2023年03月08日

川底の下に埋まる

みどりの、川。


青汁みたいだ。


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なんとも、スゴイ色である。



壁面の状況からして、
それなりに水位変動があるようである。



あのタラップを、降りていく必要があったり
するんだろうか。



あの雨水管の奥には、
何かが棲んでいるだろうか。



そして、この川の下には、埋設物が。


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とにかく、あちこちにいろんなモノが埋まってる。


管理台帳で把握されているモノ以外にも、
恐らくイロイロあるはずだ。


わかんないけど、
でも必要性があって掘ると、出てくる。


その度に、当事者は驚き、困り、悩み、
とにかく何か解決しなきゃならない。



ロケット打ち上げの失敗なんかがあると、
文系の方はとにかく騒ぎ立てるような気がする。

「中止」の時にだって、
「失敗って言いますっ」って捨て台詞を吐いたり。


当たり前のように出来ていることって、
じつは全然当たり前じゃぁなくって。

そこに、
多大な努力と研究と犠牲と時間と費用とが注ぎ込まれてなお、
不明なことや未解明なことが次々と出てきて
結果うまくいかないことも多々あるのだ。


ときどき、

「じゃあ、アンタ、やってみ?」

言ってやりたくなったりする。
もちろん出来っこないし、絶対逃げるだろうけどさ。



あんまり文系理系なんてカテゴライズして
分断を図るのはよろしくない事だとは思うのだけれども
技術系の仕事をしていると特に、
なんか、目について仕方がないんだよねぇ。


理系工学系の学部は人気が無いだとか、
技術系はブラックで避けられるとか、
薄給だけど働かされ放題で
責任は全部おっつけられるとか、
今に始まったことじゃないけれども
そういう「文化」って、あるよね。



でも、いいんだ。



この、川の下にひっそりと埋まる下水管のように、
認識されていなくっても、
だぁれも気にしていなくっても、
日頃は恩恵に与っている人たちによって
なんか不具合が生じた時だけ激しく罵倒されたとしても、
そんなもんだ、って思うだけのことなのだ。



さぁて、この国の科学技術は
これからどうなっていくんでしょうね。


文系の経営陣が
安くこき使える従順な技術者を求め続けるばかりだと
お先は暗いかな。



でも、大丈夫。
そうじゃない会社だって、
いっぱいあるんだ。

……そう思いたいね。
(「川底の下に埋まる」おわり)
posted by けろ at 23:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 土木工事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年12月31日

大橋

なんとか大橋、と言われるものは
全国各地に多数存在しているけれども
その表情はそれぞれであって
機能美を醸し出す構造美が目を惹くのである。



そんな「大橋」のひとつの傍らに、
道の駅が造られていた。


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「みたら」……文字通り、見たら? っていうことかな。


「しらとり」ではなくて「はくちょう」と読む、大橋である。



内部の吹抜け空間にある、
ブリーズラインとノズルの共演が嬉しいのであるが
そこを気にする人は誰も居ないようだ。


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その下のイラストは、
やきとり(と称する、豚串)と灯台、橋、船が
山と海とを背景にしている、室蘭市のブランドマーク


こっちは、目にしてもらえていることだろう。



さて、肝心の  であるが、
半島状に突き出た室蘭市の先端部を内陸部とつなぐ
交通路としては意義の多いルートを形成したものであるのだが
かつて鉄鋼や製油で栄えた工業都市が斜陽になりつつある現代、
産業振興としての役割がどの程度果たせるのか心許ない。


むしろ観光資源のひとつとして
人口減少 のなかで活用すべく奮闘中、というところであろう。



瀬戸大橋や明石海峡大橋などと比べると規模が小さいかもしれないが
なかなかに美しいフォルムを持つ吊り橋である。


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橋のたもとにはパークゴルフ場もあるのだが
結構風が強いのでプレーヤーはなかなか大変だ。


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屋外で鑑賞するのはハッキリ言って寒い(盛夏期を除く)ので
「みたら室蘭」の2階から窓越しに見るのが良いのである。


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ここには、建設の経緯やケーブルの仕様、模型など
若干の資料展示もある。


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1階のレストランでは、室蘭のB級グルメ も提供されている。



