2023年12月30日

換気口建屋なのだ

ポコっと建つ、何か。


土台があって柱があって梁があって屋根があって。

……それだけ。


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この下には地下空間が広がっていて
そのスペース用に外気を送る、
あるいは汚染空気を排出する、
そのためだけの建屋。



そう。



地下施設があったとして、
そこに換気は必須なのである。


機械換気という概念が無かった時代には
鉱山とかトンネルなどの地下空間では
酸欠問題が常につきまとっていた。


が、ファンとダクトを通じて機械換気が
出来るようになった近代以降は、
深い深い地下空間、広い広い地下空間、
長い長いトンネルなどにおいて
人間が呼吸できる条件を確保できるようになった。

できるようになったし、
しなければならないことが明確化された。



地価の高い都市部においては、
建物は上へ上へと背伸びすると同時に
地下深い方向へも伸びていった。


大江戸線など、鉄道施設も
すごく深い位置に設けられるようになった。



換気用の外気取入口と、排気口は
どうしても無くせない。



まあ、潜水艦とか海中施設とか宇宙船内とか
「外気取り入れ」という行為が不可能な場所においては
また別の措置を設けるわけであるけれども。



核戦争があっても、地下シェルターに逃げればOKとか
軽く考えていると、
この換気問題にぶつかるはず。

換気ファンを動かす電源は、どうする。
発電機を置くなら、燃料はどうする。
燃焼機器用の燃焼空気と排気はどうする。
取り入れ外気の放射性核種除去は
どの程度可能なものか。
そして、換気設備が維持できる期間はいかほど。



しかも、どこかから浸水すると
水没してしまう危険性が常に存在する。


大雨の時、洪水の時、津波の時、
地下深くでつながっているネットワークが
すべて水没してしまうかも。

どこかで軍艦や潜水艦のように隔壁で遮断できるようには
なっていないだろうから。



この換気口建屋も
もしも津波浸水範囲にあったりすると
地下空間の水攻め拠点になってしまいかねない。



いろいろ、簡単じゃないんだよね。
(「換気口建屋なのだ」おわり)
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2023年12月13日

大胆かも

正面の、思いっきり目立つ部分に設けられている。


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上の丸いやつと、軒天部の四角いやつと。



換気用のガラリ、だよね?



通常、建物の裏とか脇とか
あまり目立たない部分にこっそりと設けるものであるけれど
むしろデザインとして積極的に取り込んでしまった。


そんな感じであろうか。



だって、必要なんだからさ。

だったら、その必要を上手く全体像に活用しようよ。



そんな発想だったとしたら、
なんか嬉しい。
(「大胆かも」おわり)
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2023年11月21日

有圧扇がついたよ

つけたてホヤホヤの
有圧扇だ。


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間近に見ると、凛々しいねぇ。

動いてたらちょっと怖いけどね、
停まってればカワイイもんだ。



最近では、取付枠にも名称や品番が貼ってある。
良いことだ。


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だってさ、既設の施設では
「この機器、いつのだろう?」
わからんやつが、多いじゃない。

こうやって表示してあれば、
紛失してしまいがちな取説を発掘しなくても
すぐにわかるのだから。


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電源ケーブルは、2本。


有圧扇用と電気式シャッター用と
別々に引いてきてある。


壁中に入っていって、
以降は躯体打ち込み配管内だ。



個人的には、打ち込み配管は
好きじゃないんだけどね。


何十年か後に何らかの改修をしたくなって
床や壁に開口を開ける際に
ぶち切っちゃうことがあるからね。


完成図を見たって、
具体的にどこに埋まってるかなんて
わかりゃしないからさ。



ガードが取り付けてないって?


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うん。


じつは、結構高い位置にあるのさ。


手を触れる危険性なんて微塵もないから
大丈夫なのさ。



外側に回ってみる。


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電気式シャッターが閉まっている様子が見えた。

なかなか、こういう姿を直で見る機会は多くないなぁ。



この後で、外壁フードを取り付けるらしい。

フードや防虫網越しだと
ここまでハッキリクッキリ見えなくなってしまう。


貴重な瞬間なのである。
(「有圧扇がついたよ」おわり)
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2023年11月17日

ガラリいっぱい

建物の正面じゃないから、
側面だから、
気にならない。

はず、なのだ。



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たくさんの、ガラリたち。


今日もたくさん、
空気を吸って、吐いて(どっちかな?)
イイ仕事してるかな?


