2023年01月04日

雪の中のカフェ

雪の中に洒落た建物があると
素敵である。


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木々の中、夏場は葉が生い茂っているであろう
そんなところが、雪化粧を纏っている。



そこに建つ、小洒落たカフェ。


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「ベーカリー」を名乗っている から
ベーカリーなんだろうけれども、
雰囲気はカフェなんだよね。



温泉地だけあって、
足湯もあるんだけれども。



積雪で隠れちゃっているけれども
小屋根の下が足湯になっている。


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木の枝は、
雪の重みで折れるやつもあるんじゃないかしらん。



近年のガラス性能の向上は著しい。


断熱材ががっちり入った外壁に比べたら全然だけれど
昔の建物の貧弱断熱外壁より高いくらいの断熱気密性能はある。


だから、開口部が大きくても
隙間風は全くないし、
コールドドラフトも大きくない。

エアコンで冷暖房が事足りるくらいである。


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室外機が雪で埋まらないように
面倒見は必要だけどねっ!
(「雪の中のカフェ」おわり)
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2023年01月03日

雪降れば積もる

冬になれば、雪が積もる。


当たり前……ではない。
だって、雪が降らないor積もらない地域もあるから。


でもね、雪が降る&積もる地域では
積もるのが当たり前なのだ。



屋上。


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設備機器類も置かれているのだが
その上にも、当たり前に雪が積もる。



機器類に到達するまでの屋根面にも
一様に積もる。



まず通路を設けるところからが
メンテナンスの第一歩となる。



手すりなどが適宜設けられている建物なら良いけれど
そうではない建物の場合、
積雪の端を見誤ると
地上まで転落する憂き目に遭うので要注意だ。



積雪地ではあまり見かけないけれども
古い建物だと開放廊下があるものも、たまに見かける。


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たぶん、非積雪地の設計者だったんだろうな。


ちょいと風が吹くと、
廊下に雪が積もってしまう。

気づかなかったのだろうかねぇ。



新しい建物では、
まず、こういう造りは見ないけれど。

そりゃそうだ。

ひと冬で化けの皮が剥がれるのだから。



ただ、

「ちょっとした出っ張りにも雪が積もって
 やがて落ちてくるからね」

っていうことは、
わかっちゃいるけれども
実際に雪が積もってみなければ
どの程度の被害になるかが
わからなかったりするものでもあって。



そのあたりがバッチリだと
雪国の設計者として凄いなぁと思うのだ。
(「雪降れば積もる」おわり)
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2022年12月30日

降ってきそうな下地

吹抜け空間を、見上げる。



「特定天井」となる、吹抜け上部の天井仕上げであるが
ボード貼りではなかったのである。


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「仕上げ」自体は、むしろ全く目立たない。


それを支える下地が、支持材が
まるで光芒を引く流れ星のように見える。



これを意図して、狙って実現しているとしたら
なかなかどうして、すごいなと思うのである。


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いちばん下部の材料は敢えて黒く目立たないようにして、
下地と支持材は銀色ののまま存在感を引き立てる。

必要な設備関係も、その中に散りばめる。



このくらいスカスカだと、
感知器はスラブ下面で良いのだね。

消防協議にはご苦労されたのかもしれない。



天井内の空調機器も、丸見えである。

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丸見えではあるのだが
ダクトも含めて黒く仕上げられているため
自己主張は無い。



目立たず、でも目を向ければ容易に全体像がわかる。



理想的な環境ではなかろうか!?



