見た目は多少古びていたとしても
中身の機能さえ果たすことができるなら
存在意義は、あるのである。
とある建物の中に据えられていたもの。
緑の消火栓箱に赤文字、
黄色の機器収納箱(総合盤)、
赤い粉末消火器。
信号色、なのである。
文字と押し釦とランプが赤ければ
他の部分は何色でも問題ない……かどうかは、
所轄消防に確認が必要であるけれども、
赤・緑・黄の信号色というのは初めて見た気がする。
記憶にないだけかもしれないけれど。
普通と異なる配色だと、
却って人々の印象に残りやすくて
非常時に良いのかもしれない。
やたらと赤色・赤文字を使うだけだと、
せっかくの注意喚起も慣れてしまうのかもしれない。
なあんて。
ごくたまに、こういうのを見かけるから
楽しいのであって、
どこもかしこもこんな感じだったら
有り難みが減じてしまうのだから
「ほどほど」がよろしいのだ。
(「信号色の消火栓」おわり)