2023年12月30日

換気口建屋なのだ

ポコっと建つ、何か。


土台があって柱があって梁があって屋根があって。

……それだけ。


23123001.JPG


この下には地下空間が広がっていて
そのスペース用に外気を送る、
あるいは汚染空気を排出する、
そのためだけの建屋。



そう。



地下施設があったとして、
そこに換気は必須なのである。


機械換気という概念が無かった時代には
鉱山とかトンネルなどの地下空間では
酸欠問題が常につきまとっていた。


が、ファンとダクトを通じて機械換気が
出来るようになった近代以降は、
深い深い地下空間、広い広い地下空間、
長い長いトンネルなどにおいて
人間が呼吸できる条件を確保できるようになった。

できるようになったし、
しなければならないことが明確化された。



地価の高い都市部においては、
建物は上へ上へと背伸びすると同時に
地下深い方向へも伸びていった。


大江戸線など、鉄道施設も
すごく深い位置に設けられるようになった。



換気用の外気取入口と、排気口は
どうしても無くせない。



まあ、潜水艦とか海中施設とか宇宙船内とか
「外気取り入れ」という行為が不可能な場所においては
また別の措置を設けるわけであるけれども。



核戦争があっても、地下シェルターに逃げればOKとか
軽く考えていると、
この換気問題にぶつかるはず。

換気ファンを動かす電源は、どうする。
発電機を置くなら、燃料はどうする。
燃焼機器用の燃焼空気と排気はどうする。
取り入れ外気の放射性核種除去は
どの程度可能なものか。
そして、換気設備が維持できる期間はいかほど。



しかも、どこかから浸水すると
水没してしまう危険性が常に存在する。


大雨の時、洪水の時、津波の時、
地下深くでつながっているネットワークが
すべて水没してしまうかも。

どこかで軍艦や潜水艦のように隔壁で遮断できるようには
なっていないだろうから。



この換気口建屋も
もしも津波浸水範囲にあったりすると
地下空間の水攻め拠点になってしまいかねない。



いろいろ、簡単じゃないんだよね。
(「換気口建屋なのだ」おわり)
posted by けろ at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 換気設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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