2022年03月21日

換気フードのない外壁だけど

換気用のフードがこれでもかと並ぶ外壁もある。


しかし、そうではない外壁もある。



そういう建物では、換気をしていないのか?

そんなことはない。



とっても古い建物だと、そういうのもあるかもしれないが
近年の建物では「換気無し」ということはあり得ない。



この外壁にも、換気用フードはついていない。


22032101.JPG


しかし、各窓の上に、換気ガラリが設けられている。

この奥に、鉄板で作られた「チャンバー」があって
そこにダクトが接続されていて、
外気の取入れ、室内汚染空気の排出が
行われているにちがいない。



どの部分が給気で、どの部分が排気かは
外観からは決してわからないけれど。


中華料理厨房の排気か何かだったら
ガラリ周りが汚れてくるので
判別できたりもするだろうけど
そこまであからさまなのはそんなにない。



アルミやステンレスで出来た換気用フードも
角型フード、深型フード、防風板付などいろんな形状があるし
指定色焼付塗装などにすればそれなりの表情を保てるけれども
このようにガラリで処理するのも一つの方法である。


風量的に余裕のあるガラリ面積を確保しておけば、
後々の改修の際にも自由度が上がる。



こういうのも、いいんじゃないだろうか。



好みの問題のほか、コストにも関わってくるし
雨・雪の吹き込み対策は良く考えなくちゃならないけれど。
(「換気フードのない外壁だけど」おわり)
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2022年03月07日

ここにも留まるのか!

ただの外壁なんだけど。


ちょっと気になって。


22030701.JPG


どうです?


何か、気になります?



左側に、垂直外壁に取り付けた太陽光パネルが写っていたり
窓上にセンサーらしき窪みが設けられていたりするほかは
至ってフツーの外壁に見えるのだけど。



よく見ると、換気用のフードに何かついている。
(画像を大きくして見ていただかないと、見えないだろう)



ハト除けのトゲトゲ(商品名はいろいろある)が
貼り付けてあるのだ。



敢えてここにつけてあるということは、
この、決して大きくもないフードを
とまり木がわりにするヤツがいたってことだよね。


そんなところに、安定して留まることなんて
できるんだろうか?


スズメくらいなら可能かな。


でも周囲には街路樹もあるし、
いくらでも留まれるところはあるのに
敢えてここに?



この近所には、
かなり肝の座った(あるいは変わり者の)
鳥類が棲息しているようである。
(「ここにも留まるのか!」おわり)
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2022年02月15日

活躍するダクトたち

コロナ下にあって、まん防期間中にあって、
なかなか飲食店を、ことに酒類を提供する店舗に
訪れる機会はなくなっているかもしれない。


けれども、中には入らなくても、
せめて外側だけでも、愛でることはできよう。

(店舗にとっては、何の得も無い。申し訳ない)


22021501.JPG


店舗外壁から生えてきて壁沿いを屋上まで這い上がり
屋根面から排気される、ダクトたち。



あるいは、亜鉛鉄板製。あるいは、ステンレス鋼板製。


彼ら(彼女ら? 名詞の性別はどっち?)は
テナントの必要によって
元々建物には無かった機能を発揮するために
付加されたものである。


この活躍が無ければ、店舗営業は成り立たないのである。
(たといコロナが沈静化したとしても)



22021502.JPG


送水口と室外機と給気用ファン?


看板とも渾然一体となって
機能美を体現している、かな?



ちょっとした小路に立ち並ぶ飲食店廻りは
垂涎の「せつび」で満ちているのである。
(「活躍するダクトたち」おわり)
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2022年02月12日

