2022年07月12日

鋼管煙突は設備工事か

煙突は、「建築設備」である。



建築基準法 第二条第三号に定義されているのだから
法的にそういう位置づけなのだ。

法律文なんだから、著作権もへったくりも無いのだから
(著作権法第十三条第一号)、この際全文引用しよう。



(用語の定義)
第二条 この法律において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
三 建築設備 建築物に設ける電気、ガス、給水、排水、換気、暖房、冷房、消火、排煙若しくは汚物処理の設備又は煙突、昇降機若しくは避雷針をいう。



「電気」とは強電だけなのか、弱電その他も全部含むのか、
給湯は建築設備じゃないのか、
プールや浴槽のろ過も自動制御も含まれないのか、など
現代社会に適合していない文章だなぁとツッコミどころ多数ながら
そういう法律なんだから仕方がない。



で。



「煙突」は、「建築設備」であると定義されているのだ。



だから「設備工事」に含まれていることもある。



躯体の一部を煙突として造り込んでいたとしても「建築設備」なのか
躯体から独立している煙突のみがそうなのか、
そういう議論をしてもあまり意味はないのだろう。



さて、建物外壁に設けられている、鋼管煙突。


22071201.JPG


鋼「管」とは言え、このくらいになると「管工事」と呼ぶには少々でかい。
もちろん、プラントや工場や大規模ビルであれば
この太さの配管も普通に存在するのではあるが
こういう感じで建っている煙突はやっぱり「建築工事」の部類じゃないかと
感じるのであるが、いかがなものであろうか。



ま、どうせ製缶屋さんや金属工場で造られて運ばれてきて
場合によってはそこで取り付けまでやっていただくことになるから
何工事に含まれていようが違いは無いのかもしれない。


分離発注時の金額調整のネタでしかないのかもしれない。
(ギリギリ議会承認を要する金額以下に抑えるとか)

そういう行政手続的都合の問題でしかないのだろうなぁ。



斜面に建つ建物であって
機械室が半地下部分にあるからなのか
煙突への接続部分がなかなか入り組んでいた。


22071202.JPG


誰かが触ったら大変だから、
単管で柵が作られている。


設計の時、施工の時には
誰も気づかなかったんだろうか。


気づいていたけど、面倒くさいから
見なかったことにしていたんだろうか。


設備工事に含まれていたから、
意匠担当者や建築工事の代理人さんには
気づきにくかったのか。


そのあたりは不明である。
(「鋼管煙突は設備工事か」おわり)
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2022年07月07日

所狭しと載るモノたち

都市の中心部あたりになると、
土地利用が上へ上へと伸びる傾向にある。


高価な土地を有効利用するには、
法律ギリギリまで容積率を稼ぐのが一番だから。



躯体形状は、道路斜線などで許される限界まで確保できるよう
ナナメになってしまうのは致し方ない。



でも設備機器は斜線制限の適用除外になったりするから
その気になれば結構置けたりする。



ああ、あそこにも、狭い所にびっしり並ぶ設備たちが居るじゃない。


22070701.JPG


隣のビルにも向こうのビルにも、
室外機やらキュービクルやら水槽やら冷却塔やら、
あらゆるモノが並べられている。



不思議と言えば不思議なんだけれども、
こんなに目立つモノがたっぷり載っかっているのに
その存在を意識する人は大変少ないのだ。


一般人だけではない。


「ケンチク」に関わる、特に意匠を気にする設計者においても
不思議なくらい、無頓着だ。



基本計画にも実施設計図にも内訳書にも記載されているのに
実際にモノがつくまで、その存在を気にすることがない。



クレーンで釣り上げられて、設置されてしまった後で

「目立つなぁ。邪魔だなぁ」

と言われても、そりゃ手遅れだ。



ま、でも暫くすれば、慣れるのだ。


じきに、視界から消え去るのだ。



そもそも、一般の人たちは
その存在に気付くことは無いのだ。永遠に。


だから、在っても無きが如くに扱われているから
問題ないのだ。



いざ故障したり古びたりして交換する段になると
またぞろ誰かの意識に上ってくるのだけれど。


それも、一時的なことである。
(「所狭しと載るモノたち」おわり)
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2022年07月05日