ポンピドー・センター のように
思いっきり自己主張する設備は
それはそれで良いのだが、
しかしアレは例外的な立ち位置であろう。


フツーの建物は、
ああであってはマズかろう。



かと言って、
働けども姿を決して見せることのない

でも不具合が生じたら皆が困りつつ
「そもそも現状はどうなっているのか」
誰も把握できていない、

そんな隠されただけの存在であるのも
どうかとは思うのだ。



その点、上の写真では適度に姿を見せつつも
決して出しゃばらない、自己主張しない、
そんな在りようが健気でスバラシイんじゃないだろうか。



「設備設計技術者」の在り方に重ねてしまうのは
職業柄なのかもしれない。
(「降ってきそうな下地」おわり)
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2022年12月27日

梁もデザインだ

ちょっとした、体育館。



空間を支えるH形鋼が、
照明も相まって、白く映える。


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ハニカムトラスを構成して
水平剛性を確保しているものか。



黒く塗られた屋根下面を背景に
とても白く見えるものである。



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構造的に「もつ」ものであればよい。



屋根材の主目的は、確かにその通り。



しかし、その力強さを敢えて魅せて
空間そのものの力感を演出することもできるのだなぁ。



「せつび」同様に、構造も得てして「陰の」存在になりがち。

でもこのように意匠性も主張する構造があっても
また良いのではなかろうか。


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H鋼とは異なる表情の、
引張材と思われる鋼管が回廊脇に刺さり、
視覚上の変化を醸し出している。


絵に描いたような、ピン接合。



構造計画と意匠・色彩計画とが
とってもイイ感じに組み合わされているように思える。


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ワタクシは、自慢ではないがデザイン的素養は皆無であって
意匠にも構造にも(何なら、設備にも)とんと疎いものではあるのだが
この表現は好みである。



当然のことながら、「好み」は人それぞれであって
これが嫌いである方もきっとおられることだろう。


ま、好き好きなのだ。



何にしても、
意匠・構造・設備などの領域で分離してしまわないで
全体を統合した表現が出来るのは
きっとステキなことだと思うのだ。
(「梁もデザインだ」おわり)
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2022年12月21日

はりきらない天井

何事も「張り切る」のは大事!


なのかも、しれない。



けれども、そうではないモノ・コトだって
あるはずなのだ。



たとえば、天井。



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ボードをびっしりと貼り切るよりも、
いい感じじゃないかな?



方向性がハッキリと出て
空間にもメリハリが付くのではなかろうか。



窓と並行方向に伸ばすことで
ブリーズラインや照明器具との調和も
バッチリである。



おまけに、天井内のダクト関係も
ボードを貼るよりもメンテや改修がしやすそうだ。

走向もよくわかるし。



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照明器具もスピーカーも
いい感じで納められているように思うんだけど、
どうかな?



ただ惜しむらくは
ダクトの保温外装は
銀色じゃなくって黒色にしたかったかな、
ということ。

飽くまで個人的な感想だ。


いや、ワタクシ個人としては
ダクトが良く見えるのはすこぶるよろしいのだ。


けど、全体の調和という観点で見た時に
どうせなら黒がイイ、と思ったということなのだ。


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ホント、よく視えてイイんだけどねっ!
(「はりきらない天井」おわり)
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2022年12月19日

どのくらいの労力がかかるんだろう

なんか、すごい模型を見かけた。


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都市の1/1000模型である。



制作後も、各種建物の建設に伴い
部分的にアップデートしているということで
いやはや、なかなかものすごいものである。



札幌駅の北側からの駅周辺の様子。


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今どきは、google mapなどで
世界中いろいろな場所の疑似立体画像が見られるし
各建物や乗っかっている設備関係も見えたりして
あれはあれで凄いんだけれども
このようにモノとして造り上げるのも
なかなかどうして凄いんだと思うんだ。



敷地や道路は航空写真をベースにしてあるようだし
建物は白箱で済まされているものの
実物の圧倒感は結構なものである。


これを造るのは、たぶん楽しいとは思う。

でもそのうちに、キツくなってくるんだと思う。

それでもやり遂げたときの達成感は
かなりなものじゃないかな。


わからんけど。



自分が作りたいかというと……。


どこか1区画だけとかだったら
頑張れるかも!?
(「どのくらいの労力がかかるんだろう」おわり)
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2022年12月17日