電動ダンパーの中身

ダンパーってものは、
ダクトの途中に挟み込まれているもので
たいていはその外観しか見えない。


外観といえば、単にフランジで挟まれた鉄板でしかない。


そやつに、モーターがくっついていて
送られてくる電源によって、開閉したりするように
なっているのが、電動ダンパーである。



ただ、何ごとにも例外ってものがあって、
途中に挟み込まれていないヤツにお目にかかることも
無いわけじゃぁない。



22021201.JPG



おお、あった、あった。


あんまり見かけない有り様だけれども
機械室なんかだったら、これもアリっちゃアリだ。



それなりに年季を経ているようであって
いい具合(?)に錆が回ってきている。



下のほうほど錆が進んでいる。
たぶん、地球の重力のせいだね。



新しい電動ダンパーだったら、
駆動部はもっとコンパクトなものであるが
こいつはちょっと古そうなやつだから
今風じゃぁない。



こいつのために伸ばされてきた電線管、
専用となっているプルボックスから伸びる、
可とう電線管。


そして結構でっかいボックスに納められたモーターが動くと
腕を動かして、クランクなんかでうまい具合に調整されて
ダンパーの羽根が揃って開くようになっているようだ。



ふつうは、手前にもダクトが接続されているから
こんな中身は見えない。


見えないけれど、まあそんなもんだと思っているけれど
こうやって見えるところがあると、なんか嬉しいもんだ。


見えなくったって、ちゃんと中身はあるんだけどね。



ワタクシの脳みそみたいなもの?

何を言う、ブツはあるけど、情報も格納されてないし
処理能力もねぇだろう、って?


それに比べりゃ、ちゃんと働くダンパーは
偉いものである。



なんて言うけどさ、
記憶力や思考力が大して無くったって、
脳細胞や神経細胞の働きって
結構スゴいんだぜ?

意識してなくったって、
あちこちの臓器の働きや、血中の物質濃度や、
バランス感覚や、光を通じた情報処理なんかを
事細かにやってるんだぜ?


「せつび」は、生体に比べたら
とっても単純明快なのである。
(「電動ダンパーの中身」おわり)
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2022年01月26日

黴びてる制気口

錆びてる制気口は、結構見かける。

湿気にやられて、とか塩素分にやられて、とか。

錆びたまま交換されないで放置されていると
その錆具合が進行していき
だんだんと無残さを増していくのである。



では、()びてるやつはいかが?


22012601.JPG


あんまり見かけることが無かったのだけれど、
有るところには有るものだ。


確かに、少し湿気が多いところではあった。


それでも、他の建物では同用途の室でもここまでにはなっていないなぁ。

何かの加減が違うのだろうか。



ただこれは、錆びているのと違って
健康被害の恐れも生じてくる。


表面を見る限り、VHSである。

吹出口である。


ここから、空気がカビの胞子を纏って吹き出すのは
あんまり気持ちの良いものとは思えないのである。


何とかしません?


改修工事の計画ついでに、
これも替えちゃいませんか?



既存図を見ると、どうやらパスダクトの片方についているモノのようだ。
制気口とパスダクトを、更新しちゃったらどうだろう。



パスダクトの両側についている制気口なんだけれど、
ご丁寧に可動羽根のついたVHSとHSが対になって
取り付けられている。



でもね、あれ? あれ?



よぉく見ると、
吹出側にHS、吸込側にVHSがついてるや。



図面上は逆なんだけどね。



取り付ける際に、間違って逆につけちゃったんだね。

ま、そういうことも、あるかな。



更新する際には、
ちゃんと付けて欲しいなぁ。



それに、どうせ成り行きで通過するパスダクトなんだから、
GVかGHでいいんじゃないかな。

羽根の調整したって仕方ないし、
シャッターをつけたって大した風量調整もできまい。



とにかく、黴びてるのだけは解消されるといいな。
(「黴びてる制気口」おわり)
posted by けろ at 12:00| Comment(0) | 換気設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年01月25日

直天井にボックス

天井を張らない室もある。
倉庫とか機械室とか電気室とかそういう類の室。

意匠上、天井なるものが必要ないし、
むしろ無いほうが広い空間が取れて良い。



居室でも、張らない場合もあったりして、
たとえば、地震時に天井の落下を回避する“天井レス” という
考え方をすることもある。
(ここは免震構造だからそもそもリスクは少なそうだけれど)


(じか)天井なんていう呼び方をしたりする。



天井が無いと、「天井内」にあるようなモノたちが
そのまま見えることになる。


22012501.JPG


照明器具を取り付ける板が無いから、
レースウェイを流してそこに器具を取り付けたり、
上の階からやってくるダクトがそのまま見えて
ぐいっと曲がって、横向きの吸込口が設けられている様子が
よく分かる。

レースウェイやダクトを吊っている金物も
そのまま見える。



ん……?



ダクトが降りてくる位置と吸込口の位置とが少しずれていると
上のようになるのだけれど、
もしもずれていなかったら?

ダクトが降りてきたその場所が、まさに吸込口だったら?



