2021年07月14日

木造の屋根は後付けか

建物屋根からの落雪があるような位置に
空調機の室外機が置かれることがある。


そして、落雪によってダメージを受けることがある。


一度そういうことがあると、
なんとか破損を防ごうとして
何らかのガードを設けるものだ。



21071401.JPG


ほお、

後から、木造の屋根を造り付けたかのように見える。


なかなかガッチリ作ってあるけれども
木材ゆえ表面が汚れてしまい易いところが
少々残念な点か。



鋼材で作られる屋根もあるけれど
こういう感じのものも、手作り感満載で
良さそう。

屋根上面は、鉄板かな。



冷媒管用のカバーを貫通させなければならない部分の鉄板を折り曲げて
仕上げてある。

元々は、真っ白に塗られていたように見えなくもないけれど
実際はどうだったのだろう。
(「木造の屋根は後付けか」おわり)
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2021年07月10日

屋根でガッチリ、灯油タンク

建物の暖房機や給湯機に灯油を使う場合には
どこかに灯油タンクが置かれているのだけれど、
地下式で無い限りは、見える所にあるはずだ。


そしてそれは大抵、建物の外壁近くに置かれることだろう。



建物の近くは良いのだけれど、
積雪地の場合には、屋根からの雪庇の落下により
タンク本体が破損する危険性を孕んでいるのである。


そうならないように、あの手この手でガードするのだが
かな〜りガッチリした製品も、存在する。


21071001.JPG


かなり丈夫そうに、見えません?



この屋根は、水平になっている。

この状態だと、上に雪が積もっていく。
だから、少し斜めになった製品をつけたもののほうが
よく目にすることだろう。


なして、水平のやつにしたんやろか?



給油口には錠が取り付けてあり、
灯油取出管の部分にも鉄板のカバーが取り付けてあって、

「灯油ドロボーは、許さんぜよ」という作りになっている。



基礎部分には、既製のコンクリート製品を活用しているようだ。

少なくとも凍結深度までは埋めてやらないと、
年々傾いてきてしまうだろうから。



脚の1本にだけ、鋼材が取り付けてあるのがわかるだろうか。



あれは一体、何のため?



給油作業の際に、
あそこに足を乗っけて踏ん張って、
体を少し高い位置に引き上げるためなのである。


いちいち置き台を持ってきて給油するのは大変だから。



寒冷地の灯油タンク、
ホント、いろんなバリエーションがあるから
楽しめるのである。
(「屋根でガッチリ、灯油タンク」おわり)
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2021年07月05日

隠された、室外機

建物の一角が凹んでいて、
その窪みに室外機が2台。


21070501.JPG


頑丈な鉄格子扉によって
厳重に監禁されている、かのような。



室外機って、見た目あんまり良くないし、
こういう感じのキレイなレンガ調の外装には
そぐわないと感じられるのも、致し方ない。


ではあるんだけれども。


これはこれで、ちょっと可哀想。



あんまり厳重に囲ってしまうと、
本来の「冷媒と大気との熱交換」が阻害されてしまって
期待していた冷暖房能力が発揮できない可能性は高まる。



見た目と、機能。



いつだって相反する価値観なんだと思うのだけれど、
そこのことろをうまく折り合いをつけてこその「設計」なんだと思う。



見た目だけ重視したり、
機能だけ重視したりしていたのでは
全体として調和の取れたモノにはなるまいて。



どっちも良い状態を目指し、
全世界の意匠屋さん、設備屋さんが
日夜励んでおられるはずなのである。



得てして、どちらかが超優秀で、
圧倒的に立場や発言力が強い場合に
ちぐはぐな結果が待っているような気がするのだけれど
どんなもんだろうか?




「どちらかが」なんてことは、無いか。

設備側が「強い」なんて、あり得ないからね。



「設備」を、どこに置くか。どう隠すか。どう魅せるか。


実のところ、業界関係者ではない一般の利用者にとっては
あんまり気になっていない、意識されていない部分だったりするんだろうから、
じつは「自己満足」の域を出ないものなのかもしれない。
(「隠された、室外機」おわり)
posted by けろ at 14:00| Comment(0) | 空調設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年07月01日

灯油焚きのFF暖房機だ

ホールに、縦型のでっかいFF暖房機。


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とても目立つ位置だけれども、
強力に暖房してくれる代物である。



灯油コックを、施設利用者が勝手に触ることがないように
特製のコックボックス付の台に載せた状態で
据え付けられている。



給排気トップは真後にも抜くことができるはずだけれども
敢えて上の方にまで伸ばしてから、屋外に出している。


立派なカバーまでつけて、給排気管やトップ本体を隠してある。


結構な積雪が見込まれるゆえ、
雪に埋まって不完全燃焼になることがないよう
ここまで立ち上げておくのだろう。

ってことは、隣にある窓は雪没する前提?



