンピックミュージアムも建っている。



TOKYO2020が、2021に行われてからまだ1年と経たないけれど
「次っ」とばかりに、ポスターやらスローガンやらが
そこかしこに見られる。


22071406.JPG


アスリートにとって、夢の舞台の一つであることは
論を待つまい。



あとは、政治的な云々とか、経済的な云々とか、
そもそも国際情勢云々とか、そっちの側面がなかなか大変であって
高度成長期の東京・札幌オリンピックの頃とは違って
諸手を挙げて賛成! なんていう意見がどのくらいあるものか
わかりかねる部分もある。



ホントに、やろうとしているんかいな。


できるんかいな。


どうなんだろうねぇ。



眼下に見える、200万人近い居住者がいる都市。


22071407.JPG


瓦礫の山が多数生じてしまったキーウの街のように
ミサイルが飛んでくるような事態が無ければ良いのだけれど。



「そんなことないよ。あり得ないよ。絶対無いね」



半年前だったら当然言えていた筈のことが
ハッキリ言えないかもと訝ってしまう今日このごろ。


ますます、一寸先は闇 を体感する時代になってしまったのだなぁ。



で、やる気なのかな。出来るのかな。

大規模国際総合運動会。
(「ホントにやる気なの?」おわり)
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2022年07月01日

四百年後は好き勝手に

浜松駅北口に、
なにやら大きな植栽!?


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市のマスコットキャラクター なんだそうだ。



没後四百年も経っているからして
もう誰にも何にも文句は言われる筋合いも無いんだろう。


徳川家の末裔の方もおられるのだろうけれど
「許諾」なんて、要らないのか、
一応義理立てしてご挨拶とかしたものなのか。



出世法師直虎ちゃん なるキャラもあるそうなので
井伊家にも何かあったのかどうか。



ま、そんな由緒正しい家系とは何の関わりもないワタクシにとっては
ただの「キャラ」でしかないことは確かだ。


「ご先祖を侮辱して」なんて気持ちは
微塵も持ちようがない。
(「四百年後は好き勝手に」おわり)
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2022年05月16日

しばらくはいれない、赤れんが

北海道旅行のパンフやガイドに必ず載っていると言っても過言ではない
北海道庁旧本庁舎。

通称「赤れんが庁舎」



ひさびさに行ってみたら、
あらあら。


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工事囲いで囲まれてしまっているじゃない。


中に入ることが、できないじゃない。



そう。いろいろ朽ちてきたし、傷んできたし、
耐震性能が足りないっていうんで
改修工事してるらしい。


そんな説明看板が、あった。



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ホントは2019年度に着工する予定だったらしけれども
ほら、あの『東京』オリンピックのマラソン競技が
札幌で開催されるっていうんで
それが終わるまで延び延びになってたらしいのだ。


オリンピックが延期になったので
まさか工事中の赤れんがをバックに中継させるわけにいかないから
また、観光の目玉商品を観せないっていう選択肢は無いから
これの工事も延期になったみたい。


でも、看板のスケジュールは古いままになっていた。
5年くらいかけるようだから、
当分は見られないままである。


仕方ないね。



結構、いろんな観光地でそういうことがあって、
「タイミング」って大事なのだ。



暑い東京じゃ厳しいからって
札幌に移転したオリンピックのマラソンと競歩。


タイミングが悪いったら悪すぎて
記録的暑さに見舞われてしまって。

2日後には爽やかな北国の空気を堪能できたのに。
(「しばらくはいれない、赤れんが」おわり)
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2022年05月09日

五十里湖の桜

国道121号線を走っていて、
ナビの地図で二股に分かれていることに気づいた。


男鹿川のダム湖である五十里(いかり)湖の右岸側と左岸側に
それぞれ国道121号の表示がある。


が、左岸側は通り抜け出来ずに途中で通行止めになっていた。



ただ、通行止め部分も途中までは行くことができて、
ちょうど昼どき、蕎麦屋があるらしいということで
分岐を曲がってみた。


車を停めると、五十里湖を眺めることができる。


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あいにくの曇天であった。


青空が広がっていたならば、
爽快な絶景であったろう。



それでも、桜の花弁がまだ結構残っていて
春らしい景色ではあった(少し前の時期である)。


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桜もだいぶ葉が出てきていて
盛りは過ぎた感じであった。


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さて、蕎麦屋であるが。


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屋号は『湖畔亭ほそい』。

看板には「地粉使用 手打ちそば うどん」
と書いてある。

だから「蕎麦屋」と呼ぶのは違うのかもしれない。



ざる蕎麦を食した。


手打ち感が全面に出ていて
歯ごたえが結構あって、
めんつゆも含めて、ワタクシにはかなり好みの味。


蕎麦かうどんか、と言えば、
ワタクシは断然蕎麦であった。

うどんは嫌いではないが、それほど好きでもなかった。

けれども 四国は讃岐の本場のうどん を食したら
その価値観はガラッと変わった。



まあでも、本場でなければ
やっぱり蕎麦のほうが好きかな。



肝心の蕎麦は……。


腹が減っていて
待ち遠しくて
美味くて、
勢いよく食べてしまって、
気づいた。

……撮ってない。



ま、よくあることである。


各種グルメサイトを見れば
いくらでも写真やクチコミが載っているのだ。
(「五十里湖の桜」おわり)
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2022年05月02日

