コロナ以前であれば、「さっぽろ雪まつり」開催直前で
準備たけなわといった時期であるはずなのだが
そんな気配は全く無い。
でも、ちょっとしたプレハブと、重機とがあったりする。
何をしているのか?
公園内に、雪の山がある。
台地状になっている。
数台の重機と、作業員と、ここにやってくるために使った乗用車などが
ちらほら見える。
向こうでは、重機が稼働中であった。
雪山の上で、何やら格闘(?)している。
ひたすら山を崩して、山を低く、上部を平坦にしているようだ。
申し訳程度のバリケードがあって、
何やら表示が貼り付けてある。
そう。
ここでは「雪まつり」の準備が行われていたのだ。
「いた」のだ。
過去形なのだ。
新型コロナウイルス感染症の状況が秋以降落ち着いていたから
でも世界的にはオミクロン株の大流行が報じられていたから
昨年中止された「さっぽろ雪まつり」を
規模を大幅に縮小して実施する計画が進められていた。
しかし年明け以降、国内での急激な感染拡大を受けて
「中止」の苦渋の決断をした結果
既に製作中であった雪像(例年よりはかなり規模を縮小した計画)が
敢えなく取壊しの沙汰となった、ということのようだ。
重機や作業員は、ひたすら取壊し作業を遂行中なのであった。
バリケードの表示は、「設営のため」のままである。
わざわざ「取壊しのため」と付け替える必要性も無いだろうし
気力も湧いてこないだろう。
実行委員会の皆さんのご苦労と落胆を推測せざるを得ない。
年末に開催されていたはずの「ホワイトイルミネーション」の
来場者向け看板が虚しく(?)残されていた。
ニンゲンのいろんな施策や対応策をあざ笑うかのように
一気に進行する感染拡大。
5類がどうとか、「まん防」の有効性云々とか、経済を止めるなとか
多くの意見・見解があって、議論があって、批判や擁護が入り乱れ、
とにかく何が正解なのか、
わかっていることと未知の事との境界がどこにあるのか、
感染症や公衆衛生の世界に関わりのなかった者としては
理解しづらい事が多い。
ここぞとばかりにしたり顔で説明する方々も多くいるし
ネット界隈では声の大きな方々も多数出没しているけれど
その真偽や信頼性を判断する材料が、素人にはよくわからない。
ま、mRNAワクチンの効果にしても、
三密回避その他の個々人による対策にしても、
地方自治体や政府による政策にしても、
何となくそれなりに自分のアタマで考えた範囲内で
対応していくしかない。
とにかく、時代は変わったということなのである。
それに尽きる。
今までと変わった世界が、眼前にある。
それは、現実なのだ。
(各種大雪像や飲食物販の仮設店舗がひしめき合っていたはずの大通公園)
(「雪像になる筈だったけれど」おわり)