出逢うことがある。
天候が荒れていなければ、そして時間が許すならば
なるべく出てみることにしている。
そこから、地上に居たのでは気づけない
何らかの眺望を望むことができるはずであるし、
単に○○だから高い所が好き、ということもあるし、
何より、室内からは見られない「せつび」たちが
そこに待っているからなのである。
最上階、もしくは塔屋から屋上に出ると
たいていその側面に配管類やケーブル類の取り出し口が
設けてあるものだ。
「ハト小屋」と呼ばれるそれに、
実際にハトが飼われている様子はついぞ見たことが無いのであるが、
キャットウォークには人間しか歩かず、
犬走りに猫が歩いているようなもので
その名詞自体にはさしたる深い意味は無いのである。
限られた空間に、詰め込みうる限りの「せつび」を貫通させて
室内と室外との連絡を確保している。
配管ラッキングの仕様が2種類あるのは、
施工時期の違いなのであろうか。
手前側の室外機の基礎は
屋根面の仕上げに比べて確かに新しそうでもある。
機器の名称がその外装鋼板に詳しく書かれていることもあるし、
このように「機番」のみの表示で済まされているもの、
何らの表示も無いもの、
現場によってさまざまである。
個人的には、表面に大きく表示するのは機番のみで
名称や系統など、設計やメンテなどの調査に携わる人間向けに
詳細をどこかに小さくて良いから明記しておいて欲しいと思う。
メーカーの仕様シールなども、
数十年劣化しづらいものにして欲しいと常々思う。
(徐々に改善されてきていると感じているが)
上の写真では、ダイキンのマルチエアコンと、
イトミックの給湯機とが並べられている。
エコキュートか何かであろうか。
接続配管のバルブハンドルの色が
往きと還りとで分けてあるのが面白い。
排気ファンが上部についているタイプの室外機のみ
防雪フードが被せてある。
横向きの部分は対策不要との
誰かの判断があったことであろう。
更に先には、排気ファンが置かれている。
「防雪フード」を設けるとはいえ、
室外機もファンも基礎の上に直置きだ。
それほどの積雪は無い地に違いない。
ハト小屋から何本も伸びる配管類の様子が
この角度だとわかるだろうか。
右端は、ダクト用のハト小屋だ。
もっぱら排気ダクト用のものと見受けられる。
もうちょっとハト小屋に近接して置くはずだったファンが
思いの外離れてしまったのかどうか。
横引きダクトが、ちょっと長めである。
まあ、あまり狭いと風量調整ダンパーも
取り付けづらかろう。
「チャンバー」というよりも、
「ダクト短管」のような、
サクションチャンバーがちょっと楽しい。
ちょっとだけ、
ほんのちょっとだけ、
ハト小屋側面の開口と
チャンバーから伸ばしたダクトとの
高さがズレちゃったんだ。
ほんのちょっと、なんだからね。
どこかから、そんな声が聞こえてきたりして。
どうせなら、
チャンバー側面に
点検口の一つも欲しかったんじゃないだろうか。
他人事ではあるけれど。
屋上から、いろんな景色が見えたし、
近景も遠景も楽しめた。
庭園に植えられた植物もまた
心和ませるものがあった。
それでも、鑑賞すべきは「せつび」じゃないかな!
(「屋上庭園の鑑賞」おわり)