煙突は必須だった

地方の街に行くと、
古い古い公営住宅跡がそのまま残されているのを
見かけることがある。



人口減に応じて、
1つまたひとつ、住宅を廃止してメンテ費用を節約していくのだ。

棟ごとの場合もあるし、
場合によっては団地全体の廃止を進めたりもする。



上水道、下水道、道路整備、ゴミ収集、除雪などなど
さまざまな市民サービスを、
住人の少なくなった団地に提供し続けるのは
物理的に経済的に困難になるから。


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廃止された団地で、解体されずに残っているのは
その費用さえも惜しむから。



首都圏であれば、ちょっとした土地の空きが出れば
高値で売れたりもすることだろう。

建ったままでも解体費込みの値引きで売れるだろうし
きれいに整地すればより良い条件で売れる。



しかし都市から離れた地方の街では
「売地」「売家」の看板を立てても
WEBで宣伝しても
不動産事業者にアピールしても
売れることもない。



ただ、年月の流れのままに
徐々に朽ちていくのを待つばかり。

どうせ、人も近づきやしないのだ。


注意喚起の表示でもしておけば
勝手に立ち入って倒壊に巻き込まれる者が居たとしても
自己責任以外の何物でもない。



上の共住、
6本の煙突が立っている。


1階2階の各室からの煙突を集合させて
燃焼空気を排気するのだ。


薪やら石炭やらを燃やして暖を取っていた頃のものだ。



煙突が無かったら、
ストーブも燃やせない。

それじゃ、とてもとても困ったことだろうから
煙突は必須の「建築設備」(建基法の定義では)だったのだ。


今は、お洒落としての暖炉やら煙突があるものの
一般の用途としてはすっかり廃れた。



建築設備は、建築の形態にも影響を及ぼすのである。



決して「付帯設備」では、ないのである。
(「煙突は必須だった」おわり)
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2022年11月29日

何も無いよりも

洗面器、というよりも洗面コーナーの細工について。



カウンターはめ込みだったり、ベッセル形だったり、
とにかく壁掛形以外の洗面器を設ける場合には
カウンターが造られる。



問題は、その下である。



カウンター。以上。


ということで、下部はそのまま露出とするか。

配管類がそのままだから、
メンテもしやすいし
異常があったらすぐに分かる。



その代わり「見た目」については
「ありのまま」を晒すことになる。


別に、醜くなんか、ないんだけどね。



じゃあ隠そ、っていうんで
前面に幕板を造ってしまうとすると、
見た目はスッキリするけれども
配管類が隠されてしまうから
何かいじる場合にはすこぶる不便である。


と言ってもね、
「何か」いじるなんて、
滅多に無いことなんだけどね。



「点検」するにも、ケンドン式にしてあったとしても
ひと手間余計にかかることは確かである。



うっかり、大判の板でケンドンを造ってしまうと
一度外したあとにキレイにはめ直す際に
少々苦労を強いられることにもなる。



じゃあ、完全に隠すでもなく、
かといってそのまんま全露出でもなく、
そういう造りにすればいいじゃん。



そんな閃きや意図があったのか無かったのか、
こんな洗面コーナーに出逢った。



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完全に好みの問題でしかないのだろうけれど、
このくらいがイイなぁ。


観察、もとい、点検するには支障がないし、
何かイジるなら、手前の板を
たぶん外せるようになっているはずだ。

でもボードで囲ってある感も出ていて
無粋感はかなり減じているように思う。


完全に、好みの問題でしかないのであるが。



どうでしょ?