シルバー色のままで、
石張りの外装とはだいぶ質感が異なるけれど、
これはこれでそれほど目立ってないような気がするんだよ。


ギョーカイ人の贔屓目かな。



外壁ガラリは、このくらい大胆に欲しいよね。

意匠屋さんに嫌われるのが嫌で、
計算上絞りに絞っちゃって、
すなわち面風速を上げに上げて
ゴォゴォと音をたてさせたくないもんね。

却って嫌われちゃうからね。



「あとちょっと、小さくなんないかなぁ」

「騒々しくなっても構わないなら……」


構うよねぇ、騒々しいのは。



静かな社会環境実現のため、
換気ガラリはなるべく大きくとりたいものである。


どこに設けるかについては
よく検討する必要はあるにしても。
(「ガラリいっぱい」おわり)
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2023年11月13日

どっちも排気?

なんか、気になる。


このビルの側面に
数少ない窓。


窓の上に、ガラリ。
ガラリの上に、換気フード。


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どっちも、排気なんだよね?
それとも、どっちも給気?


ガラリが給気で、
フードが排気だったら、
まんま、ショートサーキットだもんね。



隣に建っていた建物が壊されたから
色が違うの?


なんか、気になる。
(「どっちも排気?」おわり)
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2023年10月31日

窓の上で換気

廊下の壁なのだけれども、
換気設備が設けられている。


湿気が多くなるのだろうか。

「廊下の換気」としてはあまり見かけない気がする、
有圧換気扇である。
しかもステンレス製。


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給気用で、チャンバーの中にフィルターでも入れてあるのだろうか。


それとも、排気用で、ガラリの防虫網にホコリや虫などが詰まっても
清掃できるようになっているのだろうか。


この外側が、どんな造りになっているのか
見比べてみたかったなぁ。
(「窓の上で換気」おわり)
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2023年10月28日

錆びてる

ビルの軒天に、
制気口がついている。


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が、だいぶ表面が劣化していて
塗装が剥がれて、
地の鋼材が錆びてしまっている。



ここだけなんとなく補修するには
足場だなんだと結構オオゴトになりそうだし、
と言って、このまま放置していたら
どんどん劣化が進むのだろうし。



他になにか「ついで」がないと
手を付けづらい感じ?



この存在を把握していれば、
何らかの工事があった際に
この部分も一緒に手掛けることができそう。



でもたいていは、
そういう情報共有が無くって、
そのまんま放置されがちであるような気がする。
(「錆びてる」おわり)
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2023年10月24日

あっち向いてホイ

着色鮮やかな木質外壁に並ぶ、
換気口など。


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質感が違うから、「同じ色」に塗ったとしても
木の表面と換気フードの表面とは
やっぱり違う色に見えてしまう。

実際、違うのかも知れんけど。



そして、同じ色だったけどくすんでしまったのかどうか、
斜めカットのスパイラルダクトが
首を曲げた状態で生えている。



すぐ横に出ている排気筒っぽい着色の無い部材は
ダクトと反対方向に心なしか曲げてある。


ちょっとでも干渉しないように、という心遣い?



ダクトの中に防虫網をはめ込んである。


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なかなか、芸が細かい。

ってか、結構大変じゃ!?



ダクトとトップとの

「あっち向いてホイ」



深形フードは、
無関心で涼しい顔。
(「あっち向いてホイ」おわり)
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2023年10月22日

渡り廊下の換気

てくてくと、渡り廊下を歩いていると
ブゥーン…… プロペラの回転音。


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おお、キミは、有圧扇くんかね?