橋は2階テラスに出て見ることもできるのだけれど
強風で締め切りになっている日も多かろう。



2階記念室の窓にはフレームが多いので、
階段部の窓から見るのが、
いちばんキレイに見えるような気がする。


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ここなら寒くないし。



こういうのも、平和あってこそのモノだよなぁ。

昨年末は、ロシアによる戦争が起こされるなどとは
誰も(各国の諜報機関を除いて)予想だにしていなかった。

長期戦の構えになってきているけれど、
来る2023年、早期に平和が訪れんことを願いつつ。

間違っても「侵略した側が勝ったぜ」とならないことも、願いつつ。



今年も一年、
この拙ブログを訪れていただき、
ありがとうございました。


よろしければ、また続けてお越しくださいませ。


全く先の見えない時代の中、
それでも「せつび」のあれこれを
発信していけたらと思っております。



またよろしければ 設備と管理 も是非ご購読くださいませ。
(「大橋」おわり)
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2022年11月23日

そこにあるゼロ

小樽港の中をゆく。



石狩湾の西端に造られた港湾は
物流の拠点として、
フェリーターミナルなどとして
明治期の石炭から現代の豪華客船に至るまで
利用されてきたし、
これからも利用されていくであろう。


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港の湾側には、
古くに築かれた防波堤が
なお現役で活躍している。


『港湾工学の父』である、廣井勇によるもので、
北海道遺産 として登録されている。



建設コンサルタンツ協会のページ でも紹介されている。



北防波堤に、赤い灯台。



そして、南防波堤に、白い灯台。


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この灯台の下には、小樽築港2代目事務所長の遺骨が納められている という。



灯台の脇にある文字が気になる。


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何かの起点か?

それとも水準?


明治期に設けられた文字そのままではなさそうだ。



一体……?



上で紹介しているページなどを見ると、
縦に書かれた ゼロ の左に、海。右に、難、と
丸い看板が取り付けられている。


『海難ゼロ』


というスローガンを貼り付けてあったようだ。


海 と 難 が取れてしまっているのが
現在の状態であるというのが正解のようだ。


ついに、海難が無くなった。


そういう解釈でよろし?

海、難、の2文字が波浪によって取れてしまった事自体が
海難と言えなくもないけれど。



なかなか、
海の構造物も面白いものである。


スローピングブロックシステムなど、
上記で紹介したページを見ていただくと
昔の技術者たちの智慧に圧倒される。



PCやらドローンやら、
道具は目覚ましい進歩を遂げているが、
人間力そのものは果たしてどのくらい進歩できているか。


ちょっと振り返ってみたくなったりもする。



が、まあ、多くの技術者たちは確かに進歩し、向上し、
スキルアップ、レベルアップしているに違いないのだ。


ワタクシは数少ない例外なのかもしれないなぁと、
なんとなく寂しくはある。
(「そこにあるゼロ」おわり)
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2022年09月19日

バイパス管なんだって

それほど大きくもない川があって。


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ほんと、ちょっとした「せせらぎ」なのだ。



だが、その脇に、何やらあるのだ。


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トンネル?

抗口部分が板で塞がれて、ドアが取り付けてある。



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覗いてみる?



「ライト点けるから、見てね〜」


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おお、中はドロドロである。


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足跡が中に続いている。

どこへ続いていく?



これ、冒頭の川の上流部分へとつながっている。



この川の途中に、これからダムを造るのだという。

ダム建設時には川をせき止めてしまうのだけれども、
流れは下流に送ってやらねばならぬ。


そのための「バイパス管」としてのトンネルなんだそうだ。



制御弁装置のバイパス管とは、スケールが全く違う!



人間の尺度ではどう見たって「トンネル」であるが
河川を、流体を流す配管として捉えるならば
やはり「バイパス管」なのだ。



これだけスケールが異なると、
あらゆる点で違いが生じるのは仕方がない。



材料も、施工方法も、工期も、費用も。



……当然、設計費も、だよね。
(「バイパス管なんだって」おわり)
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2022年07月26日

湯西川ダム

ちょっと足を伸ばす機会があって、
更に足を伸ばせば行けそうってことで
押し込んでみた。

「足」といっても自動車なのだが。



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湯西川ダムである。



鬼怒川上流域に設けられている、
重力式コンクリートダムである。


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ここの管理棟でダムカードを入手できる。



堤体はこのようになっている。


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2008年本体着工、2012年完成ということで、
比較的新しい堤体である。

