屋内と外界とを隔てる構造であって
内外の何かしらのやりとりをするための
開口を有するものでもある。
上方には、換気用の深形フード付きベントキャップ。
外装色に合わせて、指定色塗装品が使用されている。
換気風量の多少に応じて
フードの大きさも大小あるのである。
フードから垂れる水滴が外壁を汚すのを避けるため
水滴を少し壁面から離すようなプレートが付いている製品も
存在している。
気にせず、垂れ水の筋がくっきりと出ている外壁も
まあまあ見かけるものだが。
下方には、FF式燃焼機器の給排気トップが並ぶ。
古いものだと、排気筒がもっと出っ張っているけれども
近年のものはこのくらいの薄型で済むのである。
ただ、換気用フードのような指定色塗装品は無い。
無理やり塗っている現場も見ないことはないが
結構すぐに剥がれてくるようでもある。
3つ並ぶ給排気トップは
外装タイル目地を意識した位置に取り付けてあって
誰も気付かないかもしれないけれど
そこにプロの気概が見られるのだ。
もっとも、同じ水平ラインに並ぶ照明器具と
等間隔に並べようなんていうことは
もともと目指していないだろう。
分担が違うし。
むしろ、高さを揃えてあるのが
スゴイことだったりする。
換気フードに挟まれた、
躯体打ち込み形の通気金物。
フードの芯に合わせるか、
フード上端に合わせるか、
悩ましいところでもある。
まかりまちがっても、
この距離で給気用フードに据えることは無い。
下水臭の供給源になってしまうから。
ただ、打ち込みの通気金物よりも
ワタクシは換気用フード流用のほうが好きかな。
デザインが合うし、
打ち込み手間もかからないし。
それに、古くなると錆びてくるイメージがある。
赤茶の錆色が、なんか古臭くて汚らしい感じがする。
完全に好みでしかないから、
人それぞれなんだと思うけど。
(「壁につくもの」おわり)