たしかに、この空間の換気は
あったほうが良さそうだね。



けれども、結構大胆についているね。



背の高い人がうっかり触ってしまわないように!?
がっちりしたガードが取り付けてあるね。



電源線用のノズルプレート位置は、
まあ、こんなものかな。


誰も見やしないし、
なんとなくその辺についていれば
構わないよね。


こんなトコで、配置を気にして、
ただでさえ難問山積な現場の苦労を
増やすこともないよね。



ガード表面のホコリも、
だいぶ増えてきたようだ。


ここらでちょっくら、
掃除でもしてみないかい?
(「渡り廊下の換気」おわり)
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2023年10月17日

入れ子のガラリ

ちょっと大きめの、立派なガラリの中に
丸い小さなガラリが入れ子になっている。


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ガラリ付きの丸形ベントキャップが4連、
仲良く並んでいるのだ。



たぶん排気ガラリであろう、この大きなガラリの場所しか
ダクトを通してくる余地が無かったのか。



どうしても、ガラリと別系統で、
直接外気に開放したい、
そんな換気系統だったのか。



事情はわからないけれども、
こんなふうになっていた。



既存のガラリを苦労して切り欠いて、
ガラリルーバーに、ベントキャップを何とかビス止めして、
一応、ハズれないように固定できているようだ。



前面に置いてある自転車、
建物内からのいろんなニオイを浴び続けて
大丈夫かしらん。


ガラリ周囲が汚れている風もないので、
それほど影響はないかな。



系統によっては、
ほんのり油臭があったり、
トイレ臭が紛れていたり、
タバコの煙粒子が混在していたり
するのかもしれないけど。
(「入れ子のガラリ」おわり)
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2023年10月10日

天井内のダクト

天井内のダクト状況を確認。



点検口をあけると、
そこにはダンパー。


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ストレートシロッコファンと、
風量調整ダンパーである。


ファンは、配管やダクトの納まり上、
上部ビタビタ。


でも、本体高さの半ばに吊り用の金物がついているから
こういう据え方が出来て便利である。



ダンパー用のハンドルは、
このように点検口をあけてすぐのところにあると
操作もしやすい。

ゲージも見やすい。


たまに、点検口の奥の奥の奥にあって
「どうやって操作するねん」ってこともあるけどね。

ここは、大丈夫なのだ。


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ファンの奥側のダクトは、
ぐいっと下方に曲げられて
躯体を向こう側へと貫通している。

ピントもフラッシュの明かりも、
手前の鋼管に食われてしまった……。


もうちょっとカメラの位置を変えて、っと。


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これなら、何とか。


ファンが邪魔になったから、
それを避けて吊材が設けられている様子がわかる。



ファンの銘板は、
腕を伸ばしてカメラを掲げて
ようやっと撮れる。


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どうせなら、もっと見やすい場所にあったらいいのに。

何なら、点検口近くに別に貼っておくとかね。

そしてできれば、いや、絶対に、
「製造年月」の記載が欲しい。

最近の天井扇や洗浄便座だと、記載があるんだけど。

古いやつには無いのが普通だし、
新品でも記載されていない機器・器具も多い。

なんでだろう。
記載があれば、10年20年経ったときに
すごく助かるのに。



メインのスパイラルダクトから制気口へ分岐する部分は
ぜんぶフレキダクトになっていた。


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施工する人にとっては、
スパイラルダクトを加工してつなげるよりも
フレキでべろ〜んと伸ばしたほうが
やりやすいよね。

どのくらいまでの長さなら許されるか、
施主(というか、監理者)次第かな。

フレキは接続部の1mくらいにとどめて、
あとはスパイラルできちっとやってほしいと
ワタクシは思うのだけれど。


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こっちは、それほど長くしてないから
ボックス接続部の微調整に使われている程度だから
自分としてはこちらのほうが好みである。



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フレキダクトを制気口ボックスに繋げて
そこから下方にネックダクトが伸びて、
天井面には吸込口がついているんだろうけれども、
ネックダクト下方に、隙間が出来てるんじゃない!?


