青汁みたいだ。
なんとも、スゴイ色である。
壁面の状況からして、
それなりに水位変動があるようである。
あのタラップを、降りていく必要があったり
するんだろうか。
あの雨水管の奥には、
何かが棲んでいるだろうか。
そして、この川の下には、埋設物が。
とにかく、あちこちにいろんなモノが埋まってる。
管理台帳で把握されているモノ以外にも、
恐らくイロイロあるはずだ。
わかんないけど、
でも必要性があって掘ると、出てくる。
その度に、当事者は驚き、困り、悩み、
とにかく何か解決しなきゃならない。
ロケット打ち上げの失敗なんかがあると、
文系の方はとにかく騒ぎ立てるような気がする。
「中止」の時にだって、
「失敗って言いますっ」って捨て台詞を吐いたり。
当たり前のように出来ていることって、
じつは全然当たり前じゃぁなくって。
そこに、
多大な努力と研究と犠牲と時間と費用とが注ぎ込まれてなお、
不明なことや未解明なことが次々と出てきて
結果うまくいかないことも多々あるのだ。
ときどき、
「じゃあ、アンタ、やってみ?」
言ってやりたくなったりする。
もちろん出来っこないし、絶対逃げるだろうけどさ。
あんまり文系理系なんてカテゴライズして
分断を図るのはよろしくない事だとは思うのだけれども
技術系の仕事をしていると特に、
なんか、目について仕方がないんだよねぇ。
理系工学系の学部は人気が無いだとか、
技術系はブラックで避けられるとか、
薄給だけど働かされ放題で
責任は全部おっつけられるとか、
今に始まったことじゃないけれども
そういう「文化」って、あるよね。
でも、いいんだ。
この、川の下にひっそりと埋まる下水管のように、
認識されていなくっても、
だぁれも気にしていなくっても、
日頃は恩恵に与っている人たちによって
なんか不具合が生じた時だけ激しく罵倒されたとしても、
そんなもんだ、って思うだけのことなのだ。
さぁて、この国の科学技術は
これからどうなっていくんでしょうね。
文系の経営陣が
安くこき使える従順な技術者を求め続けるばかりだと
お先は暗いかな。
でも、大丈夫。
そうじゃない会社だって、
いっぱいあるんだ。
……そう思いたいね。
(「川底の下に埋まる」おわり)