堤高119m、堤頂長320mということである。



減勢池は、かなり下の方に見える。


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ダム湖側も新しさを感じさせる。


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ボート発着所か。

観光船でも浮かべたら
それなりに需要あるんじゃないかな。


ま、安全対策、カスハラ対策なんかをやっていたら
管理運営費が嵩んで、採算が取れないんだろうな。


予約制で利用者募集するくらいはやったら
ある程度の収入にはなるんじゃないかしらん。
(「湯西川ダム」おわり)
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2022年07月17日

1トンの石球を手で動かせる

「グラニットボール」は楽しい。


だってさ、こんな1トンもある球体を
手で自由に回せるんだよ。


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普通じゃ動かないようなものが
動かせちゃうって、感動モノじゃない?



ま、ポンプ揚程に依存しているだけなんだけど。


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文字通り「手玉に取る」ことができるなんて
嬉しいじゃないか。


軽自動車でジャグリングしてるみたいなものだ。



でも、0.064MPaで済むんだね。
「圧力」だから、面積がかかっているから
力としては大きくなるんだね。
(「1トンの石球を手で動かせる」おわり)
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2022年07月04日

橋桁とか橋脚とか

たまぁに、でっかいモノにも目が行く。

べつに「せつびなんてちゃちいモノよりも、デッカイのがいいね」
というわけではない。


せつびを愛でたいのは変わらないのだけれども
他のモノにも目がいく、それだけだ。


移り気が多いって?


対人じゃないから、いいだろ。



さて。



鋼製の構造物も、なかなかたのし。


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いろんな震災を経て、
橋桁にはたいてい落橋防止装置が装備されている。


かな〜り、ゴツいものたちだ。



剛で固めるもの、
ワイヤーで引っ張るもの、
いろいろだ。


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あのへんのヒンジがガシンガシンと動いて変形して
巨大ロボットにでもトランスフォームしそうな、
そんな造り。


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第二次大戦後、
何度も何度も各種怪獣やロボットの類に破壊され続けてきた
(つい最近も、シン超人や怪獣どもによってやられている)
首都高速の防衛機能の一環として、
そういう装備があっても良いのかもしれないが、
しかし現状設けられているものは基本的に地震対策である。



「せつび」と比べると、とにかくスケールが大きいのであるが
計算上必要な張力に耐えるだけの強度と断面積を有していれば
その機能は果たすはずである。


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これらを支える、鋼製の橋脚の
継手部分のボルトナットの数と言ったら。


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穴の数による断面欠損はもちろん計算に入っていて
結果このようになっているに違いないのだ。


少なくとも、定常の熱負荷計算に比べれば
遥かに工学的に確実性の高い計算となっているはずだ。


長円形の点検口が、カワイく見えるくらいだ。



汚垂れ防止なのか、傘付の点検口もあって、
どういう使い分けをしているのか、
とんとわからなかった。


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でも、「移り気」だなんて言っても、
やっぱり地面のほうに意識が向く。


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どこだって、いつだって、
何らかの配管が埋まっているんだ。
(「橋桁とか橋脚とか」おわり)
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2022年06月26日

筋だけが残った

とある公園、というのだろうか
そんな場所で。



敷地の分界ということだろうか、
擬木で作られた柵が設けてあった。



しかし、作られてから相当の年月が過ぎ
徐々に朽ちかけている、そんな擬木。


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コンクリートが劣化して、部分的に剥がれ、
鉄筋が露出している。


そこから入り込んだ水分によって鉄筋が錆びて膨張し
ますますコンクリートを侵していく。



今まさに、その現場に居合わせているのである。



が、ここはまだマシなのであった。



なぜなら。



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コンクリートが完全に脱落して
鉄筋1本が残されている部分もあったから。



あと何十年かすると、
鉄筋だけでできた柵が出来上がるのか、
その前に朽ちて倒れるのか、
あるいは修理、あるいは更新されるものか。



いかんせん、どこも予算が厳しいのだ。

なかなか、こういう所にまで
工事費が行き届きにくいのだ。


さて、この先どうなることだろう。
(「筋だけが残った」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 土木工事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年02月26日