北国の春

そんな題の演歌もあったはずだ。



積雪寒冷地の春は、劇的である。

本来の日本の歳時記とは異なる様相を示す。



新年を迎えた後に、2月に梅の花、3月に桜、そしてツツジ、そして……
というような季節の移り変わりは、無い。


雪山に覆われた地面が姿を現し始め、
徐々にその面積が広がり、日差しが強まってきて
やがて道路や日向の雪がほぼ無くなるやいなや、
あらゆる植物が一斉に生気を表してくる。


フキノトウが顔を出し、桜も梅もほぼ一緒に咲き始め
スイセン、クロッカス、水芭蕉、コブシ、レンギョウ、チューリップ、
次々と、ほんとうに日毎に次々と、咲き始める。



ある程度の距離車を走らせたり、標高が変わっていったりすると、
徐々に季節が移り変わる様子がわかったりする。



首都圏なら車やバスや観光客で溢れそうな場所であっても
人口密度の低い北国であれば、それほど人は居ない。
まして現在のコロナ禍により外国からの来客が途絶えている現在、
国内観光客もまだまだ抑制されている時期であれば
たいていのところは平日なら貸切状態に近い。



石狩川の最下流部付近に
ちょっとした湿原地帯がある。


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一応河川敷的な部分ではあるけれども
「ほぼ川」な場所である。

春先、桜が咲く直前くらいに姿を現す
水芭蕉の群生地でもある。



かつては堤防下から向こうを眺めるだけだった場所であるが
現在は木道も造られていて
近寄って鑑賞することができるようになっている。


22050202.JPG


「ほぼ川」という感じは、わかっていただけるのではないだろうか。


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「満開」よりは少し早めだったけれども
終りかけは少々みっともない部分も出てくるので
ちょうど良い頃合いだったようである。


22050204.JPG


一応は毎年4月何日頃、という統計値はあるけれど
開花時期はその年によってかなり異なる。

冬から春にかけての気温の推移、天候の良し悪しなどの条件により
ずれて当たり前なのだ。


だから、「それを目指して観光」しようと計画を立てても
なかなかうまい具合には合わない。


「たまたまうまく当たった」か
開花の報を得て直ぐに旅立つか(それだってハズレは有り得る)
するしかない。



劇的で、一期一会の、北国の春。


22050205.JPG



北国に限らないかな。


いつだって、どこだって、
「その一瞬」は、その場限りのものなのだから。
(「北国の春」おわり)
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2022年05月01日

まだまだ山がある

季節によって、地形は変わる。


冬になると、地図に載っていない山が
多数出現する。


もちろん、人為的なものだ。



春が来ると、その山々は徐々に小さくなっていく。

もちろん、人為的にも崩されていく。



やがては姿を消すのであるが、
それまでには少々時間と労力を要するのだ。



信号待ちの際に、ふと横を見ると。



22050101.JPG



絶賛、土木工事のような作業が繰り広げられている。

バックホーやブルドーザーが、忙しなく働き続けている。



冬期間、各所から運搬され積み上げられて形成された
大きな雪山である。


雪堆積場、などと表示された看板が出たりしているが
通称は「雪捨て場」。



除排雪された雪は延べ数万台ものダンプに積まれ
あらかじめ契約された堆積場に、契約量分までは運び込まれる。


今冬はたいそう積雪が多く、契約変更を行って
受け入れ量の増加を図った場所が多数あった由。


したがって、それぞれの雪山の高さ大きさは
例年に比してかなり大きなものとなったという。



ただの「何もない土地」ならともかく、
農地、牧草地、資材置場、駐車場、公園などとして
春夏秋は利用される土地であるゆえに
契約期間までには消失するように
せっせと崩し、均して頑張るのである。


熱源は大気と太陽光であるから
ザクザクと切れ目を入れて
なるべく空気と接する面積が大きくなるように
広く均して太陽光がふんだんに当たるように
日々、重機がはたらく。