なるほど、こうなるのね。


22012502.JPG



ダクト貫通部を受けるボックスを設けて、
そこに制気口を取り付けてある。


まあこれは一つの例であって、
こうしなきゃなんないわけじゃない。

たぶんスラブの上側には防火ダンパーが設けてあることだろう。

だから、何ならスラブに直接制気口を取り付けたって構わないし
こんな立派な制気口でなくとも
ダクト断面に金網を設けるだけでも、
いっそ、ただダクトの切り口があるだけでも構わないだろう。



あんまり見かけないボックスが妙に可愛かったので、
記念に撮影。
(「直天井にボックス」おわり)
posted by けろ at 18:00| Comment(0) | 換気設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年01月20日

ぴっかぴっかのダクト

ダクトは、美しい。

保温材や外装材で着飾ったものは
その飾りしか見えないから
ダクトそのものの魅力を目にすることはできない。


けれども、生まれたままの姿でそこにあるダクトは
美しいものなのだ。



亜鉛めっき鋼板は、それはそれで
ランダムな結晶模様が映えてよろしい。



そして、ステンレス鋼板は
いつだってぴっかぴっかに輝いている。


22012001.JPG


こんなふうに露出でついているなんて。

サービス、サービスぅ。



特別に鏡面仕上げにしてあるわけじゃないけれど
ステンレスにはモノが映るのだ。

でも周囲の壁仕上げが真っ白だから
あんまり映っているような気がしないかな。



ちょっとクローズアップすると、
映っている様子がわかるかな。


22012002.JPG


ダクトの端を切って折って作った
共板フランジどうしを合わせて
四隅をボルト・ナットで留めて
辺をクリップで挟んである。



ダクトパッキンは挟むのだけれども
ある程度の漏気が生じるのは仕方がない。


それを避けたければ、厳重なシールを施したり
アングル工法で溶接したり、
まあやり方はいろいろある。


感染性排気とか毒物雰囲気とか
そういうダクトでは厳重にせざるを得ない。


でもここのダクトはそんなことを気にする必要が
あるほどのものではないのでフツーの施工だ。



ファンの位置も、関係がある。

ファンの吸込み側のダクトなら
漏れるにしても周囲の空気をダクト内に吸い込む方向だから
周囲空気を汚染しづらい。

ファンの吐き出し側なら、ダクト内の気体が
周囲に向かって漏れるわけだから、
気をつける必要がある事態もあり得る。



ま、そういうことはそういうことで、
今日はダクトの姿を愛でるだけで良しとしようじゃないか。
(「ぴっかぴっかのダクト」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | 換気設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年01月19日

制気口ボックス、だよね?

天井を解体したら出てきた、それ。


とても不思議な形をしている。


22011901.JPG


ずいぶんと大きな(高さはそんなに無いが)ボックスなのだけれども
制気口がボックスの範囲とずれてしまったのか。



もう、ボックスつけちゃったし、
ダクト繋いじゃったし、
今更天井仕上げの目地に合わせろって
無理無理。

え?
どうしてもやれって?

はい、はい。
なんて勝手な要求を……。


繋がってりゃいいんでしょ、繋がってりゃ。

排気ダクトだし、それほど酷いことにゃならんでしょ。



そんなやり取りが、あったのか無かったのか。


その経緯を知る人物は、ご健在か否か。


これに携わったダクト屋さんは
その後この件をどのように咀嚼消化されたのかどうか。


なかなか、興味は尽きない。



22011902.JPG



こういうのがあるから、
天井内はワンダーランド。


愉しからんや。
(「制気口ボックス、だよね?」おわり)
posted by けろ at 13:00| Comment(0) | 換気設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年01月16日

キミはボクのファンなんだ?

キミは、ボクのものじゃない。
だから、あんまり勝手なことを言ってはいけない。


それは、わかっちゃいるんだよ。
モノゴト、弁えなくちゃいけないんだ。


それでもね、敢えて、言おうじゃないか。

「キミは、ボクのファンなんだ」と。


22011601.JPG


「ワタシはアナタのモノじゃない」


うん、わかってる、わかってる。

そうさ。法的に、ちゃんとキミの所有者は居るんだ。

でもね、法律は心の中までは縛ることはできないんだ。
この気持ち、ボクとキミとだけの場だったなら、
口にさえ出さずに、密かに心のうちで思うだけなのだったら
それほど人倫に悖ることでもない、よね?