海から生えてる

着陸が近づき、海面が近くなり、
窓の外を見る。


すると、海から何やら生えてきているのが
見える。



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上空から見るとさほどの距離でもないかのように見えるけれども
約15kmある東京湾の幅の半分を橋で、半分をトンネルで結ぶ
東京湾アクアラインが、ちょうど海から生えてくる場所 なのだ。


全部を橋とか、全部をトンネルにしなかったのは、
橋の業界にもトンネルの業界にも恩恵があるように……なんて話も
あったりしたのだけれど。


首都圏の物流を担う大型船舶が行き交う回路の要衝でもあるからして
「全部橋」というのは支障が大きいだろうし、
換気の都合などもあるから、
全部トンネルというのもかなり大掛かりになってしまう。


ということで、結構妥当な線なんじゃないかと思うのである。



莫大な建設費と長期にわたる工期と多大な労力によって
出来上がっているのだけれど、
こんなのもミサイルなんか撃ち込まれたりすると
一瞬でダメになるだろう。



壊したり、殺したり、燃やしたりするのは簡単である。

ブッ放すだけの話。

エントロピーを激増させるのは
自然法則的に進行方向にあるのだから
簡単で当然。


しかし、エントロピーを縮小させるには
多くのエネルギーを必要とする。


そっちのほうに、知恵と労力とエネルギーとを
使うわけにはいかんのかねぇ。



国と国とが当事者だと規模がデカくなるだけで
内戦や紛争、テロ、殺人事件、傷害事件は
日常茶飯事だ。


ニンゲンのサガなんだろうね。
結局、そういう種、そういう生物だということなのだ。


だけどね、それを言い訳にして
ぶっ壊す側にはなりたくないわなぁ。できることなら。



ま、国家指導者がやっちゃうと
一般国民に出来ることは非常に限定されてくるのだけれども。


そして世の中、綺麗事だけでは済まないのも確かなのであって。



海ほたる(に限らないけれど)、
少なくとも人為的にぶっ壊されるんじゃないことを
願うばかりである。



flightradar24 を見ると、
見事なくらいに、ウクライナ周辺を飛行機が避けて飛んでる。

前に民間機が撃墜されているから
そりゃ避けるよね。
(「海から生えてる」おわり)
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2021年08月15日

石山緑地は凝灰岩公園だ

札幌市の南の方に 石山緑地 と称する公園がある。


開拓当時の石切場の面影を残す公園 として造成された公園である。



今でも札幌市内や周辺地域に多く見られる「札幌軟石」を切り出していた場所の一つを、まるごと公園にしてあるのだ。



あちこちで接道しているので、どこが正面入口かと問われると
難しいところかもしれないが、
メインエントランスっぽい構えのある部分があった。


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ここで採れる石を主とした構えが、立派である。

石山緑地、札幌市、と彫り込んである。



文字は墓石のようにカッチリと彫ってあるのではなくて、
ドット画っぽく表現してある。


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近づいてしまうと、却って判別しにくくなる。



せっかくの石畳なのに、
それ用の化粧マンホール蓋なのに、
目地を合わせて嵌めていないところが
商売上気になったりする。


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なんでよ。



「石山」公園なのだが、公園(の半分だけ)の模型は
鉄板で作られていた。


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石だとすぐ欠けてしまいそうだし、
軟石だから、こういう細かな細工には適していない
ということなんだと解釈した。


等高線に沿って厚紙を切って重ねていく、
「立体地図」を作ったことがあるだろうか。

あの雰囲気になっている。



広場にある、カナル。


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訪れたのは春先なのだけれど、
夏になるとここに水を流すのだそうだ。


子どもたちの水遊び場となるのかもしれない。



ここの軟石は、支笏火山の火砕流を元にした
溶結凝灰岩であるという。



ガッチリ固まっているため、石材として切り出され
各所の建材として利用されている。


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上のほうは降り積もった火山灰が堆積し固まった凝灰岩。
風雨によって徐々に削られ、少しずつ形を変えていることであろう。



上部から土が落ち、そこから木が芽を出して
花を咲かせるに至ったりしている。


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この公園に面して、平屋の老人福祉センターが建っている。


そしてさり気なく「熊注意」の貼紙。


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人口190万人を超える札幌市だけれども、
近年市街地にまで熊が出没するようになってきているという。

シカやキタキツネは前から結構出ていたようだけれども
熊はそれほどでもなかったはずなのだが。


市街地の拡大、気候変動、生態の変化、などなど原因はあるだろうが
ヒトにとっても出てくるクマにとっても、
鉢合わせは不幸なことに違いない。



街灯の根巻きのような形で
軟石が配してある。


こういうのは、フツーの造園屋さんの発想じゃないよな、
と思ったらやはり 造形集団 CINQ のデザインである と説明されていた。



庭園灯も、洒落てると思いません?


