ほんと、ちょっとした「せせらぎ」なのだ。
だが、その脇に、何やらあるのだ。
トンネル?
抗口部分が板で塞がれて、ドアが取り付けてある。
覗いてみる?
「ライト点けるから、見てね〜」
おお、中はドロドロである。
足跡が中に続いている。
どこへ続いていく?
これ、冒頭の川の上流部分へとつながっている。
この川の途中に、これからダムを造るのだという。
ダム建設時には川をせき止めてしまうのだけれども、
流れは下流に送ってやらねばならぬ。
そのための「バイパス管」としてのトンネルなんだそうだ。
制御弁装置のバイパス管とは、スケールが全く違う!
人間の尺度ではどう見たって「トンネル」であるが
河川を、流体を流す配管として捉えるならば
やはり「バイパス管」なのだ。
これだけスケールが異なると、
あらゆる点で違いが生じるのは仕方がない。
材料も、施工方法も、工期も、費用も。
……当然、設計費も、だよね。
(「バイパス管なんだって」おわり)