2023年06月20日

西山山麓火口散策路(5)

長いシリーズになってしまった。

散策路は今回が最終回である。


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散策路の南端に、幼稚園跡がある。
旧洞爺湖幼稚園である。


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この幼稚園も、関わる人たち全員が避難していたため
負傷者などは1人も生じることなく難を逃れている。


しかし、建物と敷地とは、
旺盛な火山活動の直撃を受けて大きなダメージを負った。


そしてその様子を、そのまま保存して
散策路に組み込んであるのだ。



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灯油タンクやガスボンベに火山弾が直撃して炎上でもしていたら
このような遺構は残らかなったであろう。
ちょうど噴石の飛来方向の陰であったのも
幸いしたであろうか。


少量危険物の責任者名は「とうやこようちえん」で
よろしかったのかどうか。

一般的には責任者名を記入すべきところと思われるのであるが。


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ガラスが割れているのは、経年劣化、というわけではないように思わえる。

電力量計が剥がれ落ちかけているのは、どうだろう。
どちらとも考えられそう。



外装も、被害による損傷と
経年劣化によるものとが同居していそう。


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短管パイプで柵はこしらえてあるが
比較的近くで観察することができるのだ。

ありがたいことなのだ。



散策路沿いの各所に、このような説明板が設けられていて
すこぶるありがたいし、わかりやすい。


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「無差別爆撃の戦場のような光景でした」


この看板が設けられた当時は、
飽くまで比喩としての表現だったのだけれども
現在のウクライナ戦争の状況を見ると
もはや現実である。


ただ、襲ったのが人類によるミサイルではなくて
噴石・火山弾による質量攻撃であったこと。

爆発物ではなかったことが
実際の戦場とは趣を異にしている部分ではある。



火口を向く側には、大きな孔が開いている。


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噴石による孔が、経年により広がったものか。



当たった部分は損傷しているが
当たっていない部分は健在。


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スピーカーも、照明も、直撃されていなければ無事である。



被災後十年余を経て、植物も育っている。


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「そのまま保存」という方針により、
手を加えられることなく、
育つがまま放置されている。


自然の生命力というものは
人類が考える以上に強いものなのである。



内部を見てみる。

と言っても、近寄れる部分の窓際から
ちょっとズームで撮っているだけだが。


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屋根もあちこちぶち抜かれている。



もちろん外壁もガラスも
そこかしこがぶち抜かれている。


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外壁にめり込んだままの石も、
そのまま残っている。



直撃を免れたFFのトップは
誰が見ることがなくとも
その陰を外壁に伸ばす。


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当時通っていた園児と保護者にとって
思い出の幼稚園の無惨な姿は
心を痛める対象かもしれない。


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しかしそれとともに、
誰一人被災することなく無事であったことの
記憶ともなろう。



園庭に置かれていたバスの車体も
そのままである。


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バスとして稼働していたものか、
その役目を終えて遊具、あるいは物置として
置かれていたものなのか。


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これとは別に、
送迎に使用されていたと思しきバスも
遺されていた。


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車輪が半分ほど埋まっているのは
沈下したものか、火山灰等により埋まったものか。



鋼製の遊具を
火山弾が直撃した様子がわかる。


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じつは、敷地一面に
数多くの火山弾が散らばっている。


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文字通りの「無差別爆撃」状態であった。

まあ、爆発はしないので
「無差別落石」ではあるのだが
昔の大砲による質量攻撃と何ら変わることはない。



園庭に、大小さまざまな火山弾が
今もそのままめり込んでいる。


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園庭中央のひょうたん池の水面が
土地の傾きを示している。


23062020.JPG



「建築設備」にもいろんなスケールのものがあって
巨大な冷却塔や熱源機器に圧倒されることがあるけれど
地球規模の活動とは比ぶべくもない。



「ジオパーク」



なんてものにも、たまに目を向けてみたい。
(「西山山麓火口散策路(5)」おわり)
posted by けろ at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 防災 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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