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地下鉄の真駒内駅からバスに乗るか、
レンタカーで行くか、
それほど便利な立地ではないけれども
行ったらきっと面白いはずである。


でもとにかく、どこに行くにも
コロナにカタがついてからじゃないと
難しいかな。
(「石山緑地は凝灰岩公園だ」おわり)
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2021年07月30日

樹脂製の擬木

公園なんかで、擬木 なんか、見たことはないだろうか。



ほんとうは木で作りたいんだけれど、
木だと傷みが早いしだんだん見た目汚くなってくる、ってんで
木に似せて作った「何か」のこと。
それが、擬木。



古い公園や、頻繁には手が入れられていなさそうな観光地などでは
鉄筋コンクリート製の擬木が使われていたり する。



けれど、最近は樹脂モノが多くなってきたように思う。



加工のしやすさ、色の付けやすさ、軽さ、劣化しにくさなどを考慮すると
樹脂製のほうがメリットが大きそうな気がする。

値段はわからないけれど。



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接続部が、もうちょっと何とかならないんかなぁ。


木肌もイマイチだから、
まあ、こんなもんか。



でもだんだんと、
よりリアルに近い製品が出てくるんだろうな。
(「樹脂製の擬木」おわり)
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2021年07月21日

オロフレ峠の春は

連日猛暑なので、少々涼しげなものにしてみる。

北海道中央部、登別温泉から洞爺湖温泉へと抜ける「道道2号線」の途中に
「オロフレ峠」なる峠がある。

展望台 は、道道から分岐して少々離れているけれど
道道沿いにも駐車スペースが造ってあって、
それなりの展望を楽しめる場所がある。


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5月半ばの峠には、まだ雪が残っている。

どうです? 涼しげでしょ?



とは言え、路面にはもはや雪なぞ無くて、
山肌に少々残されている程度である。


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周辺では、まだ新芽が出ていない。

もう少し季節が下る必要がある。


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北海道室蘭土木現業所による、立派な「史碑」が建てられている。


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史誌が長々と刻まれていて、その偉業を後世に伝えている。


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昭和の末期になってようやく、
通年通行できる道路として共用されたようだ。

とは言っても、悪天候時などには通行止めになる。
吹雪とか。


このような地に、明治初期に私費を投じて開削したとは
ものすごい事であったと思うのだ。



碑の裏側には、当時のおエライさん方のご芳名が
しっかと刻まれていた。


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当時のお役人は、碑文の揮毫もできなくてはならなかったのか。
大変だぁ。


青函トンネルの抗口部にある「青函隧道」は
時の総理たる中曽根氏によるもの である。
軍人ではないから、このような形で名を残したいと
虎の皮の如くに願ったのかもしれない。



今でも、トンネルや橋のたもとには
関係した技術者たちの名が記されて いたりする。



5月中旬と言えば、季節的には一般的に夏と言って差し支えないことだろう。
大相撲だって、5月の場所は夏場所と呼ぶ。


けれども、南北に長い日本列島では
まだまだ春のはじめである地も、あるわけだ。


少しは、涼感を得ていただけたであろうか……。



なお、前述の展望台は、
まだこの時期は冬期通行止め期間中であって
見に行くことはできない。

もう少し季節が進まなければダメなのである。
(「オロフレ峠の春は」おわり)
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2021年06月24日