美しいよ。その輝く鋼板のボディ。


これっぽっちも錆びたりしてないじゃないか。
出荷されたばかりのようなその肌が
ボクの目を引くんだ。


正面から、柔らかなキャンバスダクトが伸びて
しっかりしたスパイラルダクトのレジューサーに繋げられている。

そのフォルム、なんて魅力的なんだ。



22011602.JPG


そのダクトの先には、
赤と黒の表示も麗しく、
風量調節ダンパーが、
そのハンドルを下に向けて取り付けられている。

すぐ脇を、吊って支えてある。


国産の製品のはずだけど、
表示は英語なんだね。


むか〜し昔、日本語を廃止して
公用語を英語にしようなんていう意見もあったそうだから
その名残かな。

いや、そこまで古いもんじゃないね。



その先は、ずいぶん複雑だ。


22011603.JPG


エルボとか、あんまり好まれないのかな。

ダクト直付けとボックスとが多用されている。

まあそれは、キミのせいじゃない。
ダクト屋さんの都合なんだから。


それにしたって、亜鉛メッキの結晶がキレイだね。

ファンであるキミの前途を、祝福しているようだよ。


22011604.JPG


曲がる部分は、フレキダクトか。

まあそれがトレンドだよね。
90度・45度のエルボと直管スパイラルだけでつなぐなんて
大昔の考え方だよね。

圧力損失計算上は、テキトーだけどね。



VVFが途中で剥けて、さてどこの何に繋がっているのやら。



きょうボクは、
キミの所在と、周りとの関係性が知りたかったんだ。


そうか。


こういう環境に存在していたんだね。


よくわかったよ。



ボクのファンにはなりたくないって?



そうだね。ボクの家には、
キミは器が大きすぎるよね。


キミの吐息は、
ボクの家には激しすぎるよね。


いや、最初っからキミを狙っていたわけじゃないんだよ?


キミのことを、少し詳しく知りたかっただけ。

ボクの興味はそこまでだよ。



所有欲も、独占欲も、そんなのはないんだから
気にしなくていいよ。



今日はありがとうね。

急に、明るくしてゴメンね。
眩しかったでしょ?


天井内にしては、妙に埃っぽいなと思ったけど、
まあそういう所だってあるよね。



さて、目的は達したから、
もうおいとましようか。

もう、キミに逢うことも無いかな。


もしも縁があったなら、
またこの天井点検口を開けて
キミに逢いに来る可能性も、ゼロじゃない。



でも、ずっと先の未来に
ボクがここに来たとして、
キミがまだそこに居るとも限らない。



一期一会。

世の中、そういうものなんだ。



それじゃ、ね。サヨナラ。
(「キミはボクのファンなんだ?」おわり)
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2022年01月08日

片隅に軸流ファン

倉庫の片隅に、
見慣れないモノがあった。



正確に言うなら、
モノとしては見慣れているのだけれども
これがこういう場所にあることに見慣れていない、
というべきか。


フツーだったら、機械室とかの天井に吊られていて
キャンバスダクトやら亜鉛鉄板ダクトやらが
繋がっている状態なのだ。



22010801.JPG


けど、ここでは
小さくない軸流ファンが、
キャスター付きの可搬台に載せられて
片隅に置かれている。


しかも、2台。



換気したいなーって思った時に
これをゴロゴロ引いていって
ところどころに設けられている三相コンセントにつないで
ゴーって換気しようっていうことなんだろう。


蛇腹ダクトをつなぐでもなく、
ただ空気を動かしたいということであれば
まあ、でっかい扇風機代わりってことかな。



常設でなくても良いなら、
人力で運んでいく手間を厭わないなら、
ところどころに三相コンセントを設けておくような施設ならば、
こういうのもアリだろうな。



こういうファンだったら、
いくらでかくても
「設備工事」っていうよりは「備品」になっちゃうだろう。
(「片隅に軸流ファン」おわり)
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2021年12月30日