なんとなく納まりの悪いコンセント

先に裏ボックスをつけておく。

内装が仕上がったら、表面のプレートを取り付ける。

そして、後からエアコン本体を取り付ける。



エアコンの脇、いい位置にコンセントを設けたはずなのに。


22070501.JPG

コンセントが横向きなものだから、
とっても苦しい付き方になってしまうのだ。



あと10mm離しておけば
ちょうど良く収まりそうな気がするんだが。


でも、プラグを差し込まない状態で見ると
このくらいの離れ具合がピッタリに見えるんだ。


22070502.JPG


実際にプラグを差し込んで見るまでは……。



と言って、本体をもうちょっと右に寄せたら、と思うと
化粧カバーの継手寸法の関係上、
やっぱりギリギリだったりする。


22070503.JPG


いっそ、カバー無くていいんじゃないか。


その分、もうちょっと右に寄せておけば
コンセントも少し楽になるんじゃないか。



とにかく、後からならいくらでも茶々を入れられる。



施工の前に、そこまで見通して
電気屋さんと設備屋さんとの綿密な打合せができるかというと
それはなかなか厳しいのである。


後から「どうせなら、こうすれば……」っていうこと、
たくさん、たくさん、あるよね。



検討の時間が十分にあれば……。

相応の対価が支払われれば……。



そういう意見も尤もだけれども、
必ずしも時間があれば、対価があれば
ちゃんとするかというとそうでもない。


そこが、難しく、面白く、不思議なところなのだ。
(「なんとなく納まりの悪いコンセント」おわり)
posted by けろ at 18:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 設備一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年06月30日

宇都宮市の蓋たち

下水のマンホール蓋だけで、
ずいぶんと種類があった。


なので、他の蓋は本日のご紹介と相成る。



まずは、水道から。


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量水器筐の蓋である。


市章をあしらった記号は、下水のものと異なる。
市章そのものとも若干違う。

ひょっとすると、「水」の文字を入れ込んだのかもしれない。



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制水弁の蓋。


これもね、違う字体の蓋があったりするんだ。


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水道管直結の消火栓は、埋設型である。
雪は積もらないから。


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これにも、市章モドキの記号がつけてある。

蓋の「駐車禁止」の文字を
どのくらい気にしてもらえるものかどうか。


一応目立つように橙色の塗装で丸く囲んであるけれど。



四角い消火栓蓋もあって。


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同一パターンを嫌う地元気質でもあるのだろうか。



ガス栓の蓋。

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ま、これは普通かな?

「N」って、なんだろう。



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ま、これは全国一緒かな。
日本電信電話公社、通称「電電公社」のマークである。


まだまだ各所で健在だ。

場所によってはNTTマークよりも多く見かけるかも。



そして、「電気」。


22063008.JPG



電力会社のものじゃなくって、
市の街頭か何かのためのケーブルを通す
ハンドホールの蓋なんだろう。


これは市章そのままと、「電気」の文字。



ずいぶんいろんな蓋があって、
なかなか楽しい宇都宮市なのであった。
(「宇都宮市の蓋たち」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 設備一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年06月21日

狭い所が好きなわけじゃ

ビルとビルとの隙間は狭い。



郊外の住宅地ならいざしらず、
都市部の中心部に近い場所であれば
建蔽率いっぱいに建てられたものも多くて
建物間の隙間は最小限になっていたりする。

型枠がギリギリ組める、外せる、そんな程度で。



狭いのに、じつに様々な「せつび」たちが
そこに犇めいている。


22062101.JPG



すみっコぐらし、じゃないのに。


ハムスターじゃないのに。


ダンゴムシでもないのに。



狭い所、日陰、すみっコが好きなわけじゃない。


「おまえ、あっち行けっ」


醜いから、目障りだから、邪魔だから。



「オマエなんかが居るなんて聞いてねぇよ」

そもそも、存在を認識されていなかったから
いざ取り付く段になって行き場所が無いから。



やむを得ず、こういう場所に押し込められていると言ったら
過言だろうか?



