2023年05月18日

屋根は、ある

ある施設の脇に、
おそらく暖房や給湯の熱源に供給するのであろう、
灯油のタンクが据えてあった。


2基併置され、配管は接続された状態である。


23051801.JPG


危険物に関する取り扱いは、
所轄の消防によってかなり異なる。


呼称490リットルのタンクは指定数量の2分の1未満だから
規制がかなりゆるい。

けれども、相互の離隔距離が小さいと、
合計した容量で規制をかけるという場合もある。

離隔距離について、特に制限が無かったり、50cmだったり
1mだったり2mだったり、さまざまである。



また、離隔距離に関わらず、
配管で接続されていれば一体とみなす、という場合もある。
だって、配管に孔があいてしまったら
2基分全部漏洩してしまうからね。

でも、配管が接続されていても一体とはみなさない場合もある。



もし上の写真の状態で一体とみなされると、
合計1,000リットル未満、すなわち、指定数量未満ということになって
防油堤が必要だとかそういう話になる。

でも防油堤が設けられていないところをみると
特にそういう規制は無かったか。

危険物看板の容量は、合計数量になっているみたいだけど。



もっとも、建築確認申請における消防同意は
申請が必要な場合にしかおこなわれない。

新築とか、増築とか。


つまり、内部改修などの場合には、消防チェックが入ることなく
施工できてしまう。


よって、この状態を見ただけで
「ああ、規制がゆるいのね」と安易に判断することはできない。



とにかく、危険物を取り扱う場合には
新築であれ改修であれ、
所轄消防の危険物係のような部署に
確認を取っておく必要があるのだ。

結構いろいろ決められていることが多いから。



積雪対策として、屋根を設けてあるのは
実害が生じたからなのかもしれない。

でも、配管が接続されていたり、
防油堤が無かったり、
消火器が置かれていなかったりするのは
消防からの指摘が無かったからだけなのかもしれない。


さて、真相はいかに。



ところで、接続されている鋼管、
地面ころがしのような状態で
大丈夫かいな。


一応表面に塗装をかけてあるようだけれども
剥がれてきているし、
プラグなんか、錆びてきていないかな?


ひどいことにならないうちに、
防食テープを巻くとか、
外面被覆鋼管でやりかえるとか、
対策をしておいたらいいんじゃないかなと
老婆心ながら思ってしまうのであった。


でも何やるにもカネがかかるし
そもそもこんなところを誰も注視しないから
何か事が起こってからの対処になるのだろうねぇ。
(「屋根は、あるけど」おわり)
posted by けろ at 15:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 空調設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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