ガラリは目立つが役に立つ

ガラリ。


その無粋な音韻。


英語読み風に呼ぶなら「ギャラリー」なのであるが
なぜかなぜか、「ガラリ」と称されるモノ。



床壁天井で覆われた建物には
どうしても換気が必要である。


しかし、すべての室に十分な面積の窓を配置することはできない。


そうしようとすれば、自ずとベルサイユ宮殿のような
昔の兵舎のような、
そんな造りになってしまうのだが
現代社会がそんな造りの建物ばかりで済むわけもなく。



したがって機械を使用して強制的に換気を行うことになるのであって
外界と屋内との空気の流通を行うための開口部が
必須となるのである。



その部分に、雨や雪をしのぐためのルーバーをつけたものが
「ガラリ」なのである。



建物の規模が大きくなればなるほど、
換気風量もまた大きくなる。

すると、通気口としてのガラリの開口面積もまた
大きくなるのだ。



そして大きなガラリは、大層目立つものである。


目立つから、目立たない場所に、たとえば建物の裏側とか側面とか
そういうところに配置される。


そう配置されるのだが、なにせ大きいのであるから
やっぱり目立つことになる。


21123001.JPG


しかし、だ。


これだけの開口面積が必要だからついているのであって
無意味なものではないのだ。


いやむしろこれが無ければ、呼吸をする人間が利用するために
建物として存在が許されないのであるから
目立とうが目立つまいが、そもそもそういう次元の話ではないのだ。



目立つけれども、役に立つ。


そういうものなのだ。



だから、大きな建物になればなるほど、
こういう存在が必須であることを認識した上で
それをどこに配するか、
どのように見せるか、または見せないか、
「意匠的に」検討・設計する技術を要するのである。



間違っても「設備屋が勝手に考えて勝手に付けやがった」
そんなふうに考えないことだ。


絶対に必要なものに関して、考えなかったアナタの落ち度だよ。


そう反論されても、仕方がないのだ。



昔の建築を見てみると良い。

建築基準法上「建築設備」と定義されている煙突であるが、
各室の暖房(暖炉)に必須であるから
工夫を凝らしてデザインされているではないか。

1階の室でも2階の室でも利用できるように、
平面計画に合わせて
垂直方向の煙突もしっかり計画されているではないか。


「煙突屋が勝手に考えて勝手に付けやがった」
そういう建物もあるだろうけれど、
そうじゃない、しっかり計画された建物こそ
機能を意匠に上手にとりこんだ良いモノなのではないか。



というわけで、大きなガラリの計画も
意匠設計にとって、立面計画にとって
大切な要素なんだということを主張しておきたいのである。
(「ガラリは目立つが役に立つ」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | 換気設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年12月22日

空気の出し入れは存分に

建物の内と外とをつなぐ換気口は
いつだって悩ましい。


全く遠慮なく、市販の換気フードをズラズラ並べたっていいんだけど
「見た目」を気にする方には喜ばしくないらしいし。



……と、道行く際に
なかなかスバラシイ建物に目が行ったのである。


21122201.JPG



確かに、正面側ではないかもしれない。


けれど、各階の隅の部分に
空調機械室がしっかり確保されているような
そんな外観ではないだろうか。


恐らく地下駐車場の換気用に、
立派な立派な換気塔が添えられている。



各階ユニットのエアハンが置いてある感じかな。



確かに、市販換気フードを並べるのに比べると、
いろんなコストがかかる。


まずは機械室スペースを確保しなくちゃならないし
エアハン置くなら熱源も要るだろう。

天井内を太いダクトが走り、
それに保温材も貼りつけるから
設備工事費がかなり大きくなる。


それでもさ、
法定ギリギリの24時間換気を
壁につけたパイプファンの排気でまかなって
生の外気を自然換気口から入れるだけの
最低限の設備で済ませるよりは
かなりしっかりした室内の温熱環境を確保できる。


メンテナンスが的確に適切に行われてこそではあるが、
取入れ外気や還気のフィルターもしっかりしたものが付けられるから
浮遊粉じん量も減ずることができる。

外気が直接そのまま入ってこないから、
冬になると冷たい空気がすう〜っと入ってきて……という心配もない。

加湿も比較的乗りやすい。

居室給気、廊下還気とすれば
全館にわたって温度ムラの少ない環境が実現できる。


そんなこんな、設備的にはいいことづくめ(「ずくめ」が本来らしい)の
各階ユニット方式。



だけれども、建設コストとメンテナンスコスト、
どちらも多くかかるから、
最近はあんまり流行らない。


少なくとも、ある程度カネをかけられる建物じゃないと
採用されることはない。



でもさ、それでもさ、
狭い狭い天井内や壁面に
無理矢理確保するような換気用の開口部じゃなくって
こうやってどど〜んとしっかり設けたガラリは
いいな、って思うんだ。


そういうビルを見かけたら、

おお、カネかけてるね! グレード高いね!


