ここに何が納まっているのかがわからないから。
配管か、ケーブルか、
何かが地中から生えてきて
外壁を貫通して屋内に取り込まれているに違いないのだ。
そしてそれを、ラッキングで覆っているはずなのだ。
でも、その中身は何?
満足に既存図が残されていない。
となると、屋内に立ち入って
その正体を探るしかないのだ。
入れるならば。
給水管だろうか? いやいや、水抜きの関係を考慮すると
それは無いだろう。
じゃ、排水管? 何の? 手洗い、それともルーフドレン?
電力ケーブル? 通信ケーブル?
消火栓配管?
あるいは、何種類かの共存か?
地中から、そのまま地面下のレベルで
屋内に引き込めれば良いのだが
ピットが無くて土間コンになっていて
その下に埋まった状態ではよろしくないから
だからこうしたのかな。
これが、設計にかかわる重要な要素だったとしたら
悩ましいねぇ。
周囲に生えている植物たちは
見えているし茎も葉もはっきりしているから
わかる人にはすぐ同定できるんだろう。
でも生憎、ワタクシは植物はワカラン。
「専門外」なんだから、
仕方ないのだ。
ただ、建築設備設計は「建築士の独占業務」と
法律で規定されているので
世の建築士は「専門外だから」と知らんふりできないことに
法律上なっている。
困ったことだよね。
困ったことなんだけれど、
「設備」についてはその道の専門家に権限を委譲したら良いのに
姉歯事件以来の士法改正では頑としてそれを拒否してしまった。
設備側が拒否したんじゃなくて、
国交省・建築士・意匠側が拒否したんだよね。
だから、しょうがないよね。
拒否の元締めは誰?
……誰なんだろう。シナリオを書いたのは。
謎である。
(「地中から出せなかったのさ」おわり)