ホールに、縦型のでっかいFF暖房機。
とても目立つ位置だけれども、
強力に暖房してくれる代物である。
灯油コックを、施設利用者が勝手に触ることがないように
特製のコックボックス付の台に載せた状態で
据え付けられている。
給排気トップは真後にも抜くことができるはずだけれども
敢えて上の方にまで伸ばしてから、屋外に出している。
立派なカバーまでつけて、給排気管やトップ本体を隠してある。
結構な積雪が見込まれるゆえ、
雪に埋まって不完全燃焼になることがないよう
ここまで立ち上げておくのだろう。
ってことは、隣にある窓は雪没する前提?
裏側を撮ってみる。
縦長の暖房機なので、転倒防止措置として
頂部を金物で壁支持してある。
給排気管用のカバーには
内部に熱が籠もるのを防止するために
通気穴がたくさんあいている。
屋外には、灯油タンクが据えてあった。
コンクリート管4本を束石代わりに埋めて基礎にしてあるようだ。
もちろん内部にもコンクリートを詰めて、
アンカーボルトを埋め込んである。
床の高さや、暖房機本体の高さなどを考慮して
落差で給油可能になるように、タンク本体の高さを調節してある感じ。
タンク下部には、塩ビ管が伸びている。
給油用には、径8mmの被覆銅管が使われているはずなのだけれども
それを保護する意味で、塩ビ管が使ってある。
どこかにコック開閉用の点検口が作ってあるはずだ。
ひと冬に何件か、
灯油ドロボーの小さな記事が載る。
この手の灯油タンクから出ている被覆銅管なんて
すぐに切断できてしまうから、
灯油を盗んでいく輩が多くはないとは言え存在しているのである。
寒い朝、ストーブにエラー表示が出ていて
何ごとかと思ったら「油切れ」。
そんなはずないのに、先日給油したばかりなのにと思って外に出てみたら
灯油管が切られてタンク内の灯油がすっかり盗まれていた……
なんていうことになると、ショック極まりない。
だから防犯対策は、無いよりはあったほうが良い。
玄関の鍵も、閉めなくったって必ず空き巣が入るわけじゃないけれど
閉めておくに越したことはないように
灯油もね、っていうことだ。
盗んでいく人が悪いんだけれども、
一定数そういう人が存在するのだから
自衛できる部分は、しておいたほうが無難。
ま、そういうことだ。
こういう細工をするにはカネが余計にかかるから、
あとはそれぞれの考え方次第かな。
「暑い季節でも、露出の多い服装で出歩きなさんな」
若い女性に対して、こういう「忠告」をする人がいると
「女性は何も悪くない。自分の好きな、キレイに見える服装で出歩く権利がある。
悪いのは痴漢など性犯罪をする輩なのだから、女性に対して服装云々を言うなんて
とんでもない」
そんな批判が、必ず出てくる。
そう。その通り。間違っちゃいないと、ワタクシも思う。
けれども、そういう「悪い輩」は、居ないのが理想なんだろうけど、
やっぱり居るわけ。
日本には「大量に」「そこかしこに」居るわけじゃないから、
露出の多いセクシーな格好をしていたからといって
絶対に性犯罪の被害に遭うということはない。
遭わないことのほうがフツーだろう。
けど、ほんのちょっとだけだろけど、
リスクが上がるんじゃないかな。
だから、それを予防できるものなら、しておくほうが
よりリスクを下げることになるんじゃないかな。
灯油ドロボー対策も、そのくらいの感じじゃないかな。
だいたい、盗まれはしないんだ。
でもごくたまに、盗まれてしまうことも無いわけじゃない。
あとは、自分がそのリスクをどう判断するか、
どう対策する(しない)かを選ぶ、ということに尽きるのだ。
あまりにも過剰な反応もどうかとは思うけれど、
まったくの無防備ってのも、考えものなんじゃないだろうか。
FF暖房機の横に、木で作られた、楽団。
ほのぼのとした、良い感じである。
世の中、性善説で成り立つんだったら、
どんなに良いことだろう。
(「灯油焚きのFF暖房機だ」おわり)