橋を渡るのは人や車だけじゃない

以前訪れた川べりで
橋が2橋並んでいた。



橋の数詞って、「本」? 「橋」? よくわからん。



欄干が赤く塗られた、結構人々の往来がある、橋。


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もう一方は、ごくごくフツーに見える、橋。


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どっちも、人が通るし車も通る、
川を渡るための通路。



けれども、川を渡っているのは、
人や車だけではないことも多い。



インフラ系もまた、
ここを渡っていることが多々ある。



水道本管だったり、下水管だったり、高圧ケーブルだったり。



すいません、上の写真ではそこまで近寄って撮らなかった。


でも、橋を下から見る機会があったら、
ぜひそのへんも眺めてみたら良いのだ。


橋によっては、横からでもよく観察できる場合もある。



橋上の雨水排水も、
そのまま下に垂れ流しているもののほか、
ある程度配管で繋いであるものもあって
意外にバリエーションがあるものだ。



建築とか土木とか、そういう分け方もあるのだけれど
電気とか配管ってやつは
建築・土木という括りに関わらずそれぞれに存在しているものなのだ。



「建築設備」からすると、親戚にあたるような存在かな。



大陸に比べると急峻な地形が多く、
短い河川がたくさん存在する日本。



川を渡る「せつびの親戚たち」もまた、
多く存在しているのである。
(「橋を渡るのは人や車だけじゃない」おわり)
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2021年06月13日

漁川ダムの景

北海道恵庭市の山の中、
漁川(いざりがわ)の中流域に
漁川ダム が存在している。

いざり と、発音が濁る。



北海道百名山の一つである漁岳(いざりだけ)(1,318m)を源流とする漁川は
このダムで堰き止められて えにわ湖 を形作っている。


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ここには 取水塔 があって、水力発電も行っている。


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管理事務所の電力を、これで賄っているという。



ダム堤体上流側には、石がゴロゴロ。


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ロックフィルダム らしい姿である。


ダムのゲートは、建築設備でいえばバルブに相当するのだろうけれど
まったくもってスケールが違う。


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下流側には土が被せられ、草木が植えられている。


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ダムの管理事務所脇で、ちょうど桜が咲くところであった。


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管理事務所外壁に並ぶ、監視カメラ、換気フード、灯油タンク。


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ああ、これ撮ってるの、監視されてるよなぁ。


換気フードから垂れてる茶色のモノは何だ?


壁掛ロスナイがついてるってことは
なにかの小部屋がある?


ずいぶんちっちゃい灯油タンクだこと。
小部屋のFFストーブ専用かな?

冬は、雪で埋まってしまわないのだろうか?


いろいろと、目に留まる。



たいてい、ダムの管理事務所には
一般公開されている説明コーナーがあったりするものだ。


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ダムの模型とか、役割(必要性!)とか
周辺の地形や生息する動植物とか、
PRビデオとか、そんなものが並んでいる。


小学生の校外学習なんかには利用されていそうだ。



「建築」の範疇ではないけれど、
ダムはダムでおもしろい。


スケールがでかいこと(でも漁川ダムは小さめ)、
周辺の山、川、木々の景観が良いこと、
そして、いつだってすいていること。


そもそも、人が大挙して押し寄せるような施設じゃない。


存在すら、あんまり知られていないかも。


でもそれによってもたらされる環境を
人々は求めるのである。


そんなところが「せつび」に通じるところがあるかな。



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ダム本体よりも、
それによって形作られるダム湖と、
下流側に整備される公園、
それらが観光ガイドなどでも紹介される。



ダムサイト下流側にある桜公園で、桜が舞い散っていた。


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訪れる人は、わずか。



コロナのことがなければ、
大勢の市民が花見(と称する焼肉パーティー)に訪れ
楽しんでいたところであろう。

禁を破っている人達は居なかった。
(もちろんワタクシも移動のついでに一瞬花を見に寄っただけだ)


さぁて、来年の春は
人が溢れる場所となるのかどうか。


その前に、秋の紅葉シーズンは
どう迎えられるのであろうか。
(「漁川ダムの景」おわり)
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2021年03月23日

神坂PAは馬籠と湯舟の里

中央自動車道、岐阜県長中津川市を通る部分に
神坂パーキングエリア がある。


神坂 と書いて ミサカ と読む。
(御坂、ではない。超電磁砲じゃない)

カミサカ が短縮された読み方なのだろうか?



