あるものは庇の上に、
あるものは外壁に
そしてあるものはフェンスで囲われた地上に。
壁面に並ぶは、北風小僧の……
「寒太郎」じゃないのだ。
東芝さんの「暖太郎」なのだ。
冬でも暖房バッチリ! という製品なのだ。
冬期は冷たい外気中から熱エネルギーを無理やり掻き集めて
室内を暖房しようとするので
エアコンの性能がガタ落ちとなる。
落ちるどころか限界を超えてしまって
あんまり外が寒いと「暖房できましぇん」となってしまう。
でもエアコン各社は懸命に開発を続けて
寒冷地仕様の暖房強化型を次々と製品化して
今では外気温がマイナス20℃であっても
室内をしっかりと暖房できる。
だから、建物やガラスの断熱性能の向上とも相まって
北海道を含めて日本国内たいていのところでは
エアコンのみで冷暖房をすることができるようになっている。
そういう時代になっているのだ。
まあそれでも、
燃焼機器の需要が無くなることはないだろう。
今でも薪ストーブや暖炉を好む人が居るように
燃焼系の暖房機や
温水暖房をご所望になる方もおられるのだ。
でも、パッケージ形空気調和機の伸展は
目を見張るばかりである。
設備設計者としては、少々寂しい面もあるけれど
ま、計算の面倒臭さはかなり減ずるかな。
がんばれ! 暖太郎。
各社、いろんな名称をつけているのだ。
暖太郎のほかに、
ズバ暖、スゴ暖、メガ暖、暖ガン、フル暖、ゴク暖、……。
いろいろ、考えるよね。すごいね。
(「寒太郎じゃないよ」おわり)