建物の冷暖房の能力をどのくらいにしたら良いか、
「熱負荷計算」という計算を通じて算出するわけですが、
その中に「すきま風負荷」なるものが存在します。
建物の中を冷房や暖房しても、外の空気が「すきま風」として入ってくるので、
その分冷暖房の能力を余分にみてやらなければならない。
そういうことです。
きちっと作られている建物であれば、
そんなに「すき間」なんて無いような気がするかもしれませんが、
小さなすき間はそれなりにあるものです。
やはり一番大きなすき間は、窓・サッシやドアなどの部分でしょう。
そして、壁と屋根とのすき間、壁と床とのすき間、などなど、結構それなりにあるのです。
普段は一向に気になりませんが、時々気づくことがあります。
たとえば、風が強いとき。
カーテンがゆっくりと動いていたりします。
その窓の外側の気圧が低いのか、高いのか、それでわかったりしますね。
古い建物になると、家の中でも気流を感じるかも知れません。
たとえば、春先。
どこからともなく、いろいろな生物が闖入してきます。
アリ、ワラジムシ、ゲジゲジ、クモ、ハサミムシ、カメムシ、……。
彼らは、頼まれもしないのに堂々と侵入してくるのです。
彼らの通ることのできるすき間が、存在している証拠です。
ま、ネズミさえ入ってくることもありますしね。
(すき間だけではなく、排水管内などを伝って入ってくることも
当然ありますが)
近年の高断熱高気密住宅では、かなり少なくなっていることと思いますが、
それでも一定レベルのすき間は存在します。
まあ、分子レベルでの気密性能を求めてしまうと、えらく高価についてしまいますから、当然でしょう。
宇宙空間、地球外天体に設ける建物には、非常に気密であることが求められるのでしょうけど。
(「建物のすき間」おわり)
【追記】
ええと、「ワラジムシ」というのは、ゾウリムシとは違います。
「ダンゴムシの丸くならないヤツ」みたいな虫です。
初めて見たとき、当然丸くなるものだと思って縦に指でつまんだところが
「ぺきっ」と折れてしまって、そりゃもう、びっくりしたことがありますです。
嗚呼、動物虐待。
ごめんね。知らなかったんです。キミのこと。
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