亜鉛鉄板を、うっかり切りすぎちゃったかな。

「ま、いいよね? 誰も、気づかないよね?」

そのまま、済ませちゃったかな。



ごめんね、施工後何十年かわからないけど
見つけちゃったのよさ。


こんなことは、
結構あちこちにあるのだ。

それはそれで、まことに興味深いことなのだ。
(「天井内のダクト」おわり)
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2023年08月29日

互い違いに

道路脇に屹立する、換気塔。


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三角のシルエットが、凛々しい。


上端につくガラリが、互い違いの向きについているのがわかる。



給気と排気とで、ショートサーキットを少しでも防ごうと
このように配置したものか。


それとも、全部給気または排気なのだけれども
デザインとしてこのようにしたものか。



車道脇にあるのだから、
理想的には排気筒なんだろう。


給気は、できれば交通量の多い車道から離したいし、
もう少し高い位置のほうがいいだろう。



ああでも、理想は理想として
現実的に、ここに給気を設けるしか無かったのかもしれない。
車道に面しているから、少しでも高い位置で、と
これだけの高さまで立ち上げたのかもしれない。


実際のところは、
わからないものだ。



あそこに手をかざして
空気の流通を感知してみるしかなかろう。

あるいは紙飛行機でも飛ばせばわかるかも知れないけれど
まあ、周囲に迷惑だろうしね。



いずれにしても、コレがあるということは
下部に地下空間があって
換気のための必要があるということだ。


ビルの地階なのか、
道路下の地下通路なのか、
はたまた駐車場なのか、
そのへんも、見ただけじゃわからない。



植栽枠と同じレンガ風仕上げだから
地下通路か、道路下の地下駐車場かな。

知らんけど。



なお、この類は、大雨が吹き込んでも、
ちゃんと水が抜けるようになっているはずである。


じゃないと、えらいこっちゃ。
(「互い違いに」おわり)
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2023年08月17日

3Dスキャンを待望

ファンとダクトが乱舞する機械室。


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いや、別に、踊ってるわけじゃないけれども
機械室内に所狭しと並んでいて
各自が各系統の送風排風をすべく
忠実に稼働している、そんな場所。


太っといダクトが入り乱れ
あるものは立ち上がり、あるものは横引きされ
文字通り縦横無尽にダクティングされているのである。


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機械室壁は防火区画になっているから
壁際には防火ダンパーが設けられている。


もちろん、壁貫通部分は耐火じゃなくちゃならないから
貫通部のダクトは厚い鉄板(1.6mm)で施工されている、
はずだ。



ダクトだって、このくらい太いものになると
それなりに重たい。

あるものは天井から吊られ、
あるものは床からの鋼材により支持され
とにかくその形状を重力に逆らって保っている。


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流通する空気の状態に応じて、
あるいは外壁からの遠近によって
保温されていたりされていなかったり、
それぞれの必要に応じた施工がされている。


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系統によってはダクトの材質が異なっていたり
ファンが天吊になっていたり
ファン接続部では角丸変形したうえで
たわみ継手が設けられていて
ダクトの要所要所にもファン本体にも
振れ止めが設けられている。


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合間合間にレースウェイに取り付けられた照明器具があって
機械室内といえども適度な照度が確保されている。


ダクトには風量測定口も設けてあって
実際に通過している空気量を測定して
ダンパー開度を調節したり検証したりできるように
なっている。


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太いダクトを吊るための鋼材と
ダクト部材どうしを接続するための共板フランジとがあって
位置関係もさまざまである。


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室内ダクトの位置や高さと
貫通先のダクトの位置や高さとを合わせるために
微妙に振り回していたりする。


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躯体の形状に応じて、
ファンの位置や、メンテナンス動線を考慮したうえで
ダクトは振り回される。


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上部に吊られるものだけではなくて
床上を這うダクトだって存在する。


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いろんな系統が集中する部分になると
ファンの納まりだって厳しい。


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それぞれに電源を送るための配線も
当然のことながら付随する。



微妙な位置調整が伴うと
X−Y方向のみならず
微妙な斜め方向の変形も生じる。


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嗚呼!



こんな既存のダクトたちを
どのように把握すれば良いの?


