何やら上の方から金属音がしてくる。
金属管どうしがぶつかるような音、というのが
正確だろうか。
見上げる。
足場の解体作業が進行中であった。
外壁に関する作業があったんだね。
それらが一段落して、足場はお役御免となったんだね。
しかし、この寒い中(雪が積もってる)、
外で、しかも上空での作業、
大変だ。
そもそも、高い場所だから、普通の人間にとっては
怖いところだろうに。
そういうトコロが好きなナントカも居るというけれど、
ワタクシはそのナントカの部類に入るんだろうけれど
でも高いところは決して得意ではない。
何ごとも例外はあるものだ。
壁や窓のある安全の確保された高い所なら
他の建物のいろんな設備が見えるから好きなんだけれども
こういう吹きっ晒しのところはテンでダメである。
たといフルハーネスを装着していたとしても。
ただ、寒かろうが、高くて怖かろうが、
誰かがやらなくちゃならない仕事でもあって
従事しておられる方々には有り難く思うものである。
ボランティアじゃなくて仕事としてやっているのであって
給料ももらえるんだから、
当然だと宣う方もおられるだろうし
まあそういう観点も間違ってはいないと思うんだけれども
それでも「自分が出来ないことを出来る人」には
単純に「すごいなぁ」と感じるものである。
スポーツでも芸術でも特技でも
その道である域に達している方たちというのは
とにかくスゴいものだ。
建設業は、そんなスゴい人たちの集団によって
成り立っている。
最近は不人気職業らしいけど、
無くなりはしないよね。
ニンゲンが居る限り。
目下の問題は、
その「ニンゲンが居る」という前提が
覆りかねないという世界情勢にあるのだけれど。
(「怖いけど誰かがやらないと」おわり)