換気や空調のリモコンと
照明やスピーカーのスイッチ、
インターホンとが
ずらりと並ぶ、そんな壁面なのだ。
いつだって、どんなときだって、
悩ましい。
どれを、その高さに、どの位置に、取り付けるのか。
それぞれの中央を揃えるのか、上端を揃えるのか、下端を揃えるのか。
それぞれの間隔はどうするのか。
全部おんなじデザイン、おんなじ寸法のものであれば
割合揃えやすい。
けれども、それぞれ幅や高さや厚みや形状や用途が違う。
どこにあったら、わかりやすいのだろう。
どこにあったら、操作しやすいのだろう。
どこにあったら、咄嗟の時に間違えにくいのだろう。
そして、どこにあったら、
いちばんバランスよく見えるんだろう。
取付前に、展開図や立面図を起こして
下地の位置や裏ボックスの位置を綿密に検討して
決められることって、多いだろうか?
なかなか、そんな余裕が、
時間的にも作業的にも心理的にも
無かったりするんじゃないだろうか。
いろんなものが付く建物だと
そのあたりの苦労や考察や思い切りが
垣間見られて興味深いものである。
でも結局、どんなに先々まで読み込んで検討しても、
その場のノリと雰囲気でエイヤッと決めても、
後々何らかの不便が明るみに出ることがあるし、
ぜんぜん何ともないこともある。
その辺を「経験」なんていう括りで済ませてしまったら
「伝承」が行われないわけなんだけれど、
いろんな制約は結局のところその現場限りのことも多いから
統一したものってなかなか作れないんだろうな。
そういうのって、AIの独擅場になってくるのかもね。
(「揃えられるものなら」おわり)