って、思ってほしいのだ。



こういうモノすら表に見せていなくて
気づかせない所(視覚的に死角になる部分)にひっそりと、
しかし面積的にしっかりと設けてある建物が
いちばんグレードが高いんだろうなと思うのです。
(「空気の出し入れは存分に」おわり)
posted by けろ at 20:00| Comment(0) | 換気設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年12月19日

ツートン外壁とフード

世の中の建物は、
結構流れ作業的に造られていく。

一つ一つの要素について、
いちいちゼロから考えていくなんていうことは
たいていしない。

よほど多額の設計料と、長い設計期間が与えられていない限り
いちいちいろいろ考えている暇もカネも無いのだ。
コスト的に合わないのだ。


だから結構、「気軽に」「何の気なしに」
いろんなことが決められ、取り付けられていくものなのだ。



さてここに、2色に塗り分けられた外装の建物がある。


21121901.JPG


左が白、右が茶。


換気用のフードは何色にするか。

たぶん、誰も特に何も考えない。

設計図には、書いていない。
現場で指示があるわけでもない。
いろんな現場を飛び回っているダクト屋さんが
手持ちの材料でつけたり
普段良く使っているタイプのものを選んだり
そんな感じかもしれない。

でもちょっと気を利かせて、
「せっかく白い外壁だから、白色のやつにしよう」
そう考えて注文してくれる場合も、あるかもしれない。


上の写真、最下部にあるものや、
窓より少し上のラインにある換気フードは
白色塗装品となっていることがわかる。


茶色の外壁のものまで白色フードだけれども
そこまで色を分けてあげる義理はない、
ということだったのかどうかは知る由もない。


でも、最上段のフードは、銀色の製品色のままじゃないか。


最上段は、換気用フードじゃあない。
小屋裏換気口としてのフードだ。

つまりは建築工事なのだ。

ダクト屋さんじゃなくて建築金物屋さんが
取り付けたのかしらん。



設備の職種で色に配慮をしてあって、
建築の職種で配慮してないなんて、
普段と逆かもしれない。


ぜぇ〜んぶ、勝手な想像だけれども。
そんな想像の数々が、楽しかったりするのだ。


いやぁ、せつびって、本当に面白いもんですね〜。

さよならっ。さよならっ。さよならっ。
(「ツートン外壁とフード」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | 換気設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年12月16日

送風機につながっているモノ

今日は、人知れず換気機械室内ではたらいている
送風機を眺めてみるのだ。


21121601.JPG


片吸込遠心送風機。


シロッコファン、なんていう呼ばれ方もある。


基礎の上に防振架台が乗っけてあって、
その上にファン本体が乗っかっていて、
ファンには吸込みダクトと吐き出しダクトとが
接続されている。


左側の亜鉛鉄板で出来た箱は
吸込みチャンバーである。


左上からやってくるダクトで、
どこかからの排気をここまで持ってきて、
ファンに吸わせて、排気ガラリへと送るのだ。


ファンの上方に伸びているのが、
排気ガラリへとつながるダクトだ。



昔のダクトは、アングル工法と言って、
30mmくらいのアングルを使ってダクト同士を接続していたのだけれど
今はもっと簡便な方法を使う。

板の端っこを折り曲げてフランジっぽいものを作って、
クリップみたいなやつで留めていく。

共板工法、などという。


用途や圧力によっては、今でもアングル工法は使用されるけれど
一般の給排気はたいてい共板工法で済ませられる。



ファンとチャンバーやダクトとをつなぐ部分は
振動を吸収できるように「たわみ継手」を介して
接続されている。

キャンバス継手、などとも呼ぶ。

とにかく、同じモノを指す名称がいくつもあって
最初この業界に入った際には(中途採用の転職組だったのです)
大いに戸惑ったものである。



さて、このチャンバー、
扉がついているよね!

扉は、開けねばならないよね!


「いや、開けるなよ? 絶対開けちゃだめだぞ?」


そういうお約束のギャグもあるけれど、
ここはお仕事なのだ。調査なのだ。状況確認なのだ。
開けても、何らの問題も無いのである。


というわけで、よいしょっと。


21121602.JPG


どや?



