元々は、2002年FIFAワールドカップ日韓大会の試合招致を目指して
計画・建設されたものだという。
1999年に愛称が公募され、「HIROBA」という作品が選定されたのであるが
全く定着しないまま今日を迎えているようである。
サッカーJリーグの北海道コンサドーレ札幌のホームスタジアムとして、
また、2004年から2022年までの間は北海道日本ハムファイターズの本拠地球場として使用されている。
札幌市及び第3セクターの株式会社札幌ドームとの様々な確執があったと報じられる中、ファイターズは自前の本拠地を隣市に建設して移転してしまった。
プロ野球の年間60試合ほどの本拠地開催試合が無くなり
収益見込みは激減。
試合の会場収入のほか、物販飲食店舗の売上、広告その他の関連収入が途絶え
今後の施設維持が危ぶまれている。
「全国ドームツアー」を開催できるような
超大物アーティストのコンサートこそ開かれるものの
4万人も集めないけれどもう少しコンパクトに開催できる器にしようと
「新コンサートモード」なるものを考案した。
全面使うには広すぎる場合に
仕切って使えるようにしようという、苦肉の策である。
が、
芳しくない ようである。
2万人程度の集客規模で使える会場は、他にもある。
広いドームをわざわざ仕切って
「全体を満席にはできないアーティスト」であることを
見せつける必要はあるまい。
むしろ、小さめの器で即日完売・超満員であるほうが
よほどテンションも上がろうというものだ。
演者も、観客も。
仕切りを作るための大量のトラス材を保管しておいて
フォークリフトで出し入れできるように
専用の倉庫まで建てた ようなのだが
業績の推移 が、今後悪化するであろうことは多くの人々が指摘するところ。
今後どうなることやら。
オリンピックやワールドカップの元会場が寂れて廃墟化していく様は
世界各国で散見されるところであるけれども
この施設がどのようになっていくのかさっぱり見通せない。
2030年オリンピック招致の要の施設とも考えていたようであるが
それらも無くなった。
1972年札幌オリンピック開催に向けて建設された多くの施設群が
老朽化・耐震不足・陳腐化などによって
更新時期を迎え、あるいは過ぎてきている。
気候変動によって、世界的にウインタースポーツの敵地が減少している中
人口規模に対して多量の積雪があり寒冷気候である札幌の地は
オリンピックなど無くとも、さまざまな競技大会が開催されてきているし
これからも開催され続けることであろう。
どうせなら、無駄にならずに、
赤字にならない程度の収益を上げつつ
維持管理していけたら良いのだけれど。
エスコンフィールド北海道も、
開場に至る期間や、開場まもなくの時期には
「遠い。アクセス最悪。誰も行かない。大赤字必至。大失敗」
あらゆる媒体が否定的な報道を撒き散らしていた。
が、1シーズンを経て(まだ冬期を過ごしてはいないが)
すっかり評価が変わっているところである。
札幌ドームにおいて、
果たして多くの悲観論を払拭するような結果を
作り出していくことができるのかどうか。
しょせん、お役所仕事。
そうならないことを、願うものである。
(「夢の跡?」おわり)