中山道馬籠宿を模した造り、ということで
なかなか趣のある建物だ。


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馬籠と湯舟の里(まごめとゆぶねのさと) と看板が掛けられている。


こぢんまりとしているけれど、
食堂と売店とトイレとがある。

「木曽路のアンテナショップ」を標榜するだけあって
土産物類も豊富である。



せっかくなので、蕎麦でも食して……と。



上り線のこのPAから先には
恵那山トンネルが控えている。


木曽山脈を貫く、8000mを超える長大トンネルである。


山間地にとって、
このトンネルの開通は
とても意義深いものであったようだ。


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当時の道路公団総裁の書による碑が
建てられていた。



2012年12月の笹子トンネル天井板落下事故を受けて
恵那山トンネルの天井板も、撤去された



意匠だけが目的なのであれば、
建築・土木に限らず、
重たい天井は不要なのかもしれない。



かるてん なんかが一般的となる時代に
なってきているのかも。



天井下地も軽くなるんだとすると、
設備系の支持方法も
かなり変わってきそう。


と同時に、天井内に潜っての設備工事は
不可能になるなぁ。
(「神坂PAは馬籠と湯舟の里」おわり)
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2021年03月17日

松川ダム

下伊那地域の、長野県飯田市。


その地を流れる、天竜川水系の松川に設けられた
長野県営の多目的ダムである。


堤高84.3mということで、
なかなかの威容を誇っているのである。


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松川町という自治体が別にあるのだが、
そちらにあるのは 片桐ダム なので、紛らわしいかも。



大山脈に挟まれた地に流れる川だけあって、
結構な急勾配である。


ダムサイトの標高も高く、
689.403m と表示されていた。


21031702.JPG


「せつび」を追いかけるワタクシなのであるけれど
時々、こういう土木系の構造物も見に行く。


建築設備とのスケール感の違いが、
なんか、心地よいから。



どっちが良いとか悪いとか、そういう話じゃなくって。



超マクロスケールの宇宙論と、
超マイクロスケールの素粒子論とが関連しているように、

でっかい構造物と、ちっこい「せつび」とも
無関係じゃぁないんだから
どっちも楽しめるのである。


あちこち気になる、
落ち着きがないヤツと言われると、
まあ、否定する材料は全く無いんだけれど。


いいじゃん、それだって。
(「松川ダム」おわり)
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2021年02月25日

雪の片桐ダムと南アルプス

高さ59.2mの重力式コンクリートダムである、
片桐ダム。


天竜川水系に数多くあるダムの一つである。


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なかなかの、堂々とした体躯である。



普通に、堤体上を歩くこともできる。


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片桐松川に建設されたダムで、
長野県下伊那郡松川町に存在する。


このダムにより形成されたダム湖は
松川湖である。


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堤体の脇に管理事務所の建物があるのだが、
職員は常駐しておらず、
普段の維持管理業務は別の松川ダム管理事務所で
兼任しているようだ。


松川町にあって松川湖を作るダムが片桐ダムで
飯田市にある松川に建設されたダムが松川ダムで
なんだか非常に紛らわしい。



堤体の上から見下ろすと、
なかなか壮観。


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この堤体から東を望めば、
雪を冠する南アルプスの山々を
垣間見ることができる。


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何とも美しきかな。



そんなに雪かぶることも多くはない地において
雪景色になった最中に訪れることができたのは
何とも僥倖。


このダムのダムカードが発行されているのだが、
そのカードをもらいたければ
松川ダム管理所まで行かなくてはならない。

自動車で、二十数km、1時間弱かかる。


松川ダムのカードも合わせてもらえるから、
行くべきか、行かざるべきか!?


あとは、仕事の都合次第だな。
(「雪の片桐ダムと南アルプス」おわり)
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2021年01月21日

箱根ジオミュージアム

大涌谷の黒たまご館1階には
箱根ジオミュージアム がある。



この手の施設は、
多少の時間の都合を付けてでも
行かないわけにはいかない。


だって、楽しいもん。



黒たまご館 といえば、
これ。


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第47期岡田美術館杯女流名人戦第1局に先立ち、
タイトルホルダーと挑戦者が 記念撮影 をしている。



そんなに広い施設じゃぁないけれど、
そういう問題でもないのだ。


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要は、中身なんだよ。



ま、パネル展示が多めなのだけれど、
こういうのがあると、
ついついじっくり読んじゃう。


読むために展示してあるんだから、
当たり前なんだけど。


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2015年の水蒸気噴火について、
詳しく解説されていた。


観測史上初の水蒸気噴火だったとのこと。



「せつび」的に目を引いたのは、
これ。


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温泉配管に、どのようにスケールが付着していくのか
いろんな断面があって面白かった。


