そんな場所で。
敷地の分界ということだろうか、
擬木で作られた柵が設けてあった。
しかし、作られてから相当の年月が過ぎ
徐々に朽ちかけている、そんな擬木。
コンクリートが劣化して、部分的に剥がれ、
鉄筋が露出している。
そこから入り込んだ水分によって鉄筋が錆びて膨張し
ますますコンクリートを侵していく。
今まさに、その現場に居合わせているのである。
が、ここはまだマシなのであった。
なぜなら。
コンクリートが完全に脱落して
鉄筋1本が残されている部分もあったから。
あと何十年かすると、
鉄筋だけでできた柵が出来上がるのか、
その前に朽ちて倒れるのか、
あるいは修理、あるいは更新されるものか。
いかんせん、どこも予算が厳しいのだ。
なかなか、こういう所にまで
工事費が行き届きにくいのだ。
さて、この先どうなることだろう。
(「筋だけが残った」おわり)
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