裏側を撮ってみる。



21070102.JPG



縦長の暖房機なので、転倒防止措置として
頂部を金物で壁支持してある。


給排気管用のカバーには
内部に熱が籠もるのを防止するために
通気穴がたくさんあいている。



屋外には、灯油タンクが据えてあった。



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コンクリート管4本を束石代わりに埋めて基礎にしてあるようだ。


もちろん内部にもコンクリートを詰めて、
アンカーボルトを埋め込んである。


床の高さや、暖房機本体の高さなどを考慮して
落差で給油可能になるように、タンク本体の高さを調節してある感じ。



タンク下部には、塩ビ管が伸びている。


給油用には、径8mmの被覆銅管が使われているはずなのだけれども
それを保護する意味で、塩ビ管が使ってある。

どこかにコック開閉用の点検口が作ってあるはずだ。



ひと冬に何件か、
灯油ドロボーの小さな記事が載る。


この手の灯油タンクから出ている被覆銅管なんて
すぐに切断できてしまうから、
灯油を盗んでいく輩が多くはないとは言え存在しているのである。



寒い朝、ストーブにエラー表示が出ていて
何ごとかと思ったら「油切れ」。

そんなはずないのに、先日給油したばかりなのにと思って外に出てみたら
灯油管が切られてタンク内の灯油がすっかり盗まれていた……
なんていうことになると、ショック極まりない。


だから防犯対策は、無いよりはあったほうが良い。



玄関の鍵も、閉めなくったって必ず空き巣が入るわけじゃないけれど
閉めておくに越したことはないように
灯油もね、っていうことだ。



盗んでいく人が悪いんだけれども、
一定数そういう人が存在するのだから
自衛できる部分は、しておいたほうが無難。


ま、そういうことだ。


こういう細工をするにはカネが余計にかかるから、
あとはそれぞれの考え方次第かな。




「暑い季節でも、露出の多い服装で出歩きなさんな」


若い女性に対して、こういう「忠告」をする人がいると

「女性は何も悪くない。自分の好きな、キレイに見える服装で出歩く権利がある。
 悪いのは痴漢など性犯罪をする輩なのだから、女性に対して服装云々を言うなんて
 とんでもない」

そんな批判が、必ず出てくる。



そう。その通り。間違っちゃいないと、ワタクシも思う。


けれども、そういう「悪い輩」は、居ないのが理想なんだろうけど、
やっぱり居るわけ。

日本には「大量に」「そこかしこに」居るわけじゃないから、
露出の多いセクシーな格好をしていたからといって
絶対に性犯罪の被害に遭うということはない。
遭わないことのほうがフツーだろう。

けど、ほんのちょっとだけだろけど、
リスクが上がるんじゃないかな。

だから、それを予防できるものなら、しておくほうが
よりリスクを下げることになるんじゃないかな。



灯油ドロボー対策も、そのくらいの感じじゃないかな。

だいたい、盗まれはしないんだ。
でもごくたまに、盗まれてしまうことも無いわけじゃない。



あとは、自分がそのリスクをどう判断するか、
どう対策する(しない)かを選ぶ、ということに尽きるのだ。


あまりにも過剰な反応もどうかとは思うけれど、
まったくの無防備ってのも、考えものなんじゃないだろうか。



FF暖房機の横に、木で作られた、楽団。

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ほのぼのとした、良い感じである。


世の中、性善説で成り立つんだったら、
どんなに良いことだろう。
(「灯油焚きのFF暖房機だ」おわり)
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2021年06月20日

冷蔵倉庫入口のエアカーテン

何かを冷やして保管しておく、冷蔵倉庫のお話。


冷蔵なので、中はひんやり。

けれども、倉庫の外は、夏だったりすると結構暑くなっているもの。



冷気が逃げ、暖気が入ってくるのを緩和するために
入口上部にエアカーテンがついていた。


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エアカーテンの幅は、ドアの開口幅とほぼ同じ。


ここから空気を強く吹き下ろすことで、
内外の通気の遮断を試みるものなのである。



そうは言っても、完全に遮断できるわけもないから
ドアの開放時間は短いに越したことはない。


搬出入に必要な短時間だけ開けて
なるべく閉めて置くほうがよかろう。



天井から下がっているヒモは、
ドアの開閉操作をするための引きヒモ。

タンブラスイッチなんかよりも、ヒョイと操作しやすいかららしい。

電動のターレみたいややつに乗ったまま操作できそう。


うっかり引っ掛けると、それは大変そう。



普段こういうものに関わっていない方であれば、
ドアや中低温パッケージを含めて
冷蔵庫システムとして設計施工の提供をしているところ などに
ご相談されたらよかろう。
(「冷蔵倉庫入口のエアカーテン」おわり)
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2021年06月10日

