冬の諸々は忘れ去られていく。
しかしこの冬、全国各地で記録的な大雪であったことは
記憶しておかねばなるまい。
気候変動の影響か、
猛暑、豪雨、豪雪は
毎年のことになりつつあるのだから。
積雪の無かった地域は、
「積雪も有り得る」という視点が
必要になってくるのではあるまいか。
元々積雪のあった地域でも、
その量が倍になり得るという考察が
求められるようになってくるのではあるまいか。
「雪国マウント」という言葉があって、
「都心で大雪って、たった数cmで何を騒いでいるのやら」
と、雪国在住者があざ笑うということがあるようだ。
でも、「普段と異なる」状況に陥れば
それが雪だろうが風雨であろうが地震であろうが
混乱が生じてしまうのは仕方のないことだ。
ただ、設計者としては
「そういう事も起りうる」という視点が
有るのと無いのとでは
だいぶ違うことになりはしまいか。
「想定外」で
済ませてしまっても良いものか。
せめて
「想定としてはこういう事も有り得るけれども
その頻度と効果、予算上の都合も考慮して
設計上は割愛しています」
くらいの注釈は、しておかなければならない
時代になってきたのではあるまいか。
津波も、原子力災害も、戦争さえも、
「絵空事」ではない時代となってきている。
大変だわ。
(「雪に埋まる前提で」おわり)