いや、設備用語じゃないんだ。
車乗りが「罠にハマる」という意味で使うこともあろう。
道路に数多存在するマンホールの蓋なのだけれども
下水道の熱が蓋上の雪を融かし、
しかし蓋以外の路面は融けないがために
蓋の部分だけ穴があいたようになる。
そこにタイヤがハマると
ガコッとなるのだ。
前面のエアロパーツなんか、
すぐにやられるし
ホイールカバーが外れてしまったりもする。
厄介な存在だ。
「断熱マンホール」という発想があって
研究も続けられているようだけれども
未だ満足に実用化されたという話も聞かない。
車としては、それが厄介なのであるが、
歩行者にとってはどうだろう。
雪と氷でツルツルになった歩道でも
マンホール部分だけは滑らずに済む、
そんなこともあるだろう。
穴があんまり深いと、
歩きにくいけれど。
それとは別に、
歩行者向けのマンホールトラップも
できてしまう。
レンガで舗装された通路には
たぶんロードヒーティングが施されているのだ。
だから、歩きやすいのだ。
けれども、マンホールのフタ部分だけには
ヒーティングが無い。
だから、そこだけ融けないのだ。
暗い時間帯で、
よく下を見ないであるいていると
蓋の上だけツルツルになっていて
スッテンコロリン、転びかねないのである。
水は、凍るとホントに厄介なものである。
冷たくて、キレイで、というだけの存在ではないのだ。
(「そこだけ融けない」おわり)