暖めてから給気

飲食店舗の裏側に
ちょっとした燃焼機器が貼り付いている。


21061001.JPG


下から空気を吸い込んで、この機器で暖めてから
室内に給気するためのものである。



表面から伸びているのは、排気トップであろう。



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ガス焚きの機器のよう。



銘板には「三菱重工温風暖房機」と書いてある。

カタログ表記は「外気処理温風暖房機」。


加熱能力は 18.6kW、処理風量は 1,600〜3,000m3/h とある。



飲食店の厨房では結構な風量の排気をするのだけれど
その分の外気を取り込む必要もあるわけで、
寒冷地だと冬期のナマ外気がたいそう冷たいわけで。


それを暖めてやろうという機器。



ただし、暖めても暖めてもどんどん排気してしまうわけなのだから
「外気負荷」が相当なものになるのだ。


当然、燃料を食う。費用が、かかる。



折角つけてあるのに、「節約」と称して結局使わない、
なんていう悲しいことがないといいな。


設計者と使用者との意図が、うまく噛み合っている必要がある。


ま、いろんな事情から、背に腹は変えられず止む無く……ということだって
よくあることなんだけどね。
(「暖めてから給気」おわり)
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2021年06月07日

そこにおわすはエアコンか?

天井の高さが変わる部分で
側面に、ノズルがふたつ。


21060701.JPG


そしてその向こう、天井の低い部分には、
四角い吸込口がついている。



天井隠蔽形のエアコン室内機が収められているのだろうか?

それとも、ファンコイルユニット?



本体が全く見えやしないし、そもそも本体も似通った形だったりするから
この吹出口・吸込口だけではわかりっこない。



天井点検口が、ちと離れた位置にある上に小さいから、
およそ点検(やフィルター清掃)などは
おこなわれていないんだろうな、と。
(「そこにおわすはエアコンか?」おわり)
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2021年05月23日

BOSSと同列? 室外機

大きな室外機と、中くらいの室外機とが
BOSSと並んで置かれている。


21052301.JPG


同列、なのか、
BOSSが室外機たちを従えているのか、
でっかいダイキンの室外機がBOSSの更に上司なのか……。



基礎も綺麗だから、
新任のBOSSが後から派遣されてきたんだな。


古参のスタッフは、ちょっとバツが悪いかな。
(「BOSSと同列? 室外機」おわり)
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2021年05月21日

室外機の集合住宅

冷暖房ともエアコンだけで済ませている建物は多い。



エアコンの数が多くなれば、
それだけ室外機の数も多くなるので
ずらっと並ぶ場所が出てくる。



床置形ならば、屋外のしかるべきスペースだったり、
屋上だったり、バルコニーだったり、
そういうところにズラッと並ぶし

壁掛形だったら、集合住宅よろしく、壁面にこれまたズラッと並ぶことになる。


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EHPと書いてあるから、空気熱源ヒートポンプパッケージということになろう。

GHPと書いてあれば、ガスを燃料としたガスヒートポンプである。



「集合住宅」っぽく、どのように並べるかというのも
なかなか難しいところがあって。


外壁の凹凸に、架台をいろいろ組み合わせて
本体サイズや各機間の離れも考慮しながら
並べていくこととなる。



エアコンメーカーや関連会社が出している架台セットを使うのか、
鋼材で必要な強度が確保できるように作るのか。



上は積雪寒冷地で撮ったものだけれど
防雪フードがついていないところを見ると、
冷房専用のエアコンかもしれない。


暖房にも使うなら、吹雪などの際に雪氷が入り込みにくくなるように
防雪フードを吸込み側・吹出し側それぞれに取り付けるほうが望ましいから。

当然、コストがアップしてしまうけれど。



冷房専用の場合には、
冬季には養生カバーをかけておいたほうが良い。

雪氷が入り込んで、凍結して、機械を壊してしまうから。



また、上のように何段にも積んだ場合、
上段の室外機から垂れた水や雪が下段の機械にかかって
それが氷結してしまい、やはり機械を壊してしまうこともあるから
ほんとうは上下段に積まないほうが望ましい。