皆さまは、どんなのがお好みであろうか?
(「何も無いよりも」おわり)
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2022年10月21日

真っ直ぐがいいか、曲がってるのがいいか

階段にしてもトイレにしても、
手すりがついているのが一般的になった。


ただ、その手すりにはいろんなタイプがある。



金属のやつ、樹脂のやつ、
可動式のやつ、固定式のやつ、
真っ直ぐなやつ、斜めのやつ、曲がったやつ。



一体、どれが本当に使いやすいんだろう。


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実際のところ、使う人によって違うんだろう。



障害を持つ人であれば、
その部位や程度に応じて
使いやすい位置や形状が異なるのだろう。



年齢が上がって身体機能が衰えてきた人も、
その程度はさまざまで、
身長や体型によっても影響が違うだろう。



あるいは、幼い子供であったとしたら
また状況は変わってくるだろう。



正解なんて、たぶん無い。



けれども、「より多くの人が、より使いやすいように」
日々、新たな閃きと試行錯誤とを繰り返しているのだろう。



「みんな違って、みんないい」


とはならないのが、家具・道具の宿命なのである。
(「真っ直ぐがいいか、曲がってるのがいいか」おわり)
posted by けろ at 22:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 建築工事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年10月19日

CB二重外断熱

なんか、池の中に造られている。


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なんやねん!?


ゲージュツ、なのかな。



ワタクシはソッチ方面は疎いので
単純に「へえ!」と思うだけなのであるが。



左のほうに、何かの造作が置いてある。

せっかくなので、近寄ってみる。



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おお。



コンクリートブロック外壁を二重に立てて、
間に断熱材をはさみ、通気層も取っている、と。



単純計算で、外壁材料が2倍必要になるってことかな。


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でも、断熱性能は高く取れそうだ。

無断熱コンクリートブロック造よりは、かなり。
(「CB二重外断熱」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 建築工事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年10月02日

既存躯体は大丈夫?

天井仕上げも下地も剥がした。

大々的に配管更新をするもんだから。



するとですよ?

開けてびっくり玉手箱ってなもんですよ。



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いや、設備工事の範疇じゃないんっすけどね。

スラブ鉄筋が、見えちゃってるじゃないですか。



「かぶり厚」なんて、マイナスじゃん。



このスラブ、ダブルで鉄筋が入っているはずなんだけど
かぶりが無いもんだから、実質シングルと言えるんじゃ?



もう、築後ずいぶん経過している建物だけれども
これって最初っからこうだったってことだよね。


サイコロとか無い時代だったっけ?


それだって、何やかや鉄筋端材を加工したりして
かぶり厚を確保するようにするのが本筋だったんじゃない?


工事監理、何やってんねん。



ま、後からいろいろ言うのは勝手なものだ。

もちろんこの現状はちっとも良くない。
法令や基準や、いろんなものに違反してるよね。

でも、現実としてこういう建物が存在しているのだ。



ここにあるっていうことは、
きっと他にもゴロゴロあるってことだ。



こういう建物の耐震診断って
どこまでやってるんだろう。


スラブ配筋がところどころこのザマであることを
加味した計算・診断をしてるんだろうか。


それとも、図面通り、基準通り、正しく鉄筋施工されている前提での
架空の計算なんじゃろか。


構造屋さん、どこまで考慮してますのやら。



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梁なら、ちゃんとなってるから、
なんてことは無かった。


なんか、いろいろ出てるし。


あばら筋も浮いてるよ。

痩せすぎ状態!?



ほんとに、こんなんで強度出てんの?



ま、築後今まで何度か強い揺れに見舞われつつも
こうやって建ってんだから大丈夫、って言えちゃう?

言っちゃっていいものかな?