「完成図」なるものはあるのだけれども
こんなこまごました諸々は表現されていないのだよ。

しかも、2次元で表現しているから
縦の重なりをわざとずらして描いたりするしかないのだよ。



斯くして、
「既存図」「撤去図」「改修図」はそれなりに描いて
あとは現場で合わせてね、っていう図面にしか
ならないのである。


「いや、それは困るから、
 ガッツリ調査して、完璧な既存図を起こして
 その上で撤去・改修を検討してね」


発注者の言わんとすることは、わかるんだけどね、
そう簡単な話じゃないんだよねぇ。


何日も通って測って図に落として
そんな調査が認められるなら、
そんだけの設計委託費が出ているなら、
不可能とは言わないけどね。


いや、実際、いくら時間と手間を掛けたとしても
なかなか「完璧に」表現することなんて、できない。



「設備改修工事設計図のテキトーさは
 何も、手抜きってわけじゃあ、ないのさ」


画描き屋は、そううそぶくしかない。



「現場に苦労を丸投げしやがって。とんでもない奴らだ」


施工を担当する方々は、
怒りと諦念をもって改めて現場に立ち向かうしかない。



カメラを持って、機械室内をくまなく歩き回って
陰になる部分も、自撮り棒的なものの先に取り付けたカメラで探って

そんでもって、すべてのデータをAIで解析して
すべての設備要素の3次元的な位置と、
形状とか材質とか系統とか保温材の有無や種類とか
フランジ位置、支持金物にいたるまで
もちろん盤やら電線管やら収納ケーブルやら
ありとあらゆるものの3次元データが構成される。


何なら、1箇所に据えた機械から
いろんな波長の電磁波や音波その他によって
一瞬でスキャンできたら
なお簡単だ。



そんな機械が、解析アプリケーションが、
安価に出回るようになるのは、一体いつになることか。



製図板と鉛筆とT定規で
ちまちまと手描き図を描いていた時代に比べると
遥かにマシになっている現代だけれども
もっともっと、便利になって欲しいなぁって
切に思うのである。


委託者にとっても、
設計受託者にとっても、
施工者にとっても、
こんな3Dデータが容易に作成されるようになれば
圧倒的に楽になるはずなのだから。



「じゃ、人間は要らなくなるね!」


そこまで到達することは、可能なんだろうか。


3Dデータを生成する過程をAIにどう学習させるのか。

出来上がったデータが妥当であることを、
人間の目で見て判断する必要もあるんじゃないか。

属人性の高い、
それでいて「データ」として蓄積されていない、
古い設備から現代の設備に至るまでの知識の数々を
どうやってAIに学習させるのかという問題も残る。



改修計画だって、施工計画だって、
「集合知」化するには
なかなかハードルが高そうな気がする。



何にしても、
早いとこ「かんたん既存設備3Dスキャンシステム」が
出来上がらないかなぁと待望する
今日このごろ。
(「3Dスキャンを待望」おわり)
posted by けろ at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 換気設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年08月03日

ダクトがニョロっと

道路に面したビルの外壁なんだけれども
こっそりと、いや、割合大胆に?
ダクトが伸びている。


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ホントの入り口付近の正面じゃないから
ま、あまり気にされないだろうということなんだろう。


鳩が留まるのを防止するためのトゲトゲがあるのは、
通用口があるからなんだろうね。



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ビルの上の方は、こんなダクトの存在なんて感じさせない
スッキリした表情を見せている。


左側部分、ガラスの間にあるスペースは
換気用のガラリなのか、
単なるデザインなのか、
どうなんでしょ?


右の方が外壁材であるからして、
デザインなのかなぁ。
(「ダクトがニョロっと」おわり)
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2023年07月26日

排気は万全

排気が大切な建物は数あれど
(というか、不要な建物はごく僅かだと思うんだけど)
何たって、こういう店において
特に重要になるよね!


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煙もうもうの中の焼肉も、
それはそれで良いのかもしれないけれど
時と場合によるじゃない?


服に臭いが染みつくのも敬遠されることだって、
あるじゃない?


だから、排気は大切なのさ。


23072602.JPG


充実、してるよね?