設備系って、「望ましい」ことは多いのだけれど
いろんな原因(主にスペースとコストと外観)から
「やむを得ず」望ましくない状況になってしまっていることも
少なくない。



集合住宅は一軒家と比べるとご近所との兼ね合いで
トラブルが生じやすいものだ。
大勢密集していると、どうしても、ね。


室外機の集合も、ちょっと似てるかも。
(「室外機の集合住宅」おわり)
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2021年05月18日

窓下の巾木ヒーター

広いガラス面があると、
寒い冬の時期には結露してしまうことがある。


そんなとき、
窓下の部分にヒーターを配置してやると
結露やコールドドラフトを緩和・軽減することができる。



21051801.JPG


「巾木ヒーター」などと呼ばれるけれど、
ほんとうに巾木としての役割を果たしているわけではなくて。


巾木くらい背の低い(実際にはもっと高さがある)薄いヒーター
くらいの感じで呼ばれる。



たまーに見かけるのだけれど、
どうです?

見たこと、あります?
(「窓下の巾木ヒーター」おわり)
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2021年05月16日

大きな灯油タンク、どこに置くか

寒冷地で灯油を使う場合には
どこかに「灯油タンク」を置くことになる。


大きなものになればなるほど、
その置場をどうするかが課題になる。



建物の意匠との兼ね合いで
あんまり目立つ場所には置きたくない。

可能ならば隠したい。



でもあんまり奥の奥、道路のアプローチから遠ざかった場所だと
給油のときに困る。

せめて、タンクローリーのホースが届く範囲でなければ。



傾いたり倒れたりしたら危ないから、
堅牢に固定できる場所のほうがよい。



貯油量が多い場合には
防油堤を巡らせる必要もある。



目立つ危険物看板も取り付けなければならない。
存在をアピールしなくちゃならないから、
目立たせなくちゃならないから、
目立っちゃって、デザイン上いやだ。

(って言うのは、たいてい意匠屋さんで
 ワタクシなんかは「見せれば?」って感じ)



消火器も置かなくちゃならない。



屋根からの落雪で破損したり埋まったりするような
場所でも困る。



「危険物」なので、
各地の火災予防条例なんかで
建物や隣地からの離隔距離や
隣接する外壁仕上げや開口部の制限が
生じたりする。



カネに糸目をつけないのであれば、
地下埋設にしたり、屋内設置にしたり、
やりようはある。

けど、そんなこと(カネが余ってる)は
まず無い。



などなど、ただポンと置いておけば済む、
という感じにはならないのだ。



21051601.JPG



通り道でみかけた、灯油タンク。



結構大きなもの。950Lとか、
ギリギリ指定数量以下のやつ。


指定数量を超えるといろいろ面倒なことになるので
可能ならばそれ以下に収めることが多い。



躯体を防油堤と兼ねていて、
手前の開口部には木製フェンスで目隠しできるように
なっているのかな。


危険物看板は、あんな奥でOKが出たのかな。



表面がぼちぼち錆びてきているな。



……とにかく、
いつだって悩ましい、
灯油タンクの置き場所。



寒冷地に行ったら、
見てみて欲しいのだ。


いろいろあって、面白いから。
(「大きな灯油タンク、どこに置くか」おわり)
posted by けろ at 10:00| Comment(0) | 空調設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年05月14日

えりも町郷土資料館

どこの地に行っても、
事情が許すならば、その地の「郷土資料館」的な施設には
足を運ぶようにしている。


なぜって?


その地の歴史に触れることによって
そこで育まれたさまざまな事象をより深く知り
現在を見据え、未来に思いを馳せるため……なんて高尚な目的は
もちろん「無い」。



単に、面白いから・楽しいからに決まってる。


そういう趣味なのだ。それに尽きる。



さて、えりも町に行ったのだから
そこでも同様なのであって。


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木造の古めかしい建物であることも多いのだが
ここでは鉄筋コンクリートの比較的新しい(古い木造に比べれば、でしかないが)
建物が、資料館であった。



入口脇に、何の説明も飾りも意味もなく、
鹿の頭部が引っ掛けてあった。


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FF式温風暖房機の給排気トップをガードする金物が
鹿角の据付金物として利用(?)されていた。