ある程度、安全率をみているから
大丈夫だったんだろうけども
こういう建物ってまだまだたくさんあるんだろうなぁ。



日本でも、こんな感じなのだ。


さて、諸外国では(もちろん国によるだろうが)
一体どんな感じなんだろう。



何もなくても揺れだしたり、
自重に耐えられず崩壊する建築物もあるようだけれど、

完成前に事故崩壊する橋や、
決壊するダムもあるようだけれど、

ニュースにならないだけで
いろいろあるんだろうなぁ。
(「既存躯体は大丈夫?」おわり)
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2022年09月25日

ガラスは掃除できなくちゃ

建物の色んな場所に使われる、ガラス。

たいていは、透明感を求められて使用される。



ガラスを通じて、屋内から屋外への眺望が確保される。

なのに、そのガラスの表面は、四季折々のさまざまな天候によって
徐々に汚れていくのだ。



雨に含まれる、あるいは風で吹き寄せられる、
ホコリやら砂やら泥やら。


黄砂なんかがやってくると、
急激に汚れることもある。



さて、とある施設の展望台。


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UFOのような屋根の一角から生えている、
ガラスの円筒。

あれが、展望台なのである。


他の4本のツノは、換気ガラリのように見える。



あんなところにあるけれども、
展望用なのだから当然のことながらガラスで覆われている。


アレが汚れたら、一体どうやって掃除するの?



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よぉく見ると、掃除用の点検はしごが設けてあるのだ。



あのはしごに乗り移るための出入口があって、
アレに乗って、1周ぐるりと清掃できるようになっているんだね。


あのハシゴは、レールに沿って、
奥から手前へと動くのだろうね。



入場料を支払って展望台に入ってみたら
ガラスが汚れていてよく見えない、なんて
許されないもんね。


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さて、このガラス全面を掃除するのに
どのくらいの手間がかかるものか。


高所に弱い人じゃ、とても務まらない。


ある程度手早く任務を遂行できなければなるまい。



ここの清掃には、どのくらいの報酬がもらえるのだろう。

地味で目立たない職種かもしれないけれど、
無くてはならない、大事な仕事でもある。

何より、怖い。
いろんな安全措置があって、フルハーネス装備であったとしても、
怖いよね!?



ワタクシには、とうてい出来ないなぁ。
体力的にも、精神力的にも。
(「ガラスは掃除できなくちゃ」おわり)
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2022年09月20日

停車場跡

ちょいと、新橋。というか、汐留というか。


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かつての停車場跡が、再現されている。


そしてほんの少しではあるけれど、
鉄路も保存されている。


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そっか、昔は枕木が見えないように
埋められていたのであるか。


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いちいち、このような看板があるのは
たいへん嬉しいものである。


じゃないと、「なんか、ただの古そうな線路」にしか見えないから。



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どの程度が元の部分で、
どの程度が復元であるのか、
見ただけではよくわからないのだけれど
まあとにかく趣のある建屋である。


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すぐ脇には、高層ビルが建つ。


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そういう街だから、仕方がない。


と同時に、停車場の空間だけが歴史を切り取っている状態になっている。



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部分的に、当時の石積みが掘り出され保存されている。


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植物たちによって侵食されてしまうのは、これもやむを得ない。



ガラス部分は、当然当時のものではない。

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以前は何らかの飲食店舗があった気がするが
コロナ禍のせいかどうか、閉鎖されてしまっている。



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スロープとか階段とか、
あと付けの部分も多かろう。



裏側の建物もまた、
奥ゆかしいものである。


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雨樋は、四角断面から丸断面へと変換されている。


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古い部分を保存活用しつつ、
新しいものを付加して、現代の要請に合う造りとなっている。


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外観すなわち印象に直接かかわるだけに、
なかなか難しい課題であろうと思う。



中に入れなかったので、
設備的な云々についてはよくわからなかったけれど。



ビル街の谷間にあるこの類の施設について、
人によっては趣を感じるし、
人によってはがっかり感を持つのかもしれない。

感性は、人それぞれで良いのだと思う。


そこにこそ、いろんな楽しさの源があるのだから。
(「停車場跡」おわり)
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2022年09月14日

使ってる? 使ってない?