全体をまとめて、じゃなくて
何系統かに分けて、
排気ファンと排気ダクトとを整備してあるみたい。



どのダクトも、お辞儀してるのはなぜ?


そりゃ、真上を向いていたら
雨が入ってしまうから。

ダクトを通じて雨が入ってきたんじゃ
焼肉が台無しだ。



これを見ちゃうと、
壁貫通部も見てみたくなるじゃない。


23072603.JPG


ダクトは自立するわけじゃないから、
1本1本支持するのも
結構大変なんだよね。


図面にゃ表現してくれないから、
全面的に、ダクト屋さんの経験と技量とセンスに
かかっているよね。


どうかな? この造り。
(「排気は万全」おわり)
posted by けろ at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 換気設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年07月18日

テナント排気

とあるビルの1階に飲食テナントが入っていて、
その脇にはそれ用の排気ファンとダクトとが
設けられている。


23071801.JPG


外壁に面してさえいれば、
そしてその壁が耐震壁でなければ、
このような形で後付けの設備を設けて
内部の模様替えをすることができる。


ここのように、
正面と側面とが使えるならば
すこぶるやりやすい。



テナントがいくつも並んでいて、
外壁に面するのが正面側だけだったりすると
なかなかこのような付け方はやりにくい。



建築確認申請が不要なのだけれども
だからと言って建築基準法や消防法など各種法規を
遵守しなくても良い、というわけではない。


ないけど、誰もチェックしないから、
知らずに脱法行為をすることもあるし、
コスト削減などのために知っていながら敢えて
違法状態で済ませてしまうことも
無いわけじゃなかろう。



さて、このダクト系統は
どうであろうか。



延焼の恐れのある範囲に出ているダクトとして
防火装置(防火ダンパーとか)は
設けられているのだろうか。



誰が検証することもないから、
知る由もない。



ほんとうは、12条点検なんかで
適切にピックアップして
しかるべき対応がなされているといいんだけれど
このへんの設備まで見てくれる人は
居るかな?
(「テナント排気」おわり)
posted by けろ at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 換気設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年05月13日

外気処理どーする

空調って言っていいのか、それとも換気というべきか。

外気導入なんだけれど、まあどっちとも言えるかな。



とある建物の外壁に
並ぶモノたち。


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途中で切れてるガス管もあって、
何度か改修を繰り返されている建物と推測される。


そして、壁面に取り付く、熱源機。


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ガスを燃焼させて温水をつくるやつ、みたいだ。


23051303.JPG


パーパスの これ だね。


熱源機の隣には、太めのダクト。


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外気を取り入れるためのもののようだ。

取り入れ外気を暖めるために、
専用の熱源機を用意してあるのだ。



熱源機から外気加熱コイルまでの
それほど長くはない配管も
しっかりと保温されている。


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暖かい時期には必要ないし
暑い時期にはもちろん加熱しないけれども
寒い時期に生外気を取り入れると
建物内が寒くなってしまうから。


だから、「外気処理」する。

取り入れる外気をあらかじめ暖めて
建物内が冷えてしまわないようにしている。



寒冷地では、こうしたい。
できたらいい。


なんだけど、やらないことも多々ある。



だって、生外気で済ませれば、
こんな熱源機も加熱コイルも要らない。

そのぶん、工事費が安く済むじゃない。


そのかわり、冬期の寒さを何とか緩和すべく
工夫しなくちゃならないけど。



たとえば、熱交換換気にするとか、
導入外気の吹出口を誘引タイプにして
室内空気と混合させて温度差を緩和するとか、
室内の放熱器近くに吹き出すことか、
エアコン室内機の外気ダクト接続口につないで
外気処理を兼ねるとか。



でも、戸建住宅でも共同住宅でも
事務所でも店舗でも
「生外気そのまま導入」となっているところも
少なくない。

やっぱ、カネが物を言うから。
イニシャルコストを極限まで削ることを求められるから。



ちゃんと建設費が出る、グレードの高い建物だったら
外気処理もしっかりされるのだけれど。



「外気処理、どーする?」


やるのが良いのに決まっているのだけれども
費用の関係で割愛せざるを得ない。

寒冷地における設備設計の
永遠の課題なのだ。



ちょいと破廉恥かもしれないけれども
外気取入口を覗いてみる。


23051306.JPG


しっかり、網が張ってある。

鳥とか猫とか入ってくると
困るからね。
(「外気処理どーする」おわり)
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2023年04月29日

