ダクトの途中に挟み込まれているもので
たいていはその外観しか見えない。
外観といえば、単にフランジで挟まれた鉄板でしかない。
そやつに、モーターがくっついていて
送られてくる電源によって、開閉したりするように
なっているのが、電動ダンパーである。
ただ、何ごとにも例外ってものがあって、
途中に挟み込まれていないヤツにお目にかかることも
無いわけじゃぁない。
おお、あった、あった。
あんまり見かけない有り様だけれども
機械室なんかだったら、これもアリっちゃアリだ。
それなりに年季を経ているようであって
いい具合(?)に錆が回ってきている。
下のほうほど錆が進んでいる。
たぶん、地球の重力のせいだね。
新しい電動ダンパーだったら、
駆動部はもっとコンパクトなものであるが
こいつはちょっと古そうなやつだから
今風じゃぁない。
こいつのために伸ばされてきた電線管、
専用となっているプルボックスから伸びる、
可とう電線管。
そして結構でっかいボックスに納められたモーターが動くと
腕を動かして、クランクなんかでうまい具合に調整されて
ダンパーの羽根が揃って開くようになっているようだ。
ふつうは、手前にもダクトが接続されているから
こんな中身は見えない。
見えないけれど、まあそんなもんだと思っているけれど
こうやって見えるところがあると、なんか嬉しいもんだ。
見えなくったって、ちゃんと中身はあるんだけどね。
ワタクシの脳みそみたいなもの?
何を言う、ブツはあるけど、情報も格納されてないし
処理能力もねぇだろう、って?
それに比べりゃ、ちゃんと働くダンパーは
偉いものである。
なんて言うけどさ、
記憶力や思考力が大して無くったって、
脳細胞や神経細胞の働きって
結構スゴいんだぜ?
意識してなくったって、
あちこちの臓器の働きや、血中の物質濃度や、
バランス感覚や、光を通じた情報処理なんかを
事細かにやってるんだぜ?
「せつび」は、生体に比べたら
とっても単純明快なのである。
(「電動ダンパーの中身」おわり)