【空気熱源ヒートポンプパッケージ方式】
長ったらしい方式名を書いてみました。
単に『パッケージ』と言うと、空気熱源や水熱源、ガスヒーポンもぜんぶ包含してしまうので。
まあ、要するに『いわゆるエアコン』です。
これが一番簡単じゃないでしょうか。
各室には室内機が付くだけ。屋上か屋外か、どこかに室外機を置くだけ。
冷媒管とドレン管用にPSを適当に配置しておけば良し。
室外機を、恥も外聞も無く、良く見える屋上にドドーンと並べるのは、意匠的にはどうかと思いますが、製図試験的にはきっとオッケーでしょう。
そのための基礎やハト小屋など描いて無くても無問題でしょうし。
室外機置場部分下部には吹き抜けやスパンが飛んでいるなど構造的に弱点となりそうな位置を避けるなどの配慮は、実務的には必要でしょうが、試験的にはやはり無問題でしょう。たぶん。
ただし、この方式だけだとちょっと不安。天井の高いプレイルームには、床暖房ぐらい入れないと冬期は寒いかも。特に床面付近の乳幼児には。
そうすると、機械室に真空式温水機くらいは置きたい。で、煙突が出てくることになります。ま、「電気ボイラーだ」と強弁できないこともありませんが。
FF式の灯油焚温水機という手もあり得ますね。油はどこから? という問題も、実務上は発生しますが。
何にせよ、ただでさえ時間の無い製図試験。設備について茶々が入らないようにするには、この方式が最も無難だと思います。実際の建物でも現実的な方法ですし。
製図課題である2,000〜2,500m2規模の施設なら、だいたいこれで辻褄合わせができそうですね。
ガスヒートポンプパッケージ方式(GHP)も、OKです。
ガスエンジン音が、空気熱源室外機の圧縮機よりもうるさいかなぁ、という程度で。電気容量は少なくて済みますし、「ガス完備」のようですし。(って、使い放題? ガス管の径によっては引き込み管径すなわち使用可能流量に制約があり、GHP採用不可となる場合も有り得ます)
【追記】
今回の課題には、「環境負荷低減に配慮」ということが書かれています。よって、パッケージ方式の場合の冷媒(温暖化係数が大きい)についてはマイナス要因ではあります。
そこのところは、「化石燃料うんぬん」とか「成績係数うんぬん」とか、そういう論法で「メリットのほうが大きい」的なことが記述できればまあOKかと。学術的な議論や本質論などは、試験上は気にせずとも良いと思います。
出題者はそんなことを期待していないでしょうし。
【追記2】
ワタクシの記事、
「・・・・・・・・ですっ!」
と言い切らないことが多々あります。
歯切れが悪いとお思いかもしれませんね。
すみません。
でも、設備って「これが絶対」って少ないと思います。
条件や考え方によって、不可が可に変わることもある。逆もある。
────設備に限らないか。
ものごと、いろんな角度・視点・考え方で見てみる。
その一助となれば、と思います。 余談でした。
(「H19一建製図(4)」おわり)
2案とも、主な空調設備は空冷ヒートポンプパッケージであり、1案は太陽熱集熱の床暖房採用となっています。 金属パネルの太陽熱集熱パネルからどうやって、床暖房まで熱源を運ぶのかは不明ですが、どこかに蓄熱槽を設置して、水又は空気で床暖房パネルまで搬送するのでしょう。
環境負荷対策は、屋上緑化と太陽光利用という事のようです。 換気についても自然換気を積極的に利用するようですが、トップライトについては冷房負荷軽減には逆効果なので、真空合わせガラスなどで伝熱負荷を軽減し、ルーバー設置またはLOW-Eガラスの採用などが必要になりそうですね。
masaさまが仰るように、茶々入れようと思うとネタには事欠きませんね。設備的には。
でも、昨年の「標準」解答例よりは、かなり前進しています(と、ワタクシは感じております)。
これの作成には、設備屋も噛んでいるような気がします。ここまで考えられる意匠屋さんには、ついぞお会いしたことが無いので。
合格水準を示す「標準」解答例の他に、出題者として最高レベルの「模範」解答例も出していただきたいと、常より思う次第です。
「質問・問合せについては、一切お答えいたしません」という注釈も、ズルいですよね。一問一答である必要はありませんが、パブコメみたいに意見を集めて、まとめてWEB上で回答したらいいと思います。受験者の理解も深まるし、あるべき一級建築士像をより的確に伝えられると思うのですけど。
これに受かった人たちだけが、構造設計も設備設計も『合法的に』行うことができるそうで。
いやはや。
物事、じっくりと良く考えてくれる建築士さんたちが増えてくれると良いのですけど。