地震時には、押えコンクリートが水槽(及びその中身)にかかる地震力によってバキバキと破壊されてしまうことと思います。
「押えコンクリート」は構造躯体としての耐力があるわけではありませんから、そんなものに水槽架台を固定しても意味無し。
水槽本体に生じる地震力、スロッシングによる荷重などには到底耐えられません。
よって、×。
地震時だけの問題ではありません。
例えば防水をやりかえるとき。
もしも防水層押えコンクリート上に水槽を乗せておくと、防水層の工事のために水槽まで撤去しなければならなくなります。
いわゆる「もらい工事」。
水槽に限らず、屋上に設置する機器類の基礎は、屋上スラブと一体化させ、屋根部分防水層との縁を切り、耐震性、改修容易性を持たせるよう計画した方がいいと思います。
いつもそのように要望を出します。
採否は、意匠屋さん任せですが……。ま、それは仕方ありません。
「設計者」は彼(or彼女)なのですから。
こちらは飽くまで「助言」する者に過ぎません。
「んじゃ、設備工事でやっといてね」
そういうご指示を頂戴することも、しばしばあります。
でも、躯体と一体の基礎は、建築工事にしておいたほうがいいと思います。
屋上スラブに変な傷をつけられたくないでしょう?
被り不足で鉄筋が露出して、そこからスラブ内部に水がさしていくのもイヤでしょう?
さすがにこの問題は正答率が高いようです。
なのに実務になるとさっぱり考慮されなくなるのは、なぜだろう。
(「19215 屋上基礎」おわり)
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