見えない所にあるから、
存在を認知されない。



認知されないものは「無いもの」として扱われる。



デザイナー、建築家、といった
重層下請構造のピラミッドの頂点に君臨する方々にとって
正常に機能して当たり前のもの。

でもその存在は見えてはならないもの。


そんな存在なのかもしれない。



そう。

多くの勲章を胸に勇ましく指揮を執る立派な将軍の足元、
船倉で足枷に繋がれた奴隷たちがひたすら漕ぎ進めるガレー船のように。



多機能、高機能、省エネ、地球環境配慮、カーボンニュートラル。

お題目のように並べられた、耳触りの良い単語の数々。



それらが、あたかもカタログショッピングのように気の向くままに選べるかのように
ふわっと捉えている方々。

相反するいろいろな条件をクリアしつつ
全体としてのバランスを確保しなければ
文字通り「お題目」にしか過ぎず、
ただ単にしわ寄せをどこかに飲み込ませているだけの「見せかけ」にしかならないことを
聞かなかったことにしたい方々。



まあ、そういう人たちがとても多いから
だからこそ「せつび」の仕事が必要であって
常に「人手不足」の業界であったりもするのだけれど。


でもぉ。……報酬が伴わないのは、なぜ?



ワタクシだってさ、
狭いところ、すみっコ、激安案件、ゴリ押し甘受、
そういうのが好きなわけじゃ、ないんだけれど。


ないんだけど、ね。現実ってものが、あるんだよねぇ。
(「狭い所が好きなわけじゃ」おわり)
posted by けろ at 15:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 設備一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年06月20日

吹抜を無双するせつび

吹き抜けの空間。



天井の高いこの空間を
どのように空調するのか。


いろんな選択肢があって、
それぞれにコストのかかり具合が異なって、
悩ましいところではある。



だから、いろんな所に行くと、
どうしても気になるのだ。


22062001.JPG


右側に、暖炉風の細工があって、
暖房はこれで何とかなるかしらん。


意匠的な要素でもあるし。



照明器具は、鉄骨直付けのブラケットで
どんなものかは夜来てみないとわからない。



さらにハイサイドの高い部分を見ると、
空気をかき混ぜたいのか、プロペラファンが並んでいる。


22062002.JPG


夏と冬とで回転方向を変えれば
冷房・暖房効率の向上に寄与することであろう。



内装仕上材を極力省いて
構造材と外装材の内側とがそのまま現しになっていて
これはこれで趣のある造りと言えよう。



ファンや感知器は白いままの製品である。
無理に鉄骨と同色に塗ることはしなかったようだ。



この空間の冷暖房は……と眺め回してみると。


22062003.JPG


ひょっとして、コレ?


なんか高いところに、ずらっと並んでるんですけど!

壁掛形の室内機、だよね?



おお。



改めて外を見たら、
マルチエアコンの室外機が並んでいたから
さすがにルームエアコンではない。



これを選択した理由は……?



わかんないけど、面白いっ! と思ったのだ。

いやぁ、いろいろあって、楽しいや。



と思って後ろを見ると、
もっと楽しかったりする。


22062004.JPG


「吹き抜け? 知ったこっちゃねぇ」


「鉄骨梁も渡ってんだから、
 スパイラルダクトだって構わんだろ?」



そだねー。

こういう発想も、いいよねー。



固定観念に縛られないことは
重要なのである。



ただし、それらが万人受けするかというと
それは期待しないほうが良い。

絶賛はされないだろうし、
酷評する人物もおそらく居るだろう。



そのあたりはうまく受け流しつつ
自分なりの表現と割り切れるかどうか。

「せつび」のヒトは、
その辺なかなか強気に出られないものだけど。
(「吹抜を無双するせつび」おわり)
posted by けろ at 18:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 設備一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年06月17日

上に載せるだけ

倉庫や工場は、
その使用目的に合致していることが第一に必要なことであって
「見た目」は二の次であることが多い。



大阪市の清掃工場のような例外 は存在するけれども
普通はいたってシンプルな、
何の変哲もないカベ、ヤネで構成されている。



だから、受変電設備も、熱源機器も、
ぜんぶ上に載っけてしまえばよい。


22061701.JPG


わざわざ、電気室や機械室を創ることもないだろう、と。


小部屋の換気はそれぞれ設けられているようで
丸い防風板が並んでいる。

大空間用の給排気は、
どこか違う面から行っているのであろう。



事情が許すなら、
これも「有り」なのだ。
(「上に載せるだけ」おわり)
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2022年06月13日

