もちろん、足元だって見なくてはダメだし
前方にも相応の注意を払わないと
対向者と衝突する恐れがある。
けれど、設備屋なる者としては
やはり天井面も見ないわけにはいかない。
どうしても!
そして時々
天井面の汚れが気になることだって、ある。
角アネモの周囲が
いい感じ(?)に汚れている。
四角い吹出口から空気が丸く吹き出している様子がわかって
これはこれで興味深くはあるのであるが、
いかんせんキタナイ。
生物学的にとか化学的にとかキタナイわけではないのかもしれないが
暗色微小物質の付着という面で
「キタナク」見えてしまうものである。
天井仕上色が薄いと、とりわけ目立つことになる。
このように汚れる現象を「スマッジング」と呼ぶそうであるが
どうだろう、単に「汚れ」と呼んで、何か支障があるものかどうか。
ヒトゴトで勝手な事を言えば
「時々掃除したらいいのに」とか
「スマッジング防止型のアネモにしたら良かったのに」とか
無責任に発言出来たりもするのだが
「誰がするのさ。いくらかけるのさ!」
とか
「一体何百個あると思うとるねん!」
とか、当事者による強力な反論は避けられまい。
まあ大抵の利用者は
そこまで気にしてないものだ。
気にならないものだ。
存在にさえ、気づいていないものだ。
それでもキレイにしたければ、すれば良い。
「まあいいや」で済むなら、
このままでもそれほど大きな支障はあるまい。
ニンゲンによる手間がかかることには
かならずコストが伴うのだ。
理想を現実化するのは
いつだって難しいものなのだ。
(「スマッジング・アネモ」おわり)