錆びコブとかスライム状物体とか
そんなものしか普段は見ないからね。


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こうなると、配管は消耗品だ。


いや、フツーの配管も、
ある程度長期間においては消耗品なのだけれど
温泉管はスケールが違う。

スケールだけに。



斜面が多いから、
アースアンカーの説明もあった。


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新一万円札の人の写真もあった。


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ホント、この人は
いろんな事やってたのね。


昭和初期の資材運搬って……。


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牛、なんだ。



今みたいに、いろんな重機を駆使できるのって、
すごいことなんだね。


恵まれた時代、と言えるんだろう。



「此水ハ ノメマセン」


洗うためにしか、使えなかったのか。


牛用の飲み水も
運んだんだろうか。



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トンネルも、基本的に手掘りか。



こんな写真たちにも巡り会えるから、
ミュージアムは楽しいのだ。
(「箱根ジオミュージアム」おわり)
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2021年01月13日

箱根登山鉄道は土木遺産である

神奈川県小田原市から箱根方面に登っていく鉄道、
それが箱根登山鉄道である。


一般的に「箱根登山電車」という名称が使用されるが、
正式には 箱根登山鉄道の鉄道線 ということになるそうである。


2007年の土木遺産に認定されている。


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小田急のロマンスカーが、
箱根湯本駅まで通じている。

御殿場線や千代田線との直通運転をしている。


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都内から直接乗り入れできるのが魅力である。



小田原駅以降、かなりの急勾配で鉄路が敷設されていて
建設にあたってはスイスの鉄道を参考にしているということである。



箱根湯本駅に停車する特急列車の姿は
エレガントである。


21011303.JPG



時代とともにいろいろな変遷を辿っているが、
現在は箱根湯本駅で乗り換えて
その先に進むことになっている。


小田急(狭軌)と登山電車(標準軌)では軌間が異なるため
いろいろと難しい側面があるのである。



箱根湯本駅から小田原方面に向かう線路を見ると
三線軌条になっているのがわかる。


21011304.JPG


左側が標準軌、右側が狭軌となっていて
前方で合流して三線軌条になっているのが
わかるだろうか。

登山電車の車庫が、この先の入生田駅にあるためであるという。


分岐器も複雑になっている。


かつては箱根湯本〜小田原間すべてに三線軌条を採用していたらしい。
メンテも大変だったことであろう。



都内の地下鉄線では、周辺の私鉄との相互乗り入れを行っているけれど
軌間が同じもの同士でなければそれができないため
組み合わせには限りがある。

ま、何が何でも乗り入れを実現するために
軌間を変えてしまった鉄道線 もあるそうだけれど。



この箱根登山鉄道、
箱根湯本から上部は
更に勾配やカーブがきつくなり、
文字通りの「登山」感覚となる。


箱根の地そのものも
見たら楽しいのであるが、
鉄道線だけであっても行く価値は
あるんじゃなかろうか。
(「箱根登山鉄道は土木遺産である」おわり)
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2020年11月30日

高輪ゲートウェイ駅前は囲われていた

所用で訪れた、駅前。


山手線で最新の駅である、
高輪ゲートウェイ駅



新型コロナウイルスの猛威により、
開業記念イベントが見送られてしまった駅。



隈研吾氏がデザインアーキテクトとして関わったという。



「設計」自体は、株式会社JR東日本建築設計 による。



その駅からペデストリアンデッキで繋がるはずの、駅前は
とても殺風景であった。


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道路に沿って、全面が仮囲いで囲われていた。



白い鉄板に沿って黙々と歩く、
大勢の通勤者たち。



本来の予定であれば、
2020年東京オリンピックに合わせて
さまざまな施設・イベントが展開され、
世界中にインパクトを与えよう……という目論見だったのだろうが
コロナ・インパクトには勝てなかった。



平成三十二年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法等の一部を改正する法律の施行に伴い、
2020年に引き続き、2021年の祝日移動も 正式に決定された けれど
まだ先行きが見通せない中、果たしてオリンピックは開催されるのかどうか。


高輪ゲートウェイ駅前は、
殺風景じゃなくなるのかどうか。

街区全体を覆い尽くす仮囲いは無くなるのかどうか。
(「高輪ゲートウェイ駅前は囲われていた」おわり)
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