北側外壁というのはあまり日射のあたらない面である。
太陽の良く当たる南面はきれいに着飾って
設備関係などがあまり表に出ないように計画されることが多い。
あとは、建物の立地やアプローチ面などを考慮して、
メインとなる面を決めて
そうではない面に「見た目の悪い」要素を並べることになる。
その対象となるのは、北面が多いのではなかろうか。
とある庁舎の北面。
北面の西側には、
おそらく、たぶん、トイレが配置されているんじゃないかな、
小さな窓が2つずつ、きっと男女トイレとして、
あるのでは、と思うのだ。
そして、天井面と梁下との間の横長の面を
換気用のガラリとして並べてある。
割合良く見られる配置である。
しかし、執務室部分とおぼしき壁面は
その表情を異にする。
大きなガラス面に、
棚状の何かが設けられている。
庇?
でも、北面だ。
夏場の朝と夕、限られた時間帯しか
日射が当たることはない。
当たるとしても、かなり斜めからだ。
では、ライトシェルフ?
直達日射は無いけれども
天空照度を室奥まで届ける効果がありそう。
各層に2枚設けられているのは、
上記それぞれの役割を持たせたものなのかな?
見ただけでは設計上の意図は図りかねるけれども
「ただの飾りだよん」ってことは無いだろう。
ちゃんと、何らかの意味付けが在るに違いない。
この棚をどのように支持するかも含めて、
外観イメージの形成に大きく影響している。
こういう影響力は、
設備には無いなぁ。
(「北側外壁にあるもの」おわり)
ただ各層2枚っていうのは説明できない...。
謎は深まるばかり...。
メンテナンス歩廊の可能性……ちょっと怖いかも。
すぐに答えがわからないことばかりですが
だから面白いとも言えるのかもしれません。