2008年02月20日

寒い所のせつび

冬真っ盛り。


……なんて言い方はありませんが、真冬です。


 気温がマイナスになると、水は凍ってしまいます。
水は凍ると膨張するため、うっかり凍らせてしまうと機器や配管が
破損してしまいます。

だから、凍りそうな時には管の中の水を抜いて、凍るのを防ぎます。


屋外についている散水栓なんかは、冬になる前に水抜きをしておかなければなりません。
うっかり忘れていようものなら、大変なことになります。


当地では、地中埋設の給水管は土被り(どかぶり)を1m以上取ります。
それより浅いと、凍る恐れがありますので。
(当然、もっと寒い地域では更に深く埋めます)

この業界に入ったとき、設備の教科書的な書物には
「屋外埋設の給水管は排水管よりも浅い位置に敷設する」
なんて書いてありました。

万一排水管が破れて汚水が漏れても、給水管のほうが浅ければ
汚染される危険性が減る。そういう理屈です。

でも当地でそれをやってしまうと、給水管が凍るか
排水管がものすごく深くなるか。

どちらも困るので、給水管の土被りを優先します。


温暖な地域に行った際、屋外の水道メーター箱の蓋をあけてみた時、
すぐメーターがついていて驚いたことがあります。
10cmも埋まって無いじゃん、と。
凍る心配がなく、重量がかかって破損する恐れもなければ、
浅くて良いわけなのですね。


外気温が概ねマイナス4℃以下になると、住宅内の給水管も凍る
恐れが出てきます。
ある程度使っていて水の流れが時々あれば大丈夫ですが、
家人が寝静まってしまう夜中に凍ることがあります。

そういう場合には、寝る前に水抜きをします。


(水抜栓のメーカー)
http://www.hokusui.co.jp/
http://www.hikarigokin.co.jp/
http://www.takemura-ss.com/main.html

手動の物、電動の物、複数の電動水抜栓を集中操作できるもの
など、いろいろあります。


住宅の細い給水管内の水は、結構抜けにくかったりします。
管がある程度長くなる場合には、最上部に空気取入用の
横水栓をつけたりします。

空気取入用横水栓


水だけではありません。

給湯機の内部の湯も抜かないと、給湯機内のコイルが
文字通り爆裂して大変な騒ぎになることがあります。

配管の一部がU字型になっている場合には、
Uの最下部からも水を抜ける構造にしておかなくては
なりません。

管内水抜用横水栓

流し台の中にも
↑ 流し台の中に水や湯を出そうというのではありません。
  ライニング内にある管内の水や湯を抜くためです。
  バケツや洗面器などで受けます。


空調機の加熱コイルなんかも、危険。
冷たい外気にやられて、コイルが爆裂する危険が
あります。

空調機加熱コイル

コイル補修跡
(この写真は、爆裂したコイルを応急処置した跡ですが)


外気処理系統は不凍液回路にしたり、
自動弁の最小開度設定をしたり、
コイル通過流量を一定にしたり、
プレヒーターとセットにしたり、
何らかの措置が必要です。
外気取入ダクトの電動ダンパーも必須です。


書き出すといろいろあります。

というわけで、今日のところはこのへんで。


(「寒い所のせつび」おわり)
posted by けろ at 21:52| Comment(3) | TrackBack(0) | 設備一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
けろさん、質問させてください。
寒冷地の一般家庭の直圧メーターは、どの様なところに設置されているのですか?
まさか、土被り1mではないですよね。
Posted by つなぎの水道屋 at 2008年04月11日 23:25
普通の住戸でしたら、敷地内屋外埋設です。
温暖地のメーターボックスをものすごく深くしたようなものです。
途中にFP板などの内蓋(もちろん防寒用)がついています。
埋設給水管の土被り深さのままメーターがつきますから、結構深い位置になります。

水道事業者ごとに必要土被りを決めています。
直読だときついので指示計を義務化しているところもあります。

マンションの戸別メーター場合はやはりMB内ですが、保温カバーを取り付けたりします。(温暖地のような外廊下型は、ほとんど存在しませんが)
Posted by けろ at 2008年04月13日 18:55
>直読だときついので・・・

メーターの交換はさらにきつそうですね。
Posted by つなぎの水道屋 at 2008年04月13日 19:53
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