排気フードとか

立派な排気フードが
壁面に貼り付いていた。


23042901.JPG


排気ダクト、というよりも鉄板でザインされたものが
目を惹く造りである。



「やけど注意」の表示が目立つが
そして無粋でもあるが、
注意喚起は必要であって致し方ない面もあろう。



おそらく黒いチャンバー部分から壁の向こうへと
排気ダクトが伸びていることであろう。

あるいは、このまま煙突につながっていることも
無いとは言えないか。

全体像の観察をしないと、わかりそうにない。



そして、チャンバーの上には、二重ノズル。
これは吹出口に違いあるまい。

換気空気か空調空気か、
それには観察と考察が必要だ。



更に上に、四角い大きな制気口もある。

これも、何だろうね。



23042902.JPG


たとえば、壁の向こう側に空調機があって
上の四角から吸い込んで加熱or冷却した空調空気を
壁面に並ぶノズルから吹いている、なんてことも
考えられなくもない。


ユニット形空調機か、パッケージ形空調機か、
ファンコイルなどの放熱器か、
そのへんはわからない。



あるいは、単に換気用の制気口であって
全熱交換ユニットの吸込みと吹出しであるだけで
空調は別に存在しているのかもしれない。



いずれにしても、この部分を見ただけじゃ、
わからないことばかりだ。


でも別に構わないのだ。
その考察を楽しむだけで。



何らかのクレーム相談だったりとか
改修案件だとか、
お仕事で無い限りは
別にどうだってよいのである。

勝手に、楽しむ題材としているだけなのだ。
(「排気フードとか」おわり)
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2023年04月03日

フードだけじゃなかった

元々は、換気用のフード内に鳥が入ってこないように
防鳥網付としてあったんだろう。


けれども、鳥がやってくるのは
フードだけじゃなかったのだ。


23040301.JPG


むしろ、鉄骨梁に並んで留まって
下部に糞を垂れるのであった。



だから結局、
梁下全面に網を貼る羽目になってしまった、と。



「そんなん、設計の時点で気づけよ」


そうなんだよね、後からだったら
「あったりまえじゃん」って思えたりするんだよね。

でもね、でもね、
図面を起こしている段階では
意外に気づけないものだったりする。

もちろん建てている最中も。



実際に使ってみて、
あれあれ、鳩が留まるじゃん、
フン落とすじゃん、
その現象を見て初めて


「ああ、そうだったね」


気づけることだったりするんだよね。



建物って一品生産モノだから、
そんな事柄が、
こまごまとしたイロイロが
後から後から出てくるんだよね。



そういうのが、なるべく少なくできるようだと
立派な設計者なんだろうな。

ただ、そんな地味なことよりも
素晴らしいデザインだったり
斬新なファザードだったり
目を引く趣向だったり、
そっちのほうがインパクトがあるし、
賞だって受けられたりするんだ。


況や、設備をや。



つくづく、難しいものである。

「設計」って。



……ちなみに、上の写真の設計には
ワタクシは関係してないっす。
(「フードだけじゃなかった」おわり)
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2023年03月29日

冬ならわかる

ガラリって、
それが給気用なのか排気用なのか
見ただけじゃわからないことも多い。


すぐ近くに寄ることができて
空気の流れを感じられるならば
特に排気の場合には知ることもできる。


ガラリ付近の壁面が汚れていたりすると
室内の汚れや、厨房排気中の油分なんかが出ているから
排気だなぁとわかったりする。



でもね、冬だったら
それ以外の認識手段もあるのだ。


23032901.JPG


ね?


室内排気によって雪が融かされてるんだよねっ!


給気ガラリだったら、
こんな風にならないだろうからね。
(「冬ならわかる」おわり)
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