喉元過ぎれば……で
震災の記憶も、困難も、教訓も、
一般には忘れられがちである。
けれども、社会インフラにおいては
その教訓はしっかりと受け継がれていて
震災以降、今に至るまで、そして将来計画に至るまで
災害に対する耐性の強化が続けられている。
たとえば、浄水、給水、配水施設の耐震化。
配水管の可撓化。
断水時に地域への給水量を確保すべく
緊急貯水槽などの整備。
震災以降に投じられてきた莫大な投資はすべて
将来必ずやってくる災害に備えたものとなっている。
災害後のインフラ復旧も
国を挙げての緊急対応を進めた。
水道、下水、電力、通信。
道路、港湾、ヘリポート。
病院、避難所。
各方面の技術者・技能者が
全国から大量投入されて
地域の復旧に尽力したのである。
毎年のように発生し続ける、
豪雨、強風、洪水、地震、土砂崩れ、豪雪。
時々やってくる、強力台風。
頻繁ではないけれども何十年かに1回必ずくる
巨大地震と大津波。
いつかわからない、噴火。
自然が豊かで四季がはっきりしていて
風光明媚な国ではあるけれど
あらゆる自然災害の巣窟でもある日本列島。
それに対処するための戦いは
今も続いているのである。
(「災害に備えて」おわり)
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