この箱は消音チャンバーと言って、
鉄の箱の中に、消音材(グラルウール板だ)が
貼ってある。

鉄の鋲で留め付けてあるのだけれども、
それらが錆びてしまって、こうなっている。



チャンバーの中から、ファンの吸込み側を見てみよう。


21121603.JPG


この角度だと、ファン本体は写っていない。

たわみ継手の内面が見えるだけだ。



それにしても、所々錆びてるね。



もちょっと奥で、フラッシュを焚くと、
シロッコファンの回転部が見えてくる。


21121604.JPG



あの羽根のついたドラム回転体が回転することによって
空気を送り出すしくみになっている。



ついでに、チャンバーの上の方を見てみる。


21121605.JPG


ダクトの内面が、見える。

ここもだいぶ錆が出てきているなぁ。



このダクトの板は、せいぜい0.6mmくらいだ。

たまに映画なんかであるように
ダクトの中を這いずり回って……なんてことは
そうそう出来ない。


これよりも大きなダクトになると、
内部に補強材が入っていたり、
あちこちダンパーがついていたりして、
人間が通れるようにはなっていない。


飽くまで、フィクションなのだ。


SFなんかで宇宙往還機がロクに整備士もおらず
機材もないのにいとも簡単に離着陸しているけれど
実際上はなかなかそううまくはいかないのと同様だ。



ともかく、送風機廻りの状況は確認できた。


こんな送風機が、何台もあるのだけれど……。
全部調べるのは大変なのだ。


天吊のやつは、さて、どうしたものか。
(「送風機につながっているモノ」おわり)
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2021年11月30日

あっちにもこっちにもフード

窓の少ない外壁。


のっぺりした感のあるその表面には
数々の換気口が並んでいる。


21113001.JPG

防風板付きのベントキャップのみならず、
有圧扇や換気扇用と思われる四角いフードが
点在しているのだ。



他の面も同様だ。


21113002.JPG


なんかの店舗だった建物だろうか。

看板が白く塗りつぶされているところを見ると、
現在は閉店中、というかテナントが撤退してしまった
そんなところだろうか。


四角いフードと、消防隊進入口とが並んでいる。



21113003.JPG


なかなか整然としているではないか。



結構な床面積を有する店舗のようだけれども
果たしてこの後どのように利用されるのだろう。



そしてその時、設備たちは元気に働けるのだろうか。

それとも、内臓(せつび)は
総取り替えしなくてはならないのだろうか。
(「あっちにもこっちにもフード」おわり)
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2021年11月21日

羽子板と呼ばれる

羽子板って、ご存知であろうか。


当然、ご存知の筈である。
新年の季語である。

そして「せつび」にも、
時々出てくる語でもある。



普通は機械室や電気室など
一般の方々の目に触れない箇所で良く見られる。

もしくは天井内に設けてあるから隠れていてわからない。
見えるのは天井面に取り付けられたアネモだけだったりする。



でもたま〜に、顕になっているのを
見かけることも無いではない。



おお、あった!



21112101.JPG



ドライエリアから伸びているダクトの先端部分が
「羽子板」なのである。


側面から見たんじゃ、よくわからないって?



それじゃ、正面から。


21112102.JPG


ダクトの先端部が少し広げてあるので
羽子板状の形状をしている。

だから、こう呼ばれる。


ダクトを広げた部分に
制気口が取り付けられている。

果たして給気か、排気か、
見ただけではわかりようがない。



制気口にはルーバーがついているため
ただの穴よりも開口率が下がっている。

必要な面積を確保しようとすると、
ダクトサイズよりも大きな制気口が必要となり、
仕方なくダクトを広げてそれを取り付けるのである。



んじゃ、ダクトサイズはそのままで
縦長の制気口をつければいいんじゃ?


それも、その通り。

そうしても良いし、羽子板にしても構わない。

実際に、どっちも目にする。



ただし、どちらも普段あまり一般の視線に留まらない場所に
設けられていることが多いのは冒頭の通り。


見つけられたら、ラッキーなのだ。


でも、そういう意識を持って常に観察していないと
気づけないかもしれない。



だって、こうやって外壁と同じ色に塗られていて
露出ではあるんだけれども、なるべく息を潜ませて
目立たないように目立たないように存在しているのだから。
(「羽子板と呼ばれる」おわり)
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2021年11月17日

十分な換気取れてますね、きっと

とにかく、なんてったって、
建物には換気が必要なのだ。


必要なんだったら、なんだ。



建築基準法っていう、建物の憲法みたいなやつで
厳粛に決められているのだから仕方がない。



建てる前に、「ちゃんと換気してますよっ」という図面を
役場の人(か、代理の審査機関の人)に見せて、
法律に定められている換気量を取っているかどうか
確認してもらわなきゃ、建てちゃダメだっていうんだ。

おまけに、建物が完成した後にも
「うん、ちゃんと造ってあるね」って
実物を確認してもらって、ようやく使用許可が出るのだ。


そのくらい、換気は必要なのだ。



さて、フツーに建物を見ていても
そんなことはちっとも気にならない&気が付かないものだけれど。



これなら、どう?


