台風やら秋雨やら残暑やら、いろいろあるものの
収穫の秋であり、馬肥ゆる秋であり、
秋晴れの下で清々しい空気に触れられる季節でもある。
ニセコ町を、通った。
町内を縦貫する函館本線は、
現在建設中の北海道新幹線開通時には並行在来線として廃止されるようだ。
なので、このような姿を見られるのも、あと数年である。
ニセコ駅も、廃線に伴いその役割を終える。
しかし、まだ現在は運行しており、
駅前は秋真っ盛りの様相となっている。
食用ではない大型のカボチャが
これでもかと並べられ、積まれている。
わざわざ、こうやって並べるために作っているのか、
一般の作物のついでに作ったものが持ち寄られているのか。
費用をかけてというよりも、
ボランティが的な活動なのかもしれない。
冬期は隣町の倶知安と並んで
国内屈指のリゾート地として多くの客を呼び込む地であるが
他の季節でも、なかなかどうして素敵な場所である。
コロナが落ち着いてきたこともあろう、
国内各地からの観光客もそこそこ来ているようである。
格好の撮影スポットとして、
重宝されているようだ。
ただ、どこにでもいろんな人が居るようで、
このカボチャを地面に叩きつけて割って騒ぐ輩も
出てきていたようだ。
孫の目の前でふざけてって、年甲斐もなく……。
カラーの牛が、ちょっと異質!?
駅前には駐車場や温浴施設が設けられている。
よく見えないけれど、奥の方にある建物が、それだ。
この牛は、季節にかかわらずここにあるのだろうか。
それとも、カボチャと一緒でこの時期だけ?
田舎の駅前によくある、周辺のパノラマ地図。
左上が積丹半島、右が羊蹄山なのであるが
これをパッと見て北海道のどの辺だかわかるようなら
結構な北海道通かもしれない。
駅舎は、レトロな感じの造りである。
上のガラスの文字は、内部から読むことを想定されている。
WELCOME ではなくて、ENJOY なのだ。
無人駅ではないが、
運行列車の本数は少ない。
ホームにも、カボチャが並べられている。
じつは、近隣の道路脇にも並んでいる。
いったい、何個のカボチャがあることやら。
この看板も、あと数年で役割を終える。
鉄道が廃止になる際、その最終日には多くのファンが訪れる。
その日付の切符も良いとは思うのだけれど、
ほんとの「ファン」なら、普段から乗ればいいのに、とも思う。
利用者が少ないから、
採算が全然取れないから、
廃止されるのだ。
事業者側(あるいは自治体)の工夫次第で
何とかなる場合もあるだろう。
ローカル線の中には、いろんな努力で維持に努めているところも
確かにある。
けれど、ボランティアではないのだから
「採算」というのは絶対的に重要な要件なのだ。
これだけ車社会が進展してしまうと、
「鉄道」というインフラは経済的には厳しいのであろう。
貨物とか、国の根幹インフラとして位置づけるとか、
採算を度外視して維持するか、廃止するか、
どちらかしかないのであろう。
「地域の足」としては、既に役割を終えている。
撮り忘れたが、ダイヤを見れば一目瞭然だ。
この本数では、不便で仕方がない。
「地域の足」は、自動運転車に期待するしかないのかもしれない。
でもまだ、今なら鉄道で行ける。
駅で自転車をレンタルして、秋の北海道を堪能できる。
(「秋のニセコ」おわり)