2022年07月07日

所狭しと載るモノたち

都市の中心部あたりになると、
土地利用が上へ上へと伸びる傾向にある。


高価な土地を有効利用するには、
法律ギリギリまで容積率を稼ぐのが一番だから。



躯体形状は、道路斜線などで許される限界まで確保できるよう
ナナメになってしまうのは致し方ない。



でも設備機器は斜線制限の適用除外になったりするから
その気になれば結構置けたりする。



ああ、あそこにも、狭い所にびっしり並ぶ設備たちが居るじゃない。


22070701.JPG


隣のビルにも向こうのビルにも、
室外機やらキュービクルやら水槽やら冷却塔やら、
あらゆるモノが並べられている。



不思議と言えば不思議なんだけれども、
こんなに目立つモノがたっぷり載っかっているのに
その存在を意識する人は大変少ないのだ。


一般人だけではない。


「ケンチク」に関わる、特に意匠を気にする設計者においても
不思議なくらい、無頓着だ。



基本計画にも実施設計図にも内訳書にも記載されているのに
実際にモノがつくまで、その存在を気にすることがない。



クレーンで釣り上げられて、設置されてしまった後で

「目立つなぁ。邪魔だなぁ」

と言われても、そりゃ手遅れだ。



ま、でも暫くすれば、慣れるのだ。


じきに、視界から消え去るのだ。



そもそも、一般の人たちは
その存在に気付くことは無いのだ。永遠に。


だから、在っても無きが如くに扱われているから
問題ないのだ。



いざ故障したり古びたりして交換する段になると
またぞろ誰かの意識に上ってくるのだけれど。


それも、一時的なことである。
(「所狭しと載るモノたち」おわり)
posted by けろ at 21:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 設備一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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