建築士試験で覚えるものの
普段触れることがないと、やがて忘れてしまう。
たまに見ると、ああ、そうだったと思い出すのだけれど
やっぱり、興味関心の方向性によって
脳中に入って来やすいものとそうでないもの、
抜けやすいものとそうでないものとがあるようだ。
そりゃね、何の関心も関わりも無い人物の事は
顔も名前も覚えられないけれども
関わりの深い人であればすぐに覚えられるよね。
(もっとも、人の顔と名前を覚えるのは
元来あまり得意ではないが)
そんなわけで、実物展示があると
たいへんありがたいのである。
フランス積みとイギリス積みとの間に立っているのは
単なる柵的なものだよね?
温水パネルヒーターっぽく見えなくもないけれど
配管、繋がってないもんね?
他にもいろんな積み方があって
たとえば空気層を設けることにより断熱性能を向上させたんだとか。
目地の加減によって曲面を作り出すのは
なかなかに熟練の技っぽい。
現代日本にあって、
レンガ積みに熟練した職人さんは
どのくらいおられるものなのだろう。
技術・技能の伝承というのは
難しいものだ。
常にその仕事が無くてはならないし
といって、時代の流行りの工法でなければ
そうそうお目にかかるものでもないし。
経済屋さんが「カネ出しゃできるよね」と言うけれど
そうは問屋が卸さないのである。
時間も手間も仕組みも必要なのである。
さて、レンガ・陶器をテーマにした施設のため
内外装がそれに特化している。
レンガ調タイルなのか、レンガそのものなのか、
ワタクシにはぱっと見わからんのだけれども。
吹き抜け空間の壁面は
レンガによるレリーフ仕上げとなっている。
こういうの、どやって図面に描くんやろ?
そして、それを実際に造り上げるのって
すんごく大変だよね?
自分じゃ出来ないけど、
こんなふうに出来上がっているモノを見ると
心躍るなぁ。
こんな面に、手すりも取り付ける。
普通じゃありえない納まりだから
施工者は大変である。
吹き抜けの空気流通と言えば
ノズルである。
暗い時間帯に来ると
照明器具とそれによる陰の効果が
際立つんだろうなぁ。
この施設、
室名表示も「焼きもの」である。
いい感じにまとまった施設なのである。
(「れんが積み」おわり)