……なんて言い方はありませんが、真冬です。
気温がマイナスになると、水は凍ってしまいます。
水は凍ると膨張するため、うっかり凍らせてしまうと機器や配管が
破損してしまいます。
だから、凍りそうな時には管の中の水を抜いて、凍るのを防ぎます。
屋外についている散水栓なんかは、冬になる前に水抜きをしておかなければなりません。
うっかり忘れていようものなら、大変なことになります。
当地では、地中埋設の給水管は土被り(どかぶり)を1m以上取ります。
それより浅いと、凍る恐れがありますので。
(当然、もっと寒い地域では更に深く埋めます)
この業界に入ったとき、設備の教科書的な書物には
「屋外埋設の給水管は排水管よりも浅い位置に敷設する」
なんて書いてありました。
万一排水管が破れて汚水が漏れても、給水管のほうが浅ければ
汚染される危険性が減る。そういう理屈です。
でも当地でそれをやってしまうと、給水管が凍るか
排水管がものすごく深くなるか。
どちらも困るので、給水管の土被りを優先します。
温暖な地域に行った際、屋外の水道メーター箱の蓋をあけてみた時、
すぐメーターがついていて驚いたことがあります。
10cmも埋まって無いじゃん、と。
凍る心配がなく、重量がかかって破損する恐れもなければ、
浅くて良いわけなのですね。
外気温が概ねマイナス4℃以下になると、住宅内の給水管も凍る
恐れが出てきます。
ある程度使っていて水の流れが時々あれば大丈夫ですが、
家人が寝静まってしまう夜中に凍ることがあります。
そういう場合には、寝る前に水抜きをします。
(水抜栓のメーカー)
http://www.hokusui.co.jp/
http://www.hikarigokin.co.jp/
http://www.takemura-ss.com/main.html
手動の物、電動の物、複数の電動水抜栓を集中操作できるもの
など、いろいろあります。
住宅の細い給水管内の水は、結構抜けにくかったりします。
管がある程度長くなる場合には、最上部に空気取入用の
横水栓をつけたりします。
水だけではありません。
給湯機の内部の湯も抜かないと、給湯機内のコイルが
文字通り爆裂して大変な騒ぎになることがあります。
配管の一部がU字型になっている場合には、
Uの最下部からも水を抜ける構造にしておかなくては
なりません。
↑ 流し台の中に水や湯を出そうというのではありません。
ライニング内にある管内の水や湯を抜くためです。
バケツや洗面器などで受けます。
空調機の加熱コイルなんかも、危険。
冷たい外気にやられて、コイルが爆裂する危険が
あります。
(この写真は、爆裂したコイルを応急処置した跡ですが)
外気処理系統は不凍液回路にしたり、
自動弁の最小開度設定をしたり、
コイル通過流量を一定にしたり、
プレヒーターとセットにしたり、
何らかの措置が必要です。
外気取入ダクトの電動ダンパーも必須です。
書き出すといろいろあります。
というわけで、今日のところはこのへんで。
(「寒い所のせつび」おわり)
寒冷地の一般家庭の直圧メーターは、どの様なところに設置されているのですか?
まさか、土被り1mではないですよね。
温暖地のメーターボックスをものすごく深くしたようなものです。
途中にFP板などの内蓋(もちろん防寒用)がついています。
埋設給水管の土被り深さのままメーターがつきますから、結構深い位置になります。
水道事業者ごとに必要土被りを決めています。
直読だときついので指示計を義務化しているところもあります。
マンションの戸別メーター場合はやはりMB内ですが、保温カバーを取り付けたりします。(温暖地のような外廊下型は、ほとんど存在しませんが)
メーターの交換はさらにきつそうですね。