2023年01月18日

養生してもらえなかった冷却塔

シーズンのお役目を終えたら、
ちゃんと養生してもらえるのが当たり前。


なんて、思うでしょ?



でもさ、何事も例外ってものが
あるんだよ。



中に雪が入り込まないように、
モーターとかファンとか、
凍結膨張の圧倒的な力に破壊されることのないように
養生して欲しいところでしょ?



でも、そうじゃないヤツだって、
いるんだよね。



もちろん、
循環する冷却水は
完全に抜いてもらってるだろうね、
いくらなんでも。


冷却水管内で凍ってしまって
あちこちの継手やバルブを
ぶち破っちゃうもんね。



さて来夏、
キミはちゃんと働けるのかな。


冬季間に受けた多くの傷により
稼働不能になってなきゃいいんだけど。



23011801.JPG
(「養生してもらえなかった冷却塔」おわり)
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2023年01月14日

配管が伸ばされていく

配管工事が、粛々と進められている。



工期的に、スケジュール的に
いろいろあったのかもしれない。


すでに内装ボードが仕上がって、
配線器具や避難口誘導灯なども仕上がって、
そんな中で蒸気配管が伸ばされているところだ。


23011401.JPG


支持金物が、先に取り付いている。


勾配とか微妙に合わせなくちゃならないから
結構大変な作業である。



工場的な部屋? のため
蒸気配管は露出であるようだ。


まあそもそも、イマドキ一般的な建物で
蒸気設備が出てくることはあまり無いだろう。



冷温水や給排水管とは異なる施工になるわけだけれど
そんなノウハウも失われつつあるんだろうなぁ。


施工者も、設計者も、
どんどん限られてくるんだろうなぁ。



時代とともに。
(「配管が伸ばされていく」おわり)
posted by けろ at 20:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 空調設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年01月13日

やあ、GHP

外壁の凹んでいるところに
ガスヒーポンが埋め込まれているよ。


23011301.JPG


いや、「埋め込まれている」というほど
埋め込まれてる感は無いのだけれど、
機器が外壁からあまり出っ張らないように配されているから
やっぱり「埋め込み」の趣ではある。



まだ、配管はつながっていない。

だいだい施工が終わって、気密試験中であるようだ。


23011302.JPG


燃料としてのガス管は写っていないけれど、
そっちもつながらなくちゃいけないし、
電源も必須だ。



だんだんと、機能を果たせる状態が近づいていく。



設備機器なんて、「働いてナンボ」であるからして
早く役に立つ日を思い見ている……なんてことはないな。

モノだからね。


でも、無意味な感情移入をしてしまいそうにもなるね。


子どもの成長を見守るような?
(「やあ、GHP」おわり)
posted by けろ at 22:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 空調設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年01月08日

典型的なペリ放熱器

ホールの屋外側はガラス張りになっていて
ガラス下部には放熱器が設置されている。


典型的なペリメーターのカウンターであり、
埋め込まれているファンコイルユニットも
典型的な付き方となっている。



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室内側最下部のスリットから室内空気を吸い込み、
カウンター内に隠されている冷温水コイルで温度調節されて
カウンター上部の吹出口から空調空気が吹き出される。


ガラス面に当てて、
外界からの熱擾乱を極力緩和し
室内環境を快適に保つ。

そういう存在である。



ガラス上部にブリーズラインが配されていれば、
「典型的な」配置である。



しかし近年、冷温水システムを使用しない施設も増えた。


全部マルチエアコン(またはマルチガスヒーポン)で
賄えてしまう。

冷温水システムよりも、お守りがやりやすいし。



こういう造りが「典型的」ではなくなる日も
近いのかもしれない。



昔から言われているように、この世は移ろいゆくもので
変わらないものはそうそう無いのであるけれど、
「せつび」もまた、諸行無常なのである。
(「典型的なペリ放熱器」おわり)
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2023年01月07日

熱源インフラ

「インフラ」と言ったら?



上水、下水、ガス、電力、電話、ネット
あたりが、最近の定番であろうか。



なんだけれども、「企業城下町」に行くと
熱源のインフラも通っていたりする。



「地域冷暖房」のような感じで
工場の熱源から熱媒(蒸気)が供給されるものである。



近年では埋設にするのであろうが、
昔の施設であれば露出になっているのが普通だ。

埋設するよりも安価に出来る。



こんな配管を、ぱっと見ると
「一体コレナニ?」ってなるんじゃないだろうか。


23010701.JPG


だいぶ錆びついている鋼管架台に
架空の配管が伸ばされている。


ここでいう「架空」とは「現実には存在しない」という意味ではなく
「空中に架けられた」という意味である。
見ての通り、実在していて、写真に写っている。



この主管は、何棟もの集合住宅の脇に通されていて
各棟に分岐管が飛び込んでいる。


23010702.JPG


トランスを経て電力引き込みが行われるのと同様に。



配管そのものもそれなりの重量があるのだけれど
引き込み用に重たい弁類が設けられることもあって
また継手部分に荷重がかかるのを避ける意味もあって
分岐部には鋼製の引き込み柱が設けられている。


23010703.JPG


分岐箇所を、いろいろな角度から見てみる。


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それにしても、引込柱の良く錆びていること。


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インフラ主管から下方に取り出された分岐管から、
凝縮水が排出されるようになっているようだ。


主管も引込管も、保温材が巻かれた上にラッキングが施されているため
配管そのものよりも見た目がだいぶ太くなっている。



主管が振り上げられる部分には
凝縮水の放出管が設けられていた。



23010706.JPG


写真では写っていないが、
末端からしゅうしゅうと音がして
湯気と凝縮水とが出ていた。


通りがかりの人が火傷したら大変なので
フェンスで囲われていた。



分岐部の近影を撮る。


23010707.JPG



バルブ操作用に、背かご付きの鉄梯子も設けられている。

ラッキングは何度か更新されているんだろうか。
見た感じ、それほど劣化していないようだ。



配管の支持間隔は、主管の支持柱の間隔よりも短いから
いろんな鋼材等を駆使してうまく吊ってある。
「建築設備」の範疇ではないなぁ。



もちょっと、角度を変えて。


23010708.JPG


地元企業もかつての隆盛が過去のものとなり
規模縮小・事業移転などが繰り返されていて
最盛期に向けて増設に増設を重ねられた社員向けの集合住宅も
どんどんその数を減らしているところである。


現在はまだ現役であるが、
いつまで活躍できるやら。



すでに、自前で敷設した上水管や下水管は
地元自治体に移管されている。

電力もたぶん、電力会社に移管されたものなのだろう。



いわゆる電柱と同じように、
識別のプレートが貼られている。


23010709.JPG


「新日鉄住金柱」

そう記されている。



NTT線も共架されている。
権利関係が、一般の地域よりも複雑かも。


23010710.JPG


電話線と、光回線と。


この中では光回線が一番新しいのだろう。
ネット社会になる頃からなのだから。



多くの地域ではあまり見かけない蒸気のインフラも、
やがては廃されていってしまうのだろうか。

人口が減り、都市規模が縮小し、
需要先が減っていけば
そうならざるをえないのだろう。


今ならまだ辛うじて稼働中のものを見られる
「生きた化石」のような存在に
なりつつあるのかもしれない。
(「熱源インフラ」おわり)
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2022年12月23日

捕まってる? 暖房機

でっかい床置きの温風暖房機が
鉄格子の向こうに監禁されている。


22122301.JPG


監禁しなくったって、
逃げて行きはしないのに。



目隠しされているようでいて
スカスカルーバーだから、
むしろ見せしめに遭っているみたい。



どんな悪事を働いたというの?



もうかれこれ何十年も
囚われのままここに在るようだ。



差し入れ、もとい、スイッチ操作のために
格子が1本だけ外されている。


看守(管理人?)との接点は、
そこだけ。


差し入れも何も無し。



メシとして、直結された配管で灯油が送られてくる。
電源もケーブルを通じて送られてくる。


燃焼空気はルーバーを通じて室内から供給される。


排泄は下じゃなくって、上方へ燃焼排気として排出される。


外界との繋がりも、そのくらいだ。



すぐ目の前に置かれた椅子に座る人は
強烈な温風に驚くだろうか。


それによって、
この囚われの温風暖房機に気づくだろうか。
(「捕まってる? 暖房機」おわり)
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2022年12月22日

客室のノズル

宿泊施設によくあるのは
ドアから入ってすぐの天井内にファンコイルや室内機を収めて
ベッドルーム方向へ空調空気を吹き出すという形。



玄関部分は下がり天井になっていて、
天井の高い居室部分との段差壁に制気口を設けるのだ。



ファンコイルや室内機は、
吸い込みパネルがそのまま見えるビルトイン形であったり、
多少グレードを上げたところなら別途吸込口が設けてあったりする。


吸込みグリルも吹出しグリルも、
機器メーカーの標準付属品が使用されることもあるし、
制気口メーカーの標準品が使われることもある。



ちょっと珍しく感じた例。


22122201.JPG


ノズル、だった。



たいていVHSタイプのものであった記憶しかないので
ちょっと新鮮に感じたわけだ。



風向を調節できるタイプなので、
なにかと便利かも。


22122202.JPG


誰かが動かすかどうかは別として。



感知器が近くにあるけれど
ノズルからの空気が直接吹きかかることはないから
消防の方も問題にはしない、よね?
(「客室のノズル」おわり)
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2022年12月10日

灯油タンクと室外機

ゆるやかな斜面沿いに建つ施設。



道路に面しているけれど、
遠慮なく、灯油タンクと室外機が据えられていた。


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それほど、目立つものでもない、よね?



スリムダクトと電線管は、
外装の色に合わせたものになっているし。



灯油タンクは低い位置にあるし、
どうせ目立たせるための危険物看板を付けなくちゃならないし
防油堤も要求されるし、
このくらいなら十分でしょ。


敢えて外装と同じ「白」に塗らなくても、
まあそれほど離れた色でもないし。


22121002.JPG


室外機は「塗装する」ものじゃないし、
風雪を避けるための防雪フードはどうせ必須なんだし、
これまで外装色に塗るのはいろいろ大変だし。


壁掛け設置用の架台も
塗るとなるといろいろ面倒だ。


プリカチューブも、仕方がない。



なんとなく、電線管は塗ってみたし
スリムダクトは近似色を使ってみたよ、というわけだ。



全部、勝手な想像であって
真実は知る由もない。



これが、意匠設計の方だったら
むしろこんな機器類じゃなくって
外装材の優劣とか、
時間経過に伴う劣化度やメンテナンスとか
ガラス面の向こうの透け具合とか
そっちのほうが気になることだろう。


電気設計の方だったら、
室外機に持っていく電源線を
電線管2本に分けている理由とか
そっちのほうが気になることだろう。



ニンゲンは全知全能ではないから、
どうしても自分が知っていること、興味のあることについて
着目してしまうものだ。


でもだからといって、

「知らないヤツは黙ってろっ!!!」

っていうのも違う気はする。

知らないなら知らないなりに、
思うところはそれぞれあるのだから。
(「思う」根拠が正確かどうかは、また別の話)



世の中、「確かなこと」は
少ないのだ。


露宇戦争の行方、それに伴う世界情勢の動向、
世界経済の先行き、
我が家の家計の行く末、

Covid-19の今後、
ワクチンの功罪やマスクの妥当性、

巨大地震に関する諸情報、

気候変動や苛烈な異常気象、



真実を間違いなく確実に理解している人など
居るはずもなかろう。



それぞれの「専門家」が、
または芸能人などの「コメンテイター」が、
あるいは全く無関係の「有名人」が
それぞれの知見に基づいて意見する。



正しいか正しくないか、
合っていたか間違っていたか、
後の人たちが検証してはじめて明らかになることも
多いことだろう。


いやむしろ、
検証すらされることなく、

「結局、何が本当だったのやら」

お蔵入りする案件のほうが、遥かに多いに違いない。



世の中の全ては、
こういう「不確かなこと」の集合体であって
そんな中にあって、
個々人が藻掻き、苦悩し、あるいは希望を持って
日々生活しているのである。



明らかに確かなのは

「ニンゲン、いずれは死ぬ」

ことくらいである。



ある日ひょっこりと

「ワイ、奈良時代から生きとってん」

そんな人が出てきたら面白いんやけどね。
(「灯油タンクと室外機」おわり)
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2022年12月07日

倒れないように

めっきり見かけなくなったもの。


黒電話。


駅の公衆電話とテレホンカード。


駅といえば、オレンジカード。


磁気カードと対をなす、聖徳太子(壱萬圓札)。


そして、何と言っても、コレ。



22120701.JPG



朝、カンカンとハンマー音をあげながら
シュウシュウと何となく鳴きながら
アッツアツに暖める、コレ。



結構あった製造所も、
相当に少なくなったことだろう。


そもそも、ほぼ関わりが無くなってしまった。



せいぜい、撤去工事で関わるくらいか。



温水式か、冷温水式か、マルチパッケージか、
システムごと総取り替えされてしまうやつ。



たまに、たま〜に、こうやって見かけると

「やあ! 久しぶり!」

声をかけたくなったり、ならなかったり。


実際に声をかけてしまうと、
怪しい人物になってしまうから
(そうでなくても怪しがられるのにぃ)
黙して視線を送るのみであるのだが。



そして、
元々は無かったはずであろうけれども
このての放熱器にはたいてい
転倒防止金具が後から取り付けられている。



重いからね。

鋳鉄の塊だからね。

バッタンと倒れると、かな〜り危険な気もするよね。



だから。



いつまで、残ってるかなぁ。この放熱器。



昭和設定のドラマの背景として
出てくる機会があるかもね、っていうくらいのモノに
なりつつあるんだろう。



せいぜい、今のうちに愛でておこう。
(「倒れないように」おわり)
posted by けろ at 18:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 空調設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年12月05日

あまり見かけなくなった

空調方式は?



古くは、囲炉裏やら暖炉やら、
「空気調和」なんていうものは無くて
「暖房」をどうするかということに尽きた。


いろいろと鉄製の製品が流通するようになって
薪ストーブやら石炭ストーブやら灯油ストーブやら
そんなものが出てくるようになって。



局所暖房から、中央式の暖房へ。



そして、冷凍機が実用化されるに及んで
空気調和機へ。



水を熱媒として、エアハンにより空気熱媒に変換して
大規模な建物全体を空気調和するようになった。



そんな歴史がある「空調設備」ではあるけれど、
近年はもっぱら「エアコン」によることが増えた。



積雪寒冷地においては、
燃焼式の暖房が不可欠であったものだけれど
低温域におけるヒートポンプ性能の向上に伴い、
また建築物の高気密・高断熱化に伴い、
「エアコン」で十分に「もつ」ようになってきた。


大規模施設でも、ビルマルで済んでしまうようになってきた。



「そんなん、『空調』じゃあねぇ」



という意見もあろうけれども、
実態としてそうなってきているのだから仕方がない。



そんな中、
「蒸気ボイラー」を目にする機会が
めっきり減った。



暖房で使われることは、
ほぼ無くなったように思う。
(自衛隊を除く!?)


たといまだ残っていたとしても、
今後も漸減していくことであろう。


あとは、工場とか大規模調理施設とか病院とか、
少し特殊な用途の建物に限られてくることだろう。


22120501.JPG



だから、たまに出逢ったときには
記念に撮っておくのだ。



希少価値が出てきてしまっているんだよ。



造ってくださるメーカーさんがいなくては
据えたくても据えられなくなるんだけどね。
(「あまり見かけなくなった」おわり)
posted by けろ at 18:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 空調設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年11月30日

外装が賑やかだと

コストをかけずに冷暖房するなら、
現代ならエアコン一択であろう。



部屋に室内機を取り付けて、
なるべく近くの外壁面に室外機を置く。

それぞれの間を、
最短ルートの配管配線で繋ぐ。



それが一番単純で、簡単で、
安く済むことであろう。



ただ、建物の外装がちょっと凝っている場合には
少し様相が変わってくる。


場所によって色合いや質感が違ったり、
凹凸があったりすると
配管用のカバーの色にも気を使うかもしれないし、
配管が真っ直ぐ通せなくなったりもする。


こんなふうに。


22113001.JPG


直管のスリムダクトだけじゃかわせない凹凸だから
フレキ管を使ったり、色合いの違うものを組み合わせたり、
いろいろと細工が必要になってくる。



上から落ちてくる雪に対しては
屋根で対処しようとしている。

密度や総重量次第では耐えきれなかろうけれども
それでも無いよりはずっとマシなはずだ。



手前の室外機は、コロナのエコキュートだね。



Civid-19のせいで、あんまりステキな名前とは
捉えられなくなってしまった 株式会社コロナ だけれども
慌てて社名を変えたりはせずに、
地道に頑張っていらっしゃる。


「コロナ」って、良い意味なんですからね。
電子顕微鏡で観察される形状が王冠(corona)に似てるからって
名付けられただけのウイルス。


エアコンや給湯器なんかで長年日本を支えている株式会社コロナには
これからも頑張っていただきたいのだ。



感染症のほうは、もう、ほどほどにしておいてね。


毎日、多数ではないけれども犠牲者を出しているのは確かで
侮って良いわけではないんだけれども
なんとかソフトランディングしてくれないものかな。

他の比較的軽症で済むかぜ症候群の一つに、
落ち着いてくれないものかな。


「風邪は万病のもと」だから
「ただの風邪」だって、油断していいわけじゃないんだけど。



とにかく、賑やかな外装があると
設備もちょっとずつ賑やかになってきてしまう。


それを避けようとするなら、
それなりの設計・施工をしなくてはならないのである。

「勝手に」スッキリ納まるわけじゃあ、ないのである。
(「外装が賑やかだと」おわり)
posted by けろ at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 空調設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年11月26日

シンプルがベストかどうか

壁面に見つけた、温度調節器。



22112601.JPG



山武ハネウエルと書かれている。
今のアズビルである。



昔むかしのでっかい目立つ温度調節器ではなく、
少々昔の小型化されたものである。



デザインもシンプルで
必要最小限の表示で……という主旨だったはず。



だけれども、テプラで思いっきり
「さわるな」という強烈な禁止の文言と
用途とが表示されるに至っている。



建築設備に関しては、
家電製品などと比べてずいぶんとゆっくりであるけれど
少しずつプロダクトデザインが意識されはじめ、
家庭にも据えられる衛生器具から始まって
いろいろな機器類に波及し始めているものと
認識している。



それに伴い、
小洒落た、スッキリした、洗練された
なかなかカッコイイものも出始めているように
思うのだ。



しかし、だ。



製品そのもののデザイン云々もさることながら
「実際にどう使われるのか」
という面も、重要ではなかろうか。



航空機は、多大なる事故と犠牲者との歴史を経て
現代の技術が確立されているという。

いや、「確立された」などという完了形ではなくて
普段の努力による確立が継続されている、という。

ちょっとしたデザインの違い、
システムの違いによって
操作する人、整備する人のミス、見間違い、
咄嗟の判断の誤りが起きにくくなるように
不都合や不具合事項が集積されて
よりわかりやすく、より安全に
見間違いやミスが生じにくい製品に、
生じにくいシステムに、
フェイルセーフの機構に、
作り変えられ続けているという。


しかるに、建築に関しては
なかなかそこまでいっていないように思う。

フィードバックも、あまりない。

建築設備においては「コミッショニング」という概念が
それなりに形成されているのだけれども
現実の建物で取り入れられている例は非常に少ない印象である。


試行錯誤を続けつつ、
「成功事例」を積み重ねつつ、
手探りに近い状態で発達を続けている、
そんな印象を持つ。

少なくとも、ワタクシ個人としては。



さて、写真の製品。



もし、このように表示しなくてはならないとすると、
デザインとして不足があったと言えるのではないだろうか。

「さわらないで」と表示するくらいなら
触ることの出来ない場所、方法で
取り付けなければならなかったのではないか。


目的・用途がわからなくて表示が必要なのであったら、
それを表示できるようなモノであったら
良かったのではないか。



そんな検証が行われているのかどうか。



それが、製品製作や、設計や、施工に
フィードバックされているのかどうか。



土木・建築には
「経験工学」という側面がある。

理論は理論として存在するけれども
経験の蓄積によって発達するという側面も大きいのだ。



だからこそ、経験を集積し、
集団知として共有し、
業界全体として、この工学分野一体となって
向上を期す必要があるんじゃなかろうか。



……言うは易し、の典型の一つであろう。
業界の片隅の、
さらに隅っこの底辺の底にこびりついている
一介の設備設計屋(設計「者」と言うのもおこがましい)
ワタクシなんぞが
ごく僅かな読者しかないブログでほざいているだけでは
どうにもならんことでもある。



シンプルでスッキリした洗練されたデザイン



誤操作と無縁で目的用途もわかりやすいデザイン

とは、決して相反するものではないはずである。


という仮定のもと、
自分としては「文字標識等」の範疇で
何ができるかなぁと
無い脳みそを引っ掻き回しながら
休むに似たりと言われても仕方がないまでも
下手の考えを続けてみるしかないのであろう。


少なくとも、
カッコイイデザインの製品の目立つ位置に
ベタベタとテプラで貼り付けてあるよりは
マシな「何かの方法」が
あるはずなんだ。

あって欲しいものなのだ。
(「シンプルがベストかどうか」おわり)
posted by けろ at 18:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 空調設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年11月25日

この冬は大丈夫?

古い建物を改修して使っているところは
よく見かける。


特に、石造りの洒落た建物であれば
雰囲気も出ようというものだ。



でもね、そういう建物には
もともと冷房なんてついていないんだけど
近年の日本においては、冷房はもはや必須と言って差し支えない。



だから、あと付けで取り付けられるのである。



お、あそこに、室外機。


22112501.JPG



たいてい、建物の正面側ではなくて
側面や裏面にひっそりと置かれているものなのである。



でも。


22112502.JPG


軒先から落ちてきた雪塊によって
屋根が凹んでしまったのだね。



室外機本体を守るために、
屋根が設けられていたのだから
ちゃんと役目は果たしているのだ。



でも、このままで大丈夫かな?



これからやってくる冬に、
この上から更なる攻撃を受けたらどうなる?



さすがに、キツくないかな?



それとも、毎年ちょっとずつ凹んでいって
10年かけてこうなったのであれば
もう暫くは耐えられるかな?



どうだろね。



22112503.JPG



こっちのやつは、
屋根が無くても大丈夫そうだ。


元々出入口だったところが
塞がれているのかな?


とにかく、ここならたぶん、守られるのだろう。



さて、屋外に置かれている
いろんな設備たち。


この冬の対策は、万全だろうか。


「対策」なにそれ美味しいの?


ただ放置されている設備の、
何と多いことか……。
(「この冬は大丈夫?」おわり)
posted by けろ at 20:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 空調設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年11月14日

吹抜にはノズルが

ま、無難だよね。


吹抜空間の側面から、空調空気を吹き出すには、
やっぱりノズルが多い。


一重だったり二重だったり、
丸だったりオーバルだったり角だったり、
細かな形状はいろいろあるけれども、
基本的に「ノズル」だよね。


その中でも、丸いのが多いよね。



22111401.JPG



駅だろうが事務所エントランスだろうがホールのホワイエだろうが
とにかく吹抜の大空間には「ノズル」だよね。



ホールの客席なんかだと、
天井面から下に向けてノズルがついていることもある。



多くの空調空気を、ある程度遠くまで到達させたい。

とすると、一番無難な選択だから。



いろんな機能を背負わせた、いろんなタイプのやつがあるから
細かく考え出すときりがないんだけどね。
(「吹抜にはノズルが」おわり)
posted by けろ at 10:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 空調設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年11月12日

デッドスペースの活用か

階段を登って登って登って、
ようやく上の道路に出る。



と、その角に、
何やら据えてあったのである。


22111201.JPG



ああ。

給油口ではないか。



ちゃんと、油面指示計も取り付けられていて
タンク内にどのくらい油が入っているのか
しっかりわかるようになっている。



道路に面しているから、
タンクローリーを寄せるのは大丈夫だろう。
(道は狭いけど、まあ何とかなる、かな)


敷地のすみっコで、
塀もあることだし、
ちょうど電柱も建っている。



そんなトコロの、言わばデッドスペースを
うまく活用できてるんじゃないだろうか。



「給油口」っていうと65Aのイメージがあるのだが
どうもここのは細い。


ローリーが対応できさえすれば
構わないんだろうけど。



最初から意図して、このように設計に盛り込めていたとしたら
なかなかイイじゃない。


てなことを思いつつ、先へ。
(「デッドスペースの活用か」おわり)
posted by けろ at 15:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 空調設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年10月24日

給油口を伸ばして

駐車場隣の建物外壁に、
給油口が取り付けられている。


結構高い位置にある。


22102401.JPG



前面道路に停めた給油用のローリーから
ホースを伸ばして届く範囲が、このへんまでなのだろう。

タンクは、もっとずっと奥にあるのだ。



え、駐車場だから、近くまで入っていけるよね。



とは言っても隣の敷地。

そりゃまずいでしょ、ってなもんで。



この給油口の位置なら、
自分のところのポーチから手を伸ばせるから
問題ないのだ。



さて、この給油管の行き先は。



22102402.JPG

裏手に置かれた、950Lタンクのようだ。

市販品のタンクに、
ちょっと無理やり鋼管を繋いである感じ。



で、更に裏手は焼肉屋のようで。



こっちのタンクには、裏側の道路から
敷地内を通って給油できるみたい。



焼肉屋だから、
ダクトやらファンやらガスボンベやらエアコンやら
盛りだくさんの外壁面である。



こっちはこっちで、
楽しいものだ。




この店、猫肉が出てくるわけではないようだ。
(「給油口を伸ばして」おわり)
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2022年10月16日

あるじの交替

もともと、ここの(あるじ)
FF式温風暖房機であったのだよ。


立派とは言わないけれど、
床よりちょっと高くされた基礎に
床埋込の灯油コックボックスと
防水コンセントを従えて
立派に据えられていたのだろうよ。



けれども、なにゆえか
その座を追われてしまったのさ。


装備品の給排気管を残したままで。



22101601.JPG



この地域、冬にはかなりの雪が積もるようで
給排気トップの据付は結構な高さになっているのだよ。

いろんな配慮が、あるのだよ。



けれども、その彼(彼女?)は、
その地位を追われた。



そして、下剋上(?)によってその座に就いたのは
掃除機!?



暖房機が、返り咲く日はくるのだろうか。


王座を奪還すべく、立ち上がるのだろうか!?
(「あるじの交替」おわり)
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2022年10月13日

ちょっとだけ、納まらなかった

エアコンが取り付けられるから、
冷媒配管も施工されるのだ。

冷媒管はたいてい、壁の中や天井内に施工されるのだけれど
納まり上、どうしてもオモテに出てきてしまう部分が生じた。



そんなところだろうか。


22101301.JPG



立派なスリムダクトで覆われている。


これはなかなか、カッコイイんじゃないかな!?
(「ちょっとだけ、納まらなかった」おわり)
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2022年10月08日

伸び縮みするから

蒸気暖房をしている建物の天井内。


22100801.JPG


保温をしてあるやつが蒸気往管で、
してないのが還水管だ。



これらを吊ってある金物にはローラーがついている。

『ローラーバンド』である。



22100802.JPG


蒸気が通っているときとそうでないときとで
配管内の温度にだいぶ違いが生じる。

すると、金属でできている配管自体が伸び縮みする。



もしもガッチリと固定されていると
その伸縮を吸収する余地が無いから
このようにローラーで吊っておいて
管が動けるようにしてあるのだ。



上部放熱器に接続される部分は、
このようにエルボ返しを何度も使ってクッションを取り
3次元各方向の伸縮を撓みによって吸収できるようにしてある。



蒸気往管には保温されているけれど
支持部分は避けてある。


22100803.JPG


ローラーが働けるように。



往管も、還水管同様にクッションを取ってある。



当然、ブロック壁貫通部の穴埋めもおこなわれていない……?

最初の写真を見ると、
還水管、埋められちゃってるじゃん(笑)
伸縮、できないや。笑い事じゃ、ないんだな。本来。



22100804.JPG


温水管よりも厚めの保温材で被覆されているから
蒸気管は、えらく太く見えてしまう。



これらのほかに、
直管の長い部分には伸縮継手が設けてあって
軸方向の伸縮を吸収できるようになっているのだ。



一般の建物では、蒸気配管は見られなくなっていくだろう。


時代の流れだから、仕方がないんだろうね。
(「伸び縮みするから」おわり)
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2022年10月04日

小学校にもエアコンを

学校にエアコンをつけてと署名活動をした咎で
処分を受けた教員に関する報道があった。


ま、詳細とか背景とか真相はわからないので
それに対するコメントはしないけれど、
とにかく毎年激しい暑熱に見舞われる我が国においては
もうエアコンは必須になってきているのではなかろうか。



小学校にも、据えてあった。


22100401.JPG


床置きで。



天吊にすると、天井解体やらサッシの加工やら
付随する工事が増えてしまうから
多少床面積を消費してでも床置きにするのが安上がりだったのかもしれない。



よく見ると、機器本体上部は
転倒防止をはかるべくアングルで支持されている。



棚などがある場所は、
それを避けて設置することにしたのだろう。


22100402.JPG


カーテンの支障も避けなければならないから
納まりには苦労があったかもしれない。



室内機が床置きならば、
室外機の取り合いもシンプルだ。


22100403.JPG


外壁をはさんで、
室内機のすぐ外側に室外機を置けば
配管も短いし、建築的なもらい工事も無くて済む。

外壁腰壁の穴あけくらいだ。



室外機にも、転倒防止用の金物が巻いてある。


なかなか、用意周到。



ところでこの学校、
エアコンをつけるのはいいのだけれど、
断熱は如何に?


ま、まさか、無断熱のコンクリート蓄熱体の校舎に
ただエアコンをつけて済ませたんじゃないよねぇ?


もちろん無いよりはずっとマシだろうけれど
焼け石に水ならぬ
焼けコンクリートにエアコン、となっていないことを
願うものである。



さて、実態は?
(「小学校にもエアコンを」おわり)
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