2008年03月16日

設備設計一級建築士『みなし講習』

改正士法によるところの「みなし講習」案内が出ました。


http://www.jaeic.or.jp/kkaisei-kosyu_sb1k_080314.pdf

該当の方、がんばっていただきたいと思います。

講習の定員が全国合わせて3,700人。
合格率81%で、当初必要と言われていた3,000人が
ほぼ確保されることになりますね。


JAEICの収入(税別)は、

全員が「一級建築士+建築設備士」として受験する場合、
40,000円×3,700人=148,000,000円

建築設備士所持者が半数だとすると、
60,000円×1,850人=111,000,000円
40,000円×1,850人= 74,000,000円
  合計 185,000,000円

経費もかなりかかるでしょうから、「ボロ儲け」には
ならないでしょうが、結構な金額だと思います。
『設備設計者』からこれだけのお金を徴集して行うのですから、
「実の伴った」講習としていただきたいものです。


話の下手糞なお偉いさんが、
事務局作成のパワーポイントを眺めながら、
のんべんだらりと聞きづらい説明をして、
「あとはテキストを参照下さい」などといってお茶を濁し、
講師謝礼をたんまり頂戴するとか、

「ハイ、これ出ますからねぇ」とか言って
終了考査の点だけは取れるように(合格者数が確保できるように)
「現実的対応」を行うとか、

「なんだ、結局は形だけか」なんて後ろ指を指されることの
ないようにしていただきたいものです。



当局の期待通り、必要な合格者数が揃うといいですね。

……その前に、定員を充足するだけの受講者数が揃うといいですね。

(「設備設計一級建築士『みなし講習』」おわり)



【追記】

ワタクシは、受けられません。
まずは一級を取らないと。
って、ハンカクサイんで、そう簡単には取れやしませんがね。
posted by けろ at 21:57| Comment(23) | TrackBack(0) | 建築士制度 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
なぜ、当初予定の募集人員より減らしたのかが、不思議ですね。(受講者が予定より集まらないと判断したのでしょうか?)
設備設計一級建築士については、構造設計一級建築士の構造適合性判定資格者のように、修了考査が完全免除が無いので、全体でも修了考査合格率は良くて60%位だと思います。(多分、修了考査合格者の60%は建築設備士取得者となるでしょう)
建築設備士+一級建築士=1,700名、一般受講者=2,000名として、建築設備士+一級建築士の80%合格で、1,360名、一般受講者の40%合格で、800名、合計2,160名(最終合格率=2,160名/3,700名≒58%)
構造設計一級建築士は、構造適合性判定資格者の一級建築保持者はすべて受講するはずなので、1,500名は確実に資格取得が見込めます。
建築構造士等の講習免除者の80%合格で、約2,000名、それ以外の一般受講者が40%合格で、約2,800名、構造適合性判定資格者の1,500名で、合計6,300名(最終認定率=6,300名/11,000名≒57%)
だいたい、必要な人員の60%くらいをみなし講習で確保する感じではないでしょうか?(みなし講習を難しくして、もっと合格者を減らす可能性はあります)
構造判定資格者の初回講習・演習のように、32%程度の合格率とする方が、きびしく判定している事になって良いとは思いますが、あれだけ高額の講習料と構造で3日、設備で4日(それぞれ一般受講者の場合)の日数を要する事から、あまり修了考査の合格率を下げると苦情がきそうな感じはしますね。
Posted by masa at 2008年03月17日 03:09
masaさまのコメント、大変勉強になります。

当地の受講者数が集まるのか、甚だ興味があります。ハテ? 該当者は何処に?


講習自体、概要を説明するだけで「詳しくはテキスト参照」ならば、テキストを販売し試験のみ行えば済みます。

それだけでは不足で講習という手段が必要な内容なのであれば、たかだか3日の講習で何ができるか? という疑問があります。

「省エネ講習」「管理建築士講習」などのような、カネを集めるだけが目的か? と勘ぐりたくなるような講習にはしないでいただきたいものです。
Posted by けろ at 2008年03月17日 22:44
みなし講習の受講案内の配布が開始されましたが、受講資格である実務経験は業務比率の記入不要となり、非常にゆるいものとなりました。(単純に一級建築士で5年以上の実務経験があれば受講可能となります)
また、修了考査についても、講習資料持込可となっているので、講習資料が役に立たない問題としないと、非常にゆるい考査となりそうです。
そのせいか、設備設計一級建築士のみなし講習の受講案内は現在品切れのところもあるようです。
予想より受講者は増えそうですね。(現在は受講定員の公表はありません)
Posted by masa at 2008年04月18日 00:02
いつも情報をありがとうございます。

なぁんだ。
やっぱりか。

というのが、正直なところです。

試験は通ったけれども設備設計なんて出来ない、
『設備設計一級建築士』の量産なんて、
シャレにもなりません。
Posted by けろ at 2008年04月20日 23:45
実態がどうなるかは、9月11日頃発表される修了考査の結果であきらかになりますが、現在は非常に簡単に取得できると思われている人が多いようです。(受講案内書の配布開始以後から、受講希望者の増加が急速になった事からも明らかですね)
修了考査の課題はもう作成済みのはずですが、修了考査の判定基準の設定は、修了考査修了から、発表までの2ヶ月弱の期間で決めなくてはならないので、予定合格者数の設定との調整はかなり困難となるのではないでしょうか?(受講者のレベルがあまりにも低い方へ偏った場合は、予定合格者数を確保する為に多めに合格させるか、あえて予定合格者数は確保できなくても合格者数を絞るかの決断となります)
構造設計一級建築士については、「弾力的な運用」を大幅に適用して、審議会では受講免除要件でない、構造建築士、専攻建築士などの民間資格者も構造設計に関する講習の受講免除を今回に限り実施しています。
設備設計一級建築士も「弾力的な運用」を最大限に活用する事になるのでしょうか?
Posted by masa at 2008年04月21日 01:46
上で、構造建築士と記載してしまいましが、日本建築構造技術者協会の制定する建築構造士の事です。 なお、専攻建築士は、日本建築士会連合会の制定する、構造専攻建築士の事です。
以上訂正させていただきます。
Posted by masa at 2008年04月21日 01:53
建築構造士は、構わないと思います。
もともと、一級建築士で構造の実務経験が無いと
受験できなかったわけですから。

建築設備士とは、位置づけが全く異なっていました。


どんな試験問題になるか。
どんな判定基準になるか。
合格者の数、質はどうなるか。

『お手並み拝見』といったところですね。
Posted by けろ at 2008年04月21日 14:57
受講案内で公表されている、設備設計に関する修了考査の問題は、必須問題(設備計画)と衛生・空調・電気の選択問題で構成され、記述・製図による問題となっています。
時間割は、まだ発表されていませんが、13:00〜17:15として4時間15分程度となりそうです。
建築設備士の2次試験とほぼ同様の構成ですが、講習資料持込可なので、設備設計を主としている受講者なら容易に合格できそうな感じはします。(実際の講習資料はどの程度のものなのかは、不明なので、修了考査に役立つかは不明です)
Posted by masa at 2008年04月21日 23:40
だいぶ、遅い報告になりますが、設備設計一級建築士の指定講習の受講者は、5,261名以上が申しこんでいるようです。 6割合格で、3,000名以上確保できそうです。
Posted by masa at 2008年05月30日 00:29
masaさま、いつもありがとうございます。
そうですか、そんなに申し込んでいらっしゃいますか。
その中で『本物の設備屋さん』の割合はどのくらいなのでしょうか。そちらのほうに、すごく興味があります。
Posted by けろ at 2008年06月01日 00:16
一説には、講習受講者で、実務的に設備設計に携わっている人の割合は、1割とも、2割とも言われています。
建築設備技術者協会の発表では、建築設備士と一級建築士の両方を取得している人数は、4,000人、国土交通省の把握している、建築設備士と一級建築士で、講習受講要件を満たしているのは、2,000人といわれています。 実際の設備設計業務に携わっている、一級建築士の比率は1.1%と社会資本整備審議会では報告されていました。 現在一級建築士の登録者数は、約30万人で、設計の業務に携わっている人数は、約10万人と言われています。 設備設計業務に携わる人数の比率が1.1%とすると、約1,100人が該当します。
したがって、1,100/5,261≒0.2→2割以下が妥当な数字ではないでしょうか?
Posted by masa at 2008年06月01日 17:48
『2割以下』ですか……。
「8割以上はめくら判」で、設備設計の質を担保しようとしているのですね、国は。
国がそれを奨励しているのだから、まあ、いいのでしょう。

