ガラス下部には放熱器が設置されている。
典型的なペリメーターのカウンターであり、
埋め込まれているファンコイルユニットも
典型的な付き方となっている。
室内側最下部のスリットから室内空気を吸い込み、
カウンター内に隠されている冷温水コイルで温度調節されて
カウンター上部の吹出口から空調空気が吹き出される。
ガラス面に当てて、
外界からの熱擾乱を極力緩和し
室内環境を快適に保つ。
そういう存在である。
ガラス上部にブリーズラインが配されていれば、
「典型的な」配置である。
しかし近年、冷温水システムを使用しない施設も増えた。
全部マルチエアコン(またはマルチガスヒーポン)で
賄えてしまう。
冷温水システムよりも、お守りがやりやすいし。
こういう造りが「典型的」ではなくなる日も
近いのかもしれない。
昔から言われているように、この世は移ろいゆくもので
変わらないものはそうそう無いのであるけれど、
「せつび」もまた、諸行無常なのである。
(「典型的なペリ放熱器」おわり)