上を、見上げる。
だって、そこに水槽があるんだもん。
丸いやつ、四角いやつ、背の高いやつ。
掃除をするのが、
とても、とても怖そうな、水槽たち。
おお怖。
中で、虫やカラスや猫やヒトが浮いていないことを願う。
もっと上を、見る。
いやあ、込み入った電線たち。
狭い道路の限られたスペースに電柱が立ち、
道路上に精一杯の腕木を伸ばして
あらん限りの電線類を背負い込む。
張力負担のワイヤーも含めて
ごちゃごちゃ感が存分に出ている。
パッとしない天気だけれど、
悪いことばかりじゃないねぇ。
(「水槽と電線と」おわり)