でも、この8割以上の方々って、どういう神経で判を押すつもりなのでしょう。姉歯物件の構造図に判を押していた元請建築士と何の違いがあるのでしょう。

能力が無いのに権限だけ与えるから、こういうことになるのではないでしょうか。

ま、いくら片隅でホザいていても、仕方ありません。パブコメも、陳情も、すべて門前払い。あきらめる事だけが、一般の設備技術者に残されている唯一の選択肢のようです。
Posted by けろ at 2008年06月01日 20:46
今回のみなし講習は、各関連団体が、講習修了者を可能なかぎり生み出すために、技術支援する事になっています。 建築設備技術者協会は、法適合性のセミナー、日本建築構造技術者協会は、構造スキルアップセミナーを行います。
とりあえず、建築設備技術者協会は、法適合性のセミナーだけで、設備技術のセミナーは行わないようです。 JIA、日本建築士会連合会、日本建築士事務所協会連合会は、会員向けはセミナーを行いそうですが、建築基準法関連だけの感じです。
設備に関する講義の修了考査はかなりゆるいと判断しているのでしょうか?
Posted by masa at 2008年06月05日 01:14
ちょっとやそっとの「支援」で何とかなるとは考えられないからではないでしょうか。
「意匠屋さん」がちょこっと「支援」を受けるだけで取得できるなら、「設一級」資格の存在意義がありません。
技術者協会も、「設備設計のできない設一級」は誕生させたくないのでは。
Posted by けろ at 2008年06月06日 16:26
私の当初見込みの合格率より下がりますが、予想以上に受講者が多かったので、総合合格率57%、合格者2,978名に修正させていただきます。
Posted by masa at 2008年06月27日 00:42
masaさま、いつも情報をありがとうございます。
「予想以上に受講者が多かった」=「予想以上に設備屋さん以外の受講者が多かった」
ということですね。

ポイント解説済・持込可で「設備設計能力」を試験できるものなのでしょうか。
「設備設計のできない『設備設計一級建築士』」の大量発生を憂います。

とは言いつつも、「建築設備士」でありながら「電気設備」は詳しくないワタクシが言えた義理ではないのでしょうね。
Posted by けろ at 2008年06月27日 14:22
社内の講習受講者から、社内特別講習は出来ないのか?との依頼があり、法適合性資料・設備計画の予想問題と模範解答を作成しました。
設計製図については、1名に特別講習を行いましたが、時間が足りなくて給水・給湯設備しか出来ませんでした。 衛生設備の合格レベルまで指導するには、6時間程度必要と思われます。 意匠系の場合、記述式というだけで拒否感があるみたいなので、相当自習してもらわないと、合格はむずかしいですね。 そういう意味では、なにもわからない意匠系の場合は合格の可能性が低いかもしれません。 法適合性は、なんとかなるという意見が多いですね。 心配な人は、建築設備技術者協会の講習を受講しているようです。
Posted by masa at 2008年07月05日 00:51
予想問題、模範解答まで作成されるとは、
masaさまは凄いお方です。


「設備設計一級建築士」って、国交省によれば
『設備について高度な専門能力を有する建築士』
のはずですよね。

建築設備技術者協会なんぞの講習を受けねばならないような人たちが、
『高度な専門能力』を有すると言えるのでしょうか。

それともたかだか数時間の講習を受けただけで身に付く程度のものが
『高度な専門能力』と言えるのでしょうか。

疑問は尽きません。
Posted by けろ at 2008年07月08日 20:15
模範解答を参考に、テキストを見たところ、どこに書いてあるかわからないので、もうあきらめたという年配の人が1名、設計製図の個別指導した、1名は、設計例がその方式じゃないので、とりあえず、テキストの設計例をそのまま書き写すしかないと言ってきました。 10数名が受講しているのですが、質疑はその2名だけで、残り10名は、一切質疑がありません。(相当自信があるか、もうあきらめた人に2分されたようです)
Posted by masa at 2008年07月09日 01:23
設計製図特別講習2回目を行いましたが、講習テキスト上巻記載の設備設計例に関して、質問がかなりありました。 設備設計例は、環境配慮及び高度な防災性を必要とする為、高置タンクを使用しない、受水槽は緊急遮断装置を設置する、スプリンクラーを自主設置するなどの対策を行っていますが、そこら辺の説明が一切記載されていません。 実際の修了考査では、そこまでの要求は無いとは思われますが、テキストに載っている以上、条件次第では、そこまで書き込む必要があるのではと質問されました。 そういう出題にすると、意外と普通の設備設計者の方が間違えてしまいそうな感じもします。
Posted by masa at 2008年07月12日 17:24
フォーラムでの積極的な解説をありがとうございます。
大変参考になっています。

> 意外と普通の設備設計者の方が間違えてしまいそうな

一級の学科試験も、そうだったりします。
いろいろ考えちゃうと、却って間違ってしまったり。
Posted by けろ at 2008年07月14日 14:53
社内受講者と、答え合わせを行った結果、法適合性確認については、おおむね60点の回答は書けていたようです。
設計製図に関しては、1名が系統図未完成、1名はとりあえずすべて記入したが、駄目だろうとの判断でした。 それ以外の10名はとりあえず全て作図したようですが、部分点によってはあやしいのが、2〜3割くらいです。
今回は、衛生設備が極端に簡単だったようですね。 空調で受験された方は気の毒だったようです。 電気で受験された方はあまり意見が出てこないですね?(設計製図の修了考査を受けた人が、数名なのが原因かもしれませんね)
Posted by masa at 2008年07月15日 00:11
今どき、空調で4管式って……。
問題作成者が、張り切りすぎましたかね。

9月、どのような合否判定になるのか、
たいへん興味があります。
Posted by けろ at 2008年07月15日 03:06
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