街中に、ちょっとステキな感じの建物があった。


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結構古いものなのか、そうではないのか、
ちょっとわからない。

けど、丸いステンドグラスなんかが嵌っていて
洒落た造りである。



けど、なんか使ってないようにも見える。

人気(ひとけ)は無いし、
門扉も錆びた感じだし、
看板にも何もない。


ああ、でも外灯は点いてるんだよね。

曇ってるとは言え、真っ昼間なんだけど。


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軒天の照明も点いているから、
やっぱり使っているんだよね?



ま、教会だったら、平日の真っ昼間には
人が出入りしていないのはおかしくないか。



「教会っぽい結婚式場」なのか、
「教会」なのかによっても、
状況はだいぶ違うかもしれない。



こういう石造りの感じの建物って
魅力的だなぁ。
(「使ってる? 使ってない?」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 建築工事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年09月02日

カギは無い方がありがたいけど

天井点検口は、情報への入口だ。

これが無いと、天井内がどうなっているのか
さっぱりわからない。



「完成図があるじゃない」



そういう建前は存在するのだけれど、
アテになるもんじゃない。


「つながりは、だいたい合ってるよ」


くらいに思っておいたほうがよい。
あんまり期待すると、面食らうことが多いからね。



そんな天井点検口にも、
いろいろタイプがあるのだけれど。

・フックがついていて簡単に開けられるもの

・マイナスドライバーや硬貨で開けられるもの

調査の際には、簡便で助かる。



けれど、時々カギ付のものも存在するのだ。


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天井点検口のカギ、
床点検口のカギ、
パイプシャフトのカギ、

どーしてこんなにカギだらけなの?



「それはね、カギかけとかないと
 いろいろやらかす輩がおるからなんよ」



いつぞや、公衆トイレの天井点検口から出入りして
天井内に居住しておった御仁も居たようだから
仕方がないのだよね。



でもね、面倒くさいよね。
(「カギは無い方がありがたいけど」おわり)
posted by けろ at 22:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 建築工事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年08月24日

サイコロ並べてる

設備なんて、ドレンホースがちょろちょろあるだけの場所。


床がこれから造り上げられる。


鉄筋が下面に接しないように、
「かぶり厚」が適切に取れるように、
コンクリートの「サイコロ」が並べられている。


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サイコロ + 支持金物 の場所と、サイコロ2段積みの場所と。



設備的には、ホースが潰れないようにちゃんとなっていればOKかな。
(「サイコロ並べてる」おわり)
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2022年06月07日

賑やかな共用廊下

駐車場に面した、
とある集合住宅に目が留まった。


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なんか、賑やかだったから。



片持梁で支えられた共用廊下用のスラブが
なんとなく心もとなく見えるのだけれども

それとともに、廊下に面した外壁面の賑やかさに
視線を奪われたのである。


給湯機や電力量計が埋まった、パイプシャフト風の出っ張り、
ぽつぽつと並ぶ玄関灯、換気フード、
片持梁同様の形状で下ろされる雨水排水管、
これらが、とってもいい表情を出しているように見えたのだ。


自転車まで置いてあるけれど、
避難通路としての幅は大丈夫?

とか

手すり脚部の曲げモーメント大丈夫?

とか、

他人事ながらちょこちょこ気になったりしつつ。



ぱっと見で目を引くイマドキのオシャレなスッキリした建物ではない、
ごちゃごちゃ感があったり、
古さを感じさせたり、
生活感ダダ漏れだったり、
そういう「フツー」の建物のほうが
味があるよなと思う。



じゃあどういう所に住みたいかと問われれば、
そんな表面的なことよりも
間取りだったり周辺環境だったり交通の便だったり
何より家賃との費用対効果とか、
そっちのほうが自分にとっては重要な要素だったりするものだ。

商売柄、給水給湯冷暖房のシステムも気になる。



見た目の賑やかさなんて、二の次なのである。
(「賑やかな共用廊下」おわり)
posted by けろ at 18:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 建築工事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年06月06日