太陽熱を効果的に受け入れられるように
黒い土を撒く場合もあるようだ。

が、たいていどこかから飛ばされてきた土や砂で
表面は徐々に汚れていくから
真っ白、ということはないが
崩したての部分はまだまだ真っ白だ。


22050102.JPG


記録的大雪で車が通るのもやっとだった道路も
いつしか完全に姿を現して
走行には何の支障もなくなる。



地図に載せたくなるくらいに巨大な数多の雪山も
やがてはすべて溶けきって、平地となる。

それでも、懸命の崩雪作業を経てしても
まだまだ桜の時期には大きな山体を晒している。


でもさすがに藤が麗しく枝垂れる頃には
その面影を全く残さなくなることであろう。
(「まだまだ山がある」おわり)
posted by けろ at 22:00| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年03月30日

雪に埋もれる駐車場

たくさん雪が積もる頃、
屋根のない駐車場はなかなか大変である。



積雪が踏み固められ、
GLから500mmくらいは高くなっている。

だから、地面にあるはずの駐車スペースの表示は
見えない。

単管で車室範囲を示すとともに、
「車室中央」の矢印付の表示を設けてあった。


22033001.JPG


これなら、わかりやすい。



もっとも、ある程度の利用台数があった後であれば
轍が自ずと駐車スペースを示すことになる。


後方の雪山は
まだ柔らかいこともあるけれども
ガッチガチに凍っていることもあって
そんな場合にはぶつけると車が凹む。

またはバンパー部カバーが剥がれる。

そうなると色んな面でキツイ。
(まあ、主として金銭面)



中には、一晩中停められていたのだろうか、
除雪に取り残されたまま埋まっている車があったり。


22033002.JPG


路駐もそうだけど、
ホントに邪魔。


こういうのは、やめよう。



でも、ひょっとするとここに停めた後で
不慮の事故とか急病とかでどこかに担ぎ込まれて
不本意ながらこういう状況に陥ってしまっている可能性も
無いわけではない。

だとすると可哀想なのだけれど。



精算機には、
屋根が必須だろう。


22033003.JPG


雨ももちろんしのげるし、
雪が積もってもカバーできる。



吹雪いちゃったら、仕方ないけど。



雪がたくさん降って積もって
その後気温が少し上がって、
雪が締まって、融けかけて、
その後気温が下がってガチガチになって、

……そんなこんなを何度か繰り返したあとの
屋外駐車場は、なかなかキビシイことになる。



が。



こういう感じでヒーティングの入っていない駐車場は
その分利用料金が安かったりするので文句は言えない。

いろんなバリエーションがあるのは、良いことだ。



ただし、
雪道運転に慣れない方が
レンタカーで利用する際には
できるだけヒーティングの効いた
駐車場をお薦めする。

少々料金が高くても、
雪に嵌ってうまく脱出できなくてJAF呼んだりするよりは
いいんじゃないかな。


慣れてきたら、
チャレンジしてみるのも良いかも。



そもそも、この類の駐車場に至る枝道は
道自体がボッコボコのオフロード状態になっていることが多い。

かなりのコツが必要となるので
安易に乗り入れないほうが無難だと思うのだ。
(「雪に埋もれる駐車場」おわり)
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2022年02月14日

砲弾かボンベか

高速道路のパーキングエリアに、
それはあった。


山の中の、まあそれなりに景色は良かろうが
決して観光地というわけでもない場所に
置いてあった。


その用途については
見ただけでは決してわからないであろうと
設置者が思ったからなのかどうか、
白文字でハッキリと記してあるから
まあ、わかりやすい。



22021401.JPG



元は、何だった?


ボンベっぽくも見えるし、
砲弾っぽくも見える。


そもそも「元」なんてなくて、
このために作られたモノだったりする?



仔細は不明なれども、
何とも面白いモノが置いてあるものだ。


使わなかったけど。
(「砲弾かボンベか」おわり)
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2022年02月03日

いつでもビューできるわけでもない

ビュープラザ、という道の駅 がある。



とうぜん、景色の良い、眺めの良い場所であって
「ビュー」できるからこその命名である。


22020301.JPG

(雪の無い頃の写真であるが)



が、そこは天候次第であって、
必ずしもビューできるというわけではない。


当たり前の話だ。



正面に、蝦夷富士たる羊蹄山が堂々と屹立している、はずなのだが。


22020302.JPG


うん、確かに途中までは「ビュー」できるんだが。


やっぱり、山体というものは、
頂上までくっきり見えてこその眺めであるのだ。


でも、仕方がないのだ。



まだ、低く垂れ込めた雲によって
山の存在すらわからなくなっていないだけ
マシなのだ。



残念だけれど、ね。
(「いつでもビューできるわけでもない」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする