屋根面に、水が張られている。

このところの酷暑であるからして、
屋上緑化や壁面散水同様に、
打ち水のように、
気化熱による空気の冷却が見込めるのではないか。
うん。
確かに、見込めるのかもしれないね。
けどね、これはそんな積極的な、また意欲的な行動による結果
ではない。
この屋根部分のルーフドレン金物が
あるいはそれに接続されている雨水管が
詰まってしまった結果
降った雨水が排出されずに
ただ溜まっているだけなのである。
確かにね、これが大気中に蒸発する際に
蒸発潜熱を奪うのだからして
周囲空気は若干の温度低下を認めることでしょうよ。
屋根面に加温された「湯」が溜まっていることや
蒸発にともなって湿度が上昇することはさほど気にならない
そういうことならば、「効果がある」と言えなくもない、かも。
それでも、だからといって
この状態は奨めできないなぁ。
それほど新しくもなさそうな、この建物。
屋根部の防水は、大丈夫?
普段の雨ならしのげても、
こうやってずっと水が溜まっている状態、
浅いとはいえ、水深に伴う水圧が常にかかっている状況だと
防水層のちょっとした欠陥が、
雨漏りをもたらすことになるよねぇ。
ここでボウフラが湧いたりしても
イヤだよね。
このまま放置しておいて、
良いことは何もない。
さっさと、詰まりを解消すべきなのだ。
配管の中が詰まっているような場合には
しかるべき業者さんを手配する必要があるかもしれない。
ただ、問題は、
この状態に、誰か気づいているのかどうか。
「放っておいたらダメだね」と判断できる人まで
情報が伝わっているのかどうか。
得てして、現場で認識されていることが
上層部では「大したことではない」と放置されて
その結果、大きなしっぺ返しを食らったりするものだ。
そのくせ「認識していながら放置していた現場が悪い」と
責任転嫁されてしまいがち。
どこぞの戦争に関して時々報道されたりしているけれど
(そしてその信憑性を確認するのは難しいことではあるけれど)
トップや上官が無能だと、
下々の犠牲が多大になるものなのである。
(「暑さ対策ではない」おわり)