仮設テントが立ち並ぶこともある。
ただの物販であったとしても
照明・コンセントの類は必要とされていて
仮設電源が設けられるわけであるが、
何らかの飲食物が供される場合には
仮設物が多くなる。
表側は、いろんなガイドやイベント情報などで
たくさん紹介されているが
裏側を撮ったものは、あまり見かけない。
まあ、撮ったって見る人が居ないんだから
仕方がないのだけれども。
が、敢えて、撮るのだ。
ガスボンベ、ガスメーター、ブレカー盤などが並ぶ。
ちゃんと、交換用の動線も考えられているみたい。
こういうのって、最初にやる時には不具合も多いし
見落とし、手戻り、反省点のオンパレードになる。
けれども回数を重ねてくると
だんだんと要領が見えてきて
「もうちょっとこうしておけば」という点が
どんどん改善されていくことになる。
そういうのが「ノウハウ」なのであって
もちろん「マニュアル」的な文書があれば助けにはなるけれど
実際に実行して体感された経験は貴重である。
いろんな分野で人手不足が叫ばれ、
新規就労者獲得難・経験者の人材難・後継者難などが
言われるようになって久しい。
電気、配管などを含めた建設系の人材も
元々不足していたけれど
現状は更に拍車がかかっているように思われる。
一時的にカネだけ出しても、
「ノウハウ」は、
実際の経験は、
買えない。
継続的な教育と実践が必須な分野だから。
経済屋さんには、
わかんないんだろうなぁ。
札束で頬をひっぱたいて出来ることも、確かにある。
でもね、出来ないことだってたくさんあるんだよ。
科学技術・技能の分野では
長期的な視点・対策・取り組みが必要なんだよ。
どうせ言ったってわかんないだろうし
言うだけ無駄だってことも重々承知しているんだけれども
でも、言っておくね。
(経済屋さんは、聞いてはくれないけどね)
「設備設計やってくれるトコ、知らないでしょうか?」
いきなり、伝手の伝手を頼って連絡してこられる方がいる。
ごめんなさい、ワタクシは手一杯でございます。
そして、今まで値切りに値切って
ぞんざいに扱ってきた意匠事務所に対して
義理や人情を感じる設備屋さんも
そうそう多くはあるまい。
「建築設備」という分野に対して、
上の立場に立つ意匠分野の方々が中心となって進めてきた
教育、政策、法体系、実務上の扱いの結果が
現在の状況を招来しているのである。
ちょこちょこっと小手先の対策を講じたとしても
なかなか根本的な解決にはならないのである。
なんてこと、わかっちゃいないんだろうなぁ。
お偉い人たちは。
イベント用の仮設工事も、
主催者側があんまりご無体なことを続けていると
請け手がなくなっちゃうかもね。
(「仮設テントの裏側」おわり)