屋上庭園の鑑賞

ときどき、一般利用者が屋上に出られる建物に
出逢うことがある。


天候が荒れていなければ、そして時間が許すならば
なるべく出てみることにしている。


そこから、地上に居たのでは気づけない
何らかの眺望を望むことができるはずであるし、
単に○○だから高い所が好き、ということもあるし、
何より、室内からは見られない「せつび」たちが
そこに待っているからなのである。



最上階、もしくは塔屋から屋上に出ると
たいていその側面に配管類やケーブル類の取り出し口が
設けてあるものだ。


「ハト小屋」と呼ばれるそれに、
実際にハトが飼われている様子はついぞ見たことが無いのであるが、
キャットウォークには人間しか歩かず、
犬走りに猫が歩いているようなもので
その名詞自体にはさしたる深い意味は無いのである。


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限られた空間に、詰め込みうる限りの「せつび」を貫通させて
室内と室外との連絡を確保している。


配管ラッキングの仕様が2種類あるのは、
施工時期の違いなのであろうか。

手前側の室外機の基礎は
屋根面の仕上げに比べて確かに新しそうでもある。



機器の名称がその外装鋼板に詳しく書かれていることもあるし、
このように「機番」のみの表示で済まされているもの、
何らの表示も無いもの、
現場によってさまざまである。


22061302.JPG


個人的には、表面に大きく表示するのは機番のみで
名称や系統など、設計やメンテなどの調査に携わる人間向けに
詳細をどこかに小さくて良いから明記しておいて欲しいと思う。

メーカーの仕様シールなども、
数十年劣化しづらいものにして欲しいと常々思う。
(徐々に改善されてきていると感じているが)


上の写真では、ダイキンのマルチエアコンと、
イトミックの給湯機とが並べられている。

エコキュートか何かであろうか。
接続配管のバルブハンドルの色が
往きと還りとで分けてあるのが面白い。



排気ファンが上部についているタイプの室外機のみ
防雪フードが被せてある。


22061303.JPG


横向きの部分は対策不要との
誰かの判断があったことであろう。



更に先には、排気ファンが置かれている。


22061304.JPG


「防雪フード」を設けるとはいえ、
室外機もファンも基礎の上に直置きだ。

それほどの積雪は無い地に違いない。



ハト小屋から何本も伸びる配管類の様子が
この角度だとわかるだろうか。


22061305.JPG


右端は、ダクト用のハト小屋だ。
もっぱら排気ダクト用のものと見受けられる。


もうちょっとハト小屋に近接して置くはずだったファンが
思いの外離れてしまったのかどうか。

横引きダクトが、ちょっと長めである。

まあ、あまり狭いと風量調整ダンパーも
取り付けづらかろう。


22061306.JPG

「チャンバー」というよりも、
「ダクト短管」のような、
サクションチャンバーがちょっと楽しい。


ちょっとだけ、
ほんのちょっとだけ、
ハト小屋側面の開口と
チャンバーから伸ばしたダクトとの
高さがズレちゃったんだ。

ほんのちょっと、なんだからね。


どこかから、そんな声が聞こえてきたりして。



どうせなら、
チャンバー側面に
点検口の一つも欲しかったんじゃないだろうか。


他人事ではあるけれど。



屋上から、いろんな景色が見えたし、
近景も遠景も楽しめた。

庭園に植えられた植物もまた
心和ませるものがあった。


それでも、鑑賞すべきは「せつび」じゃないかな!
(「屋上庭園の鑑賞」おわり)
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2022年05月30日

何もかも後付け?

この建物、だいぶ古いのかな。


天井面、壁面にあるものはほとんど後付けのように見える。


22053001.JPG


ごく一部、建設時からのものもあるようだけれど
たいていは手を加えられているようだ。



天井仕上げが貼られていないと
そんなこんなが観察できて眼福である。



「勝手に撮んなや!」

そういうお叱りを受けるよっ、て?