まぁ、燃えるもんじゃないから危険ではないのかも知れんけど。



また、横の方の引っ込んだところには、
灯油タンクやら、地上ころがしの灯油配管やら、
特製らしき換気用フードやら、
そんなものたちもひっそりと存在しているのだけれど
おそらく普段誰にも見られることはないだろう。


21051403.JPG


施設の愛称を「ほろいずみ」としているようである。


21051404.JPG


幌泉郡えりも町 だから、その郡名を冠しているようだ。


もっとも、北海道の町村において、「郡」にあまり意味はない。
一郡一町 も多い。


他の都府県では平成の大合併によってそうなった地も多いということだが
北海道では元々そうであった地が多いはずだ。



この建物は、常設展示室と、水産の館展示室とで構成されている。



入口左手の常設展示室には、町の地質や歴史に関するものが置かれているのだが
緑化に関する展示が興味深かった。


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現在も継続して行われている植林活動によって
砂漠化していた地に緑が戻り、土砂の流出が抑えられ
豊かな海産物の育成へと繋がってきているという。



戦後すぐの頃は、「えりも砂漠」と呼んでも差し支えない
茫漠とした荒野であったというのだ。


21051406.JPG


一度なくなってしまった植生は、
常に吹き荒ぶ強風のため自然には回復することなく、
人の手によって長い時間をかけて再生されてきたのだ。



雑多な生活用品類が、見ていて飽きない。


どこに行っても同じようなものが、でも若干異なっているものが、
所によっては整理され、
大部分はただ脈絡もなく並べられていることが多いのだけれど、
そこがまた楽しいところでもある。


21051407.JPG


昔で言う古道具屋、今ならジャンクショップに足を踏み入れたような
えも言われぬ高揚感を持たざるを得ない。



西北海道と東北海道とがぶつかって、真ん中が盛り上がって、
現在の地形を構成している、らしい。


21051408.JPG

両側からの圧力によって褶曲し、
地層は水平ではなく縦方向に積層している。



建物入口右手は水産の館展示室であって、
水産関係のものが多く置かれている。


21051409.JPG


ごちゃごちゃ感満載だけれど、
それがまたイイのである。


コンブを縦に伸ばして展示してある部分は
結構な高さがあるのだけれど、
写真ではうまく表現できていない。


21051410.JPG



襟裳岬から南東へ、日本海溝に向けて日高山脈の延長が見て取れる。


21051411.JPG


その先、海溝の東側には、
いままさに引きずり込まれて沈まんとしている襟裳海山があるという。



昔の居間は、
やっぱり寒そうだ。


21051412.JPG


風の強い地で、断熱もない板張りの家の中、
このストーブだけで凌がなくてはならなかった人たちについては
現代からは想像もつかない。


当時の人たちにとっては、それが当たり前だから
特殊とは思わなかったのであろうけど、
現代人は、まあ、生きていけないレベルじゃないかな。



ボイラー室や、壁面ガラリがあるけれど、中は見られない。
見られないのが普通だし、
一般に見せるようなところじゃないんだけれど、
どうせなら見られたらいいのに。


21051413.JPG


公共の子供向け施設なんかだと、
敢えて機械室内を見せる造りにしてあるところもあるようだけれど。



展示台として流用されている、ファンコンベクター。


21051414.JPG


露出型でも良かったんじゃ?



天井埋込形も設置してあって、
とにかく暖房は強力にしたかったなじゃないかと。


21051415.JPG


ただ、天井点検口が見当たらない。
てことは、ここの天井裏のファンコンは
ノーメンテ、手つかずということになる。


大丈夫? なわけないよね。

フィルターなんざ、ホコリコーティングされて
ほぼ詰まってるんじゃない?



これだけ見られて、入場無料。


「ご自由にお持ち下さい」なんてプレゼントも置いてあって
とってもオトクな、資料館なのです。
(「えりも町郷土資料館」おわり)
posted by けろ at 12:00| Comment(0) | 空調設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年05月05日

地下オイルタンクの脇に

ボイラーなどの熱源の燃料として、
灯油や重油などの油を使用することがある。

その場合、油をどこかに溜めておくものだ。



たとえば、地下オイルタンク。



タンクは地下に埋められているのだから
どこか地上部に、給油口が必要だ。


そのくらいの油が入っているのか、
いちいちマンホールを開けて確かめるわけにもいかないから
(面倒でなければ、そうしても良いかもしれないが)
油面指示計も設置されることが多い。