北側外壁にあるもの

北半球の中緯度地域にある日本においては
北側外壁というのはあまり日射のあたらない面である。


太陽の良く当たる南面はきれいに着飾って
設備関係などがあまり表に出ないように計画されることが多い。


あとは、建物の立地やアプローチ面などを考慮して、
メインとなる面を決めて
そうではない面に「見た目の悪い」要素を並べることになる。


その対象となるのは、北面が多いのではなかろうか。



とある庁舎の北面。


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北面の西側には、
おそらく、たぶん、トイレが配置されているんじゃないかな、
小さな窓が2つずつ、きっと男女トイレとして、
あるのでは、と思うのだ。

そして、天井面と梁下との間の横長の面を
換気用のガラリとして並べてある。

割合良く見られる配置である。



しかし、執務室部分とおぼしき壁面は
その表情を異にする。

大きなガラス面に、
棚状の何かが設けられている。



庇?


でも、北面だ。

夏場の朝と夕、限られた時間帯しか
日射が当たることはない。

当たるとしても、かなり斜めからだ。



では、ライトシェルフ?


直達日射は無いけれども
天空照度を室奥まで届ける効果がありそう。



各層に2枚設けられているのは、
上記それぞれの役割を持たせたものなのかな?



見ただけでは設計上の意図は図りかねるけれども
「ただの飾りだよん」ってことは無いだろう。

ちゃんと、何らかの意味付けが在るに違いない。



この棚をどのように支持するかも含めて、
外観イメージの形成に大きく影響している。


こういう影響力は、
設備には無いなぁ。
(「北側外壁にあるもの」おわり)
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2022年06月05日

日射遮蔽も大事だと思うのだ

南側ファザードのほぼ全面が
ガラスに覆われている。


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ほんと、ガラスって好まれるよなぁ。



文字通り「透明感」が出るものね。



でもさ、いっつも思うんだ。

「ものすごい冷房負荷じゃない?」



夏期の日射熱は、馬鹿にできない。

冬期は日射熱をうまく取り入れることで暖房エネルギー削減になるだろうけれど
夏期は逆にそれをいかに入れないかが大切なんじゃないかと思うんだ。



「ちゃんと効く冷房にしてね」



そりゃ、日射取得熱に見合うだけの能力を持った冷房設備を設けさえすれば
効くことは効くけどね。



「地球環境にやさしい、省エネもよろしくね」



それは、ちょっと違うと思うんだなぁ。



もしもそういう要望があるんだったら、
設備に要求する前に、何かないのかなぁ。



「熱線反射ガラスを使うからね、エコなんだよね」

そういう問題なのかなぁ。

そりゃ、フツーのガラスよりはマシかもしれないけれど
きっちり断熱した外壁や、太陽高度に基づいた適切な庇があるのに比べると
レベチじゃない?



わざわざ『温室』を作っておいて、

「高効率高性能のエコな冷房設備を使ってるから地球にやさしい」

なんて、欺瞞じゃないかな?

『温室』にならない造りのほうが、
よほど良いんじゃないかなぁ。



そんな考えを持つのは、

「デザインを軽視する、ケンチクのわからんヤツ」

「融通の訊かない、頭の変な設備屋」

なのかなぁ。
(「日射遮蔽も大事だと思うのだ」おわり)
posted by けろ at 18:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 建築工事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年05月03日

視覚化された道路斜線

都市の中心部には建物が密集していて
そういうところでは、建築物の斜線制限が
視覚化されている。


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建蔽率、容積率を最大限利用したいと思えば
制限ラインギリギリを狙うのは定跡と言えよう。



その建物が建った時代の建築法規が元になっているから
新旧の建物で形状が異なる、ということもある。


駐車場になっている隣地に何か新しいものが建つ際には
たぶんこんな形にはならないんだろう。



小屋裏の防火上主要な間仕切など、見えない建築法規もあるけれど
このように如実に見える建築法規もある。



学習には適した題材なんだろうと思うのだ。
(「視覚化された道路斜線」おわり)
posted by けろ at 15:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 建築工事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする