四角い断面が2ヶ所。
ここを、水が流れていくのだそうだ。
言わば、設備で言うところの「配管」なのであるが
スケールが著しく異なる。
掘削土量もすごいものだし、
底版に基礎を打設して、
管渠を接続して伸ばし、繋げていく。
建築設備の配管と比べると、
ものすごく規模が大きいのである。
まあ、これでも「小さい」と感じる方も
おられるのかもしれない。
土木工事では、決して大きなものとは
言えないのかもしれない。
でも普段、ケンチクの世界で生きていると
なかなかどうして、びっくりだ。
もちろん、人間が余裕で入れる。
幅・高さとも、2.5mあるそうだからして。
配管は4mとか5.5mの定尺管を継手で繋げていくのであるが
この管渠の場合にはもっと大変だ。
2条の管路を構築する部材はかなりの質量である。
目地を含めて1mごとに並べて接続していくのだ。
しかも、上下2分割にしてある。
ある程度の揚重機で上げられるように。
そして、それぞれの部材を接続していく。
もちろん、ある程度の止水性が無くてはならないから
相応の施工方法があるらしい。
鋼管にネジを切ったり、
MD継手で接続したりするようなわけにはいかない。
これを延々と数百m伸ばしていくというのだから
大変なことである。
細い配管を何系統もあちこち繋げる設備配管と比べると
システム的には極めて単純、と言えなくもないけれど。
しっかりと接続されたら、
順次埋設していく。
掘削も埋戻しも、結構な土量になる。
しかもこの場所、
掘ってみたら岩盤だったんだって。
ああ、大変そう。
たまーに、
スケールの違うモノを見てみるのも
興味深い。
機能としては、「配管」なんだけどね。
(「言わば、配管」おわり)