一定の油量になったらブザーが鳴るだけ、
という簡易なものもあるけれど。



それから、危険物の貯蔵所になるから
危険物看板が3枚セットで掲示される。



それぞれ、どこに設けようかと思案のしどころなのだが、
まとめて置かれることもある。


21050501.JPG


おお、全部まとめて設置するための架台が
設けられているじゃないか。


コンクリート基礎まで、用意されていて。



建物の外壁なんかに設けられない場合には
こういうのも一つの方法だな。



看板がサビサビだけど、
一応内容は読めるし。



文字が剥がれていたり、消えていたり、
錆びすぎて朽ちていたり、
保存状態の良くない看板も多いけれど
ここでは(錆びはともかく)掲示の機能は果たしていた。



タンクを見つけて、看板を探すか。


看板を見つけて、タンクを探すか。


ともかくも、セットでつくものなので
探してみて欲しい。



見つけたからと言って、
報奨や景品は出ないけどね。
(「地下オイルタンクの脇に」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | 空調設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年05月04日

側溝の凍結防止も

寒冷地では、
屋外駐車場の融雪は重要な要素だ。



重機でガガガーっと寄せるだけのスペースがあれば、
そして、ひと冬の間雪を積んでおくだけの場所が確保されるのであれば
融かすまでもないのだけれど、
建物の屋上とか、自走式立駐とかだと
重機を持っていくわけにもいかなかったりする。



融雪方法にはいろいろあるけれど、
温水(実際の中身は温不凍液だけれど)方式も多数採用されている。



どこか熱源で湯(温不凍液)を作って、
それを融雪箇所まで引いていき、
融雪ヘッダーで分岐して、各融雪パイプにつなぐ。


ヘッダーが入っている、ヘッダーボックスが
ところどころに見える。


21050401.JPG



昇降路の接続部分などには
排水側溝が設けてあるのだけれど
この内部が凍ってしまうと
やがて溢れて、斜路が氷結してしまうので
それを防ぐために、電熱線が入れてあったりする。


21050402.JPG


この防水コンセントの位置が低いので、
ドカ雪が降ったら埋もれてしまわないのか
少々心配ではある。


まとまった雪が降るたびに、
コンセント廻りの除雪をして、
漏電ブレーカーを上げてこなければならないのかもしれない。
(「側溝の凍結防止も」おわり)
posted by けろ at 11:00| Comment(0) | 空調設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年05月03日

エアコン室内機サイズの変化

とある、商業施設の天井にて。


更新されたとおぼしき、エアコン室内機が見える。


21050301.JPG


長方形のパネルに、
正方形の室内機パネルが取り付けられている、
そういう状態。



更新前の室内機サイズは、
一回り大きな長方形のサイズだったから
その天井開口部を塞ぐために
こういう造りになったわけだ。



天井カセット4方向吹出形の室内機は、
かつては125形までは正方形、
140形以上は長方形であったことと思う。


熱交換器や送風機のサイズ的に、
能力の大きな室内機は本体サイズを大きくせざるを得なかったのだ。


しかし、たゆまぬ製品開発の結果、
現在ではその能力でも同サイズで実現できるようになった。


能力の小さいものでは、
一層小さなコンパクトタイプのものも出てきた。



以前の室内機は、筐体も金属製で重量があったけれど
現在は樹脂部分の割合がたいそう増えて
かなり軽くなってきている。



世界の多くは「重厚長大」指向であるのに対して
日本では「軽薄短小」である……と言われたものであるが
現在でもそれは続いていて、
設備機器に関しては、やはり良いことであろう。


天吊のモノが軽くなるのは、
安全上も好ましいことだし。


室外機のサイズも、だいぶ小さくなった。



小ささを追求するあまりに能力や効率が減少するのはいただけないが
それらを維持した上での小型化は、今後も期待したい。



あとは、デザインかな。


もちろん年々改善されていているのだけれど
他の分野の製品と比べると
設備機器のデザインって、なんか周回遅れなような気がする。

とても主観的な勝手な感想で申し訳ないけれど。


優秀なデザイナーさんが、どのくらい配置されているものか
どなたか、ご存知ではないですか?
(「エアコン室内機サイズの変化」おわり)
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2021年04月26日

ガラスアトリウムの空調、足りる?

足元までガラスの、アトリウム空間。


21042601.JPG


床仕上げも屋外と同じで、
かなり「外」っぽい空間。



屋根(?)もすべてガラスの空間。

DPG構法のガラスで覆い尽くされている。


21042602.JPG



ここ、夏は温室そのものであるような。

冬は、放射冷却が厳しいような。



この空間には、どんな冷暖房が行われているのだろう。



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見渡して見る限り、
それっぽいものがあんまり見つけられなくて。


上の上の壁面に、ノズルが少々。



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そして、アトリウムに面している、天井のある空間の上部にもノズル。



さて、換気には十分そうだけれど、
大きな冷暖房負荷に対応できるだけの空調空気を送るには
少々力不足では? と、何となく感じるのだけれど。


実際には、どうなんだろう?


高いアトリウム空間の上部に熱気が上昇するので
人間の居る空間はそれなりの温度にできるかな。


床暖房でも入れておけば、冬は何とかなるかな。
出入口からの冷気侵入は避けがたい感じもあるけど。



アトリウムに面したコーヒーショップの口コミには
「夏は暑い」「冬は寒い」という記述もあるから
必ずしも「足りてる」という状況でもないのかも。



ガラスアトリウムって、
見た目オシャレなんだけれど
冷暖房負荷は大きくって、そっちの面では不経済&非省エネ。



それにもかかわらず、
アトリウムで経済的&省エネを目指すと、
居住環境が犠牲になる。



冬に北海道北見市を訪れた際、
朝、氷点下15℃の気温の中、
ナマ足ミニスカの女子高生たちが平然と(したふりで)登校していたみたいに
「見た目、命っ!」
と覚悟を決めるのも、まあ、一つのあり方かな。



高性能断熱材に劣らない断熱性能を有するけれども
可視光線は透過するというような
そんな都合の良い透明素材が開発されるといいなぁ。
(右寄せ)(「ガラスアトリウムの空調、足りる?」おわり)
posted by けろ at 09:00| Comment(0) | 空調設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年04月20日

蒸気の補給水セット

機械室の一角に、あったモノ。


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左から、軟水装置、薬注装置、レシーバータンク(と下部に給水ポンプ)。



蒸気ボイラで水を沸騰させて蒸気にする場合、
水に含まれている成分が析出してしまうと
あっちこっち固形物で機器内や配管が詰まってしまうから

軟水装置でそれらの成分(カルシウムとか)をある程度除去してから
給水してあげなくてはならない。



もちろん、補給する水の成分がどうか、ということ次第なんだけれど。



明治大正昭和の頃までは
暖房用にも蒸気ボイラがよく使われていたけれど
現代はなかなか使われない。



大病院とか、食品工場とか、自衛隊とか、
ごく限られた場所でしか、新築では使われないだろう。



既存の建物では、
まだ蒸気ボイラが活躍中のところもあるだろうけれども
それも徐々に他のシステムに置き換わっていくのだろう。



蒸気管の設計なんて、
とんとお目にかからなくなった。



ロストテクノロジーと化してしまったと
言えなくもない、か。
(「蒸気の補給水セット」おわり)
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2021年04月18日

壁掛形エアコンのドレンアップ

エアコンは、室内の空気を冷やす。


冷やされた空気からは、結露水が生じる。


空気の中に含むことができる気体の水の量は限られていて
温度が低いほどその量は少なくなる。

だから、冷やした結果含みきれなくなった水は
気体から水に変わって出てくる。


「出てくる」は変な言い方で、
実際にはそこにあった気体が液体に変わるだけなのだけれど
気体の水は人間の目には見えないから
液体になったことで「出てくる」ように見える。

これを、ギョーカイでは「ドレン」と称する。



このドレンは、そのままにしておくわけにいかないから
配管を通して排水されるべきなのだ。



気体と異なり、液体は高いところから低いところに流れる。
(「超流動」が起こるのは、特殊条件下だけだ)


だから、いわゆる排水と一緒で
自然勾配にて排出されることになる。



それが可能ならそうするし、
それが不可能な場合には、
一度溜めてからポンプアップしてやることになる。



天井吊タイプの室内機には、
たいてい「ドレンアップメカ」が内蔵されていて
天井内ある程度の高さまで汲み上げて
以降は自然勾配でどこかへ持っていくことができるように
なっている。



壁掛形の場合には、
壁の裏などにドレン管を通すことができれば良いのだけれど
条件によってはそれができなかったりする。


となると、別途、ドレンアップの装置をつけることになるわけで。


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室内機の右側についている、
結構大きなボックスが、それ。


結構、目立つよね。



でも、条件によっては仕方がないのだ。



機能、見た目、納まり、費用、その他もろもろの条件によって
一番マシなものを選ぶわけである。



これを内蔵にしちゃうと、
「圧倒的に安価な壁掛エアコン」ではなくなってしまうから
オプション対応にするのも致し方ない。

そういうものなのだ。
(「壁掛形エアコンのドレンアップ」おわり)
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2021年04月12日

床置エアコンの固定、どこまで

床置のエアコンが設置されていた。



壁掛とか天吊とか天井カセット形は結構よく見かけるけれど
床置形のエアコン室内機は
あんまり見ることが多くないかもしれない。


床置のFF式温風暖房機と見た目が似ているから
暖房機だと認識されていることも多いかもしれない。



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ここに設置されているのは、
確かにエアコンであった。



よく見ると、背面に鋼材が見えるのだが
わかるだろうか?