って言わんばかりの建物が、あった!


21111701.JPG


外壁に、これだけ換気フードが並んでいたら、
「換気してるぞっ」
「十分やってるど」
って、わかるんじゃないかな?



この壁についているボツボツしたやつ、
換気用のフードだっていうこと自体が
知られていないから意味ないかな?



それとも、
これだけついていても
やっぱり換気フードなんてものには
通行人の皆さんの意識は向かないものなのかな。



いちいちこうやって観察しながら歩いているとさ、
一向に進まないのよ。先へ。


予定よりも、ずっとずっと時間がかかっちゃうのよ。


困ったことに。



とか言いつつ、じつはあんまり困ってなくって
楽しんじゃっている、今日このごろ。
(「十分な換気取れてますね、きっと」おわり)
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2021年11月01日

排気は屋上から

駐車場の隣に、ラーメン店があった。


ラーメン店では、湯気が朦々と立ち上り
またチャーハンなどを煽る際の煙もまた激しいものである。


よって、それなりの排気設備がなければ
店内たちまち湯気と煙とが充満してしまう。



排気ファンはどこに置くか?


排気ダクトはどこに通すか?



テナントとして入る建物であれば
後付けで何とかするしかないから、

ファンは屋上に、

ダクトは外壁に。



21110101.JPG



ビカビカのステンレスダクトだったのだろうけれど
長年の排気、漏気、支持金物などの錆により
外壁ともども徐々に汚れていくようだ。



たいてい、ほんとうに少しずつ少しずつ
それらの汚れが進行していくので
毎日とか毎週とか見ている人にとっては
ほとんど気にならないことだろう。



でもそうではない人がみると

「なんか、キタナイ。汚れてる」


意識にものぼらない、
そんな漠然とした印象だけを残すことがある。


ただ逆に、むしろそんな所こそが
老舗感を醸し出して食欲をそそり
集客につながるかもしれない。


意図してやるか、
意図せずしてたまたまそうなるか。


商売って、難しいものだと思うのだ。
(「排気は屋上から」おわり)
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2021年10月28日

掃除されていない制気口

とある天井面についていた吸込口。


21102801.JPG


既存図が無いから、サイズを測ってみたのだけれど。


ずいぶんホコリがついたルーバーである。



うまくピントが合っていなかったけど
雰囲気はわかっていただけるだろうか。


21102802.JPG


何年分のホコリなのかな。



半年くらい毎に掃除してほしいものだけれど
なにぶん人件費がかかるから……ね。


ってことで放置され続けてしまうのである。



気になるって言うんだったら、
お前がやれよ。


そですね。そう言われますよね。


でも装備がないし……。

コレ、設計調査だしぃ……。

ワタクシもまた、見るだけ見て
何らの改善策にも着手しないのである。



かくして、これからも放置され続けるのである。
(「掃除されていない制気口」おわり)
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2021年10月27日

タコ足ダクト

天井内、ボックスからフレキダクトが伸びていて
壁の向こうにつながっている。


21102701.JPG


排水管や上方の給水管、電線管などと位置の取り合いをした結果
こんな避け方になったのかもしれない。


も少し奥をみると
このボックスから出ているフレキダクトは1本ではきかない。


21102702.JPG


貫通孔のサイズの制約などから
あまり太いダクトを通すことができないから
丸ダクトを何本も通さざるを得なくなったのだろうか。


21102703.JPG


制気口につながるダクトも
なぜか2本に分けられていた。



このボックス、タコ足のようにダクトがたくさん生えているのだ。

分岐用のチャンバーなのだ。



キレイに割りを入れた矩形ダクトは作りが美しいのだけれど
イザとなったらこうやって無理くり分岐してしまう手もある。


ダクト抵抗的には、あんまり条件が良いとは思われないけれど。
(「タコ足ダクト」おわり)
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