2022年03月19日

札幌式トイレ

身障者用トイレ、
車いす対応トイレ、
オストメイト対応トイレ、
多目的トイレ、
だれでもトイレ


一般的な普通のトイレの他に、
障がいを持つ方、
体の不自由な方、
小さいお子さん連れの方、
人工肛門・人工膀胱となった方、
高齢の方、などが行動しやすい街づくりの一環として、
さまざまな「トイレ」が提案され、改良され、
設置されてきた。

これからもますます、設置されていくはずだ。



ひとくちに「障がい」と言っても
その状態は人それぞれに違って
いろいろ提案されているトイレといえども
全ての障がいの程度に対応可能なものなどは無い。



それでも、少しでも適用できる方が多いほうが良いわけで
札幌の方がお子さんの障がいを契機に 考案 された
「札幌式トイレ」というものがあるようだ。



なかなか実物を見る機会も無いのだけれど、
あった。


22031901.JPG



脳血管障害だと、その部位によって
左右どちらかに不自由を来すのであるが
たいていの「多目的トイレ」は、どちらかの不自由に対しては
効力を発揮できない造りである。


しかし上のような左右対称のものであれば、
どちらの体側に対しても対応可能と言える。



思ったより暗くて、ピントがイマイチ合っていなかったけれども
「こういう使い方ができる」という説明が貼ってあった。


22031902.JPG


説明であり、アピールであるのだろう。

一般にはあまり見かけないものだから。



いろんなタイプのトイレを各階に分散して配して
表示している 庁舎 もあるようだ。


もちろん、一般的なトイレを設置するのにくらべて
かなり費用がかかってしまうから
そしてスペース(床面積)もかなり取るから、
どこにでも設置できる代物ではないかもしれない。



でも、バリアフリー、近年ではユニバーサルデザインというものには
「ここまでで十分」という限界点は、たぶん無い。


性能とコストとのバランスなどを鑑みながら
これからも常に「ベター」を目指してゆくべきものであろう。



高齢化社会に向けて、
障がいの有無にかかわらず参画できる社会に向けて、
ニーズは高まる一方だ。


反面、少子高齢化で人口減少、経済縮小に伴って
設置や維持に関する費用を掛けづらくなってくるのも事実。


その時々に、完璧ではなくてどこか妥協した形のものを
設けざるを得なくもなる。



悩ましくもあるけれど、
またそれこそが設計者のメシの種でもあり、社会貢献でもある。


それもこれも、平和であってこそなのだけれども。
(「札幌式トイレ」おわり)
posted by けろ at 14:00| Comment(0) | 衛生設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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