たぶん大丈夫だと思う。

ちゃんと「店内撮影可」って
カメラの絵と一緒に掲示されていたもの。


「店内」って、商品のことだけじゃないよね。
天井や壁だって、その範疇だよね。



利用客や従業員の姿は撮っていない。
禁止の掲示はないけれど、
それはやっぱり良くないと思うからね。


でも、愛しい設備たちが対象なんだったら
構わないでしょ?
(「何もかも後付け?」おわり)
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2022年05月27日

外壁色に塗られた配管

屋外に露出となっている配管類には
何らかの塗装がされていることもある。


単色で塗られていることもあるし、
外壁の色の違いに応じて
塗り分けられている場合もある。


こんなふうに。


22052701.JPG


各階のバルコニードレンを集める雨水管が
1・2階の外壁色の境目に合わせて
塗り分けられていた。



外壁から少し浮いた状態で配管されているから、
見る角度によって微妙にずれてしまうのは仕方がない。



外壁に取り付いている換気用フードは
オリジナルのアルミ色のままだから
どのくらい「色」にこだわりがあったのかどうか
知る由もない。



室外機を置いてある部分の手すりが白っぽいのは、
白い筐体の室外機を目立たなくするためかもしれない。



3本段違いで並ぶ油通気管と思しき配管も
バッチリ外壁色になっている。



排気(だよね?)ガラリが少々汚れているのが気になるけれど。
(「外壁色に塗られた配管」おわり)
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2022年05月26日

外壁の表情は気になるかどうか

とあるマンションの側面。


22052601.JPG


屋上から下る雨水管が何本も露出されている。

上の方は、隣地斜線やら道路車線やらの制限を受けた形状である。



容積をギリギリに使い切りたい、
そんな要請を受けてのことであろう。



そして、点在する換気その他の用途のフードたち。


一部、通路壁に設けられているものを除いては
通路軒天井部を通して外壁面に取り付けられている。


色は何となく外装と同系色に合わせてある。



中央部分の窓にだけ格子があるのは
防犯用ではなくて転落防止用なのだろうね。



こんな外壁の表情、
どのくらい人々の目に映っているものだろうか。


どのくらい意識・認識されているものか。


建築家を志す建築学科の学生さんでも
その存在に気づいていない人も多そうである。

まして一般人をや。


白いパラボラアンテナくらいかな。
目に留まるのは。
(「外壁の表情は気になるかどうか」おわり)
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2022年05月23日

でっかいタンク

出来たてっぽい工場の裏手に
何とも背の高い、でっかいタンクが立っていた。


LNGタンクなんだね。


22052301.JPG


60kLと表示されているから
結構なものである。



「リットル」は、かつては小文字の筆記体で書かれたものであるが
手書きからワープロ、パソコンへと媒体が変わる段階で
いつしか大文字のLで表記されるようになった。

そこだけ筆記体フォントに変えるのも面倒だし、
だいいち環境が変わったら思うように表示されない。

小文字のエルの活字は数字の1と紛らわしいし。

だから、Lが標準になってきている。

ま、それはそれでいいよね。



ただ、接頭語であるキロやミリは、ちゃんと小文字にして欲しいものだ。
上のタンクではちゃんと小文字になっているけれど、
結構大文字表記になっているものも見かける。

大小の区別は、大切なのだ。
トイレじゃなくても。



すう〜っと視線を平行に移動させると
大面積の壁面に屋外消火栓ボックスが見えた。


22052302.JPG


タンクもでかいし、壁面積も大きいものだから
相対的にずいぶんとちっちゃく見えてしまった。


フツーの大きさなんだけど、ね。
(「でっかいタンク」おわり)
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2022年05月17日