外壁側が窓になっていて
ガッチリ固定する先が無いから
このような納まりを試みたのではなかろうか。


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耐震性に十二分に配慮して、
念には念を入れて、
十分な強度を持った鋼材で支えるのだ


……そう言いたげな、佇まい。



では、ちょっと上の方を見てみようか。



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あれあれっ?



鋼材はガッチリしているんだけれど、
エアコン本体とつないでいるのは
なんか浮きかけている鋼板と
細っちいビスが、鋼材に2本、本体に2本。



この室内機の転倒防止に寄与するのは、
要するにこの2本のビスの強度分だけだ。



見た目に反して、
大したことなくない?



他の場所の機器はどうかな。


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これなんて、
ビスを止めている相手が石こうボードである。


どのくらい、効いているのか
ちゃんとボード用のビスが使用されているのか
よくわからない。



床面でも固定しているから、
頂部が動かないようにするだけで十分だから
こういう細工でも問題ないのかもしれない。


となると、前の機器の背面鋼材のゴツさが
逆に気になる。



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プレートが、浮いてる。


要はビスが止まっていればいいのだから
差し支えないのかもしれないが。


もうちょっと、見た目マシな部材は無かったのかな。


ま、第三者が後から茶々入れるなら
何とでも言えてしまうけれど。



で、足元はどうなの?



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なるほど。

これは、さっきの鋼材を、
腰壁と床面にボルトナットで留めている、と。


こっちは、さっきのビスよりはかなり効いていそう。


実際、こっちのほうが大きな力がかかるし。


これだけするなら、
頂部の軟弱ビスはもうちょっと丈夫な方が良かったのでは?
とも思うのだけれど。


それなりに耐震計算をして、
「つけたほうが良い」という判断だったのか、
「とにかくとにかく丈夫さを醸し出したい」だけだったのか。



MITSUBISHI ELECTRIC のロゴが書いてある。
三菱電機のスリムエアコンだろうか。


昔むかしは、三菱電機もFF式温風暖房機を出していたんだけれど
一酸化炭素中毒の事故があってから
ほとんどの家電メーカーは撤退してしまった。

だから、これはエアコン。



設備機器の耐震措置は重要なんだけれど
必要な措置を、必要な分だけ実施するのが
たぶん良いはずだ。

あんまり貧弱でも困るし、
ゴツ過ぎても、その分費用が余計にかかるから良くない。


メーカーさんで、計算書付の標準部材を用意していただけると
とても良いのだけれど。
(「床置エアコンの固定、どこまで」おわり)
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2021年04月08日

温水パネルヒーターの納まり方

ストーブや暖炉もいいけれど。

まあ味気ないといえば味気ないけれど、
エアコンだっていいんだけれど。



機械室で温水を作って、
ポンプで循環させて、
パネルヒーターで放熱するっていう、
温水暖房も、結構魅力的。



たとえば、カウンターの下に納めると
いい感じになる。


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外壁・外窓側に放熱器を置けば
外皮負荷の処理には都合が良いのである。



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椅子が置いてあるけれど
パネルがある分、脚を入れるにはちょっと邪魔かもしれない。


もうちょっと、パネルを外壁側に寄せて取り付けても
良かったのかもしれない。



でも、こういう納まりも、結構あったりする。


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パネルの裏側の空間、
ただの空間に見えるけれども
床スラブの下には「梁」が存在していて
梁を縦に貫通させて配管を通すわけにはいかないから
こうなっちゃう。


パネルを壁付にするために、
柱脇にPSを設けたり、
温水の接続管をスラブ埋設にしたり、
床仕上げ面を1段上げて、床下空間に配管を通したり、
まあいろいろやれば出来るけれども
なにぶんコストも要することだから。



ここでは、こういう納まりで良しとした、
そういうことだったんだね。
(「温水パネルヒーターの納まり方」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | 空調設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする