だって、建てた当時の基準は
今よりずっと緩かったのだから。
ちょっと、通りがかった時に見つけた。
羽幌町の 郷土資料館 なのだそうだ。
昭和25年築の、元簡易裁判所だということだ。
おお、たのしそう!
と思ったのも束の間、
休館しておった。
ざんねん。
が、現代としてはかなり贅沢な
敷地状況となっている。
かなりの地方だから、
土地は余っているしどうにでもなるんだろうけれども
権威の象徴として堂々と造られているようにも見える。
この敷地を囲む塀が
だいぶ傷んできていた。
モルタルが剥がれたところに顔を覗かせているのは
レンガぞな。
レンガ塀として造ったものを
モルタルで上塗りして、
転倒防止に控え壁を大量に後付けして、
こんな状態にしたものか。
だいぶあちこち剥がれてきていて、
ヒビが入り、エフロが出てきて
朽ちつつあるんだけれども
果たして補修の手が入ることはあるのかどうか。
どこだって、既存施設の維持管理費用捻出は
厳しいのである。
過疎化・少子高齢化の波が
田舎になるほど猛スピードで到達しているのだから。
ある意味、日本の、いや、世界の
先進的な地域とも言えるのだ。
未来を体現している地、と言っても
過言ではないのだ。
「未来」は、必ずしも光り輝くような
ハイテク新製品で満ち溢れた時代になるとは限らない。
戦争、内戦などで荒廃・疲弊した地域では
一体今は何世紀なのか、と思うような
前近代的な生活を余儀なくされている人たちも
少なくないのだ。
進歩・発展していくとは限らない、
悲しい人類の
そうさせてしまうのかなぁ。
(「塗り込められてる」おわり)