いろんなものが一目瞭然

その建物は、どういう設備によって構成されているのか。

ぱっと見わかりづらい建物は多い。



設備なぞ、あまり世間様にお見せするようなものではなくて
ただ機能を果たすことのみが求められるものだから。



いろいろな「工夫」によって、その設置場所も隠匿されて
そういう建物ほど「グレードが高い」ものであると
認識されているようにも思うのだ。


ま、実際、そんなものである。



「見た目が9割」かどうかはともかくとして
「中身こそ大事」だという建前はあるにしても
やはり見た目は重要視される領域なのだから。



ただ、そういうことにこだわり始めるとコストが嵩むから
ローコストの方が優先度の高い建物であれば
おのずと「設備」たちが表だって見えてきてしまうものだ。


殊更に己を主張するわけではなくとも
そこに存在することが見えてしまえば
「目立つ」と言われても仕方がない。


ただそれも、ローコストを追求した結果なのであるから
「オモテにツラ出してんじゃねーよ」と
文句は言わないで欲しいのだ。


積極的にしゃしゃり出てるんじゃなくて
姿を隠させてもらえるだけの費用を出してもらえなかっただけなのだから。


22051701.JPG


でも、正面じゃあないんだから
許容範囲だよね?


メインエントランスから見たら、側面にあたる壁面なんだから
たとい駐車場側だったとしても、日の当たる場所だったとしても
それはそれで仕方ないよね?



でもさ、一人くらいは居るものなのだよ。
こうやって写真に撮るヤツが。

受水槽(ずいぶんちっこいけど)を置いて、
給湯器を並べて、
冷暖房も換気もガスも丸見えの
そんな外壁に興味を持つ輩が。



「一目瞭然」とタイトルには書いたけれども
電力や電話の引き込みは、わからん。

給水の一次側も、埋まってるからわからん。

排水系統もだ。



何やかや言っても、なかなか一目では瞭然とならないものだ。
(「いろんなものが一目瞭然」おわり)
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2022年05月05日

店内撮影可

大型店舗の入口に、時々表示を見かける。



「店内撮影禁止」

または

「店内撮影可」



カメラのピクトグラムと一緒に
ゴシック体で書かれた文字が見られる。



観察家としては、当然撮りたい。



けれど、禁止のところで敢えて隠し撮りするようなことはない。

「撮影可」と謳っているところで
他のお客さんに配慮しつつ控えめに撮るだけである。


もちろん、撮るだけなんていうことはない。
そこで、なにがしかの商品を購入していく。



そもそも、撮影取材で訪れているのではなくて
買い物の用事があって店舗に赴いているのだから
撮影はそのついでである。


調査用・取材用のカメラを持ち歩いていることもあるし
スマホで撮ることもある。

いろいろだ。



店舗としては、商品や価格を撮って他店と比べてもらおう、
価格優位性や品揃えの豊富さを見てもらおう、
そういう意図なんだと思う。

店内の「せつび」を撮って宣伝してくれ! なんていう思いは
微塵もないことだろう。



でも、「撮影可」としている以上、
駄目じゃないよね。

迷惑でもないよね?



築後、結構な年数を経ていると思しき店舗。


撮影可を確認しているから、撮る。


22050501.JPG


梁貫通の配管類が、縦横無尽に走る。



エアコンは元々のものではなさそうだし、
照明器具もLED化されている。

建物自体は古くとも、設備関係は随時改修されているのだ。



このように天井を張っていない店舗であれば
外装を白く塗っておくのも一つの方法だろう。


逆に全部黒く塗っているところも見かけるが。



22050502.JPG


ドレン管が、梁のずいぶん上の部分を貫通している。

前の写真では冷媒管とドレン管は梁下を通してあったけれど
この場所ではたまたま他の不要配管が貫通していた跡があったのかどうか。



もっとも、現在ほど耐震やら何やらの意識が強くなかった頃には
既存の梁をダイヤモンドカッターで穴あけして配管を通すなんていうことが
当たり前のように行われていたから
ひょっとすると後から設けた貫通孔かもしれない。

そのあたりのところは、なかなか窺い知ることができない。
たいてい、そんな詳細の図面や記録は残されていないから
後の時代に究明するのも難しかったりする。



ま、こうやっていろんなところを観察して、撮影して、
いろんな事例や可能性について思い巡らせるようにしていれば
いろいろ学ぶこと、得るものもあるだろう。



ただ単に「せつびを愛でたい」だけであって、
その他の理由はみんな後付けなんだけれどね。
(「店内撮影可」おわり)
posted by けろ at 11:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 設備一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年04月27日

撤去費ケチるならせめて

民間の改修工事の場合、
なかなかに予算が厳しいことが少なくない。


限られた資金の中でメニューを何とかこなそうとすれば
何かを削っていくしかなかったりする。



たとえば、「撤去費」を「節約」してしまおう、
という発想が生じたりする。


撤去しなければ、撤去工賃、搬出費、廃材処分費、
それぞれが浮くのだから。



もちろん、ある程度現地にスペース的な余裕が無いと
成り立たないことでもある。



新設の機器や配管を別の場所・ルートに通すことができれば
既存機器や配管は切り離した上で残置することもできよう。



でもせめて、その旨は記録しておいて欲しいものだ。


22042701.JPG


そう。もう、マジックでもいいのだ。
こうやって書いておきさえすれば、
情報が伝わるのだ。

せめて、書いておいて欲しいのだ。



要らなくなった配管も、そうだ。


22042702.JPG


撤去するとなると、
排水管だから洗浄とか消毒とか
そういう措置も必要になるから。

で、残置したうえで「不用管」と表示しておいたというわけだ。



これが無いと、生きてる(使っている)のか死んでる(使っていない)のか
見ただけではわからない。

後の更なる改修計画時に、とても困ることになる。

だからやっぱり、書いておいて欲しいのだ。



それを逆手に取って、

「この建物についてはウチが詳しいんで、
 改修案件はウチじゃないと出来ませんよ」

敢えて分かりづらくしておいて
業務(や工事)を囲い込む輩もいるのかもしれない。



でもそれって、お客さんの為にはならないよね。
自己中だよね。


そういうのを「営業努力」とか「種まき」とか言って
持て囃すのは違うんじゃないかと思うのである。
(「撤去費ケチるならせめて」おわり)
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2022年04月26日

現場合わせは麗しい

換気機械室内が、みっちりである。


すごく古いやつ、
ちょっと古めのやつ、
比較的新しめのやつ、
いろいろあるようで。



22042601.JPG



空いているところを狙って後から後から通すから
なかなかアクロバティックな納まりになっているような。



もう、現場合わせの極致かな。


3Dスキャナで全体を把握するのも
なかなか難しそうだ。

障害物が多すぎて。



ダクト屋さんの寸法取りの妙手が炸裂する機会なのであろう。



だぁれも褒めてもくれないし
納まって当たり前くらいにしか思われていないのかもしれないけれど
ワタクシは単純に感動する。



絵に描けさえしない餅を
長年の勘と培ってきた技術でもって
実現させるお仕事なのだ。



人手不足と言われてから久しい、建築に関わる各職種の技能者。
ますます拍車がかかっていることだろう。

外国から人材を調達したりもしているようだけれども
言葉や文化や習慣の壁もあるし、
そう簡単には不足が解消されることはあるまい。


でも、ある程度はこういう生産活動に興味を持ち
矜持を抱ける人たちが居るはずだ。

人材不足であれば、高待遇で扱われる日がきっと
遠からず来るに違いないのだ。



……設備設計者も、どうですかね。
人材、不足してるんですがね。

でも、待遇あんまり良くないもんね。

人も寄り付かないよね。



いや、そうじゃない時代が、きっと来るのだ!



ま、ワタクシはこのお仕事好きだからさ、
株取引や You Tuber なんかよりは余程楽しいからさ、
当分やってるんだろうな。
(「現場合わせは麗しい」おわり)
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2022年04月19日

ダクトは伸びて立ち上がる

青空の中、
ダクトが外壁に伸びている。


いかにもな、排気ダクト。
飲食店舗だから、当然といえば当然。

22041901.JPG


結構太さのあるダクトだから、
これを隠蔽でやろうとすると、
結構な場所を取る。

天井内やDS内に納めるのは大変だ。


でもさ、建物の裏手だったら
露出でいいじゃん。



外壁からアングルで支持を取れば
何の問題もナシ。



そして、排気する先は
よいしょっと上方に持ち上げてから、
雨が雪が入らないように
先っぽだけちょいと曲げて立ち下げておく。


22041902.JPG


青空が明るくて、日差しが強くって、
良く見えなかったんだけれども
開口部には網くらいついているよね、きっと。



ただの開口だと、
虫にとどまらず、鳥も入ってきちゃうからね。


構造の都合なのか、屋根の都合なのか、
ナナメについている金物が、なんかステキ!

(「ダクトは伸びて立ち上がる」おわり)
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2022年04月18日

頑張って働いてるね!

結構古い建物の地下機械室に行ってみれば、
そこは歴史博物館のようであった。


古い専門書の白黒写真で見るような機器たちが
未だ現役で活躍していた。



現代の機器類は
何から何までユニット化、パッケージ化されていて
ブラックボックスと化した電装品が
かなり幅を利かせている感がある。


けれど、古いものになればなるほど
1つ1つ組み上げた感に満ちていて、
なかなか楽しいものだ。



現代のようなキレイな「文字標識」なんかも
わざわざつけてはいない。


マジックて書いときゃ、
わかるのさ。


22041801.JPG



過去数次の改修を経て今があるので
比較的新しい機器や配管もあるけれど、
新築以来現役で働いてきたようなモノたちも
それなりに見かける。



「機械って、ちゃんと面倒見てやれば
 結構長いこと働けるんだね」



ま、ニンゲンもそうなんだけどさ。



必要とされるかされないか、
活用を考えてくれるかくれないか、
とにかく使う側の考え方次第なんだけどね。
(「頑張って働いてるね!」おわり)
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2022年04月16日

キミは一体何?

道を歩く。いつものように。


前を見つつ、足元を見つつ、
でも何となく通過する建物が気になりながら、
道を歩く。いつものように。



いろんな「せつび」が視界に入ってきて
それなりに気にはなるけれども、
たいてい流す。

だって、いちいち気にしていたら
前に進めないじゃない。



でもたまに、流せなくなってしまうこともある。


そんな時、人通りがそんなに多くなければ
立ち止まって撮ることもある。


たまに、だ。



22041601.JPG


でさ、2階(だよね?)にある、キミは誰?

一体、何?



ヘッダーのような、太い配管が
やたらとしっかりした鋼材から支持されて
外壁沿いに走っているじゃない。



ところどころ、上取り出して、分岐しているじゃない。


どこか正面側に回れば、
会社名か何か、書いてあって、
そこから用途を推定できるようなことがあるのかもしれないけれど、
この道沿いを歩くだけでは
わからないじゃない。



何だろうなぁ。


まあそれが何であったとしても
それで世界が変わるわけじゃないし
ワタクシの人生を左右するようなことは
ないんだけどさ。


たぶん。
(「キミは一体何?」おわり)
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2022年04月15日

壁で感じる

機械室の壁面に、何かがついてる。


22041501.JPG


防音と断熱を兼ねたグラスウールボードが
全面に貼られた機械室の壁に
そのままじゃ留まりにくいから、
ボードをボルトナットで留め付けて、
そこにネジで留めてあるものたちだ。



右の2つは、どうやら温水熱源用の地震感知器。


22041502.JPG


強い地震動があった際に
熱源を強制停止させるためのセンサーである。

揺れを感じるためのものである。



左のやつは、
温度調節器である。



22041503.JPG


「換気温度調節器」と書いてあるから、
しかも(設定28℃)とあるから、
まさにこの機械室内の換気用かな?


設定温度以上になると、
換気装置が自動運転するような
制御が行われているということであろう。


給排気ともファンがついているのか、
どちらかだけの機械で
もう片方は自然換気なのか、
そのあたりはダクトや送風機をよく観察しないと
わからない。

設備図が手元にあれば別だけれど。



あれ?


28℃設定とテプラで貼ってあるけれど
見るからに25℃に動かしてある状態だね。



28℃じゃ、思っていたよりも暑く感じてしまって
下げたのだろうか。


それとも、この温度調節器部分が28℃になるような設定だと
熱源機付近はもっと暑くなってしまうから
ここを25℃くらいにしておくと
ちょうど良いのかもしれない。



古い機械類のある古い機械室だと、
こんなにコンパクトではなくて、
もっと大きなモノがついていたりする。


意外と気づかない、センサー類(や調節器類)。
(「壁で感じる」おわり)
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