防鳥網付としてあったんだろう。
けれども、鳥がやってくるのは
フードだけじゃなかったのだ。
むしろ、鉄骨梁に並んで留まって
下部に糞を垂れるのであった。
だから結局、
梁下全面に網を貼る羽目になってしまった、と。
「そんなん、設計の時点で気づけよ」
そうなんだよね、後からだったら
「あったりまえじゃん」って思えたりするんだよね。
でもね、でもね、
図面を起こしている段階では
意外に気づけないものだったりする。
もちろん建てている最中も。
実際に使ってみて、
あれあれ、鳩が留まるじゃん、
フン落とすじゃん、
その現象を見て初めて
「ああ、そうだったね」
気づけることだったりするんだよね。
建物って一品生産モノだから、
そんな事柄が、
こまごまとしたイロイロが
後から後から出てくるんだよね。
そういうのが、なるべく少なくできるようだと
立派な設計者なんだろうな。
ただ、そんな地味なことよりも
素晴らしいデザインだったり
斬新なファザードだったり
目を引く趣向だったり、
そっちのほうがインパクトがあるし、
賞だって受けられたりするんだ。
況や、設備をや。
つくづく、難しいものである。
「設計」って。
……ちなみに、上の写真の設計には
ワタクシは関係してないっす。
(「フードだけじゃなかった」おわり)