2022年01月24日

大きな吹出口の羽根

吹出口や吸込口って、
じつはいろんな種類があるのだ。


結構大きなやつを見かけたから、
記念に(?)撮っておいた。


22012401.JPG


VHS と呼ばれるタイプの吹出口である。


ビデオテープじゃないからね。

V(垂直方向)とH(水平方向)とに
可動の羽根がついたやつで。

ユニバーサル形吹出口

っていうのが、国交省の呼び名である。


写ってないけれど、奥にはS(シャッター)もあって
開度調整による風量調節ができる。



画像をよく見ると、
羽根の向きや角度を微妙に動かしてあって、
吹き出す空気が周囲にある程度拡散されるように
調節されている。


垂直方向の羽根だけがあるやつは、V
それにシャッターがついていれば、VS

水平方向だけだと、H
シャッター付きなら、HS

垂直水平両方の羽根があれば、VH
これにシャッターがつくと、VHS


こんな感じで表現する。



吸込口だと、あんまり風の向きは関係ないから
羽根を動かせる構造である必要性は低い。

だから、羽根じゃない単なる格子(グリル)のものを
使用することも多い。

垂直グリルだけなら、GV
シャッター付きで、GVS

水平グリルだけなら、GH
シャッター付きで、GHS


わかりやすいでしょ?



ダクト図にある「制気口リスト」を見ると、
こんな記号が出てくる。

意匠設計の方は、これを知っていると
多少は内装表現に合わせた選定が可能かも。


っていうほどバリエーションがあるわけじゃないけどね。



あんまり大きな制気口になると、
内側の亜鉛鉄板ダクトが見えてしまって
妙な輝きを感じることがあるから、
制気口のネックダクトを黒く塗装することを
指定される場合もある。

ネックダクトが短ければ、
ボックス内部も塗っておくと、見えない。



ほんとうは、
でっかい制気口をででんとつけるよりも
小さな制気口をたくさん散りばめたほうが
空気質や気流や温度の均一化を図れるのだけれど
小分けにすればするほどダクト工事(とそれに伴う保温工事)の費用も
高くつくようになる。

だから、建築費を安く上げたい建物ほど
制気口はでっかくなるのだ。
(「大きな吹出口の羽根」おわり)
posted by けろ at 08:00| Comment(0) | 空調設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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