気づくだろうか。
「換気塔」の存在に。
地下階だったり、地下街だったり、
地下通路だったり、地下駐車場だったり、
何なら地下鉄も、
凡そ地下にある空間のためには
外気を取り入れるため&排気のために
換気用の「出入口」が存在しているはずなのだ。
歩道の一部がグレーチングになっていて、
そこは実は換気口。
そんな所もたくさんあって、
マリリン・モンローの頃から意識はされ続けていたに違いないが
ちょうどその場に立ち止まる機会が無い限りは
普段は気にならない・気づかないものではあるまいか。
換気用に、でっかい換気塔が設けられていたとして
余程面風速が速くてゴオゴオと音をたてていない限り
なかなか視界に入ってこないのではないだろうか。
いや、その音さえも、
都会の喧騒に紛れてしまって
存在感を限りなく薄くしているに違いないのだ。
だから、意図して探す者だけが、
その存在に気づくことができる。
……のかもしれない。
街行くならば、探してみよう。
上向けばそこに在る、地下用の、鼻孔。
(「換気塔は気付かれるか」おわり)