限られた材料で、大きな構造物を造らなくちゃならない。
五重塔やピラミッドなどいろいろあるけれど
重機の力任せに、材料任せに、メーカー任せにできなかった時代、
ほんとうに大変だったことだろう。
それこそ、人生をかけて習得して、伝授していかないとならない
そんな技能だったことだろう。
門外漢から、別世界からやってきて、
なんちゃって設備屋を続けてきたワタクシには
想像もつかないご苦労の連続だったことであろう。
いやぁ、昔の人って、すんごい。
こうして、後世に伝えられているのだ。
実際に手を動かしたのが誰で、
その人物に仕込んで一人前にした師匠が誰で、
そんなものは残っていないことだろう。
大森頼春 が築城した、とあるけれど
発注者であって、施工者ではない。
そりゃそうだ、一般的に。
「名もなき技術者」
それが、いいんだよ。
(「土壁って、たいへん」おわり)